- データベースエンジニアの仕事内容とは?
- データベースエンジニアってどんな職種?
データベースエンジニアに興味がある人のなかには、このような疑問を感じている人もいるのではないでしょうか。
データベースエンジニアの仕事内容や働き方を確認することで、自分にあったキャリア選択につながります。
この記事では、データベースエンジニアの特徴や仕事内容、必要なスキルなどを詳しく解説します。
未経験からデータベースエンジニアになる方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事はITエンジニアの派遣転職サービスを運営する夢真ビーネックスグループのグループ企業複数社、及び元エンジニアの当サイト編集長が監修しています。
この記事の目次
データベースエンジニアとは?
データベースエンジニアは、データベースの設計・構築・保守・運用を行う職種です。
ITシステムを運用するときに必要な顧客データや、商品情報などをデータベースで保管します。そのため、データベースはITシステムを運用するのに必須ともいえる仕組みです。
例えば、私たちがショッピングサイトを利用する場合、ログインパスワードやIDを入力して会員サイトにログインします。
ログインの承認作業は、入力した情報とデータベースに登録している情報があっているか確認しています。もしログイン情報が間違っていれば、ログインできない仕組みです。
使用するデータベースはITシステムの種類や用途によって異なるため、クライアントの要望にあったデータベース構築が求められます。
このデータベース構築・保守・運用を行うのが、データベースエンジニアです。
データベースエンジニアの仕事内容

データベースエンジニアを理解するには、まず仕事内容を確認する必要があります。
仕事内容を確認しておけば、キャリアチェンジ後に後悔するリスクも減らせるはずです。
ここでは、データベースエンジニアの仕事内容を詳しく解説します。
- データベースの設計・構築
- データベースの管理
- データベースの運用・保守
データベースの設計・構築
データベースエンジニアは、クライアントの要望に沿ったデータベースの設計・構築を行う職種です。
データベース設計・構築の工程では、まずクライアントがどのようなデータを管理したいのかをヒアリングします。
そのうえで、顧客のニーズを満たすデータベースの設計を行い、設計に従いデータベースの構築を行います。
管理するデータ量やアクセス数などによって、使用すべきデータベースの種類や規模は異なるため、開発内容にあわせて最適なデータベースを選ぶ必要があるのです。
データベースには「Oracle」・「Microsoft SQL Server」・「MySQL」など、複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。
データベースエンジニアは、ただクライアントの指示どおりにデータベースを構築すればいいわけではありません。
総合的に条件を判断したうえで、最適なデータベース環境を設計・構築するのが仕事です。
データベースの管理
データベースエンジニアは、データベースの管理も行います。
設計・構築したデータベースを問題なく稼働させるには、定期的に管理作業をしなければいけません。
サーバーの最適化や効率化、データベースシステムのセキュリティや障害対応など、データベースがいつでも問題なく利用できるように監視を行います。
データベースを希望どおりに運用するには、SQLを使って定期的にデータベースの調整をしなければいけません。調整を行うことで、データの書き出しや読み込みを効率よく行えるようになります。
また、大切な情報を管理するデータベースは、セキュリティ対策も大切です。情報漏洩は企業の不利益につながるため、定期的に問題がないかチェックしなければいけません。
全体をチェックして、データベースが問題なく運営できるように管理するのも、データベースエンジニアの仕事です。
データベースの運用・保守
データベースエンジニアは、データベースの運用・保守作業も担当します。
データベースへのアクセス権の管理、データのバックアップ、セキュリティ対策によって運用を行い、バージョンアップなどの保守作業を行います。
データベースは開発時は問題がなくても、不特定多数がアクセスした場合にトラブルが発生することがあります。
データベースエンジニアは見つけた不具合を見直し、運用しやすいデータベースにするのも仕事です。そのため、案件によっては、長期的に同じ案件に関わることもあります。
データベースエンジニアに必要な5つのスキルと知識
データベースエンジニアになるには、スキルを身につけなければいけません。データベースのスキルだけでなく、開発全般の知識も必要です。
ここでは、データベースエンジニアに必要な5つのスキルと知識を解説します。
- データベースに関するスキル
- システム開発の知識
- クラウドに関する知識
- セキュリティに関する知識
- ビジネス全般のスキル
データベースに関するスキル
データベースエンジニアには、データベース製品に関する知識やデータベースを操作するスキルが必須です。
たとえば、「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」「PostgreSQL」「MySQL」などソフトに関する知識や、SQL言語を扱うスキルが求められます。
また、データウェアハウスやデータマイニング、データクレンジングといったデータの活用に関する知識も必要です。
データウェアハウスは、さまざまなシステムからデータを収集し、分析するために整理する仕組みをいいます。あらかじめデータを整理しておくことで、データ分析がしやすくなるのです。
また、データマイニングは、収集したデータを統計学・AIなどを駆使して分析し、新しい気づきを得る技術をいいます。
一方、データクレンジングは、データベースに保管しているデータの重複・間違いなどを修正してデータの正確性を高める手法です。
収集したデータはビジネスに活用され、顧客開拓や新しい商品の開発などに活かすことができます。
このように、データベースエンジニアは、データの分析やデータの活用方法に関するデータベースの知識も必要です。
システム開発の知識
データベースエンジニアには、システム開発の知識も求められます。
データベースの開発は、システム開発における工程の一部分です。そのため、データベースの設計や構築だけでなく、システム開発の工数算定や必要なハードウェアの選定など、システム開発工程における上流工程の知識も必要となるでしょう。
もちろん、最初から上流工程の知識を身につけるのは難しいため、開発経験を積みながら少しずつスキルアップするとよいでしょう。
クラウドに関する知識
これからデータベースエンジニアになるなら、クラウドに関する知識も必要です。
従来は、オンプレミス環境でデータベースを構築するのが一般的でしたが、最近ではクラウド上にデータベースを構築することも増えています。
そのため、データベースエンジニアであっても、クラウドサービスの知識を学んでおいた方がいいでしょう。クラウドサービスの知識があれば、参加できる開発プロジェクトの幅が広がるので、活躍しやすくなります。
ちなみに、よく使用されるクラウドサービスは「AWS」・「Azure」・「GCP」です。
今回は細かい解説を省略しますが、クラウドサービスごとの特徴を理解したうえで、データベース構築ができるスキルを身につける必要があります。
セキュリティに関する知識
データベースエンジニアは、セキュリティに関する知識も必要です。
データベースには、顧客データや個人情報など、保護しなければいけないデータが保管されています。そのため、データベースには強固なセキュリティ対策が必要です。
そのため、データベースエンジニアであれば、アクセス権の付与やアクセス制御、データの暗号化といった処理を適切に実装できるスキルが求められます。
ビジネス全般のスキル
データベースエンジニアとして活躍するには、コミュニケーション力・マネジメント力など、ビジネス全般のスキルが必要です。
求められるビジネススキルは、主に次のとおりです。
- コミュニケーション力
- マネジメント力
- クライアント先のビジネス理解など
データベースエンジニアは、開発中にプロジェクトメンバーと意思疎通を取る場面は多く、コミュニケーション力が必要です。
また、クライアントと打ち合わせをするケースもあるため、立場の違う人に分かりやすく解説する力も求められます。
それ以外には、スケジュール管理や進捗状況の管理など、マネジメント力が必要です。マネジメント力があれば、納期に焦るリスクを減らせますし、先を見据えた開発が行えるでしょう。
また、クライアント先のビジネス理解も必要です。クライアントの運営するビジネスの種類は異なりますが、ビジネス内容にあわせてデータベースを設計する必要があります。
クライアントにヒアリングするときに、できるだけ細かく要望を聞き取ったり、クライアントの業務内容を簡単に学んだりして、ビジネス内容にあわせたデータベースを設計できるとよいでしょう。
データベースエンジニアにおすすめの資格5選

データベースエンジニアに必要なスキルは、資格を取得することで学べます。
また、資格を取得しておけば、目に見える形でスキルを証明できる点もメリットです。
ここでは、データベースエンジニアにおすすめの資格を5つ解説します。
- Oracle Master(オラクルマスター)
- データベーススペシャリスト
- OSS-DB技術者認定試験
- 情報処理技術者試験
- MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)
※詳しくは下記記事も合わせてご覧ください。
[nlink url=”https://www.fenet.jp/beginner/column/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2/377/#BD5″]
Oracle Master(オラクルマスター)
「Oracle Master」は、世界的なシェアを獲得しているオラクルが認定しているベンダー資格です。
Oracle Databaseの管理や運用、SQLスキルなどが問われる試験で、世界に通用する資格となっています。
また、試験のグレードには「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つがありますが、データベースエンジニアとしてスキルを認めてもらいたい場合は、Silverの取得を目指すと良いでしょう。
Silverは、運用担当者レベルのスキルに相当し、データベースの開発や運用に必要なスキルを証明できます。
ただし、難易度は全体的に高めのため、未経験・初心者の人は開発を経験してからチャレンジするのがおすすめです。
» Oracle Master(オラクルマスター)公式サイト
データベーススペシャリスト
「データベーススペシャリスト」は、データベースを扱う技術者向けの国家資格です。
データベースの専門的な技術を認定する資格で、情報処理技術者試験の中ではスキルレベル4に相当する高度情報処理技術者試験の1つとなっています。
そのため、難易度も非常に高い試験です。実務経験がない状態で受験する場合、合格するのは簡単ではありません。この資格も、データベース開発を経験してからチャレンジするのがおすすめです。
難易度は高いですが、取得することでデータベースエンジニアとして高いスキルを持っていることを証明できます。
OSS-DB技術者認定試験
「OSS-DB技術者認定試験」は、データベースシステムの設計や開発、運用などのスキルを持った技術者であることを認定する試験です。
資格には「Gold」と「Silver」の2つのレベルがあり、Goldは大規模データベースシステムの改善や運用管理、コンサルティングの知識が問われます。一方、Silverはデータベースの設計や開発、導入、運用などの基本的な知識を問う試験です。
Goldの受験条件がSilverに合格していることであるため、最初はSilverの合格を目指しましょう。
情報処理技術者試験
データベースエンジニアには、「情報処理技術者試験」全般がおすすめです。
情報処理技術者試験は国家試験で、先ほど解説したデータベーススペシャリストをはじめとして多くの試験区分があります。
そのなかでも、未経験者におすすめなのは「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」です。
基本情報技術者試験は、幅広いIT知識が求められる試験です。システム開発の知識やネットワーク・データベースに関する知識など、エンジニアの種類を問わず必要な基礎知識が出題されます。
一方、応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位資格の位置づけです。出題内容に大きな差はありませんが、筆記試験があることで難易度は基本情報技術者試験より高めといわれています。
データベースエンジニアとして活躍するには、データベースの知識以外に基本的なIT知識は必要です。資格取得をきっかけに、自分の知識を増やすといいでしょう。
今回紹介した2つの資格は、どちらも個別に受験可能です。基本情報技術者試験に合格しなければ、応用情報技術者試験が受験できないわけではないため、自分にあった資格を受験してみてください。
MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)
「マイクロソフト認定プログラム」は、マイクロソフト製品に関する知識やスキルを認定するマイクロソフト社が実施しているベンダー資格です。
マイクロソフト認定プログラムは、対象製品やバージョンによって試験が細かく分かれています。データベース関連の資格についても「SQL Databaseの開発」や「データサイエンスソリューションの設計」、「SQL」などの種類が用意されています。
データベース機器にはマイクロソフト製品も多いため、スキル習得のためにも取得しておく価値のある資格といえるでしょう。
データベースエンジニアの年収相場

データベースエンジニアの年収相場は、会社員の平均年収より高い傾向があります。
「求人ボックス 給料ナビ」によると、データベースエンジニアの平均年収が約574万円、ボリュームが多い年収帯が447~525万円となっています。
会社員の平均年収は年によって異なりますが、一般的に約430万円といわれています。そのことを考えれば、データベースエンジニアの年収は高水準です。
年収が高い理由は明確には分かりませんが、ITシステムの基盤となる部分を担当することから、求められるスキルが高い点が理由の1つといえるでしょう。
一般的に、求められるスキルが高ければ比例して年収相場も高まる傾向があります。
データベースエンジニアに必要なスキルを身につけるのは大変ですが、高年収を目指せるのはモチベーションにつながりますね。
データベースエンジニアのキャリアパス
データベースエンジニアに無事なれたとして、そのあとのキャリアパスも考えておくべきです。データベースエンジニアになったら終わりではなく、その後もキャリアは続きます。
事前にキャリアパスを知っておくことで、早めに準備をスタートできるでしょう。
ここでは、データベースエンジニアのキャリアパスを4つ紹介します。
- AIエンジニア
- データサイエンティスト
- ITコンサルタント
- フリーランスのデータベースエンジニア
AIエンジニア
データベースエンジニアの仕事内容に近いキャリアに、AIエンジニアがあります。
AIエンジニアは文字どおり、AIや機械学習に関するシステムを開発する職種です。
業務のなかで、膨大な量のデータを管理するビッグデータを扱うことが多く、データベースに関する知識が活かせます。
AIエンジニアになるには、PythonやR言語、データ分析など新しいスキルが必要です。ただ、AIエンジニアの将来性は高いといわれているため、スキルを習得できれば長く活躍できます。
データベースエンジニアの知識を活かしながら、新しい技術を使って活躍したい人に向いているキャリアです。
データサイエンティスト
データベースエンジニアのキャリアパスに、データサイエンティストがあります。
データサイエンティストは、ビッグデータの設計やデータ分析を行う職種です。収集するデータの定義や、収集したデータの活用方法などを検討します。
データサイエンティストは膨大なデータから必要なデータを抽出したり、使用するために加工したりします。その際、データベースエンジニアで培ったデータベース全般の知識が役立つのです。
データサイエンティストの需要は高く、日本だと人材が不足しているといわれています。
Python・R言語など必要なスキルを学ぶことで、データ分析の分野で活躍できるエンジニアになれるでしょう。
ITコンサルタント
データベースエンジニアで培った知識を活かせば、ITコンサルタントの道も可能です。
ITコンサルタントは、ITシステムを使ってクライアントの課題を解決する仕事です。
直接プログラミングやシステム開発を行うことはありませんが、データベースエンジニアとして培った知識は活かせます。
データベースの理解があれば、クライアントに必要なデータベース環境の提案ができます。
また、納期や人員数などの提案を行う際、開発現場の実情を踏まえたうえで現実的な提案ができるのも魅力です。
現実的な提案ができれば、あとで開発現場と認識の違いでトラブルになることも少なくなるでしょう。
もちろん、経営や社会人スキルを身につけなければいけません。それでも、マネジメント面からIT業界に携わりたいならおすすめのキャリアパスです。
フリーランスのデータベースエンジニア
スキルに自信があれば、フリーランスになる選択肢もあります。
フリーランスは高いスキル力やマネジメント力を求められますが、活躍できれば年収アップを目指せます。
一般的にフリーランスエンジニアの方が、企業に勤めるエンジニアより年収が高い傾向があります。
フリーランスは、クライアントと直接契約し報酬を受け取るため、手取りが多いです。また、案件・働き場所を柔軟に決められるメリットがあります。
データベースエンジニアの場合、在宅ワークもしやすいため、比較的柔軟性の高い働き方が実現可能です。
一方で、税金や経理の対応、案件を探すための営業活動など慣れない業務を行う必要性があります。
とくに確定申告や税金の処理はなれるまで時間がかかるため、ある程度収入が確保できた人は、税理士に相談するなど対策を取るとよいでしょう。
ちなみに、未経験からいきなりフリーランスになるのは現実的ではないため、通常はデータベースエンジニアとして企業で経験を積むのが一般的です。
自分でデータベースの設計・構築・運用まで担当できるくらいのスキルがあり、かつコミュニケーション力やスケジュール管理力などがあればフリーランスとして活躍できるでしょう。
フリーランスを目標にするなら、まずはたくさんの開発を経験しながらスキルアップするようにしてください。
[nlink url=”https://www.fenet.jp/infla/column/career/156-2/#headline_20″]
データベースエンジニアの将来性
結論をいうと、データベースエンジニアの将来性は期待できます。
データベースエンジニアの将来性が高いといわれている理由は、次の2点です。
- 企業のセキュリティ意識が高まっている
- IoTやAIの需要が高まっている
データベースの構築はもちろん、セキュリティ対策の面でデータベースエンジニアは必要とされています。
企業が管理する膨大なデータは、個人情報や顧客データを含むため、情報が流出しないように慎重に管理しなければいけません。
そのため、データベースにもデータの暗号化やアクセス権の管理など、セキュリティ対策が必須です。
セキュリティ面はセキュリティエンジニアが担当することもありますが、人員に限りがある現場では、データベースエンジニアがそのまま担当することも多いです。
そのため、セキュリティ面でデータベースエンジニアは必要とされています。
また、IoTやAI分野の需要もデータベースエンジニアの将来性と関係があります。IoTやAI分野では、ビッグデータなど膨大なデータを活用する必要があるため、データベースエンジニアの知識が役立ちます。
膨大なデータを分析し、必要に応じて抽出できるスキルがあれば、データベースエンジニアは活躍できるでしょう。
[nlink url=”https://www.fenet.jp/infla/column/career/156-2/#headline_8″]
未経験からデータベースエンジニアになる方法

未経験からデータベースエンジニアになるには、データベースの知識や構築するためのスキルを身につけなければいけません。
ただ、未経験でも手順を追って対策を行うことで、データベースエンジニアを目指せます。
ここからは、未経験からデータベースエンジニアになる方法を解説します。
- ステップ1:データベースの知識・スキルを身につける
- ステップ2:SQLを学ぶ
- ステップ3:実際にデータベースを構築する
- ステップ4:未経験OKの求人に応募する
ステップ1:データベースの知識・スキルを身につける
まずは、データベース全般の基礎知識を学ぶ必要があります。
例えば、データベースの仕組みやデータベース製品の種類など、最初に基礎知識を学ぶことで、その後の学習を理解しやすいです。
まずは、学習サイトや本を使って、基礎知識を身につけましょう。
基礎知識が学べたら、データベース製品の操作方法も学ぶ必要があります。
データベースには種類があり、よく使用されるものに「Oracle」・「Microsoft SQL Server」・「MySQL」などがあります。
それぞれ操作方法が異なるため、まずは1つ自分が学ぶものを決めて学習しましょう。どれを選ぶか迷ったら、シェアが高いOracleがおすすめです。
ステップ2:SQLを学ぶ
データベースエンジニアには、データベースを操作するために必要なSQLの知識が必要です。
- count
- distinct
- order by
- group by
- inner join
- having
などを使いこなせると実務で役立ちます。
SQLを使いこなせるようになれば、データベース内のデータを抽出したり、呼び出したりできるようになります。
SQLはデータベースエンジニアに必須のスキルであるため、早めに学習しておきましょう。
ステップ3:実際にデータベースを構築する
座学をいくら学んでも、実際に手を動かさないと実践スキルは習得できないため、実際にデータベースを構築することも大事です。
ある程度本やWebサイトで基礎が学べたら、データベースを作成しSQLで操作を学びましょう。
本やWebサイトにはデータベースの構築方法から、SQLの操作方法まで解説しているものが多いため、自分が理解しやすそうな教材を使って環境を整備してみてください。
あとはサンプルコードなどをもとに、繰り返しデータベースを操作しながらデータベースを扱うスキルを学びましょう。
ステップ4:未経験OKの求人に応募する
スキルが習得できたら、未経験OKの求人に応募しましょう。
のちほど具体的な求人例を紹介しますが、データベースエンジニアは高いスキルを求められる傾向があり、未経験者OKの求人は多いとはいえません。
実際、ネット上には「未経験からデータベースエンジニアに直接なるのは難しい」という意見もあります。
未経験OKの企業が見つかればいいですが、条件の合う企業が見つからない場合、一度別のエンジニアとして経験を積む方法も検討してみましょう。
例えば、インフラエンジニア・サーバーエンジニア・AIエンジニアなど、別のエンジニアとして経験を積み、再度データベースエンジニアを目指すこともでできます。
未経験NGとしている企業でも、他職種のエンジニア経験があればOKという企業もあります。
もちろん、遠回りにはなりますが、年齢的に余裕がある場合は他エンジニアで経験を積むのも選択肢の1つです。
データベースエンジニアはやめとけ・きついといわれる理由
巷では、データベースエンジニアはやめとけ・きついといわれることがあります。
実際、どんな仕事にもきつい部分はありますが、データベースエンジニアも例外ではありません。
ただ、きつい・やめた方がいいかどうかは、人によって差があります。ここでは、データベースエンジニアはやめとけ・きついといわれる理由を3つ紹介します。
- セキュリティ管理の責任が重い
- 地味な作業が多い
- 1人で担当する業務が多くなりがち
セキュリティ管理の責任が重い
データベースエンジニアは、個人情報や顧客情報など重大な情報を管理するデータベースにかかわるため、セキュリティ管理の責任が重くのしかかります。
プレッシャーに強い人や逆にやりがいに感じる人であれば問題ありませんが、重いプレッシャーが負担になる人もいます。
プレッシャーを感じながら仕事をするのはきついと感じる人もいることから、やめとけといわれています。
地味な作業が多い
データベースエンジニアは地味な作業が多く、人によってはきついと感じる原因になります。
エンジニアは、プログラミング言語を用いてアイデアを形にするクリエイティブな仕事だとイメージしている人もいます。
その点、データベースエンジニアは細かい設定や数値を変更しながら、目的どおりに動作するデータベースを作成するのが仕事です。
クリエイティブというより、決まった手順に従って丁寧に仕事をしなければいけません。
データベースエンジニアの仕事内容をしっかり理解できていないと、思った仕事内容と違いきつくなる可能性があります。
1人で担当する業務が多くなりがち
データベースエンジニアは、1人で作業を担当することが多く、1人あたりの業務が多くなりがちです。
データベースの構築作業は1つのプロジェクトで1人が担当するケースが多く、自然と1人あたりの作業量が多くなってしまいます。
もちろん通常は無理のないスケジュールが作成されますが、場合によっては残業や休日出勤が発生する可能性もあります。
また、悩みがあっても、同じ業務を行う人がいなければ相談も難しいでしょう。納期が近づいてくるとだんだんきつくなるため、やめとけといわれることがあります。
データベースエンジニアのやりがい
データベースエンジニアはきついといわれる反面、やりがいもたくさんあります。
データベースはITシステムの基盤となる仕組みであるため、完成したときの達成感は魅力です。
ここでは、データベースエンジニアのやりがいを3つ紹介します。
- 規模の大きい案件に携われる
- 新しい技術に触れられる
- 開発の主要メンバーになれる
規模の大きい案件に携われる
データベースエンジニアは、規模の大きい案件に携われるところにやりがいを感じられます。
データベースは多くのITシステムに導入されており、大企業のシステムや知名度が高いシステムの開発に携われる機会が多いです。
例えば、自治体が運営するシステムや、利用者が多い金融機関のデータベースなど他エンジニアだとなかなか携われない開発に携わることができます。
やりがいを感じるかは人によって変わりますが、規模が大きい企業の仕事に携わり、成功させることでやりがいを感じられるでしょう。
新しい技術に触れられる
データベースエンジニアは新しい技術に触れられる機会が多いため、知的好奇心が刺激されてやりがいを感じられます。
データベースエンジニアはデータベースの管理以外に、システム開発全般の業務に触れる機会があります。
直接開発に参加しなくても、ネットワークやセキュリティの知識を耳にする機会がありますし、プロジェクトメンバーに話を聞く機会もあるでしょう。
ネットワーク・セキュリティ・サーバー・AIなど、幅広い分野の知識に触れられるのは、基盤になるデータベースに携わるデータベースエンジニアの魅力です。
開発の主要メンバーになれる
データベースエンジニアは、開発の主要メンバーになるため、優越感ややりがいを感じられます。
データベースはあらゆるITシステムの基盤となるシステムであるため、開発のなかでも重視されることが多いです。
また、データベースの専門的な知識がある人材は少ないため、プロジェクトに参加すれば専門家として仕事を担当できる場合もあります。
立場によって仕事の仕方が変わるのはよくありませんが、信頼して仕事を任せてもらえる現場ではやりがいを感じられるはずです。
データベースエンジニアの求人例
ここまで、データベースエンジニアについて詳しく解説してきましたが、実際の求人例が気になる人もいるでしょう。
事前に求人例を確認しておくことで、仕事内容や年収などを具体的にイメージしやすくなります。ここでは、データベースエンジニアの求人例を3つ紹介します。
- 百貨店ECサイト開発
- Oracle Databaseの構築業務
- 不動産向け会員サイト構築
百貨店ECサイト開発
業務内容 | 百貨店ECサイトのDB設計、不具合の調査など |
月収 | 60~70万円 |
必要なスキル | 要件定義経験者 DI・アノテーションを利用した開発経験 SQLの性能改善経験 |
この案件では、百貨店のECサイトに使用するデータベースの設計や不具合を調査するエンジニアを募集しています。
要件定義から担当する業務だけあって、データベース開発経験やSQLの性能改善経験が必要です。未経験者には難しい案件といえるでしょう。
また、求人票には作業内容として、開発チームの技術支援や開発完了後のリリース作業支援なども記載がありました。単にデータベース開発だけでなく、システム開発全般のスキルも求めているといえます。
IT業界では職種ごとの仕事内容の線引きがあいまいな部分もあるため、データベースエンジニアでも業務内容が多岐にわたることもあります。
Oracle Databaseの構築業務
業務内容 | Oracle Databaseの設計・構築・運用 |
月収 | 60~70万円 |
必要なスキル | Oracleの導入・構築経験 PostgreSQLの導入・構築経験 Unix系OSの開発経験 |
この案件では、Oracle Databaseの設計から運用まで担当するエンジニアを求めています。この求人も即戦力を求めており、Oracle・PostgreSQLの構築経験が必要です。
データベースを扱うスキルとSQL両方のスキルが必要な案件は多く、データベースエンジニアとして活躍するなら両方身につけておきたいです。
不動産向け会員サイト構築
業務内容 | 不動産向け会員サイトの構築業務 |
月収 | 60~70万円 |
必要なスキル | Transct-SQLの開発経験 C#の開発経験 共通機能の整理を実施した経験 プロジェクト全体の共通機能の整理を実施した経験 |
この求人は、不動産向け会員サイトのデータベース構築業務を担当するエンジニアを求めています。
求人票から分かることには限りがありますが、業務内容はデータベース構築だけでなく、会員サイト開発業務全般に携わる可能性があるかもしれません。
必要なスキルの項目には、プロジェクトリーダー経験やC#開発経験などもあったため、データベースエンジニア+通常開発業務を担当する必要がありそうです。
データベースエンジニア向け求人でも、システム開発全般のスキルが求められる場合もあるので、注意が必要でしょう。
データベースエンジニアに関するQ&A
ここまでのデータベースエンジニアの解説を見て、まだ分からない点がある人もいるでしょう。
例えば、女性でもなれるのか。向いている人の特徴などに疑問を感じているかもしれません。
ここでは、データベースエンジニアに関するQ&Aにお答えしていきます。
- データベースエンジニアは女性でもなれる?
- データベースエンジニアに向いている人の特徴は?
データベースエンジニアは女性でもなれる?
結論をいうと、データベースエンジニアは女性でも十分になれます。
データベースエンジニアは肉体労働ではなくデスクワークであるため、女性でも十分目指せるキャリアです。また、性別を問われる仕事もないため女性でも活躍できます。
ただし、現実には女性のデータベースエンジニアは多くはありません。
「2021年情報サービス産業 基本統計調査」によると、エンジニア全体のうち女性の割合は約2割しかいないというデータが出ています。
このデータはエンジニア全体の割合のため、データベースエンジニアに限ればもっと少ないと考えられるでしょう。
女性データベースエンジニアが少ない理由として、参考になる成功者が少なく働き方のイメージがつかないことや、結婚・出産といったライフワークの変化に対応できる企業が少ないなど理由が考えられます。
こうしたライフワークの変化に対応できている企業はまだ多くはありませんが、今後改善するにつれ女性も働きやすい環境が整い、より女性のデータベースエンジニアの活躍の場が増えてくることでしょう。
データベースエンジニアに向いている人の特徴は?
データベースエンジニアに向いているのは「論理的思考ができて冷静にものごとを判断できる人」です。
データベースエンジニアは、クライアントの希望に沿ったデータベースを開発するのが仕事です。最終目的を実現するためには、順序立てて開発する論理性が求められます。
データベースはシステムの要となるインフラでもあるため、後から構築しなおすのは非効率的です。そのため、先のことを見越して開発手順を設計しておく必要があり、論理的に考える力が求められます。
また、開発中にエラーが発生することもあります。こうした場面でも冷静に状況を分析する力が必要です。冷静に判断し対処できれば、大きなミスになる前に挽回できます。
しかし、この特徴がなければ活躍できないわけではありません。
今は身についてなくても、焦ったときに冷静になる癖をつければ問題ありません。ぜひ、前向きにデータベースエンジニアに挑戦してみてください。
データベースエンジニアを目指す前に働き方を確認しよう
今回は、データベースエンジニアについて解説しました。
データベースエンジニアは、ITシステムの基盤となるデータベースを構築する職種です。
データベースの理解はもちろん、クラウドやシステム開発の知識など、幅広いスキルが求められます。