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情報処理安全確保支援士試験とは
サイバー攻撃の社会的脅威が増大している昨今、セキュリティ対策を行える人材の確保が重要になってきています。
そこで2016年に改正された「情報処理の促進に関する法律」で誕生した国家資格が「情報処理安全確保支援士」です。
法律名を「情報処理安全確保支援士」といい、通称名を「登録情報セキュリティスペシャリスト」といいます。
「人材の質の担保」「人材の見える化」「人材活用の安心感」の3つの仕組みにより、サイバーセキュリティ対策を行える人材の育成と確保を目指しています。
試験の概要
情報処理安全確保支援士試験は情報セキュリティに関する知識・技能を有しているかどうかを判定する試験です。
春期(4月の第3日曜日)と秋期(10月の第3日曜日)の1年に2回行われます。
試験に合格すると経済産業大臣から合格証書が交付され、所定の登録手続きを行えば情報処理安全確保支援士の資格保持者となれます。
出典:情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
情報処理安全確保支援士試験の特徴
情報処理安全確保支援士試験の特徴として、サイバーセキュリティに関する専門的な知識や技術を持ち、企業や組織の安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援できる人のことを指します。
また、資格を取得するとサイバーセキュリティ対策の調査や分析、評価などを行い、必要な指導や助言ができるようになります。
求められる水準
対象者はサイバーセキュリティに関する専門的な知識や技術を有しており、企業や組織の安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援できる人です。
またサイバーセキュリティ対策の調査や分析、評価などを行い、必要な指導や助言ができることも条件です。
具体的には以下のような知識や実践能力が必要とされています。
1. 情報システムや情報システム基盤のリスク分析を行い、具体的な情報セキュリティ案件を抽出できる。
2. 情報セキュリティ対策において、基本的な技術と複数の特定の領域において応用技術を持っており、これらを対象のシステムに適用できる。
3. 物理的・管理的な対策についての基本的な知識や適用場面に関する技術を持っており、情報セキュリティマネジメントに関する基本的な考えを理解して適用できる。
出題形式
試験は午前2回(50分と40分)と午後2回(90分と120分)行われます。
午前の試験は多肢選択式(四肢択一)で出題数は30問と25問です。
午後の試験は記述式で行われ、出題数は3問と2問です。
試験要項やシラバスなどは公式サイトで確認できます。
出典:情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
試験の難易度
情報処理安全確保支援士試験とはセキュリティの国家資格のことです。
そのため、ぜひ取得しておきたい資格となっています。
この試験は合格率が20%に満たないことから、難易度は高いといえるでしょう。
出典:令和2年度10月情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格者を発表|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20201225.html
試験の合格率は?
では、情報処理安全確保支援士試験の実際の合格率とはどのくらいなのでしょうか。
情報処理安全確保支援士試験の合格率はここ数年、約15%から約19%を推移しています。
2020年の合格率は19.4%でした。
出典:令和2年度10月情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格者を発表|情報処理推進機構
参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20201225.html
情報処理安全確保支援士試験の対策方法3つ
情報処理安全確保支援士試験とは前述の通り難易度の高い試験のため、合格するためには十分な対策が必要となります。
情報処理安全確保支援士試験に合格するためには、どのような試験対策をすればよいでしょうか。
1:参考書や過去問を何回も解く
情報処理安全確保支援士試験とは難易度の高い試験です。そのため、問題の内容にしっかりと慣れた上で試験に臨む必要があります。
慣れるためにも、参考書や過去問題を何回も解きましょう。
多くの教材をたくさん解くよりも、基本問題や過去に頻繁に出ている問題を繰り返し解くと良いです。
2:読解力をつける
情報処理安全確保支援士試験が難しい理由の1つに、午後の試験の問題文が長文であることが挙げられます。
10ページ以上の問題文を読み解き、記述で回答する必要があるので、短時間で問題文の内容を理解しなければいけません。
そのため、出題の意図を読み解き、指定の文字数で回答を表現する読解力を身につけることが重要です。
3:問題の出題傾向をつかむ
情報処理安産確保支援士試験の内容は、午前は50分間で30問、40分間で25問と短時間で問題を解く必要があります。
一方で問題の内容は過去問題からの出題や類題が多いです。
市販の問題集を購入し、過去問題を繰り返し解いてこれまでの出題範囲や出題傾向を把握していれば午前中の問題はスムーズに解くことができます。
出典:情報処理安全確保支援士試験 試験要綱|情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/youkou_ver4_6.pdf
情報処理安全確保支援士試験とはITエンジニアには必要な資格!
情報処理安全確保支援士とはセキュリティのプロであり、情報社会である現代に欠かせない国家資格となっています。
国家資格である情報処理安全確保支援士合格を得ることによって、情報セキュリティに関する知識や技能を有する人材であると証明することができます。
セキュリティエンジニアやITエンジニア、セキュリティコンサルタントなどを目指す方は、ぜひ試験を受けてみてはいかがでしょうか。