2023/05/2

ネットワークエンジニアの将来性は?キャリアアップには何が必要?

 
  

IT人材の不足が問題視されている現在、インフラエンジニアのひとつである「ネットワークエンジニア」の将来性は高いです。では、どのような選択肢やキャリアパスがあるのでしょうか。

今回は、ネットワークエンジニアの将来性の他、ネットワークエンジニアになるために必要なスキルや取得すべき資格などもご紹介します。

ネットワークエンジニアの将来性は?

近年では、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスを利用する企業が増え、自社内にサーバーを立てるオンプレミス型の環境構築は減りつつあるといわれています。

この状況が今後も加速すれば、ネットワークエンジニアの仕事は減っていくことになりますが、そこに将来的な不安はないのでしょうか?

まずはネットワークエンジニアの将来性について見ていきましょう。

ネットワークエンジニアの将来性は高く、需要はなくならない

結論からいえば、ネットワークエンジニアの将来性は高く、需要がなくなることはありません。

むしろネットワークに対する需要そのものは増えていくとも考えられます。企業による事業活動はもちろん、個人の生活においてもネットワークは不可欠なものとなっていますし、将来的にはより身近なものになっていくでしょう。

一方で、従来のようなオンプレミス型サーバーの設計・構築・運用保守だけを手掛けるエンジニアは、活躍の場が少なくなると見られます。

つまり、ネットワークエンジニアの需要は決してなくならないけれども、期待される役割は変化していくのです。

クラウド型のスキルが重要になる

企業によるIT環境は、オンプレミス型からクラウド型へと移行しつつあります。すでにAWSやMicrosoft Azureでサーバーを構築している企業は増えていますし、この傾向は今後も加速していくでしょう。そこで求められるのは、クラウド型に強いネットワークエンジニアです。

また、セキュリティのスキルも同時に必要になります。ネットワークセキュリティは常に重要なものでしたが、高速通信とクラウドでサービスを提供するのであれば、スピードだけでなく堅固なセキュリティも不可欠です。

これらを同時に実現できるネットワークエンジニアが、今後は求められます。

ネットワークエンジニアとは?

ここで、ネットワークエンジニアとは何かについて、今一度考えてみましょう。

ネットワークエンジニアは、ITネットワークの設計から構築、運用保守、管理までを行います。

さまざまなシステムの基盤部分を専門的に手掛ける技術者を「インフラエンジニア」と呼びますが、ネットワークエンジニアはその中のひとつ。主にサーバーを扱う「サーバーエンジニア」、セキュリティの専門家である「セキュリティエンジニア」、クラウド環境を設計・構築する「クラウドエンジニア」などとチームを組み、安全快適なネットワーク環境を作り上げるのが仕事です。

実務では、さまざまなネットワーク機器の選定や調達、実機の設置と接続、テストなどを行います。また、ネットワークだけではなく、セキュリティやクラウドに関する基礎的な知識も求められる職種です。

では、この仕事内容もふまえて、「将来性の高いネットワークエンジニア」になるためにはどんなスキルをつければいいのか?を次の章から解説していきます。

ネットワークエンジニアの将来性を高めるためスキル

オンプレミス型のニーズが減少していく中、ネットワークエンジニアとしての将来性を高めていくためには、下記のようなさまざまなスキルを身につけていくことが必要です。

  • クラウドに関するスキル
  • ワイヤレスネットワークに関するスキル
  • セキュリティに関するスキル
  • マネジメントに関するスキル

順に、具体的に見ていきましょう。

クラウドに関するスキル

総務省が公開した「令和3年版 情報通信白書」によると、業務上、たとえ一部でもクラウドサービスを利用している企業は、2020年の時点で全体の約7割にも上りました。

今後もクラウドサービスの利用率は、増え続けていくでしょう。それに伴い、クラウドを扱えるネットワークエンジニアの需要も増大していきます。

クラウドに強いエンジニアがまだまだ少ない現状は、クラウドのスキルを身につければ、活躍の場をさらに広げられるチャンスではないでしょうか。

ワイヤレスネットワークに関するスキル

私たちの身の回りには、ここ数年でIT機器が増えてきました。IoT家電などは、その典型ともいえるものですが、これらの製品の多くがWi-FiやBluetoothなどの無線技術を利用しています。

無線通信はケーブル接続のわずらわしさがなく移動範囲の制限が小さいため、今や標準的な接続方法です。ですから、ワイヤレスネットワークに関するスキルも、これからのネットワークエンジニアが身につけるべきスキルといえます。

セキュリティに関するスキル

ネットワークを構築する上で欠かせないのが、強固なセキュリティです。

大規模な情報漏洩やサイバー攻撃はしばしばニュースになりますが、それはあくまでも氷山の一角に過ぎません。

警察庁サイバー犯罪課によれば、2021年に検挙されたサイバー犯罪は1万2,275件と、過去最高を記録しました。

※参照:https://www.npa.go.jp/publications/statistics/crime/situation/r3_hanzaijyousei.pdf

しかし、その陰には検挙件数をはるかに上回る発生件数が隠れているでしょう。こうした状況から、ネットワークにおけるセキュリティ対策は重要度を増しており、対応できる人材の市場価値は今後も高まっていきます。

マネジメントに関するスキル

技術者として知識と技術の幅を広げ、さらに高めていくことは、スキルアップにおいて重要なことです。ですが、マネジメント能力を磨くことも、自分の将来性を広げるためには大いに役立ちます。

ネットワークエンジニアの多くは、下流工程で経験を積み、技術を磨いてネットワークの設計や構築などの上流工程を手掛けるようになります。そのときに必要になるのが、マネジメントスキルです。

プロジェクトの進行を管理したり、チーム内の作業負荷を調整したり、クライアントからの要望を正確にくみ取り、設計に正確に反映するためにも、マネジメント能力が欠かせません。

つまり、自分自身のマネジメントスキルを磨いておくことは、それだけ将来における選択肢を増やすことにもつながるのです。

ネットワークエンジニアの将来像の描き方

自分の将来像やキャリアパスを描くのが得意ではない方は、意外と多いのではないでしょうか。ネットワークエンジニアに限らず、技術系の方は知識や技術を身につけることに注力しますが、それをどう活かすのかをイメージしにくいのかもしれません。

続いては、ネットワークエンジニアが将来像を描くにはどうすればいいかご紹介します。

自分の能力と適性を確認する

自分の将来を描く第一歩は、客観的に自分を見つめ、能力と適性を知ることです。能力については、これまでに手掛けてきた実績を分析すれば、何が得意でどういう強みがあるかが見えてきます。同時に、弱点も見えてくるはずです。

自分の適性を知るのは少々難しいことですが、これまでの経験で、クライアントやチームメイトから喜ばれたことを思い出してみるといいでしょう。また、自分自身をよく知る同僚に聞いてみるのもいいかもしれません。

何をしたいかをイメージする

現在の自分の能力と適性を踏まえて、将来的に「何をしたいか」を明確にすれば、そこに至るまでのキャリアパスが見えてきます。そして、今の自分に何が足りないのかを見つけ、どう身につけていくかを考えましょう。

大切なのは、自分自身が「こうありたい」という強い意志。それをベースにキャリアパスを描けば、「こうすれば良かった」などと後悔することのない選択ができるはずです。

スペシャリストかゼネラリストかを選ぶ

ネットワークエンジニアが自分の将来を考える場合、2つの方向があります。

ひとつは、スペシャリストへの道です。ネットワークエンジニアとしてのスキルをひたすら高め、価値の高い仕事を手掛けます。

もうひとつはゼネラリストへの道です。ネットワークだけでなく、マネジメント能力や企画提案力などを活かした、幅広い仕事を手掛けます。自分自身の能力や適性に合わせて選択しましょう。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアのキャリアパスは前項でご紹介した、スペシャリストかゼネラリストかの選択によって、選ぶべき道も目指すべき場所も違ってきます。それぞれの方向を目指した場合に、どのようなポジションに就けるのかを見ていきましょう。

スペシャリスト系のキャリアパス

スペシャリスト系のキャリアパスは、ネットワークエンジニアとしてのスキルを磨き、さらに高めることで、ほかの人材では代わりのきかないポジションです。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、文字どおりネットワークの達人です。

上流工程から下流工程までの、ネットワークに関する広範な知識と技術に通じている職種になります。最新の知識と数多くの経験を持ち、あらゆるケースに対応できるスキルを有しているのも特徴です。

単に経験を重ねるだけでなく、その経験からひとつでも多くのことを学んで身につけていく、地道な努力の結果として得られます。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、ネットワークにおけるセキュリティに特化したエンジニアになります。サイバー犯罪が増加傾向にある現在は、セキュリティに強いエンジニアは貴重な人材です。そのため、高度なスキルを持つエンジニアに対して、多くの需要が見込めます。

企業が持つ情報に対して重い責任を負うポジションですが、それだけにやりがいは大きいです。また、高い報酬も期待できます。

テクニカルサポートエンジニア(製品エンジニア)

テクニカルサポートエンジニアは、製品エンジニアとも呼ばれます。特定のネットワーク機器に精通し、その製品の使い方やテクニカルサポートを受け持つポジションです。

機器に詳しいだけではなく、その使い方や設定のバリエーション、使用状況によって起こりうるトラブルと対処法など、実践的な知識がないと務まりません。

※より詳しくは「テクニカルサポートエンジニアとは?仕事内容・年収・キャリアパスまで徹底解説」をご覧ください。

ゼネラリスト系のキャリアパス

次に、ゼネラリスト系のキャリアパスを見てみましょう。こちらはネットワーク以外の、幅広い分野をカバーする方向で、エンジニアの枠を越えた領域にも選択肢が広がっていきます。

インフラエンジニア

インフラエンジニアはネットワークだけでなく、ITインフラ全体を扱う職種です。サーバーやセキュリティの知識と技術を備え、インフラ全体の設計から構築、運用管理までをカバーするスキルが必要になります。
ネットワークエンジニアとの関連が深く、実務を行う中で周辺の知識や技術を身につけられるので、目指しやすいポジションです。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、AWSやMicrosoft Azureなどの、クラウドサービスに精通した職種です。サーバーやネットワークの知識に加え、クラウド上での仮想環境構築に関する知識が必要になります。

近年では、クラウド上の仮想空間でサーバー構築する企業が増えていますので、今後ますます需要が高まる職種です。

フルスタックエンジニア

システムに関するすべてをカバーするのが、フルスタックエンジニアです。インフラだけでなく、アプリケーションやサーバー処理などのバックエンドに加え、ユーザー側のフロントエンドまで手掛けます。

広範囲な知識と技術が必要ですが、少数精鋭のベンチャーや、短期間でサービスを洗練させ改善していく必要のあるスタートアップなどで、需要の高い職種です。

プロジェクトマネージャー

システム開発のプロジェクト全体を統括するのが、プロジェクトマネージャーです。自分自身がエンジニアとして手を動かすよりも、スケジュール管理や作業負荷の調整など、マネジメントが主な業務になります。

クライアントとの交渉も行いますので、エンジニアとしての豊富な知識と経験だけでなく、高いコミュニケーション能力が求められるポジションです。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、コンサルティングが主な業務です。企業の抱える課題や問題をヒアリングし、ITによってどのように解決するかを企画立案します。

ITに関する幅広い知識と、多くの事例を見てきた経験のほか、コミュニケーション能力やプレゼン能力も必要です。また、クライアントの信頼を得るためには、社会人としての総合的な能力が求められます。

ネットワークエンジニアのキャリアアップのために必要な資格

ネットワークエンジニアがキャリアアップするためには、各種資格を取得しておくのも有効な手段です。

資格はエンジニアとしての知識と技術レベルを評価する基準であり、転職やキャリアチェンジの際、客観的な判断基準になります。

ネットワークエンジニアのキャリアアップに役立つ資格を、いくつかご紹介しましょう。

  • 基本情報技術者試験/応用情報技術者試験
  • ネットワークスペシャリスト試験
  • 情報処理安全確保支援士試験
  • CCNA/CCNP

それぞれ公式サイトをご紹介しつつ、順に解説していきます。

基本情報技術者試験/応用情報技術者試験

基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している国家資格です。

ITエンジニアの登竜門とされ、基礎的な知識と技術、さらには実践的な活用力がテストされます。

「基本」と「応用」に分かれていますが、応用は基本の上位資格です。試験内容がより高度になり、マネジメント能力についても試されます。

» 基本情報技術者試験
» 応用情報技術者試験

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワーク全般に関する実務的な知識と技術を問われる、独立行政法人情報処理推進機構が主催している国家資格です。

ネットワーク技術やサービスの動向に詳しく、ネットワークの論理設計・物理設計ができることに加え、ネットワークシステムの要求仕様の作成と、運用・保守ができることが求められます。

» ネットワークスペシャリスト試験

情報処理安全確保支援士試験

独立行政法人情報処理推進機構が主催している情報処理安全確保支援士試験に合格することで、セキュリティに関する専門的な知識と技術を持ち、システムの安全性を確保した上で、設計・構築・運用の全般を支援できることを証明します。

昨今のサーバー犯罪の増加もあり、従来の「情報セキュリティスペシャリスト試験」から拡充した内容となっています。

この試験の合格者は、登録手続きを行うことで「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の国家資格が得られます。

» 情報処理安全確保支援士試験

CCNA/CCNP

CCNAは、ネットワーク機器メーカー大手の、シスコシステムズが主催する認定資格です。ネットワークを中心として、無線接続やセキュリティなどに関して、広範囲な出題がなされます。ネットワークエンジニアであれば、ぜひ取得しておきたい資格といえます。

CCNPはCCNAの上位資格で、「3年から5年のエンタープライズネットワーキングソリューションの実装経験を持つことを推奨」となっており、難度は高めです。

» CCNA
» CCNP

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ネットワークエンジニアは将来性が高いのですが、そうした存在になるのは様々なスキルや資格が求められます。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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