2021/06/28

ITにおけるネットワークとは?基礎知識や仕組みについて徹底解説!

 
  

ネットワークとは何か?


ネットワークとは、情報のやり取りを目的にパソコンやスマートフォンなどが繋がっているものです。普段使用しているデジタル機器の多くはインターネットをはじめとしたネットワークに接続されており、データのやり取りが行われています。

現代は情報ネットワーク社会と呼ばれており、コンピューターがネットワークに繋がって情報を相互にやりとりすることは当たり前の世の中になっています。本記事ではネットワークについてご紹介します。

ネットワークのデータ伝送方法の種類


ネットワークではデータのやり取りが行われていますが、データ伝送の方法には「パラレル伝送」と「シリアル伝送」という2つの種類があります。

ここではネットワークのデータ伝送方法の種類についてそれぞれご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

パラレル伝送

パラレル伝送とは、送信するデータを表現するためにビット数に応じた数の信号線を使用して送信する伝送方式です。

パラレル伝送でデータ送信を行う場合、たとえば1ビットのデータを1本の信号線として送る場合、1バイトのデータが同時に送信できます。

データは一般的に8ビットのデータからなる「バイト」が有名ですが、現在では32ビットなどのビット単位で扱われています。

シリアル伝送

シリアル伝送とは、複数のビットで構成されているデータを1ビットずつ送信していく伝送方式です。1バイトのデータを送信するのであれば、1ビットずつ8回送信することになります。

また、受信側は1ビットずつ順番に送られてくるデータを並べて、元通りに復元します。シリアル伝送の場合は信号線が1本で全てのデータを送ることができますが、ビットの数だけ送信する必要があります。

ITで用いられるネットワークの3つの仕組み


現代社会ではコンピューターはネットワークに接続されていることが当たり前となっています。ITの側面からネットワークの仕組みを正しく理解するためには、「プロトコル」や「OSI参照モデル」といったものへの理解が必要不可欠となります。

ここではITで用いられるネットワークの3つの仕組みをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

1:プロトコルに従ってデータをやり取りする

プロトコルとは、コンピューター同士が通信を行うために定められたデータの形式やパケット構成などの規約のことです。ネットワークでやり取りが行われるデータは、プロトコルによって形式化されて伝送されています。

また、データ伝送における規約であるプロトコルも、ネットワークの階層によってアプリケーションプロトコルやUDP、TCPなど種類の異なるプロトコルが利用されています。

2:インターネットでの通信にはTCP/IPプロトコルが使われている

インターネットでのデータ通信ではTCP/IPプロトコルが使用されています。TCP/IPは世界標準でコンピュータネットワークにおいて利用されている通信プロトコルです。

TCP/IPの階層モデルは、アプリケーション層・トランスポート層・インターネット層・ネットワークインターフェイス層の4階層となっており、OSI参照モデルよりも古く、階層も少ないです。

3:共通した通信機能の設計のためにOSI参照モデルが定義されている

OSI参照モデルはコンピュータネットワークの通信機能を7階層に分割したものです。

OSI参照モデルはそれまでメーカーごとに異なっていたネットワーク構造の設計方針を統一するために、1982年頃から定義されたネットワーク標準規格です。

OSI参照モデルの7つの階層

前述のとおり、OSI参照モデルではコンピュータネットワークに求められる機能が7つの階層に分割されて定義されています。また、各種のプロトコルは7階層それぞれに分類されています。

ここではOSI参照モデルの7つの階層についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

1:アプリケーション層について

OSI参照モデルの第7層であるアプリケーション層は、ソフトウェアが提供する機能について定義した層です。アプリケーション間でのやり取りを定義したもので、具体的な機能や通信手段、データ形式などを定めています。

アプリケーションによって使用されるプトロコルはそれぞれ異なっています。また、アプリケーション層に分類されるプロトコルとしては、HTTP、FTP、DNS、SMTP、POPなどがあります。

2:プレゼンテーション層について

OSI参照モデルの第6層であるプレゼンテーション層は、データ表現や暗号化について定義した層です。コンピューターとネットワークのデータ形式の変換を定義しており、上層のアプリケーション層へデータを渡す場合はデータ形式を適切な形式で転送できるようにします。

また、下層のセッション層にデータを渡す場合は暗号化を行います。プレゼンテーション層に分類されるプロトコルとしては、SMTP、FTP、Telnetなどがあります。

3:セッション層について

OSI参照モデルの第5層であるセッション層は、サーバやパソコンなどのホスト間の通信について定義した層です。セッション層ではサーバやパソコンの通信が確立、維持、完了するまでの手順を定めています。

セッション層に分類されるプロトコルとしてはTLS、NetBIOSなどがあり、現在主流とされるプロトコルは安全な通信を実現できるTLSです。

4:トランスポート層について

OSI参照モデルの第4層であるトランスポート層は、正確に信号を送信するためにエンド間の通信規格を定義した層です。目的に応じて適切な通信品質を実現できるもので、パケット通信に不具合があった場合に再送信を行い、重複するデータを削除することができます。

また、トランスポート層に分類されるプロトコルとしては、TCP、UDP、NetWare/IPなどがあり、代表的なプロトコルはTCPとUDPです。

5:ネットワーク層について

OSI参照モデルの第3層であるネットワーク層は、サーバとサーバを接続して最適な経路で通信を実現する層です。中継網であるルーターを経由して通信を行う際に、ネットワーク層では各機器にIPアドレスを付与してネットワーク通信を行えるようにします。

また、ネットワーク層に分類されるプロトコルとしては、IP、ARP、RARP、ICMPなどがあります。

6:データリンク層について

OSI参照モデルの第2層であるデータリンク層は、接続された隣接する機器同士の通信を実現する層です。データリンク層では隣接する機器同士が正確に通信するための規則が定められています。

また、データリンク層に分類されるプロトコルとしてはPPP、Ethernet(イーサネット)などがあり、代表的な組み合わせとしてはMACアドレスによるイーサネット接続があります。

7:物理層について

OSI参照モデルの第1層である物理層は、ハードウェアの物理的な接続を定義した層です。サーバや機器のケーブルやコネクタ、ピン数などを定めています。

また、機器間でのビット単位でデジタル信号の送受信を行うバイナリ転送について定めています。物理に分類されるプロトコルとしては、RS-232、UTP、無線などがあります。

コンピュータネットワークに必要なもの3つ


コンピュータネットワークを構成しているものはネットワークのみではありません。コンピュータネットワークの構成には、最低でも「コンピューター」「ネットワーク機器」「伝送媒体」の3つが必要になります。

ここではコンピュータネットワークに必要なもの3つをそれぞれご紹介します。

1:コンピューター

コンピュータネットワークには、パソコンやスマートフォンなどのコンピューターが必要です。さまざまなコンピューター機器を相互に接続することによって、ITネットワークは構成されます。

たとえば、社内の共有ファイルを自分のパソコンから開く場合、ファイルを管理しているコンピューターとネットワークを構成しているため、共有することができるようになっています。

2:ネットワーク機器

コンピュータネットワークには、ルーターなどのネットワークに接続するためのネットワーク機器が必要です。コンピューターそのものはネットワークに接続できないため、ルーターやWi-Fiルーターなどのハブが必要になります。

会社でも個人でも、パソコンからインターネットを利用する際には、ネットワーク機器を介してインターネットに接続することになります。

3:伝送媒体

コンピュータネットワークには、LANケーブルや無線の電波などの伝送媒体が必要です。インターネットにつなぐ方法としては有線と無線の2種類がありますが、どちらを利用する場合でも伝送媒体を使って接続しています。

たとえば、LANを使ってパソコンをインターネットに繋ぐ場合は有線、スマートフォンを利用する場合はWi-Fiや電波など無線での接続となります。

ITで用いられるネットワーク4つ


普段ITで使用されているネットワークにもいくつかの種類があります。また、ネットワークの種類によって接続領域などが異なります。

ここではITで用いられるネットワーク4つをご紹介しますので、どのようなネットワークがあるのか参考にしてみてください。

1:LANについて

LANとは「Local Area Network」を略した言葉で、社内や建物内の局地的な範囲で機器を接続したネットワークです。インターネットは世界規模で接続された広大なネットワークですが、LANは規模が限定された局地的なネットワークとなっています。

LANは主に自宅や企業内で使用しているローカルなネットワークを指します。

2:WANについて

WANとは「Wide Area Network」を略した言葉で、LANよりも広くインターネットよりも小さいネットワークです。

前述のLANは社内などの限られたローカルな範囲のネットワークですが、WANは東京本社のLANと地方支社のLANとを接続しているようなネットワークを指します。

そのため、WANはLANとインターネットの中間のネットワークだと言えます。

3:インターネットについて

インターネットとは世界規模でコンピューターなどの情報機器を接続している広大なネットワークです。普段、動画や音楽などのコンテンツを楽しむために接続しているネットワークがインターネットです。

インターネットサービスプロバイダと契約することにより、スマートフォンやパソコンを使っていつでもインターネット上のさまざまなコンテンツにアクセスすることができるようになります。

4:イントラネットについて

インターネットとはLANやWANを使用した内部的なネットワークです。企業内などのエリアを限定して構築するネットワークで、社内のみで使用するグループウェアなどを構築する際に用いられることがあります。

イントラネットはアクセスできる人を限定しているため、外部には公開されていません。

ITネットワークに携わるネットワークエンジニアの仕事内容4つ


ネットワークエンジニアとは、コンピュータネットワークの設計や構築、保守運用など、ネットワークに関連した業務を中心に行うエンジニアです。

快適な通信環境を実現するにはネットワークエンジニアの仕事は非常に重要です。ここではITネットワークに携わるネットワークエンジニアの仕事内容を4つご紹介します。

1:ネットワーク設計

ネットワーク設計とはクライアントが求めているシステムをヒアリングし、ネットワークの要件定義を行い、ネットワーク設計をする業務です。

使用するネットワーク機器の種類や数、回線の種類などの選定も行い、ネットワークを構築するまでのスケジュールも検討もします。

また、ネットワーク稼働後の維持コストなどもネットワーク設計の時点で検討を行います。

2:ネットワーク構築

ネットワーク構築とは、ネットワーク設計で計画したスケジュールに基づいてネットワークの構築を行う業務です。実際にネットワーク機器を配置し、配線を行い、設定していきます。

複数拠点を結ぶような規模が大きいネットワークの場合は、構築に何か月もの時間がかかることもあります。ネットワークを構築した後はテストを行います。

3:ネットワーク運用

ネットワーク運用とは、ネットワークの運用をサポートする業務です。ネットワークは構築して稼働すればそれで終了ではなく、実際に運用が始まってからも、実稼働に合わせて随時設定の調整や構成変更などを行うことになります。

ネットワーク運用は、クライアントが安定してネットワークが利用できるように管理する業務だと言えます。

4:ネットワーク保守

ネットワーク保守とは、ネットワークの故障やトラブルに対応する業務です。ネットワークにトラブルが発生した場合、ネットワークエンジニアは早急にトラブルの原因を調査します。

また、機器の交換を行うなどの適切な対応を行うことで、できるだけシステムに影響を与えないようにネットワークを復旧させることが仕事です。

ITネットワークに関連する資格4つ


ITネットワーク関連の仕事をするのであれば、ITネットワーク系の資格を取得するのがおすすめです。ITネットワーク関連の資格を保有していれば、エンジニアとしては未経験でも一定以上のネットワーク知識やスキルを持っていることを証明することができます。

ここでは、ITネットワークに関連する資格を4つご紹介します。

1:シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク機器製造販売会社のシスコシステムズが認定しているベンダー試験です。シスコシステムズのネットワーク機器に関する知識を認定する試験となっているため、ネットワークエンジニアなどに人気があります。

また、シスコ技術者認定にはエントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートの4段階のレベルが設けられています。まずはアソシエイトのCCNAの取得から目指すと良いでしょう。

2:LPIC

LPICはLinuxエンジニアとしてのスキルを認定する試験です。世界共通の認定資格となっており、Linuxに関する基礎知識を測るLPIC Essentials、LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3といった3段階のレベルにわかれた資格が用意されています。

サーバーなどのIT機器はLinuxをOSとして使用しているケースも多いため、ネットワークエンジニアにはLinuxの知識も求められます。

3:情報処理技術者試験

情報処理技術者試験はITエンジニアとしてのスキルを証明する国家資格です。IPAが実施している情報処理技術者試験の1区分で、スキルレベル2に相当します。

ネットワークを含めた幅広いITの基礎について問われるため、ITエンジニアとしてキャリアをスタートするなら取得するのがおすすめです。

出典:基本情報技術者試験(FE)|情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html

4:情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は情報セキュリティスペシャリスト試験の後継となる国家資格です。情報処理技術者試験とは別の独立した資格となっていますが、スキルレベル4相当の高難易度の資格となっています。

取得することで、情報セキュリティに関する専門的な知識や技能を有していることを証明できます。

出典:情報処理安全確保支援士試験(SC)|情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html

ネットワークの仕組みについて理解を深めよう!


エンジニアを目指すのであれば、コンピュータネットワークに対する理解は必須です。

ぜひ本記事でご紹介したネットワークの仕組みやOSI参照モデルの7つの階層、ITネットワークに携わるネットワークエンジニアの仕事内容などを参考に、ITにおけるネットワークについてより理解を深めてみてはいかがでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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