技術者・研究職に必要なスキルは「問題解決スキル」「論理的思考」「コンプライアンス」などがあります。
この記事では、今まで3,000人以上のキャリアチェンジを支援してきた当社・株式会社オープンアップITエンジニアが、現役で技術者・研究職として働いている方537人にアンケートを実施し、技術者・研究職として必要とされるスキルについてランキング形式でまとめたものです。
また、未経験から技術者・研究職を目指している方のために、スキルの身につけ方や技術者・研究職に向いている人はどんな人なのか?についてもまとめています。
技術者・研究職への転職やキャリアチェンジを目指している人はぜひ参考になさってください。
【アンケートの調査概要】
- 調査期間:2023年12月7日~12月8日
- 調査機関:アイブリッジ株式会社
- 調査対象:現職の技術者・研究職の人537名
- 調査方法:インターネットのアンケートツールを活用した調査
※複数回答可の設問では、回答数の合計が537にならない場合があります。
この記事の目次
【537人が回答】技術者・研究職に必要なスキルランキング
順位 | スキル | 回答数 |
---|---|---|
1位 | 問題解決スキル | 227 |
2位 | 論理的思考 | 156 |
3位 | コンプライアンス | 133 |
4位 | コミュニケーションスキル | 118 |
5位 | ビジネスマナー | 117 |
6位 | 分析スキル | 106 |
7位 | その他専門的なスキル・知識 | 104 |
8位 | ロジカルシンキング | 101 |
9位 | 情報収集スキル | 73 |
10位 | マネジメントスキル | 67 |
上記が必要なスキルの一覧です。では、それぞれのスキルがなぜ必要とされるのかを順に考察していきましょう。
1位:問題解決スキル
技術者・研究職に必要なスキル1位は問題解決スキルで、回答数は227件。全体の14%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「問題解決スキル」は、技術的な課題や研究テーマを論理的に分析し、創造性と独創性を発揮しながら、最適な解決策を導き出すために必要不可欠なスキルであり、専門知識と経験を活かし、チームワークやコミュニケーション能力と組み合わせることで、より高い成果を達成できます。
2位:論理的思考
技術者・研究職に必要なスキル2位は論理的思考で、回答数は156件。全体の10%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「論理的思考」は、複雑な問題を要素に分解し、因果関係を明確に把握することで、客観的かつ効率的に問題解決を導き出すために必要不可欠なスキルであり、仮説構築、検証、データ分析、結論導出などを正確に行うことで、信頼性の高い成果を生み出すことができます。
3位:コンプライアンス
技術者・研究職に必要なスキル3位はコンプライアンスで、回答数は133件。全体の8%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「コンプライアンス」は、倫理的な行動や法令遵守を徹底することで、研究開発の信頼性を高め、社会に貢献するために必要不可欠であり、不正行為や情報漏洩などのリスクを防ぎ、企業や組織の社会的責任を果たすために重要な役割を果たします。
4位:コミュニケーションスキル
技術者・研究職に必要なスキル4位はコミュニケーションスキルで、回答数は118件。全体の7%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「コミュニケーションスキル」は、チームメンバーや関係者と円滑な意思疎通を図り、情報共有や意見交換を促進することで、研究開発を円滑に進め、成果を最大化するために必要不可欠であり、専門知識をわかりやすく説明する能力や、異なる意見を尊重し、協働する姿勢は、チームワークを強化し、イノベーション創出にも貢献します。
5位:ビジネスマナー
技術者・研究職に必要なスキル5位はビジネスマナーで、回答数は117件。全体の7%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「ビジネスマナー」は、社会人としての基本的な礼儀を備え、周囲との信頼関係を築き、円滑な業務遂行やキャリアアップを実現するために必要不可欠であり、専門知識や技術力に加え、コミュニケーション能力や協調性などのソフトスキルを向上させることで、より高い成果を達成できます。
6位:分析スキル
技術者・研究職に必要なスキル6位は分析スキルで、回答数は106件。全体の7%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「分析スキル」は、膨大な量の情報やデータを収集・整理し、統計分析やデータマイニングなどの手法を用いて客観的に分析することで、問題の根本原因や課題の本質を明らかにし、最適な解決策を導き出すために必要不可欠なスキルであり、専門知識と経験を活かし、論理的思考と創造性を組み合わせることで、イノベーション創出や技術開発の成功に貢献します。
7位:その他専門的なスキル・知識
技術者・研究職に必要なスキル7位はその他専門的なスキル・知識で、回答数は104件。全体の6%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「その他専門的なスキル・知識」は、それぞれの専門分野における高度な知識と技術を習得することで、専門性の高い業務を遂行し、研究開発を推進するために必要不可欠であり、問題解決能力やコミュニケーション能力などの汎用的なスキルと組み合わせることで、より高い成果を達成し、社会に貢献できます。
8位:ロジカルシンキング
技術者・研究職に必要なスキル8位はロジカルシンキングで、回答数は101件。全体の6%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「ロジカルシンキング」は、複雑な問題を要素に分解し、因果関係を明確に把握することで、客観的かつ効率的に問題解決を導き出すために必要不可欠なスキルであり、仮説構築、検証、データ分析、結論導出などを正確に行うことで、信頼性の高い成果を生み出すことができます。
9位:情報収集スキル
技術者・研究職に必要なスキル9位は情報収集スキルで、回答数は73件。全体の5%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「情報収集スキル」は、最新技術や研究動向を常に把握し、自身の専門分野の知識をアップデートすることで、イノベーション創出や研究開発の成功に貢献するために必要不可欠なスキルであり、効率的な情報検索、情報の信頼性評価、情報源の管理など、情報収集の過程で培われるスキルは、研究開発のあらゆる場面で役立ちます。
10位:マネジメントスキル
技術者・研究職に必要なスキル10位はマネジメントスキルで、回答数は67件。全体の4%を占める割合でした。
技術者・研究職にとって「マネジメントスキル」は、研究開発プロジェクトを推進し、チームメンバーを効果的に指導・育成することで、研究開発の成果を最大化するために必要不可欠であり、専門知識と技術力に加え、リーダーシップ、コミュニケーション能力、計画力、問題解決能力などのスキルを向上させることで、より高い成果を達成できます。
技術者・研究職に必要なスキルを身につけるには?
技術者・研究職に必要なスキルは上記のとおりです。では、これらのスキルはどうすれば効率よく身につけることができるのでしょうか?主な方法は下記2つです。
- 未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ
- スクールに通って資格の取得と合わせて学ぶ
順に解説していきます。
未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ
企業の中には前職のスキルや経験を問わず「未経験OK」で雇用してくれるところがあり、入社後に研修や実際の業務の中で、実践的なスキルを身につけることができます。
給料をもらいながら、その職業に必要なスキルや知識を学ぶことができるのは大きなメリットであり、スキルを身につければ即戦力として活躍することも見込めますし、キャリアアップの可能性が広がります。
ただし、未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジする際には、自分に足りないスキルが何なのか棚卸しして明確にしておきましょう。
加えて、企業研究をして、その企業が本当に自分に合っているのか、自分の身につけたいスキルを学ぶことができるのかを判断しておくことが重要です。
スクールや通信学習で資格の取得と合わせて学ぶ
もうひとつは「スクールや通信学習で学ぶ」方法です。
スクールでは、プロの講師が体系的にスキルを教えてくれます。また、通信学習では資格取得を前提としたコースやカリキュラムを選ぶことで転職・キャリアチェンジの際に有利な資格も同時に取得できるため、効率よくスキルを身につけるだけでなく「手に職をつける」ことも可能です。
ただし、スクールや通信学習は、スクールの質(カリキュラムの内容や講師の質、対応時間や取得可能な資格の種類など)と、未経験OKの企業と違い費用がかかる点に注意が必要です。
なお、特定の資格によっては国が資格取得を支援する「教育訓練給付金」という補助金制度が適用となり、安く受けられる場合もあります。
※例:スクールなら「Winスクール」「TAC」通信学習なら「ユーキャン」などが代表的です。資格を取りたい方はスクールや通信学習で学ぶことも検討してみましょう。
技術者・研究職に向いている人の特徴
次に技術者・研究職に向いている人はどんな人なのでしょうか?同じく現職の技術者・研究職の方に聞いたアンケートの結果では、下記のような性格の人が技術者・研究職に向いているとの回答がありました。
- 忍耐力が高い・粘り強い
- 協調性が高いチームワークを大切にする
- 積極的・チャレンジ精神が高い
より詳しくは下記記事で書いていますので合わせてお読みください。
※詳細:技術者・研究職に向いている人の性格・特徴ランキング!【現役技術者・研究職537人が回答】
技術者・研究職に必要なスキルに関するその他の疑問と答え
最後に、その他技術者・研究職に必要なスキルが気になる方がお持ちの疑問について回答します。
技術者・研究職の仕事内容とは?
技術者・研究職の仕事内容は、大きく分けて以下の3つに分類されます。
1. 研究開発
- 新しい技術や製品の開発
- 既存の技術や製品の改良
- 基礎研究: 自然や社会の仕組みを解明するための研究
- 応用研究: 基礎研究で得られた成果を活かして、実用的な技術や製品を開発するための研究
2. 技術支援
- 製品やサービスの設計・製造・販売・運用における技術的な問題の解決
- 顧客への技術的な説明やサポート
- 技術文書の作成
3. マネジメント
- 研究開発プロジェクトの企画・立案・実行・管理
- 研究開発チームの指導・育成
- 研究開発予算の管理
これらの仕事内容は、専門分野や職種によって異なりますが、いずれも高度な専門知識と技術力、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力などが求められます。
技術者・研究職は未経験から転職・キャリアチェンジできる?
結論、技術者・研究職に未経験から転職・キャリアチェンジすることは可能ですが、しやすい年齢は30歳前までと覚えておくといいでしょう。
これは、20代のうちであれば未経験の職種に転職してからも経験を積んだり勤務する期間が長く、知識やスキルを新たに身につけるスピードも早いためと考えられます。
逆に30代以上の転職となると、実績や経験を重視して見られるようになるため、年齢を重ねるにつれてハードルは徐々に高くなっていきます。
現に、当社が実施したキャリアチェンジに関するアンケートでは、未経験から転職・キャリアチェンジをした人の約8割が「32歳までの間で行った」と回答しています。
ちなみに、「今まで経験した職種と近いジャンルの職種へ転職・キャリアチェンジすること」、「将来のキャリアプランを考えること」で、より成功率をあげられるとの回答もありますので、より詳しくは下記記事をご覧になってみてください。
※詳細:キャリアチェンジとは?転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】
技術者・研究職に必要なスキルを身に着けて、転職・キャリアチェンジを有利に進めよう
冒頭でも書いたように、技術者・研究職に必要なスキルは「問題解決スキル」「論理的思考」「コンプライアンス」などがあります。
事前に身に着けておくことで、未経験から転職・キャリアチェンジした場合でも早く仕事に慣れることができたり、評価・給与があがったりなど、多くのメリットが得られるでしょう。
この記事でご紹介したスキルはすべて現職の方たちが回答したリアルな結果になっていますので、ぜひ参考にしてください。
なお、未経験の職種へ転職・キャリアチェンジを目指している人は「キャリアチェンジとは?」の記事も合わせてお読みください。
キャリアチェンジを経験した人に当社が独自にアンケートを実施し、キャリアチェンジすることのメリット・デメリットやコツなどをランキング形式でご紹介しています。
また、職種ジャンルごとのデータまで幅広くまとめています。具体的に目指したい職種が決まっている人も、「とにかく今の職種をやめてキャリアチェンジしたい」と漠然と思っている人にも参考になると思います。
※詳細:キャリアチェンジとは?転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】
この記事の監修者・著者
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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