2020/12/17

【年代別】ネットワークエンジニアの年収5つ|平均年収や有利な資格を解説

 
  

ネットワークエンジニアとは?


ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークにおけるシステムの構築や保守管理などを行う技術者です。

エンジニアと言えば黙々と作業に取り組み人と接さないイメージを持たれがちですが、ネットワークエンジニアは意見交換を通して業務を進めるため、基本的に各部門の担当者やクライアントなど他人との接触が多い職種です。そのため、コミュニケーション能力はある程度に必要になります。

また、ネットワークのトラブルに対応する仕事も含まれているため、柔軟性・根気・課題解決力・説明力なども求められます。自分だけの理解力ではなく、トラブルの発生原因や解決法などを他人に説明する能力も必要なのです。

サーバーエンジニアとの違い

サーバーエンジニアは、サーバーの設計・構築・管理を行う技術者です。クライアントからインターネットでどのようなサービスを展開したいかをヒアリングし、その要望を適えるために必要なサーバーの設計を行なった後、設計図を基に構築を行います。

構築後は、必要に応じて修正や復旧作業などを担います。ネットワークエンジニアはネットワークの設計から保守まで行う存在なので、担当する分野が異なります。

ネットワークを繋ぐアプリケーションに関する業務はネットワークエンジニア、サーバーを稼働させるアプリケーションに関する業務はサーバーエンジニアの仕事です。

システムエンジニアとの違い

システムエンジニアは、各コンピュータ上で動作するソフトウェアの規格・設計・開発などを行う技術者です。ネットワークエンジニアはネットワークシステムを行うのに対し、システムエンジニアはプログラミング言語を使ってコンピューターシステムを作り上げます。

コンピューターシステムによって価値のあるデータが誕生し、ネットワークシステムでそのデータを他の人達と共有することができます。

また、ソフトウェア開発(プログラミング)を主として行う人はプログラマーと言いますが、システムエンジニアは企画と設計を担いながらプログラマーをまとめ上げる存在です。

ネットワークエンジニアの主な仕事内容4つ


ネットワークエンジニアの仕事は、大別して4つに分けられています。その内容は、ネットワーク設計・ネットワーク構築・ネットワーク運用・ネットワーク保守です。

それぞれの仕事内容ごとに担当者が置かれることもあれば、設計から保守までを1人のエンジニアで担当することもあります。チームとなって行うか、1人で全てを担うのかは、ネットワークの規模や案件によって異なります。

それでは以下に、各仕事内容についてをご紹介していきます。

ネットワークエンジニアの仕事1:ネットワーク設計

ネットワークエンジニアの仕事1つ目は、ネットワークの設計です。クライアントが求めるシステムなどをヒアリングし、要件をまとめて構築するネットワークシステムについての理論的情報を確立します。

具体的には、要件に合わせて構築の仕方・使うネットワーク機器の種類や数・使う回線などを決めていきます。このほかに、回線の使用にあたってかかる費用などネットワーク維持に必要なコストや、構築完了までのスケジュールも検討します。

理論的に構成図を考える段階なので、セキュリティ・各種OS・サーバーなど幅広い知識が必要になります。クライアントの依頼を受けてネットワークの設計を行う場合は、設計と提案の能力だけでなく、ヒアリング力やプロジェクト推進能力なども求められます。

ネットワークエンジニアの仕事2:ネットワーク構築

ネットワークエンジニアの仕事2つ目は、ネットワークの構築です。設計書を基に回線の設置などを行ない、ネットワークを構築していきます。

具体的には、設計時に決めたスケジュールの通りにネットワーク機器の設置と設定を行う作業になります。専用機器におけるソフトウェアのコンフィグレーションを行うなど、専門性の高いエンジニアらしい仕事です。

構築完了までにかかる時間は、ネットワークの規模で変動します。規模が広く結ぶ拠点が多いネットワークを構築するほど、時間がかかると考えましょう。構築後はテストを行い、問題なければ運用を開始します。

ネットワークエンジニアの仕事3:ネットワーク運用

ネットワークエンジニアの仕事3つ目は、ネットワークの運用です。構築完了後、ネットワークシステムの一部に変更や増設などを運用で行います。

ネットワークシステムは、構築が完了すれば終わりというものではありません。構築が終わった後も、必要に応じて設定の変更や構成の変更なども行っていきます。

ネットワークを立ち上げるだけでなく、立ち上げたネットワークの運用をサポートするのもネットワークエンジニアの仕事なのです。構築した本人がサポートも担うことで、より的確で効率的な作業になることが見込めます。

ネットワークエンジニアの仕事4:ネットワーク保守

ネットワークエンジニアの仕事4つ目は、ネットワークの保守です。構築後は、維持管理を行います。維持管理の中で障害が発生した時には障害を切り分け、機器を正常なものに取り換えるなど適切な対処を施します。

障害は唐突に発生する可能性がある上に、速やかに正しく直すための知識と技術が必要になります。そのため、突発的なトラブルに応ずる柔軟性と、ネットワーク全体を見渡す視野の広さ、関係する様々な知識が必要になります。

一度構築すれば障害が起きない限り忙しくなることはないため、常時はユーザーのトラブル対応(コールセンターのような仕事)を兼任することもあります。この業務は障害対応より難しくありませんが、障害発生時には急に難易度が上がる仕事です。

ネットワークエンジニアの平均年収は?


ネットワークエンジニアの平均年収は、約450万円です。一般的な平均年収は436万円なので、年収額はやや高い傾向にあります。

しかし、気になる点があります。それは、年齢の上昇と共に年収が増えないことです。他の職業では年齢と年収が比例して上がる傾向にあることが基本ですが、ネットワークエンジニアは年齢と年収に比例関係はないようです。

比例しない理由として考えられていることには、年齢と共に急速な技術進歩に追いつけなくなることもありますが、新規ネットワークの構築頻度が少ないこともあります。開発よりも保守と管理の業務が多いため、単価が安く、年収が上がりにくいと言われています。

平均月収

ネットワークエンジニアの平均月収は、約24万円となっています。この月収額は正社員で働いた場合のもので、働く企業・スキル・担当する業務内容によって変動します。

派遣社員の場合の月収は約25~35万円で、時給は約2500~3000円が相場となっています。アルバイトで雇用された場合の月収相場は約20~30万円、時給は約1500~2000円が相場です。

フリーランスでネットワークエンジニアの仕事を受けた場合は月単価での報酬になり、約40万円~がそうばとなっています。構築や運用の案件では、約50万円~が目安です。高い技術スキルを持つ場合には、月単価100万円超えになることもあります。

ネットワークエンジニアの残業代は月平均5万~7万円

上記のような年収は基準時間内の労働やボーナスだけでなく、残業の分も含まれています。

30代前半のネットワークエンジニアを含めた、ソフト系エンジニアの1カ月の残業時間は40~50時間未満が38%と最多です。これが30代後半になると、50~60時間未満が37%で最多となり、40~50時間未満が35%と続きます。また60時間以上残業する人も約20%存在します。

この結果、30代前半の残業代は約4万9,600円、30代後半になると約6万9,000円と30代後半にかけて増大しています。これは一般的に残業代が1時間あたりの通常賃金に割増率をかけて算出されるので、基本給が上がる30代後半の方が残業代単価も上がるためです。

月々の残業代が5万~7万円だとすると、12カ月分で60万~84万円を稼いでいることになります。つまり平均年収が650万円、残業代が60万円とすると約9%が残業代ということです。

ネットワークエンジニアの平均年収は高い傾向にある

30代のネットワークエンジニアの平均年収は約650万円と、他のエンジニアと比べても高い傾向にあります。ただし、単に通常賃金が高いだけでなく、残業代で稼いでいる例もあるため、年収を比べる際には残業時間のチェックもすることをおすすめします。

ボーナス

ネットワークエンジニアのボーナスは、104~195万円が相場となっています。年齢によって変動する傾向にあり、20代では104.8万円、30代では136.7万円、40代では173.6万円、50代では195.7万円が平均相場です。

また、役職や企業の規模でも違いがみられます。役職別では、主任クラスで140.5万円、係長クラスで174.9万円、課長クラスで231.1万円、部長クラスで132.6万円となっています。企業の規模別でみる1回あたりのボーナス金額では、大企業で47.4万円、中企業で39.3万円、小企業で35.6万円という結果でした。

ネットワークエンジニアが年収1000万円を超えるためには?

ネットワークエンジニアとしての年収を1000万円以上にするためには、難易度の高い資格を取得することが有効と言われています。最も難易度が高い資格は、Cisco Systems社(シスコシステムズ社)の認定資格の1つであるCCIE(エキスパート)です。

この認定を受けているネットワークエンジニアの平均年収は、約900万円とされています。日本国内やアメリカなどの企業に就職したり、フリーランスで業務をこなしていけば、年収1000万円を得ることも不可能ではありません。

ただし、CCIEの取得にはスキルと経験が必要なので、易々と取れるものではありません。取得には時間をかけて得られる実務経験も必要なので、計画を立てて1000万円に向けての日々を積んでいくことが大事です。

【年代別】ネットワークエンジニアの年収5つ


ネットワークエンジニアの年収は、年齢の上昇と共に比例して上がる傾向にはないと言われています。しかし、年齢別でみたところ、中間層の年代は若年層や後期の世代よりも年収が高い傾向にありました。

このことから分かるように、ネットワークエンジニアの年収には年齢ではなく、持っている資格やスキル、経験から得られた実務的な知識などが大きく関係しています。それでは以下に、ネットワークエンジニアの年収を5つの年代別(20代・30代・40代・50代・60代)でご紹介していきます。

ネットワークエンジニアの年収1:20代

20代のネットワークエンジニアの年収は、約339~460万円です。ネットワークエンジニアとしての経験が浅く、スキルや実務的な知識がまだ十分ではないことが多い20代前半に絞った場合の平均年収は、約339~370万円となっています。

実務を重ね、ある程度のスキルなどが身に付いてくる20代後半では、年収相場が約410~460万円になります。

ネットワークエンジニアの年収2:30代

Tech総研が行った調査によると、30代前半(30~34歳)の「ネットワーク設計・構築」の平均年収は約647万円です。これはソフト系エンジニアの中でも最高値を示しています。

最低年収は約400万円、最高年収は約1,250万円と、ソフト系エンジニアの中でも平均値が高い傾向にあります。

30代後半(35~39歳)になると、平均年収は約656万円とさらにアップします。最低年収が約400万円、最高年収が約900万円と最高年収が下がっている形ですが、平均年収はアップしています。

ネットワークエンジニアの年収3:40代

40代のネットワークエンジニアの年収は、約600万円~700万円以上が相場となっています。40代になるとそれなりの実務を重ねている方が多いため、ネットワークの設計を担当することも増えてきます。

企業では立場が上がることも多く、その事情も相まって平均年収は600万円を超えることが多くなってきます。

また、40代後半になると700万円以上になる方も珍しくないようで、一般的な40代の全国平均年収である500~510万円の相場を考えると、かなり魅力的な年収となっています。

ネットワークエンジニアの年収4:50代

50代のネットワークエンジニアの平均年収は775~780万円です。ネットワークエンジニアの年収は30~40代に高くなる傾向がありますが、50代になると伸びが鈍くなります。

どの年代も前半と後半で年収には差が出ますが、50代は前半の方が平均年収が高くなっています。50代前半の年収は780万円、後半は775万円です。

そこまで大きな違いではありませんが、他の年代でみられるように通常は後半の方が増えることを考えると、50代後半から年収が下がっていくことが推測できます。

ネットワークエンジニアの年収5:60代

60代以降のネットワークエンジニアの年収は、約500万円が相場です。この頃になると、年収が伸びない、あるいは下がる傾向がみられるようになります。

実務的な経験スキルなどに富む年代ですが、ネットワークの世界は新しい知識と技術を取り入れて業務を進める必要があるので、新しい情報を追うことが難しくなる60代以降は年収が伸びない・下がるといった状況になりやすいと考えられています。

しかし、60代以降でも最新情報に追い付き、人脈もそれなりにあれば年収を下げずにネットワークエンジニアを続けることができるでしょう。また、時間がかかる仕事ですので、体力や気力に係る健康管理が重要になります。

ネットワークエンジニアに有利な資格3選


ネットワークエンジニアの給料は、スキルが大きく関係してきます。すなわち、1人で取り組める業務の範囲が鍵となるのです。1人でかなりの知識や技術があれば、企業側にとって有益な存在となります。

ネットワークエンジニアとしての年収を上げたい・より良い企業に就職したい・年齢を重ねても続けていきたい・将来性も重く考えたいなど考えがある方は、ネットワークエンジニアに有利な資格を取得しておくと良いでしょう。

有利な資格はいくつかありますが、今回は特に有利な資格を以下に3つほどご紹介していきます。

必要な資格やスキル1:CCNA

ネットワークエンジニアとして有利に働きうために必要なスキル1つ目は、CCNAです。ネットワーク関連機器メーカーの中で世界最大手のCisco Systems社(シスコシステムズ社)が実施する、ネットワークエンジニアの技能認定試験です。

ネットワークの世界では最も有名といっても過言ではない資格で、世界共通基準の資格として扱われています。シスコシステムズ社の主力商品に関する技術力の証明になる他、基礎的なネットワーク技術を保有することの証明にもなる資格です。

資格には5段階の階級があり、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクトの順で難易度が高くなります。

最難関のアーキテクトは世界でも数万人しか保有者がいないので、就職や仕事としてはエキスパートまで取得していれば、より有利な資格となります。

必要な資格やスキル2:ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークエンジニアに有利な資格2つ目は、ネットワークスペシャリスト試験です。日本の国家資格の1つである情報処理技術者試験の中で、最も難易度が高いと言われている国家資格です。

国家資格の難易度はスキルレベルで表されており、ネットワークスペシャリスト試験は最高難易度にあたるスキルレベル4に該当しています。その難易度を示すように、令和元年の合格率は14.4%でした。

難易度がかなり高いため、最終的な目標としているネットワークエンジニアも少なくないようです。試験問題には、実務経験を問う内容の他、論述形式の出題も含まれています。

必要な資格やスキル3:基本情報技術者試験

ネットワークエンジニアとして有利に働きうために必要なスキル3つ目は、基本情報技術者試験です。情報処理技術者試験制度のスキルレベル2に相当する国家資格ですが、合格率については20%前後で推移するため、取得に際して容易くはない難関資格です。

出題される範囲はコンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース・セキュリティ・経営などです。プログラマー向け能力認定試験の側面や、システムまたはネットワークなどのユーザー側としての知識を問う部分も含まれています。

名称に基本という言葉があるように、試験では基礎知識が網羅的に問われます。ネットワークエンジニアとしてのキャリアアップを行いたい時には、最初に取得した方が良い資格の1つに挙げられています。

ネットワークエンジニアについて知ろう


ネットワークエンジニアはネットワークの設計から運用・保守までを行える存在として、インターネット社会が進んでいる現代では需要の高い職業と考えられています。

また、社会的なネット化はこれからも長期的に続くと推測されるため、ネットワークエンジニアの需要に関する将来性も明るいでしょう。

しかし、年収を上げたり、年齢を重ねても年収を下げずに働き続けたりするためには、有利な資格の身に付けが必要になります。どのような職種なのかを理解し、勉強や実務を重ねましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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