2021/04/19

IT業界におけるQAとは?QAエンジニアの役割と仕事内容を解説!

 
  

そもそもQAとは?


QAとは「Quality Assurance」を略した言葉で、日本語では「品質保証」と意味します。一般的に製品やサービスなどの品質、求められるものに対して要求される品質を満たしていることを証明する品質保証を指します。

QAは、品質が一定レベルに達していることを事前に確認するための効率的な手続きの構築を意味します。

QCとの違い

QCとは「Quality Control」を略した言葉で、日本語では「品質管理」という意味です。

QCはQAと混同されることも多いですが、QAが品質基準に則って製品やサービスに対する品質検査やテストなどを行い、品質保証を行うことに対して、QCは品質を一定に保つための管理方法を意味します。

そのため、QCよりもQAの方が長いスパンでの品質保持を目指しているという違いがあります。

IT業界におけるQAとは


IT業界におけるQAとは、開発中のシステムの品質管理を行うことです。動作確認することでバグや好ましくない使用感などを見つけ、プログラマーに報告し修正を行うことでシステムを改善していきます。

このようにソフトウェアの品質管理業務を専門的に行うエンジニアのことをQAエンジニアと呼びます。

QAエンジニアの役割とは?


QAエンジニアの役割は、開発途中のシステムの品質を改善するために不具合を見つけることです。小規模な開発現場であれば、プログラマーがそのまま動作確認を行うことも多いです。しかし開発者の視点だけでは不具合や微妙な使い勝手の悪さなどを見逃してしまうことがあります。

品質管理のスペシャリストであるQAエンジニアが作業に加わることで、想定外の操作などを含めた検証を行い、システムの品質を向上できます。

QAエンジニアの仕事内容6つ


品質保証のプロであるQAエンジニアの仕事は、企業が開発しているシステムやソフトウェアの品質を向上することです。それでは、QAエンジニアは日頃の業務として具体的にどのような仕事を行っているのでしょうか。

ここではQAエンジニアの仕事内容6つを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:機能仕様・設計内容の確認と評価

QAエンジニアは製品やサービスの品質保証を行うために、機能仕様・設計内容の確認と評価・レビューを行います。

具体的には、機能仕様にあいまいな点がないか、漏れや抜けがないか、仕様変更による修正や追加内容に問題がないかどうかなどをチェックし、不具合発生のリスクを回避します。

また、チェックの結果、開発者に対して仕様変更などを提案するケースもあります。

2:テストケース設計・テストの実行

QAエンジニアはテストケースの設計やテストの実行を行います。システムが期待通りの動作をするかどうかテストするために、QAエンジニアはシナリオを作成し、シナリオに基づいたフローを実施することでシステムを評価します。

テストによって不具合が見つかった場合は、不具合の再現手順などを含めて開発者へ報告します。このようなテストケースの設計や実行は、QAエンジニアの中心業務だと言えるでしょう。

3:不具合分析

QAエンジニアはテスト結果に応じて不具合の分析を行います。これまで見つかった不具合の傾向を分析することで、不具合の再発防止策の提案などを行います。

また、不具合だけでなくシステム開発における各工程を分析することで、開発側へより効率的な作業を行うためのフィートバックを行うこともあります。

4:テスト自動化の構築・実行

QAエンジニアは必要に応じてテストを自動化します。特に多くのデータを使うテストを実施する場合は、テスト自動化ツールを利用した効率的なテスト計画を検討します。

また、ツールを利用したテスト自動化であっても、テスト自動化を構築するためには一般的なエンジニアと同様に開発作業や運用作業を行う必要があります。そのため、QAエンジニアにも品質保証の側面でのシステムの設計や開発スキルが必要となります。

5:開発プロセスの確認・改善

QAエンジニアは開発プロセスの見直しや改善などを行います。QAエンジニアとしてシステムのレビューや結果の分析を行うことで、不具合の発生の原因となった開発プロセス自体の問題点が浮かび上がってきます。

不具合を作りこまないようにするためにはどのように開発を行えばよいのか、不具合が作りこまれた場合でもより早く発見するためにはどのようなテストを実施すればよいのかなど、QAエンジニアは開発プロセスの改善によって製品の品質を向上させていきます。

6:専用窓口がない場合の顧客対応

QAエンジニアは専用の問い合わせ窓口がない場合の顧客対応も行います。QAエンジニアやテストエンジニアは自社製品やサービスの仕様について開発者よりも深く理解していることも多いため、不具合対応の窓口として従事するケースがあります。

また、企業によっては品質管理についてはQA部門に権限を一任し、不具合についての責任もQA部門が負うという社内構造にしているケースがあります。

QAに必要なスキル4つ


QAエンジニアは自社の製品やシステムに関する品質保証を行う重要な職種となっているため、高い専門的なスキルが求められます。そのため、一般的にはプログラマーなどの職種からキャリアアップしてQAエンジニアになるケースが多いでしょう。

ここではQAに必要なスキル4つを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:問題解決能力

QAエンジニアはシステムの不具合を検出するだけでなく、不具合が作りこまれる原因となっている開発プロセスの課題や問題点などを見つけ、開発プロセスの見直しを行うことも仕事です。

また、具体的な不具合削減のための施策を立てるためにも、QAエンジニアには問題解決能力が求められます。

2:コーディングスキル

QAエンジニアはシステムの機能仕様についてレビューを行うことが仕事です。そのためには、すでに実施されている単体テストや結合テストなどのテスト結果を読み解く必要があるため、開発に用いられた言語に関するコーディングスキルが必要となります。

また、テスト自動化ツールの構築を行うためにもコーディングスキルが求められるため、QAエンジニアには技術的なスキルも必要です。

3:論理的思考能力

論理的思考能力とは、物事を筋道を立てて順番に検討していく能力のことです。論理的思考能力があれば、システム設計や開発の際にも効率的かつ不具合の少ない開発作業が実現できます。

そのため、QAエンジニアに限らずエンジニア職には論理的思考力が必要となりますが、QAエンジニアの場合は不具合軽減のための開発プロセスの改善などを検討する際に論理的思考能力が求められるでしょう。

4:ソフトウェアテストの設計・実行スキル

QAエンジニアはテスト技法に基づいたテストの設計や実行を行うことが仕事です。開発されたシステムごとに適切なテストを設計する必要があるため、さまざまなテスト技法を把握した上でソフトウェアテストを設計したり、実行したりするスキルが求められます。

QAエンジニアの年収とは


QAエンジニアの平均年収は400~500万円ほどとなっています。そのため、日本の給与水準から見ると比較的高額な傾向にあると言えるでしょう。

また、品質保証に役立つIT資格などを取得することにより、資格手当などによってさらなる年収アップを期待することができるでしょう。

QAエンジニアの仕事を理解して転職を目指そう


QAエンジニアは開発者とは異なる視点からソフトウェアの機能仕様などのレビューを行い、品質保証を行うエンジニアです。

ぜひ本記事で紹介したQAエンジニアの役割やQAエンジニアの仕事内容、必要なスキルなどを参考に、QAエンジニアについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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