2021/03/30

AWS Snowballを解説!データ処理・転送に活用しよう!

 
  

AWSとは

Amazon Web Services(AWS)は、アメリカの大手企業「Amazon.com」が提供しているクラウドサービスです。 175を超える製品が提供されており、多種多様なワークロードに対応しています。 日本の他、アメリカや中国、ドイツ、イギリスなど多くの地域にリージョンを展開しており、世界各国に向けた発信が可能です。
AWS には、幅広いテクノロジー、業界、ユースケース向けの 175 を超えるフル機能のサービスがあります。

AWS Snowballとは

AWS Snowballは、Snowファミリーの一つで、エッジ処理やデータ転送を補助するサービスです。 エッジ環境にデータ処理(コンピューティング)やストレージなどの機能を導入し、AWSとの間でデータのやり取りが可能になります。対応する種類として、Amazon EC2、Amazon S3、Lambda関数などがあります。 現在では、Snowballという名称はサービス全体のことを指し、実際の工程で使用されるのは、その中のデバイス機能であるSnowball Edgeです。後述する特徴は、主にSnowball Edgeの機能になります。

Snow ファミリー

Snow ファミリーは、クラウド間でのデータ移行を高速化するデバイス群の総称です。 Snowcone、Snowball、Snowmobileの3種類で構成されます。Snowconeは持ち運びのしやすい小型サイズで、Snowmobileはデータ転送に特化した大型コンテナです。 いずれもインターネット上ではなく、実際の現場に設置して使用します。このことは、インターネット環境がなくても実行可能というメリットにもなります。

AWS Snowballの特徴7つ

他のSnowファミリーと比較した時、Snowballはコンピューティング能力が高いことが特徴に挙げられます。Snowconeほど軽量ではないものの、1人で持ち運びが可能なサイズであることも特徴の一つです。 他のSnowファミリーの特徴も合わせて知っておくと、より活用しやすくなるでしょう。共通する点もいくつかあります。 この項目では、知っておきたいAWS Snowballの特徴を7つピックアップし、ご紹介します。

特徴1:2種類のデバイス

AWS Snowball Edgeには2種類のデバイスが存在します。 Snowball Edge Compute Optimizedはデータ処理(コンピューティング)能力に優れており、Snowball Edge Storage Optimizedはデータ転送能力が高いことが特徴です。ニーズに合わせて適切なデバイスを選択することで、効率アップにつながります。 以下の項目で、それぞれの詳細について説明します。

Snowball Edge Compute Optimized

Snowball Edge Compute Optimizedは、データ処理(コンピューティング)に優れたデバイスです。 GPUつきのオプションが存在し、導入すればオフラインでも高速で実行できます。 ユースケースとして、機械学習、映像の処理・分析などがあります。 主にAWSへ転送する前段階で使用します。こちらでも転送は可能ですが、速度が求められる場合はStorage Optimizedがおすすめです。

Snowball Edge Storage Optimized

Snowball Edge Storage Optimizedは、データ転送に優れたデバイスです。 ストレージ容量が大きいのも特徴で、大規模なデータの移行・転送に向きます。 コンピューティング機能を搭載したオプションもあり、大きなサイズを要するコンピューティングにも対応します。ただ、コンピューティング能力自体は上記のCompute Optimizedが上回るので、あちらでは容量が足りない場合に使用するのが良いでしょう。

特徴2:暗号化によるデータ保護

AWS Snowballは、データを強制的に暗号化します。これにより、転送するデータを保護します。 暗号化はデバイス内で自動的に行われます。ここでの暗号化にはAES GCM 256ビットキーを採用しています。また、キーはAWS Key Management Service(KMS)での管理が可能です。 転送後のデータの暗号化は、その保存先の形式に基づきます。例えばS3に転送した場合、S3独自のキーとKMSキーが使用できます。

特徴3:AWS OpsHubによる操作の簡素化

AWS OpsHubは、Snowballデバイスを管理・モニタリングするインターフェイスです。 デプロイ、デバイス間のデータ移行、アプリケーションの起動などの操作をこれ一つで簡単に行えるようになります。タスクの自動化も可能で、何度も使用するタスクは自動化することで簡略にできます。 WindowsやMacにダウンロードおよびインストールして使用します。OpsHubの使用に関しては、料金は発生しません。

特徴4:インターネット環境がなくても使用できる

AWS Snowballは、インターネット接続が困難な環境でも使用できます。 Snowballは、インターネット上のサービスではなく実物のデバイスで、オフラインでも稼働できるように設計されています。したがって、使用にはインターネット環境の有無を問いません。これはSnowファミリー共通の特徴でもあります。 ただし、OpsHubのソフトウェアのダウンロードはオンラインで行う必要があるので、注意しましょう。

特徴5:複数のデバイスをクラスター化できる

AWS Snowballは、複数のデバイスでクラスターを作成できます。 新しく作業を開始するにあたり、オプションとして作成が可能です。データの耐久性を強化し、障害時にはデバイス交換が容易になります。 クラスター作成機能は、ローカルストレージとエッジ処理で使用できます。現時点では、データ転送には対応していません。また、Compute OptimizedとStorage Optimizedの混合はできないので注意しましょう。

特徴6:ブロックストレージを導入できる

AWS Snowballは、ブロックストレージを導入できます。2種類のデバイスの両方に対応します。 EC2インスタンスと接続して、EC2ベースのアプリケーションの起動、デプロイが可能になります。 同じブロックストレージサービスのAmazon EBSと比較すると、Snowballのコンピューティング機能を利用できることがメリットです。一方、EBSはデータの保存に特化しており、スナップショットを始めデータを保護する機能が豊富です。

特徴7:持ち運びができる

AWS Snowballは、持ち運びができます。 重量は約49.7lb(≒約22.5kg)で、1人で動かせる程度の重さです。そのため、比較的簡単に移動させられます。 ただ、同じSnowファミリーにはより軽量かつ小型のSnowconeもあるので、持ち運びを何度も繰り返す場合はそちらがおすすめです。Snowballは比較的大型な分、性能面で上回ります。どちらを重視するかで選択すると良いでしょう。
AWS Snowcone の機能

AWS Snowballの料金

AWS Snowballの料金は、使用する地域やリージョン、デバイスのタイプによって異なります。 S3へデータを転送する場合には、料金は発生しません。反対に、S3からデータを受け取る場合には料金が発生します。また、契約年数に対して割引が適用されます。契約年数が長いほど割引の幅は大きくなります。 使用用途によっても料金は前後します。あらかじめ見積もりをしておくと良いでしょう。 詳しくは、公式ページの料金表をご覧ください。

AWS Snowballでローカルにデータを処理・転送しよう

この記事では、AWS Snowballについてご紹介しました。 ローカルな環境を構築し、インターネット接続ができなくてもデータの処理(コンピューティング)や転送が行えるようになります。加えて持ち運びもしやすく、さまざまな場所で使用できます。 インターネットに繋がりにくい、または繋がらない地域のデータを集めたい、インターネットが使えない地域でもデータ処理・転送がしたいという方は、検討してみてはいかがでしょうか。]]>

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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