ITにおけるベンダーとは?役立つ資格や代表的なITベンダー企業9選など紹介

 
  

‘SE’ ‘left’ ‘ITにおけるベンダーとは、どのようなことを指しているのでしょうか。’]

‘PM’ ‘right’ ‘ベンダーには販売会社という意味があり、ITベンダーはIT製品を扱う販売会社のことです。’]

この記事の目次

ITベンダーについて


IT業界では「ベンダー」という言葉がよく使われます。システムの構築やメンテナンスなどのIT関連作業を請け負う企業を「ITベンダー」と呼びますが、ITベンダーの定義づけを明確に理解している人はそう多くはありません。

どのようなIT関連企業が「ITベンダー」と呼ばれており、実際にはどのような業務を行っているのでしょう。また、どのようなスキルがあればITベンダーで働けるのでしょう。

ベンダーの意味

ビジネスシーンに用いられるベンダーは、売り手、売り主、販売者、販売店と言う意味を持つ英語の「vendor」が元で、販売会社と言う意味になります。ITベンダー、システムベンダー、周辺機器ベンダーなど、○○ベンダーで何を扱う販売会社か表現します。

ITベンダーとはどんな会社?

単純にその文字構成から直訳すると、ITベンダーはIT製品を扱う販売会社と言うことになります。したがって、具体的にはITに関わるシステム、ソフトウェア、製品及びサービスなどをユーザーに対して販売する企業を指します。尚、販売するものについては自社開発品だけに限らず、他企業の製品を販売している企業もあります。

システムインテグレータとは?


システムインテグレータとは、システムの開発から支援までを行う企業です。情報技術分野において、ユーザーに合わせたシステムの企画に始まり設計、開発、そしてその運用とその支援といった一連の業務を一括で請け負う企業を指します。一般的な支援としては、保守の観点からも運用にあたっては現場に出向きます。

ITベンダーとの相違点

広義にITベンダーといわれる中には、開発から請け負って販売する開発ベンダーと位置づけできる企業も多くあります。システムインテグレータもこの点から見ると同じように見えますが、相違点はベンダーがシステムの導入で終わるのに対して、システムインテグレータは運用と保守まで支援するところにあります。システムインテグレータは顧客の状況、課題を把握したシステムの企画、構築とその運用、保守などのサポートまですべての要務を請け負います。

ITベンダー以外のベンダーの種類5選


「ベンダー」はITベンダーだけに使われる言葉ではなく、本来の「売り手」や「販売者」という意味の延長上でいろいろな業種を指して使われます。ここでは、ITベンダー以外の業種で「ベンダー」と呼ばれるものを紹介します。なかにはITベンダーと誤って使いそうな類似業種もあるので、仕事相手を示す場合には注意が必要です。「ベンダー」の一種であっても、通常は別名称で呼ばれている業種もあります。

ITベンダー以外のベンダーの種類1:システムインテグレータ(SIer)

システムインテグレータは、システムの企画・開発から運用・支援まで一括で請け負う企業です。SIer(エスアイアー)とも呼ばれています。システムのアウトソーシング化が活発になった頃に登場した業態ですが、ハードウェアからソフトウェアまで、そして企画・要求分析から運用まで、一貫したシステム構築ができることもあり、業態として定着しています。SIerには、メーカー系、ユーザ系、独立系などの種類があります。

ITベンダー以外のベンダーの種類2:システムベンダー

システムベンダーという呼び名は特定の業態を指す言葉ではなく、ITベンダーやシステムインテグレータ、開発ベンダーなど、システム関連の業者を指して使われることがあります。IT業界では、システムの機器やソフトウェアなど、システム関連の販売元や供給元を「ベンダー」と呼びます。そのため、システム関連の業者を指して漠然と「システムベンダー」とか「ベンダー」などと呼ぶ人もいます。

ITベンダー以外のベンダーの種類3:開発ベンダー

開発ベンダーは、IT製品の販売に加え、開発も行える企業を指して使います。ユーザーから見ると、ITベンダーは既製のIT製品を販売する企業で、開発ベンダーはユーザーからの依頼に応えてシステム開発から請け負ってくれる企業ということになります。IT業界の業態としては、ITベンダーでも販売だけでなく開発もでき、開発ベンダーとしての役割も負える企業が多く見受けられます。

ITベンダー以外のベンダーの種類4:ソリューションベンダー

ソリューションベンダーとは、経営課題を解決するためのシステム構築を提案できる企業を指します。システムインテグレータもソリューションベンダーに分類されることがあります。ソリューションベンダーは、経営課題を解決するために、業務の分析や最適化、コストの削減などに踏み込み、システム化の検討を行う必要があります。そのため専門姓の高い知識が求められます。

ITベンダー以外のベンダーの種類5:ITコンサルタント

ITコンサルタントは、顧客の経営や業務をIT面からコンサルティングする仕事です。ほかのIT系職種に対し、ITコンサルタントは顧客側の目線になってシステムを分析します。ITベンダーやSIerから提示されたシステムやITサービスなどに冗長的な部分や無駄がないか、顧客にとってメリットの高いものであるかを、顧客側の立場としてチェックし、顧客の判断を促す作業もあります。

ITベンダーに役立つ資格が取得できる試験


ITベンダーで働くための特定の資格というものはありません。しかし近年、IT系の仕事に就くことを希望する場合、国家資格を求められることが増えています。また、ITベンダーによっては、そのベンダーが主催者となっているベンダー試験の資格保有が必要になることもあります。ここでは、IT業界で働くうえで保有していればスキル証明になる国家資格を2つ紹介します。

基本情報技術者試験

「基本情報技術者」は、IPAが実施する情報処理技術者試験の中で、情報処理技術者としての基礎が身に付いている証明になります。情報処理技術者試験では、「基本情報技術者試験」より難易度の低い資格として「ITパスポート」がありますが、こちらはITの基礎知識を問うもので、一般向けの資格として位置づけられています。技術者として働くためには、「基本情報技術者」を取得しておきましょう。

応用情報技術者試験

「応用情報技術者試験」は、情報処理技術者試験の中でも高い能力を補修している証明になる国家試験です。情報処理全般に対する知識だけでなく、ITコンサルタントやシステムインテグレータなどに必要となる経営戦略や情報戦略、経営環境などの知識も問われます。「応用情報技術者」の保有者は、IT業界の中でも上流工程の仕事に携われることが増えます。ITベンダーを目指すのなら、持っていて損はありません。

日本国内の代表的なITベンダー企業9選


一口にITベンダーといっても、扱うものや種類、業態など、企業各社によって様々です。日本で指折りのITベンダーと言える企業9社について、その特徴を簡潔に紹介します。

ITベンダー企業1:日立製作所

日立製作所といえば、家電をまず思い浮かべるという人も少なくないでしょう。しかし、家電以外にも鉄道やITなど幅広い事業を展開しています。グループ会社も多く、グループでハードからソフトまで請け負うソリューションプロバイダーでもあります。日立製作所はITベンダーとして、家電とITを組み合わせたIoTにより、ビックデータを収集・解析し、その結果を反映させたソリューションを展開しています。

ITベンダー企業2:富士通

富士通といえば、2020年現在で世界的にも速いスーパーコンピューター「富岳」の開発元として認知している人も多いでしょう。「富岳」の開発元であることからも、富士通は最先端ハードウェア開発に積極的に取り組んでいる印象があるITベンダーです。最先端のセキュリティを導入したデータセンターサービスや津波のシミュレーションシステムなどを提供しています。

ITベンダー企業3:NTTデータ

NTTデータは、親会社であるNTTが国営から民営化された会社なので、官公庁系に強いITベンダーです。官公庁以外に金融系のシステムにも強く、ブロックチェーンも手掛けています。通信会社のグループ会社であることから、データ活用やBIサービスに長けているITベンダーとして認知されています。製品販売も行っていますが、主力商品はITサービスの導入支援や運用です。

ITベンダー企業4:NEC

NECは、官公庁系のシステム開発に強いITベンダーとして知られていましたが、最近は顔認証サービスで名前を聞くことも増えています。通信関連機器やパソコンなどの開発・販売で知られていましたが、今ではIoTやビッグデータ活用の支援などの新しい技術サービスも行っています。官公庁だけでなく、多くの業種にユーザーを持ち、独自のソリューションを展開しています。

ITベンダー企業5:大塚商会

大塚商会は独立系大手のITベンダーです。独立系なので、1つのメーカーに縛られることなく、多くのメーカーと良好な関係を築き、マルチベンダーによる共同開発も可能としています。独立系であるため、ハードウェアもソフトウェアも複数のメーカーのものを扱う可能性があるため、メーカー系よりも多くの知識や技術を必要とします。親会社や自社ブランドに縛られないので、最適な製品を選択できる強みがあります。

ITベンダー企業6:日本IBM

日本IBMは、かつては金融系に強いイメージのITベンダーでしたが、最近は自社開発のAIにも注目が集まっています。日本IBMが手掛ける業態は、クラウド事業やセキュリティ事業など幅広く、ユーザー評価が高いことでも有名です。注目されているAI「watson」をビジネスに導入し、データナレッジや業務プロセスに組み込んで、データ分析やプロセスの効率化に役立てます。すでに多くの企業で採用されています。

ITベンダー企業7:マカフィー

McAfee(マカフィー)は、セキュリティという特化した分野のITベンダーです。個人向けと法人向けにセキュリティサービスやソフトを提供しています。脅威が発生してからセキュリティ対応するのではなく、機械学習を活用して脅威となる事象の動作検出のパターンを認識する技術にも取り組んでいます。ディープ ラーニングを使って、脅威からの防御や修復に対応するという取り組みも行っています。

ITベンダー企業8:野村総合研究所

野村総合研究所は、「野村総研」「NRI」などとも呼ばれる独立系の大手ITベンダーで、コンサルティングサービスを中心に提供しています。ITコンサルティングの先駆け的存在であり、多くのノウハウを蓄積しています。独立系ITベンダーであるため、ハード・ソフトともにメーカーに縛られることなく、ユーザーの要求を満たすシステムやサービスを提案・提供できます。

ITベンダー企業9:トレンドマイクロ

トレンドマイクロは、セキュリティに特化したITベンダーであり、サーバーやネットワーク、クライアントを脅威から保護するサービスを提供しています。トレンドマイクロでは、IoT製品に対する脅威にも取り組んでいます。トレンドマイクロの製品は、主にHybrid Cloud SecurityとNetwork Defense、User Protectionという3つの環境に対応しています。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安5選


かつては、自社システムは自社の業務に合わせて開発するものでしたが、近年はネットワークの発達やクラウドの登場により、自社ではシステムを持たないことも多くなっています。既製のソフトウェアを購入したり、サービスという形で契約したりすることも多く、より良いシステムやサービスを提供するITベンダーを選択する必要に迫られます。ここでは、ITベンダーを選ぶ基準について考えてみましょう。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安1:幅広い知識を有しているかで見比べる

ITベンダーを選ぶ際は、IT関連の知識や技術だけでなく、業種や業務などの幅広い知識を持ち合わせているかチェックしましょう。複数のITベンダーの企画書や提案書、サービス概要などを見比べたり、提案に関するプレゼンの内容を比較したりして、十分な知識を持つITベンダーを選定対象とします。最新の知識も確認が必要です。新しい技術に追いつけないITベンダーでは、時代遅れのシステムを提供される恐れもあります。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安2:一定の品質を保てているかで見比べる

ITベンダーから購入する既製品やサービスは、すでに利用している他社での実績から、品質データが導き出されています。各製品・サービスの品質データを参照し、一定の品質を確保できているITベンダーを選定しましょう。品質が安定していることは重要です。自社がファーストユーザとなる場合でも、同じITベンダーが提供するほかのシステムやサービスの品質データを参照することで、品質状態の予測がつきます。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安3:価格に合ったスキルで見比べる

同じようなシステムやサービスでも、提供価格に大きな差がでる場合もあります。ITベンダーの提示価格は、技術者のスキルに応じた価格に投入人数を加味して提示されます。スキルが高ければ高額で、未熟な技術者なら単金もおさえられますが、必ずしも技術的な実力と価格が合っているとは限らないので注意が必要です。提示された価格と保有スキルを合わせて比較し、コスパの良いITベンダーを選定しましょう。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安4:リソースを充分に割けるかを見比べる

IT業界は人手不足で、必要人数に対してギリギリの人員配置となることもよくある話です。ITベンダーを選定する際は、システム開発やサービスに十分な人員の割り当てを見込んでいるかを比較し検討しましょう。見積もり提示される投入人数の妥当性については判断するのが難しい面もありますが、複数社比較することで平均値の見当がつくので、大きく乖離しているITベンダーについては説明を求めてみましょう。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安5:得意分野で見比べる

IT業界と呼ばれる中にも、クラウド関連のシステムがあったり、旧来からのオンプレミスのシステムがあったりするため、必要になる技術もさまざまです。すべての技術分野に精通しているITベンダーは多くはなく、各ITベンダーで得意とする分野を持っています。契約しようとしているシステム分野やサービス分野を多く手掛けているITベンダーを選定すれば、効率よく導入までたどり着けるでしょう。

企業がITベンダーを選ぶ際の目安6:技術力で見比べる

ITベンダーに必要とされる技術は多く、ITベンダーだからといって、すべての技術を保有しなければならないわけではありません。利用しようとしている製品やサービスに対する技術力が高いITベンダーを選定すれば、満足のいく結果になるでしょう。すべてのIT技術ではなく、必要としているシステムやサービスの技術のみを比較し、そのスキルレベルが高いITベンダーを選定しましょう。

‘SE’ ‘left’ ‘意外にもITベンダーは私たちの生活に密着しているのですね。’]

‘PM’ ‘right’ ‘そうですね。ITベンダーを知ることで、世の中の物流の流れを理解できますよ。’]

ITベンダーについて知っておこう!


ITベンダーをより理解することで、日常生活内での物流について知ることができ、仕事の際に役立つこともあるでしょう。自分には縁の遠い言葉だとは思わずに、これを機にITベンダーについての理解を深めてみてはいかがでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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