オプティマイザとは?
オプティマイザとは、最適化を行うためのソフトウェアや機能のことです。
最適化というのは、ある物事について、その設定や構造などを調整して、より良い状態に整えていくことを指します。
つまりSalesforce オプティマイザというのは、Salesforceの環境をより良く整えていくための機能のことです。オプティマイザを実行した時点での組織状態や、問題がある部分はどこか、問題に対しての対処方法はなにかなどを診断し、教えてくれるのです。
Salesforce オプティマイザを活用するメリット
オプティマイザを使用すると、使用しているSalesforce組織の問題点やそれに対する対処方法、Lightning移行の準備、ユーザー満足度の向上など、さまざまな課題に対する計画を立てるのに役立つ情報が得られます。
例えばシステム管理者の方が、「今のSalesforce環境はベストであるのか?」ということを考えて改善していくには、ユーザー部門へのヒアリングや今ある機能の洗い出し、そこから改善すべき点を考える、など労力がかかってしまうものです。
Salesforce オプティマイザを使用すると、組織で検出された内容・その対処方法・詳細なリソースを整理して示してくれるため、どこから改善していくべきかどうか判断する上で役立つヒントになってくれます。
Salesforceにおけるオプティマイザの使い方

SalesforceのSummer’20のリリースにより、オプティマイザはアプリケーションとしても提供されるようになりました。
そのため現在は、既存の提供方法であったPDFレポートと合わせて2種類の方法で、オプティマイザによる分析結果を確認することができます。アプリケーションもPDFレポートも、簡単な設定で使用することができますので、ぜひやってみてください。
アプリケーションを使う場合
- 設定ページを開き、クイック検索ボックスに「オプティマイザ」と入力する
- 表示される「オプティマイザ」を選択する
- まだアクセスを許可していない場合は許可してオプティマイザを有効にする
- アプリケーションを自動的に実行して更新するかどうかを決定する
- 「オプティマイザを開く」をクリックする
以上の設定をしたら、分析が終わるのを待ちましょう。分析が終了したらアプリケーション内通知が送信されます。
Salesforce組織の規模によってはかなり時間がかかる可能性がありますが、終了の通知が来るまでは、オプティマイザの再実行はしないようにしましょう。
PDFレポートを使用する場合
Salesforce オプティマイザのアプリケーションを使用できるのは、Salesforce Lightning Experienceのみです。Salesforce Classicを使用している場合は、実行結果をアプリケーション内ではなく、PDFレポートとして受け取ることができます。
分析後、作成されたPDFレポートはSalesforceのファイルに保存される他、メールでも送信されます。
ただ、作成されるPDFレポートは英語版のみなので注意してください。
- 設定ページを開き、クイック検索ボックスに「オプティマイザ」と入力する
- 表示される「オプティマイザ」を選択する
- 「PDFの作成」「許可」「了解」をクリックする
実行する頻度はどれくらい?
Salesforceでは、少なくとも四半期に1回はオプティマイザを実行することを推奨しています。もちろんそれ以上の頻度で実行しても大丈夫です。オプティマイザの実行回数に制限はないので、好きな頻度で実行することができます。
例えば月1回のメンテナンスとして、新しいアプリケーションのインストール前など、必要に合わせてオプティマイザを実行し、Salesforce環境の最適化に活用しましょう。
Salesforce オプティマイザで表示される結果は?
オプティマイザでは以上の機能の分析結果を、種類別にまとめてわかりやすく表示してくれます。
例えば、「オートメーション機能に過負荷が生じている」「システム管理者が多すぎる」「1つのオブジェクトに対して複数のApexトリガが設定されている」など、Salesforceの環境としてあまり適切でないことが問題として扱われます。
また、これらの分析された問題は、緊急性の高い順番にリストに表示されます。リストを開けば、詳細な分析の結果と、推奨アクションや解決に役立つ関連リソースへのリンクを見ることができます。
Salesforce オプティマイザで分析できる機能
アプリケーションとPDFレポートでは分析できる機能に違いがあります。それぞれどの機能が分析できるのか、表にまとめました。
基本的にどちらも分析してくれるのですが、より網羅的に分析結果を知りたい場合は、アプリケーションもPDFレポートも確認するといいでしょう。
また、事前に分析したい機能が決まっている場合は、オプティマイザを実行する前に、アプリケーションとPDFレポートのどちらが適しているか確認しましょう。
機能 |
アプリケーションで使用可能 |
PDFレポートで使用可能 |
有効な共有ルール |
◯ |
◯ |
有効な入力規則 |
◯ |
◯ |
有効なワークフロールール |
◯ |
◯ |
管理者権限 |
|
◯ |
API バージョン |
◯ |
◯ |
ケースフィード |
|
◯ |
添付ファイルからファイルへの変換 |
◯ |
◯ |
重要な権限の割り当て |
◯ |
|
カスタム項目 |
◯ |
◯ |
ユーザ数が少ないカスタムプロファイル |
◯ |
◯ |
データストレージ |
◯ |
◯ |
レコードページの詳細(Lightning Experienceのみ) |
◯ |
◯ |
バグモードを無効化 |
◯ |
◯ |
重複管理 |
|
◯ |
ページレイアウトの項目 |
◯ |
◯ |
項目の利用状況 |
◯ |
◯ |
Files の採用 |
◯ |
◯ |
ファイルストレージ |
◯ |
◯ |
JavaScriptコードを含む数式項目 |
◯ |
◯ |
機能 |
アプリケーションで使用可能 |
PDFレポートで使用可能 |
ハードコードされたURL |
◯ |
◯ |
無効な Chatter ユーザ |
|
◯ |
無効な入力規則 |
◯ |
◯ |
不完全な Chatter プロファイル |
|
◯ |
安全ではないコミュニティ共有設定 |
◯ |
|
安全ではないデフォルト外部アクセスレベル |
◯ |
|
キーボードショートカット |
|
◯ |
レコードLightningページのLightningコンポーネント |
◯ |
◯ |
Lightningセールスコンソール |
◯ |
◯ |
Lightning Service Console |
|
◯ |
マクロ |
|
◯ |
LightningプロセスビルダーへのLightningワークフロールールの移行 |
◯ |
◯ |
オブジェクトあたりの複数のApexトリガ |
◯ |
◯ |
私のドメイン |
|
◯ |
古いAPI バージョンを使用している新しいコード |
◯ |
◯ |
ニュースおよびTwitter |
◯ |
◯ |
[メモと添付ファイル]関連リスト |
◯ |
◯ |
オムニチャネル |
|
◯ |
最新でないブラウザ |
◯ |
◯ |
機能 |
アプリケーションで使用可能 |
PDFレポートで使用可能 |
オブジェクトあたりのページレイアウト |
◯ |
◯ |
パス |
|
◯ |
ユーザ数が少ない権限セット |
◯ |
◯ |
プロファイルの割り当て |
◯ |
|
公開グループとゲストユーザのキュー |
◯ |
|
オブジェクトあたりのレコードタイプ |
◯ |
◯ |
ページレイアウト上の関連リスト(Classicのみ) |
|
◯ |
待機中のリリース更新の確認 |
◯ |
|
Sコントロール |
◯ |
◯ |
すべての外部ユーザの共有ルール |
◯ |
|
静的リソース |
◯ |
◯ |
未割り当てのカスタムプロファイル |
◯ |
◯ |
未割り当てのページレイアウト |
◯ |
◯ |
未割り当ての権限セット |
◯ |
◯ |
未割り当てのレコードタイプ |
◯ |
◯ |
未割り当てのロール |
◯ |
◯ |
サポートされていないブラウザ |
◯ |
◯ |
未使用のダッシュボード・レポート |
◯ |
◯ |
User Logins |
◯ |
◯ |
オプティマイザを活用してSalesforce組織の定期検診をしよう
今回の記事では、Salesforceの機能の一つである「オプティマイザ」について解説しました。
オプティマイザは簡単な設定で使用できるうえ、Salesforce組織の詳細を分析してくれる有益な機能です。組織の進化や、社会の変化によってSalesforce環境も変えていく必要があります。定期的にオプティマイザを実行して、よりよいSalesforce環境を整えていきましょう。]]>