人事・採用に必要なスキルは「コンプライアンス」「ビジネスマナー」「論理的思考」などがあります。
この記事では、今まで3,000人以上のキャリアチェンジを支援してきた当社・株式会社オープンアップITエンジニアが、現役で人事・採用として働いている方116人にアンケートを実施し、人事・採用として必要とされるスキルについてランキング形式でまとめたものです。
また、未経験から人事・採用を目指している方のために、スキルの身につけ方や人事・採用に向いている人はどんな人なのか?についてもまとめています。
人事・採用への転職やキャリアチェンジを目指している人はぜひ参考になさってください。
【アンケートの調査概要】
- 調査期間:2023年12月7日~12月8日
- 調査機関:アイブリッジ株式会社
- 調査対象:現職の人事・採用の人116名
- 調査方法:インターネットのアンケートツールを活用した調査
※複数回答可の設問では、回答数の合計が116にならない場合があります。
この記事の目次
【116人が回答】人事・採用に必要なスキルランキング
順位 | スキル | 回答数 |
---|---|---|
1位 | コンプライアンス | 57 |
2位 | ビジネスマナー | 54 |
3位 | 論理的思考 | 45 |
4位 | 問題解決スキル | 27 |
5位 | コミュニケーションスキル | 26 |
6位 | ロジカルシンキング | 19 |
7位 | 戦略策定スキル | 15 |
8位 | クリティカルシンキング | 13 |
9位 | 言語化能力 | 13 |
10位 | 情報収集スキル | 12 |
上記が必要なスキルの一覧です。では、それぞれのスキルがなぜ必要とされるのかを順に考察していきましょう。
1位:コンプライアンス
人事・採用に必要なスキル1位はコンプライアンスで、回答数は57件。全体の16%を占める割合でした。
人事・採用においてコンプライアンスを遵守することは、企業の「信頼」を守るためです。
人事・採用は、企業の顔とも言える重要な業務です。採用活動において、コンプライアンスに違反した行為が認められた場合、企業の信頼を損なうだけでなく、訴訟や行政処分の対象となり、大きな損害が発生する可能性があります。
また、コンプライアンスは、企業の「公正性」を示すものです。採用活動において、公正に行われていないことが判明した場合、応募者や社員の不信感を招き、企業の評価を下げる可能性があります。
そのため、人事・採用においては、コンプライアンスの遵守が欠かせません。採用担当者は、コンプライアンスの基本を理解し、常に遵守する意識を持つことが重要です。
2位:ビジネスマナー
人事・採用に必要なスキル2位はビジネスマナーで、回答数は54件。全体の16%を占める割合でした。
人事・採用においてビジネスマナーが重要な理由は、企業の「印象」と「信頼」を高めるためです。
人事・採用は、企業の顔とも言える重要な業務です。採用活動において、ビジネスマナーが不十分であると、応募者や社員に悪い印象を与え、企業の印象を下げてしまいます。
例えば、面接で身だしなみが整っていない、遅刻や欠席をする、態度が横柄であるなど、ビジネスマナーに欠ける対応をすると、応募者は「この会社で働きたいとは思えない」と感じてしまいます。また、社員から見ても「この会社はビジネスマナーが重視されていない」という印象を与え、企業の信頼を損ねる可能性があります。
そのため、人事・採用においては、採用担当者がビジネスマナーを身につけ、常に意識して行動することが重要です。ビジネスマナーを身につけることで、応募者や社員に好印象を与え、企業の印象と信頼を高めることができます。
具体的には、以下の点に注意するとよいでしょう。
- 身だしなみを整える
- 時間厳守をする
- 丁寧な言葉遣いをする
- 相手の話をよく聞く
- 積極的にコミュニケーションをとる
これらのビジネスマナーを身につけ、採用活動をより効果的に進めましょう。
3位:論理的思考
人事・採用に必要なスキル3位は論理的思考で、回答数は45件。全体の13%を占める割合でした。
人事・採用において論理的思考が重要な理由は、「適切な人材を採用するため」です。
人事・採用の目的は、企業のニーズに合った人材を採用することです。そのためには、応募者のスキルや経験、性格などを客観的に評価し、企業にとって最適な人材を選ぶ必要があります。
論理的思考力を身につけることで、応募者の情報を正確に理解し、客観的に評価することができます。また、さまざまな情報を整理して、最適な人材を選ぶための戦略を立てる際にも役立ちます。
具体的には、以下の点に論理的思考力が役立ちます。
- 応募者のスキルや経験を評価する
- 応募者の性格や価値観を評価する
- 応募者の志望動機や自己PRを評価する
- 採用プロセスを設計する
論理的思考力を身につけ、適切な人材を採用するために役立てましょう。
4位:問題解決スキル
人事・採用に必要なスキル4位は問題解決スキルで、回答数は27件。全体の8%を占める割合でした。
人事・採用において問題解決スキルが重要な理由は、「採用活動における課題を解決するため」です。
人事・採用においては、さまざまな課題が発生する可能性があります。例えば、
- 応募者の減少
- 採用コストの増加
- 採用ミスマッチの発生
などが挙げられます。
問題解決スキルを身につけることで、これらの課題を解決するための施策を立案・実行することができます。また、採用活動のPDCAサイクルを回し、効果的な採用活動を継続的に行うためにも役立ちます。
具体的には、以下の点に問題解決スキルが役立ちます。
- 採用プロセスの改善
- 採用コストの削減
- 採用ミスマッチの防止
- 採用活動の成果向上
問題解決スキルを身につけ、採用活動における課題を解決し、より効果的な採用活動を実現しましょう。
5位:コミュニケーションスキル
人事・採用に必要なスキル5位はコミュニケーションスキルで、回答数は26件。全体の7%を占める割合でした。
人事・採用にとってコミュニケーションスキルが重要な理由は、「採用活動のあらゆる場面で必要になるため」です。
人事・採用の業務において、コミュニケーションスキルが求められる場面は多々あります。例えば、
- 応募者との面接
- 社員との連携
- ステークホルダーとのコミュニケーション
などが挙げられます。
コミュニケーションスキルを身につけることで、これらの場面で円滑なコミュニケーションを図ることができ、採用活動を成功に導くことができます。
具体的には、以下の点にコミュニケーションスキルが役立ちます。
- 応募者の意向を正確に把握する
- 応募者に企業や仕事の魅力を伝える
- 社員の協力を得て採用活動を進めていく
- ステークホルダーと良好な関係を築く
コミュニケーションスキルを身につけ、採用活動のあらゆる場面で活躍しましょう。
6位:ロジカルシンキング
人事・採用に必要なスキル6位はロジカルシンキングで、回答数は19件。全体の5%を占める割合でした。
人事・採用の目的は、企業のニーズに合った人材を採用することです。そのためには、応募者のスキルや経験、性格などを客観的に評価し、企業にとって最適な人材を選ぶ必要があります。
論理的思考力を身につけることで、応募者の情報を正確に理解し、客観的に評価することができます。また、さまざまな情報を整理して、最適な人材を選ぶための戦略を立てる際にも役立ちます。
具体的には、以下の点に論理的思考力が役立ちます。
- 応募者のスキルや経験を評価する
- 応募者の性格や価値観を評価する
- 応募者の志望動機や自己PRを評価する
- 採用プロセスを設計する
論理的思考力を身につけ、適切な人材を採用し、採用活動を効果的に進めましょう。
7位:戦略策定スキル
人事・採用に必要なスキル7位は戦略策定スキルで、回答数は15件。全体の4%を占める割合でした。
人事・採用の目的は、企業の経営目標を達成するために必要な人材を獲得することです。そのためには、企業の経営目標を理解し、それに沿った採用戦略を策定する必要があります。
戦略策定スキルを身につけることで、企業の経営目標を達成するために必要な人材を定義し、それらを獲得するための戦略を立案することができます。また、採用活動の成果を測定し、PDCAサイクルを回すことで、より効果的な採用戦略を継続的に改善することができます。
具体的には、以下の点に戦略策定スキルが役立ちます。
- 企業の経営目標を理解する
- 採用目標を定義する
- 採用チャネルを検討する
- 採用プロセスを設計する
- 採用活動の成果を測定する
戦略策定スキルを身につけ、企業の経営目標を達成し、優秀な人材を獲得しましょう。
8位:クリティカルシンキング
人事・採用に必要なスキル8位はクリティカルシンキングで、回答数は13件。全体の4%を占める割合でした。
人事・採用においては、さまざまな意思決定を行う必要があります。例えば、
- 採用基準の設定
- 採用チャネルの選定
- 採用プロセスの設計
- 採用結果の評価
などが挙げられます。
クリティカルシンキングを身につけることで、これらの意思決定において、さまざまな情報を客観的に分析し、最適な判断を下すことができます。また、バイアスや思い込みに陥ることなく、正確な判断を下すためにも役立ちます。
具体的には、以下の点にクリティカルシンキングが役立ちます。
- 採用基準を明確にする
- 採用チャネルを効果的に選択する
- 採用プロセスを改善する
- 採用結果を正確に評価する
クリティカルシンキングを身につけ、採用活動における意思決定を適切に行うために役立てましょう。
9位:言語化能力
人事・採用に必要なスキル9位は言語化能力で、回答数は13件。全体の4%を占める割合でした。
人事・採用の業務において、言語化能力が求められる場面は多々あります。例えば、
- 採用基準を定義する
- 採用プロセスを設計する
- 応募者に企業や仕事の魅力を伝える
- 採用結果を評価する
などが挙げられます。
言語化能力を身につけることで、これらの場面で自分の考えや意図を的確に伝えることができ、採用活動を成功に導くことができます。
具体的には、以下の点に言語化能力が役立ちます。
- 採用基準を明確にする
- 採用プロセスをわかりやすく説明する
- 応募者に企業や仕事の魅力を伝える
- 採用結果を客観的に評価する
言語化能力を身につけ、採用活動のあらゆる場面で活躍しましょう。
10位:情報収集スキル
人事・採用に必要なスキル10位は情報収集スキルで、回答数は12件。全体の3%を占める割合でした。
人事・採用においては、さまざまな意思決定や実行を行う必要があります。例えば、
- 採用基準の設定
- 採用チャネルの選定
- 採用プロセスの設計
- 採用結果の評価
などが挙げられます。
これらの意思決定や実行を行うためには、さまざまな情報を収集し、分析する必要があります。情報収集スキルを身につけることで、必要な情報を効率的に収集し、正確に分析することができます。
具体的には、以下の点に情報収集スキルが役立ちます。
- 採用基準を明確にする
- 採用チャネルを効果的に選択する
- 採用プロセスを改善する
- 採用結果を正確に評価する
情報収集スキルを身につけ、採用活動の意思決定や実行をより効果的に行うために役立てましょう。
人事・採用に必要なスキルを身につけるには?
人事・採用に必要なスキルは上記のとおりです。では、これらのスキルはどうすれば効率よく身につけることができるのでしょうか?主な方法は下記2つです。
- 未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ
- スクールに通って資格の取得と合わせて学ぶ
順に解説していきます。
未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ
企業の中には前職のスキルや経験を問わず「未経験OK」で雇用してくれるところがあり、入社後に研修や実際の業務の中で、実践的なスキルを身につけることができます。
給料をもらいながら、その職業に必要なスキルや知識を学ぶことができるのは大きなメリットであり、スキルを身につければ即戦力として活躍することも見込めますし、キャリアアップの可能性が広がります。
ただし、未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジする際には、自分に足りないスキルが何なのか棚卸しして明確にしておきましょう。
加えて、企業研究をして、その企業が本当に自分に合っているのか、自分の身につけたいスキルを学ぶことができるのかを判断しておくことが重要です。
スクールや通信学習で資格の取得と合わせて学ぶ
もうひとつは「スクールや通信学習で学ぶ」方法です。
スクールでは、プロの講師が体系的にスキルを教えてくれます。また、通信学習では資格取得を前提としたコースやカリキュラムを選ぶことで転職・キャリアチェンジの際に有利な資格も同時に取得できるため、効率よくスキルを身につけるだけでなく「手に職をつける」ことも可能です。
ただし、スクールや通信学習は、スクールの質(カリキュラムの内容や講師の質、対応時間や取得可能な資格の種類など)と、未経験OKの企業と違い費用がかかる点に注意が必要です。
なお、特定の資格によっては国が資格取得を支援する「教育訓練給付金」という補助金制度が適用となり、安く受けられる場合もあります。
※例:スクールなら「Winスクール」「TAC」通信学習なら「ユーキャン」などが代表的です。資格を取りたい方はスクールや通信学習で学ぶことも検討してみましょう。
人事・採用に向いている人の特徴
次に人事・採用に向いている人はどんな人なのでしょうか?同じく現職の人事・採用の方に聞いたアンケートの結果では、下記のような性格の人が人事・採用に向いているとの回答がありました。
- 聞き上手
- 外交的
- 忍耐力が高い・粘り強い
より詳しくは下記記事で書いていますので合わせてお読みください。
※詳細:人事・採用に向いている人の性格・特徴ランキング!【現役人事・採用116人が回答】
人事・採用に必要なスキルに関するその他の疑問と答え
最後に、その他人事・採用に必要なスキルが気になる方がお持ちの疑問について回答します。
人事・採用の仕事内容とは?
人事・採用の仕事は、企業が必要な人材を採用するための活動です。具体的には、以下の業務を担当します。
- 採用計画の立案
- 採用チャネルの選定
- 求人票の作成
- 応募者対応
- 面接
- 内定出し
- 入社後のフォロー
人事・採用の仕事は、企業の成長を支える重要な仕事です。企業の経営目標を達成するために必要な人材を採用するために、さまざまな業務を担当します。
人事・採用は未経験から転職・キャリアチェンジできる?
結論、人事・採用に未経験から転職・キャリアチェンジすることは可能ですが、しやすい年齢は30歳前までと覚えておくといいでしょう。
これは、20代のうちであれば未経験の職種に転職してからも経験を積んだり勤務する期間が長く、知識やスキルを新たに身につけるスピードも早いためと考えられます。
逆に30代以上の転職となると、実績や経験を重視して見られるようになるため、年齢を重ねるにつれてハードルは徐々に高くなっていきます。
現に、当社が実施したキャリアチェンジに関するアンケートでは、未経験から転職・キャリアチェンジをした人の約8割が「32歳までの間で行った」と回答しています。
ちなみに、「今まで経験した職種と近いジャンルの職種へ転職・キャリアチェンジすること」、「将来のキャリアプランを考えること」で、より成功率をあげられるとの回答もありますので、より詳しくは下記記事をご覧になってみてください。
※詳細:キャリアチェンジとは?転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】
人事・採用に必要なスキルを身に着けて、転職・キャリアチェンジを有利に進めよう
冒頭でも書いたように、人事・採用に必要なスキルは「コンプライアンス」「ビジネスマナー」「論理的思考」などがあります。
事前に身に着けておくことで、未経験から転職・キャリアチェンジした場合でも早く仕事に慣れることができたり、評価・給与があがったりなど、多くのメリットが得られるでしょう。
この記事でご紹介したスキルはすべて現職の方たちが回答したリアルな結果になっていますので、ぜひ参考にしてください。
なお、未経験の職種へ転職・キャリアチェンジを目指している人は「キャリアチェンジとは?」の記事も合わせてお読みください。
キャリアチェンジを経験した人に当社が独自にアンケートを実施し、キャリアチェンジすることのメリット・デメリットやコツなどをランキング形式でご紹介しています。
また、職種ジャンルごとのデータまで幅広くまとめています。具体的に目指したい職種が決まっている人も、「とにかく今の職種をやめてキャリアチェンジしたい」と漠然と思っている人にも参考になると思います。
※詳細:キャリアチェンジとは?転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】
この記事の監修者・著者
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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