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AWS Solutions Architect の仕事と将来性
多くの企業が、クラウドコンピューティングを導入しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を実行するために、それらはハイブリッドクラウド環境へ移行していくと予想されています。クラウド環境として、AWSサービスを活用することを選択する企業が増加しています。
AWS Solutions Architectは、その案内人として期待が高まっています。本記事で、AWS Solutions Architectの資格取得、将来性、キャリアパスに至るまで紹介します。
AWS Solutions Architectの仕事とニーズ①
多くの企業は、自社内のサーバに自社アプリケーションを構築してきました。これを一般にオンプレミスと呼びます。近年になって、ビジネス環境が変化しIT技術が進化したために、様々な変更を自社アプリケーションに加える必要が出てきました。
企業は、その変化に対応するために、クラウドサービスの仮想環境へ自社アプリケーションをホスティングしてきました。
ログインしてみるとそのメニューの多さに気付くように、AWSは単なる仮想環境を提供するクラウドサービスではありません。
AWSは、OS、データベースなどのインフラストラクチャーのみならず、機械学習、人工知能、データ解析など総合的なコンピューティング環境を提供しています。
企業は、AWSを活用することで迅速に自社システムを変化させる環境を手に入れることがでます。そして、企業のニーズにあったAWS環境活用の最適化を実現し実装する案内人であるAWS Solutions Architectが必要となっています。
AWS Solutions Architectの仕事とそのニーズ②
IT専門調査会社のIDCジャパン株式会社が2020年10月に発表した「国内ハイブリッドインフラストラクチャ利用動向調査」によると、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進基盤として、企業はITインフラへの投資を増加させるとの結果が報告されています。
さらに、「ハイブリッドクラウドの新技術とオンプレミスとの連携や、アプリケーションに応じて最適なITインフラを使い分ける割合が高まり、より高度な活用が進む見込み」と予測されています。
このことは、クラウド環境がさらに複雑化し、AWS環境を活用して複数のインフラ上のアプリケーションを設計・構築・実装するという、ますます高度な知識を持つ専門家が必要になるということを示しています。
AWS Solutions Architectは、業界の特性や顧客の特性を組み合わせた最適なソリューションを提案し、アーキテクチャのデザインから導入、検証、プロトタイプの構築、プリセールス支援などを行うことになります。
AWS Solutions Architectに必要な知識と経験
AWS Solutions Architectが、顧客の特性にあったAWS活用のデザインから実装まで、総合的な案内人であることがお分かりいただけたでしょう。では、そのためには具体的にどのような知識や経験が必要となるのでしょうか。
AWS Solutions Architectに必要な知識と経験- アソシエイト
AWS Solutions Architectのアソシエイトには、AWSの技術を活用して適正なアプリケーションを構築し、実装する知識があるかが問われます。顧客の要件を正しく理解し、AWSのアーキテクチャ設計原則に従って解決策を定義できることができるかを証明しなければなりません。
顧客の要件に沿ったアプリケーションを構築し実装するには、多数のAWSのサービスの中から、適切なものを選定する必要があります。そのためには、AWSのサービスや技術(コンピューティング、ネットワーキング、データベースなど)の実践経験が必要になります。
アソシエイトを目指すためには、上記の勉強や実践的経験を積んでおきましょう。
AWS Solutions Architectに必要な知識と経験- プロフェッショナル
AWS Solutions Architectのプロフェッショナルには、アソシエイトよりも高度な知識と経験が求められます。動的なスケーラビリティ、高可用性、耐障害性、信頼を備えたアプリケーションを設計し、実装する知識や経験が要求されます。
さらにより複雑で多層のアプリケーションが対象となり、コスト面も十分に考慮された最適な提案ができることも重要な要素となります。
具体的には、AWS CLI、AWS API、AWS CloudFormation テンプレート、AWS 請求コンソール、AWS マネジメントコンソールを活用した経験が試されます。
さらに、主要なAWS技術であるVPN、AWS Direct Connectなどを利用して、ハイブリッドアーキテクチャを設計展開できることも求められます。
AWS Solutions Architect認定資格のための勉強法
AWS Solutions Architectには、アソシエイトとプロフェッショナルの異なったレベルの認定資格があります。それぞれの認定資格を取得するためには、どのような勉強方法があるのかを紹介します。
AWS Solutions Architect 資格認定
AWS認定資格は12種類あり、それぞれレベル別、役割別、専門別に分けられています。その中の一つが、AWS Solutions Architectです。レベル別に、アソシエイトとプロフェッショナルの2つに分類されています。
アソシエイトとは、1年程度のクラウド構築経験を想定していますが、AWS未経験であっても、AWS主要サービスの概要や一般的知識などを持つ人であればこのレベルに該当します。
プロフェッショナルとは、2年程度のAWSを利用したソリューション設計、運用、トラブルシューティングの経験者を想定しています。
AWS Solutions Architectは、分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性、及びスケーラビリティに関する1年以上の実務経験者を対象とした試験です。
AWS Solutions Architect 具体的勉強法
では、AWS Solutions Architectになるためにどのような勉強法があるのでしょうか。
様々なAWS資格試験受験者向けの書籍がありますが、それらはアソシエイトを目指す方に適しています。また、オンラインあるいは教室で学べるスクールもあります。それぞれ学べる内容や範囲が異なるので、しっかり比較した上で選択することが必要です。
YouTubeでもAWSの技術やサービスを学べるコンテンツは増加しています。特にAWS EC2入門など基礎的な知識を解説したものが多く、参考になります。
特に、プロフェッショナルを目指す場合は、AWS公式サイトが提供するコンテンツを活用するのが良いでしょう。公式サイトにある教育プログラムのチュートリアルを受講したり、公式ドキュメントを活用して勉強したりする方法も効果的です。
さらに、AWSサービス別資料(Black Belt Online Seminarシリーズ)のなかにYouTube動画として提供されているコンテンツを視聴するのは非常に有効的でしょう。
AWS Solutions Architectのキャリアパス
AWS Solutions Architectの資格を取得することができれば、魅力的なキャリアパスが待っています。最後に、そのキャリアパスの幾つかの例を紹介していきます。
AWS Solutions Architectからスペシャリストへ
AWS Solutions Architectから、どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。それは所属する業態によって多様ですが、ここではAWSサービスを提供するベンダーで仕事をするAWSソリューションアーキテクトを前提とします。
第1に、技術部門のスペシャリストを目指すというパスがあります。AWSは、多様なサービスで構成されています。多様なアプリケーションが、それらのサービスや技術を活用します。それらの中の特定のサービスや技術に対して深い洞察を持つスペシャリストになるパスがあります。
第2に、セールス部門のリードに就任するパスがあります。AWSサービスを活用する顧客には、金融業、製造業、リテールなど様々な企業があります。各業種で特有なアプリケーションがあり、多様なAWSサービスでかつ共通した活用の仕方があります。
そのため特定の業種向けのスペシャリストとして、セールスをリードするというパスがあります。
AWS Solutions Architectからハイエンドポジションへ
AWS Solutions Architect の資格を取得した後、さらにハイエンドのポジションに向かうこともできます。
プリセールスから開発・運用まで一貫して関与するプロジェクトを経験したスペシャリストは、AWSを活用して主要なアプリケーションを開発しようとしている企業から、CTOや技術マネージャーなどの待遇で迎えられるケースもあります。
今では、外資系のカントリーマネージャーへ転職するスペシャリストも出てきています。
AWSサービスを活用する企業が増加しているために、独立して起業し、AWSを活用したプロダクトのローンチをする、あるいはコンサルティングサービスを提供することも視野に入れることができるでしょう。
脚光浴びるAWS Solutions Architectを目指そう
企業のクラウドコンピューティングの実装をテーマにIT化することを背景に、AWS Solutions Architectが脚光を浴びていることがお分かりいただけたでしょう。さらに、将来のキャリアパスを見れば、ワクワクするような多様なキャリアパスがあることもお分かりいただけるでしょう。
その資格認定を得るための勉強の素材である書籍やスクール、またAWSから提供されるチュートリアルなど、手軽に多くのものを活用することができます。
ぜひ、AWS Solution Architectにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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