事務に必要なスキルランキング＆スキルアップの方法とは？【現役事務683人が回答】

事務に必要なスキルは「ビジネスマナー」「コミュニケーションスキル」「コンプライアンス」などがあります。

この記事では、今まで3,000人以上のキャリアチェンジを支援してきた当社・株式会社オープンアップITエンジニアが、現役で事務として働いている方683人にアンケートを実施し、事務として必要とされるスキルについてランキング形式でまとめたものです。

また、未経験から事務を目指している方のために、スキルの身につけ方や事務に向いている人はどんな人なのか？についてもまとめています。

事務への転職やキャリアチェンジを目指している人はぜひ参考になさってください。
【アンケートの調査概要】

• 調査期間：2023年12月7日～12月8日
• 調査機関：アイブリッジ株式会社
• 調査対象：現職の事務の人683名
• 調査方法：インターネットのアンケートツールを活用した調査
  ※複数回答可の設問では、回答数の合計が683にならない場合があります。

【683人が回答】事務に必要なスキルランキング

順位	スキル	回答数
1位	ビジネスマナー	293
2位	コミュニケーションスキル	238
3位	コンプライアンス	224
4位	問題解決スキル	185
5位	論理的思考	152
6位	スケジュール管理能力	120
7位	その他専門的なスキル・知識	113
8位	資料作成スキル	112
9位	情報収集スキル	98
10位	分析スキル	78

上記が必要なスキルの一覧です。では、それぞれのスキルがなぜ必要とされるのかを順に考察していきましょう。

1位：ビジネスマナー

事務に必要なスキル1位はビジネスマナーで、回答数は293件。全体の14%を占める割合でした。
事務にとってビジネスマナーは、顧客や取引先との信頼関係を築き、円滑な業務遂行と企業イメージ向上を実現するための重要な基盤であり、正確性や丁寧さだけでなく、コミュニケーション能力や状況判断力など、様々なスキルを総合的に活かすことで、より高い成果を生み出すことができる。

2位：コミュニケーションスキル

事務に必要なスキル2位はコミュニケーションスキルで、回答数は238件。全体の12%を占める割合でした。
事務にとってコミュニケーションスキルは、顧客や取引先、社内関係者との円滑な意思疎通を実現し、業務を効率的に進め、信頼関係を築くための重要なツールであり、正確な情報伝達、傾聴力、共感力、表現力などのスキルを磨き、状況に応じて適切なコミュニケーションを取ることで、より高い成果を生み出すことができる。

3位：コンプライアンス

事務に必要なスキル3位はコンプライアンスで、回答数は224件。全体の11%を占める割合でした。
事務にとってコンプライアンスは、法令遵守や倫理的な行動を通じて、企業の社会的責任を果たし、信頼を獲得し、リスクを回避し、持続的な成長を実現するための重要な基盤であり、社内体制の整備、教育・啓蒙、情報共有などの取り組みを通じて、コンプライアンス意識を高め、企業全体で遵守していくことが重要である。

4位：問題解決スキル

事務に必要なスキル4位は問題解決スキルで、回答数は185件。全体の9%を占める割合でした。
事務にとって問題解決スキルは、日々の業務で発生する様々な課題に対して、迅速かつ的確に解決策を見つけ出し、業務効率を向上させ、顧客満足度を高め、企業の成長に貢献するための重要な能力であり、状況分析力、情報収集力、論理的思考力、創造力、コミュニケーション能力などのスキルを総合的に活かすことで、より高い成果を生み出すことができる。

5位：論理的思考

事務に必要なスキル5位は論理的思考で、回答数は152件。全体の7%を占める割合でした。
事務にとって論理的思考は、複雑な業務を正確に処理し、問題の根本原因を分析し、最適な解決策を見つけ出し、業務効率化と顧客満足度向上に貢献するための重要なスキルであり、情報収集力、分析力、判断力、問題解決能力、コミュニケーション能力などのスキルを総合的に活かすことで、より高い成果を生み出すことができる。

6位：スケジュール管理能力

事務に必要なスキル6位はスケジュール管理能力で、回答数は120件。全体の6%を占める割合でした。
事務にとってスケジュール管理能力は、限られた時間の中で効率的に業務を遂行し、納期を守り、顧客や上司からの信頼を得るために不可欠なスキルであり、優先順位付け、時間管理、タスク管理、計画調整などの能力を磨き、状況に応じて適切なスケジュールを立て、実行していくことが重要である。

7位：その他専門的なスキル・知識

事務に必要なスキル7位はその他専門的なスキル・知識で、回答数は113件。全体の6%を占める割合でした。

事務にとって、専門的なスキルや知識は、業務の質を高め、顧客満足度を向上させ、企業の競争力を強化するために重要です。具体的な例としては、以下のようなものがあります。

• タイピングスキル: 正確かつ迅速な入力は、事務の基本的なスキルです。ブラインドタッチを習得することで、作業効率が大幅に向上します。
• ITスキル: パソコンの操作スキルは、事務職において必須です。Word、Excel、PowerPointなどの基本的なソフトだけでなく、業務に必要な専門ソフトを使いこなせるスキルも必要です。
• 簿記スキル: 会計処理や経理業務を担当する場合は、簿記の知識が必要です。簿記の知識があれば、会社の財務状況を把握し、適切な経営判断を下すことができます。
• 語学スキル: グローバル化が進む現代社会において、英語などの外国語スキルはますます重要になっています。外国語を話せる事務員は、海外との取引や外国人の顧客対応など、幅広い業務で活躍できます。
• 法律知識: 契約書や書類作成など、法律に関する知識が必要になる場合があります。法律の知識があれば、会社の利益を守るために必要な書類を作成することができます。

これらの専門的なスキルや知識は、資格取得や研修参加などによって身につけることができます。また、日々の業務の中で積極的に経験を積むことも重要です。

専門的なスキルや知識を身につけることで、事務員はより高度な業務を担当できるようになり、企業にとってなくてはならない存在となります。

8位：資料作成スキル

事務に必要なスキル8位は資料作成スキルで、回答数は112件。全体の5%を占める割合でした。
事務にとって資料作成スキルは、情報を正確かつ分かりやすく相手に伝えるための重要なスキルであり、論理的な構成力、文章表現力、デザイン力、情報収集力、校正力などのスキルを磨き、目的に応じた資料を作成することで、業務効率化、顧客満足度向上、企業の競争力強化に貢献できる。

9位：情報収集スキル

事務に必要なスキル9位は情報収集スキルで、回答数は98件。全体の5%を占める割合でした。

事務にとって情報収集スキルは、最新の情報や必要な情報を効率的に収集し、業務に活かすことで、仕事の質を高め、顧客満足度を向上させ、企業の競争力を強化するために重要です。情報収集スキルには、以下の要素が含まれます。

• 情報源の多様性: インターネット、書籍、雑誌、セミナー、人脈など、様々な情報源を活用できる。
• 情報の信頼性: 情報の信頼性を判断し、誤情報に惑わされない。
• 情報の整理: 収集した情報を整理し、必要な情報をすぐに取り出せるようにする。
• 情報の活用: 収集した情報を業務に活かし、新たなアイデアを生み出す。

情報収集スキルは、日々の業務の中で意識的に磨くことができます。情報収集スキルを向上させることで、事務員はより効率的に仕事を進め、より良い成果を生み出すことができるようになります。

10位：分析スキル

事務に必要なスキル10位は分析スキルで、回答数は78件。全体の4%を占める割合でした。
事務にとって分析スキルは、データや情報を収集・整理し、問題点や課題を正確に把握することで、業務改善や効率化、顧客満足度向上、企業の競争力強化に貢献するための重要なスキルであり、データ分析、統計分析、問題解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力などのスキルを総合的に活かすことで、より高い成果を生み出すことができる。

事務に必要なスキルを身につけるには？

事務に必要なスキルは上記のとおりです。では、これらのスキルはどうすれば効率よく身につけることができるのでしょうか？主な方法は下記2つです。

• 未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ
• スクールに通って資格の取得と合わせて学ぶ

順に解説していきます。

未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジして実地で学ぶ

企業の中には前職のスキルや経験を問わず「未経験OK」で雇用してくれるところがあり、入社後に研修や実際の業務の中で、実践的なスキルを身につけることができます。

給料をもらいながら、その職業に必要なスキルや知識を学ぶことができるのは大きなメリットであり、スキルを身につければ即戦力として活躍することも見込めますし、キャリアアップの可能性が広がります。

ただし、未経験OKの企業に転職・キャリアチェンジする際には、自分に足りないスキルが何なのか棚卸しして明確にしておきましょう。

加えて、企業研究をして、その企業が本当に自分に合っているのか、自分の身につけたいスキルを学ぶことができるのかを判断しておくことが重要です。

スクールや通信学習で資格の取得と合わせて学ぶ

もうひとつは「スクールや通信学習で学ぶ」方法です。

スクールでは、プロの講師が体系的にスキルを教えてくれます。また、通信学習では資格取得を前提としたコースやカリキュラムを選ぶことで転職・キャリアチェンジの際に有利な資格も同時に取得できるため、効率よくスキルを身につけるだけでなく「手に職をつける」ことも可能です。

ただし、スクールや通信学習は、スクールの質（カリキュラムの内容や講師の質、対応時間や取得可能な資格の種類など）と、未経験OKの企業と違い費用がかかる点に注意が必要です。

なお、特定の資格によっては国が資格取得を支援する「教育訓練給付金」という補助金制度が適用となり、安く受けられる場合もあります。

※例：スクールなら「Winスクール」「TAC」通信学習なら「ユーキャン」などが代表的です。資格を取りたい方はスクールや通信学習で学ぶことも検討してみましょう。

事務に向いている人の特徴

次に事務に向いている人はどんな人なのでしょうか？同じく現職の事務の方に聞いたアンケートの結果では、下記のような性格の人が事務に向いているとの回答がありました。

• 忍耐力が高い・粘り強い
• まじめ・几帳面
• 柔軟・臨機応変

より詳しくは下記記事で書いていますので合わせてお読みください。
※詳細：事務に向いている人の性格・特徴ランキング！【現役事務683人が回答】

事務に向いている人の性格・特徴ランキング【現役事務683人が回答】

事務に必要なスキルに関するその他の疑問と答え

最後に、その他事務に必要なスキルが気になる方がお持ちの疑問について回答します。

事務の仕事内容とは？

事務の仕事内容は、大きく分けて以下の4つに分類されます。

1. 書類作成・処理

会議の議事録、請求書、見積書、提案書など、様々な書類を作成・処理します。Word、Excel、PowerPointなどのソフトを使いこなすスキルが必要です。

2. データ入力

顧客情報、商品情報、売上情報など、様々なデータをパソコンに入力します。正確かつ迅速に入力するスキルが必要です。

3. 電話・来客対応

顧客や取引先からの電話や来客に対応します。会社の顔として、明るく丁寧な対応が求められます。

4. その他

上記以外にも、郵便物の発送、備品管理、ファイリングなど、様々な業務を担当します。

事務の仕事は、一見地味で単調に見えるかもしれません。しかし、会社の円滑な運営を支える重要な役割を担っています。

事務は未経験から転職・キャリアチェンジできる？

結論、事務に未経験から転職・キャリアチェンジすることは可能ですが、しやすい年齢は30歳前までと覚えておくといいでしょう。

これは、20代のうちであれば未経験の職種に転職してからも経験を積んだり勤務する期間が長く、知識やスキルを新たに身につけるスピードも早いためと考えられます。

逆に30代以上の転職となると、実績や経験を重視して見られるようになるため、年齢を重ねるにつれてハードルは徐々に高くなっていきます。

現に、当社が実施したキャリアチェンジに関するアンケートでは、未経験から転職・キャリアチェンジをした人の約8割が「32歳までの間で行った」と回答しています。

ちなみに、「今まで経験した職種と近いジャンルの職種へ転職・キャリアチェンジすること」、「将来のキャリアプランを考えること」で、より成功率をあげられるとの回答もありますので、より詳しくは下記記事をご覧になってみてください。
※詳細：キャリアチェンジとは？転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】

キャリアチェンジとは？転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】

事務に必要なスキルを身に着けて、転職・キャリアチェンジを有利に進めよう

冒頭でも書いたように、事務に必要なスキルは「ビジネスマナー」「コミュニケーションスキル」「コンプライアンス」などがあります。

事前に身に着けておくことで、未経験から転職・キャリアチェンジした場合でも早く仕事に慣れることができたり、評価・給与があがったりなど、多くのメリットが得られるでしょう。

この記事でご紹介したスキルはすべて現職の方たちが回答したリアルな結果になっていますので、ぜひ参考にしてください。

なお、未経験の職種へ転職・キャリアチェンジを目指している人は「キャリアチェンジとは？」の記事も合わせてお読みください。

キャリアチェンジを経験した人に当社が独自にアンケートを実施し、キャリアチェンジすることのメリット・デメリットやコツなどをランキング形式でご紹介しています。

また、職種ジャンルごとのデータまで幅広くまとめています。具体的に目指したい職種が決まっている人も、「とにかく今の職種をやめてキャリアチェンジしたい」と漠然と思っている人にも参考になると思います。

※詳細：キャリアチェンジとは？転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】

キャリアチェンジとは？転職理由・最適なタイミング・メリット/デメリットを職種別に解説【独自調査】