2022/05/12

AWS Snowmobileとは?特徴5つやプロセス・料金について紹介します

 
  

AWSとは

Amazon Web Services(AWS)は、アメリカの大手企業「Amazon.com」が提供しているクラウドサービスです。 175を超える製品が提供されており、多種多様なワークロードに対応しています。 日本の他、アメリカや中国、ドイツ、イギリスなど多くの地域にリージョンを展開しており、世界各国に向けた発信が可能です。

AWS Snowmobileとは

AWS Snowmobileは、Snowファミリーの一つで、大規模なデータ転送ができるサービスです。 データ転送に特化しており、エクサバイト単位のデータをAWSに移行できます。AWSでのビッグデータの分析、データセンターの廃止・移設などを行いたい場合に適しています。 専用トラックに積み込んだ大型デバイスであり、コネクタを使用して直接ネットワークに接続します。

Snow ファミリーとは

Snowファミリーは、クラウド間でのデータ移行を高速化するデバイス群の総称です。 Snowcone、Snowball、Snowmobileの3種類で構成されます。Snowconeは持ち運びしやすい小型サイズで、Snowballはエッジコンピューティング能力に優れています。 いずれもインターネット上ではなく、実際の現場に設置して使用します。この点は、オフラインでも実行可能というメリットにもなります。 公式ページに比較表があるので、そちらもご覧ください。

AWS Snowmobileの特徴5つ

この項目では、AWS Snowmobileの特徴を5つご紹介します。 他のSnowファミリーと比較した時、Snowmobileの特徴としてデータ転送能力が非常に高い点が挙げられます。SnowconeやSnowballがコンピューティングやストレージの機能を兼備しているのに対し、こちらはデータ転送1本に絞られています。 共通点もいくつかあるので、他のSnowファミリーについても合わせて知っておくと良いでしょう。Snowmobileには存在しない機能も多いため、併用することで活用の幅を広げられます。

特徴1:大規模なデータ転送ができる

AWS Snowmobileは、大規模なデータ転送ができます。 冒頭でも触れましたが、エクサバイト単位という非常に大きな規模のデータを高速で転送できます。通常のネットワークでは転送に数年~数十年の時間がかかってしまうようなデータでも、Snowmobileを使用すると数週間~数ヶ月で完了できます。 ペタバイト以上のデータを想定して設計されているため、それ以下の規模のデータにはあまり向いていません。その場合はより手軽なSnowconeまたはSnowballを用いると良いでしょう。

特徴2:データを自動で暗号化

AWS Snowmobileは、書き込まれる前に自動的にデータを暗号化します。 暗号化には、256ビットの暗号化キーが採用されています。キーはAWS Key Management Service(KMS)で管理できます。 また、使用された暗号化キーはディスクには書き込まれず、Snowmobileの電源が切れるとそのまま消去されます。

特徴3:耐久性が高い

AWS Snowmobileは、高い耐久性を備えています。 コンテナには不正防止機能や防水対策が施されています。また、デバイスが正常に動作できるように温度を調節する機能もあります。 また、データコンテナへのアクセスはハードウェアコントロールで制限されており、24時間稼働の監視カメラ、アラーム、GPSなども備えられています。これらと暗号化により、データ保護を強化します。 この他、オプションで輸送中のデータを警護する車両をつけることもできます。

特徴4:ニーズに合わせてカスタマイズできる

AWS Snowmobileは、ニーズに合わせてカスタイズできます。 デバイスを現場に送る前に、AWSの担当者と打ち合わせを行います。その場でニーズを確認してプランを立て、それに合わせてデバイスをカスタマイズします。

特徴5:ローカル環境で使用できる

AWS Snowmobileは、インターネット接続が困難な環境でも使用できます。 Snowmobileは実物のデバイスであり、現場でネットワークに直接繋いで使用します。このため、インターネット環境の有無を問いません。これはSnowファミリー共通の特徴でもあります。

Snowmobile ジョブとは

Snowmobile ジョブは、Snowmobileの使用開始からデータ移行までのプロセスを要約したものです。 サイト調査、サイト準備、発送と設定、データ移行、返却とアップロードの5段階があります。これに沿って、AWSへのデータの転送を進めていきます。 以下の項目で、各段階について説明していきます。

サイト調査

最初に、サイト調査を行ってプランを決定します。 AWSの担当者と打ち合わせを行い、データ移行の要件やデータセンター環境、ネットワーク状況などを確認します。それらに合わせてジョブプランを作成し、必要なデバイスが用意されます。

サイト準備

プランが決定したら、次にサイトの準備を行います。 Snowmobileの設置場所、電源、セキュリティ、ネットワークアドレス、ポートなどを用意し、使用可能な体制を整えます。 Snowmobileは大型トラックに搭載されているため、相応の駐車スペースが必要になります。スペースを上手く確保できなかったり、圧迫されたりして困ることがないように、しっかりと計画や準備をしておきましょう。 また、稼働には350KWの電力が必要です。外部電源での使用も可能ですが、オプションで発電機セットをつけられます。ただしこちらも大型なので、スペースに注意しましょう。

発送と設定

準備を終えると、AWSからSnowmobileが発送されます。その後の構築、ネットワークへの接続などは担当者と共に行います。 ネットワークケーブルつきのコネクタラックが搭載されており、これを用いてデータセンターに接続します。車輪が取り付けられているため、移動も簡単です。

データ移行

ネットワーク接続が完了すると、データ移行が可能になります。 データセンターから任意の数だけSnowmobileにデータをコピーしていきます。Snowmobileはネットワーク上ではNFSマウントと同じ形で認識されているため、NFSインターフェイスを使用した時と同じ手法で実行できます。

返却とアップロード

Snowmobileにコピーされたデータは、すべてAWSサーバに送られます。さらに、そのデータはAmazon Simple Storage Service(S3)またはS3 Glacierへインポートされます。 以上で、AWSへのデータ移行は完了となります。 注意点として、Snowmobileにはエクスポート機能は存在しないため、AWS側からデータを取り込むことはできません。Snowballには同機能が搭載されているので、エクスポートがしたい場合はそちらを使用しましょう。

AWS Snowmobileの料金

AWS Snowmobileの料金は、保存されたデータ量に基づいて発生します。 データ量1GBにつき、0.005USD(≒約0.5円)が月ごとに課金されます。課金の発生期間は、デバイスが発送されてからAWSへのデータ移行が完了するまでとなります。 データの保存先となるS3を始め、併用したサービスの料金も必要になります。見積もりの際にはそれらも加味しておきましょう。 また、現時点では一部のリージョンでサポート未対応となっています。日本にあるリージョン(東京と大阪)ではいずれも対応していないので、それらを利用している場合は注意が必要です。

AWS Snowmobileでビッグデータを高速で転送しよう

本記事では、AWS Snowmobileについてご紹介しました。 データセンター全般規模の大きなデータを高速で移行できます。セキュリティも充実しており、重要なデータの取り扱いも安全に行えます。 データ転送1本に特化されている分、やや機能は限られていますが、他のSnowファミリーを併用することで拡張性を高められます。Snowmobileの使用を検討する時は、それらについても合わせて考えてみましょう。]]>

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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