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新卒と中途採用では履歴書の書き方は違う?
転職することを決め、履歴書作成という時に「新卒と中途採用(転職)で履歴書の書き方は違うのだろうか」と疑問がわきます。実際に違いがあるのでしょうか。
新卒と中途採用では履歴書に書く内容が違います。なぜなら、新卒者と転職者では採用の際に企業が期待することが違うからです。
「新卒者」には若い働き手として将来を期待します。それに対して「中途採用者」には、すでに社会人としてのマナーを心得、仕事のスキルをもった即戦力としての期待をしているのです。
転職の履歴書を作成する時は、自分が即戦力になるということを意識して書いてみましょう。
これまでの職歴が重要になる
転職者の採用理由について企業に統計をとったところ、「募集する仕事にあう経験があるから」というのが、すべての職種において一番多かった理由で、次に多かったのが「専門的知識や能力などのスキルがあるから」でした。
これまで在職中にどのような仕事をし、どのような経験を積んだのか、どのような知識や能力を身につけているのかが重要になります。
採用担当者にとって、転職者の「職歴」は大きな判断材料です。
転職での履歴書作成のポイント9つ
今、転職を考えている方の中には、転職の回数が多い、フリーターである、過去の職種と全く関連のない仕事をしたい、空白の期間が長いなどの不安要素をお持ちの方もいるでしょう。
まずは書類選考で残れるような履歴書を作成しましょう。そのためには、どのようなことに気をつけて作成すればよいのでしょうか。
1:フォーマットの指定がないかを確認する
履歴書を作成する時は、事前に企業指定のフォーマットがないかを募集要項で確認します。用紙のサイズ、手書きやパソコンでの作成指示など、企業からの注意点を見落とさないことが大切です。
履歴書は、100円ショップやコンビニエンスストア、文具店、書店などで販売しています。また、インターネットから様式をダウンロードして使うこともできます。
指定がなく迷う場合は、標準設計でバランス良く記入できる「JIS規格の履歴書」や職務経歴書が同封され、経歴や退職理由などが書きやすい「転職用」のセットがおすすめです。自分にとって使いやすいものを選ぶようにしましょう。
2:手書きもしくはパソコンで作成する
特に指定がない場合は手書きにするか、パソコンにするか迷うところです。どちらも一長一短で有利不利はありません。
転職したい企業が「どういう人材を求めているのか」を考えて選ぶか、「自分の強みがいかせる」方を選ぶとよいでしょう。
エンジニアを志望するならば、履歴書や職務経歴書はパソコン作成が主流でしょう。
事務職や介護職など、人を相手にする仕事への転職を志望するなら、字のきれいさや丁寧さが好印象になるので、手書きがおすすめです。
パソコンの場合フォントを統一する
パソコンで履歴書を作成する場合の注意点は、フォントを統一することです。
フォントを統一すると読みやすく整った印象になります。
フォントは明朝体を選ぶとよいでしょう。明朝体はきちんとした印象があり、ビジネス文書に適した字体です。フォントのサイズはバランスを見て、美しく見えるサイズを選びます。
3:手書きの場合は黒のボールペンで書く
履歴書作成で使用する筆記用具は、黒のボールペンが一般的です。
ボールペンは、油性ボールペンまたはゲルインクのボールペンを使い、太さは0.7mmか0.5mmを選ぶのがおすすめです。消せるボールペンは、正式な書類には適さないので注意しましょう。
書き間違えてしまった場合は、最初から書き直すのが基本です。
どうしても書き直すことができない時は「二重線と訂正印」で修正します。訂正印は、朱肉を使い正式に仕上げます。
ただし、この方法はあまりおすすめできません。書き間違えたところはどうしても視覚的に目立ってしまうので、書き直しができるよう時間に余裕をもって作成しましょう。
4:文章形式や年号を統一する
履歴書の表記は全体で統一します。
文章は「です・ます」調の文章形式にし、年号は「西暦」か「和暦」のどちらかに統一します。
年号は通常、和暦(令和・平成・昭和)で記載しますが、外資系の企業やIT企業などへの転職の場合は西暦で書くことをおすすめします。数字はいずれもアラビア数字(算用数字)を使います。
5:文字は崩さずに楷書で丁寧に書く
文字を書く時は続けずに、1画1画を正確にきっちりと書く楷書を使います。文字の大きさや間隔を揃えると見やすく、全体がスッキリとした仕上がりになります。
文字の上手下手より、丁寧に読みやすく書かれた履歴書は相手に誠実な印象を与えるでしょう。
6:文章は分かりやすく簡潔にまとめる
採用担当者は、転職者の履歴書を読むだけではなく、日々たくさんの仕事を抱えています。短時間で読める見やすい書類になるよう、文章は分かりやすく簡潔にまとめることを心がけましょう。長すぎる文章はさけ、所定のスペースに程よくおさまるようにします。
あれもこれもと詰め込むと読みにくくなります。
ただし、必要なことまで削らないようにアピールしたい部分は、しっかりと書きます。言葉を選ぶ時は、相手に伝わりやすい表現を使いましょう。
7:誤字・脱字のチェックを必ず行う
誤字・脱字から、採用担当者は転職志望者の性格や知性を想像します。
ケアレスミスで採用のチャンスを逃さないよう、誤字・脱字のチェックは必ず行いましょう。
あわせて文章の読み直しをして、おかしい部分をなおします。書き直しをできるだけしないためには、下書きすることをおすすめします。
8:虚偽の記載はしない
履歴書を書く際、あなたにとって不利な項目があったとしても、虚偽の記載はしないようにしましょう。
例えば、大学を「中退」しているにもかかわらず、「卒業」と記載したとします。無事に採用が決まったとしても、何かの拍子に事態が発覚した場合は、転職の機会を得たのに、採用が取り消されることも考えられます。
仕事というのは、信頼関係の中で成り立っていくものです。嘘の記載が発覚した場合は、社内での信用がなくなり会社に居づらくなります。目先のことにとらわれず、冷静に誠実に履歴書を作成しましょう。
中退した場合は「中途退学」と記載し、中退に至った理由を書き添えます。虚偽の記載をしてごまかすより、理由をしっかりと書くほうが賢明です。
9:言いづらい期間や空白期間もきちんと記入する
人によっては言いづらい期間・離職している長い空白の期間があるでしょう。フリーター経験がある、留学やワーキングホリデー、家族の介護や自身の健康問題など、理由はいろいろと考えられます。
これらの空白期間は年金記録などから入社後にわかるので、きちんと記入をしておきます。
ただし、書き方には注意が必要です。
例えば、フリーターであれば、アルバイトや趣味の追求をしていたと実際の理由を書き添え、自己PRの欄に体得したことを入社後にいかしたいと記載する。健康に関しては、今は治癒していて健康であることを補足するなど、採用担当者が納得できるようにしましょう。
また、採用に向けて資格や技術を習得するためにスクールに通うなど、積極的に転職にのぞむ姿勢が大切です。
転職での項目別・履歴書の書き方のコツ7つ
ここでは、7つの項目別の書き方を紹介していきます。
採用担当者が重視する項目や書き方のコツを押さえましょう。
面接につながる好印象な履歴書の作成を目指してください。
1:学歴
転職の場合は、高校卒業(含:専門学校)から記入します。
書いておきたい学歴があれば、それ以前からの記載をするのもよいでしょう。(例:中高一貫校や大学付属校など)
学校名は省略せずに正式名称を用い、高校は「高等学校」とします。大学は学部・学科、大学院は研究科・専攻を記載し、転職先で有利になりそうな場合は、研究テーマも記載します。
2:職歴
職歴は、採用担当者が特に重視する項目です。
入社、所属部署、役職、異動などを時系列で記載します。担当業務の詳細は、職務経歴書に書きましょう。
会社名は略さずに正式名称で記載します。会社名だけでは何の業種かわからないような場合は、簡単な説明を加えましょう。(業種・従業員数・職務内容など)
応募内容に該当する職務経験があれば強調します。
社名が変わった場合は、○○株式会社(現〇〇株式会社)のように、わかりやすく記載しましょう。
退職日が決まっている時は最終行に「一身上の都合により退職予定」(〇月〇日まで在職)と入れます。
3:免許・資格
今までに取得したものや、現在勉強中のものを記載します。勉強中で取得がまだの場合はその旨を書き添えます。免許と資格は正式名称にし、記載は取得した年月日順にします。
たくさんの資格を持っている場合は取捨選択をしましょう。
書いた方がよい資格は、普通自動車免許・転職先の職種に役立つ資格・難易度が高い資格・同じ資格の上位の資格・めずらしい資格などです。
4:自己PR
戦力になれることをアピールしましょう。
今まで「何をやってきたのか」 、その体験から得たもので「企業に入って何ができるか」、 「今後どうしていきたいか」、などを具体的に書きます。企業の求める人材と自分の経験やスキルをすり合わせて、わかりやすくまとめることが大切です。
メモを作って整理することで文章が書きやすくなるので、ご自身のことを振り返り、メモを作ってみてください。
5:志望動機
志望動機が職歴やスキルに連動していると大きなポイントになります。
まずは、応募する企業の情報を集めて、どういう企業なのかを把握します。そうして、自分の今までの職歴、経験、性格と趣味・特技などから、企業が欲しい人材と自分との接点を見つけて文章を作成します。
「なぜこの企業を選んだのか」、「入社して、どういうことがしたいのか」、「自分の経験と強みをいかして貴社に貢献していきたい」など、どうしても働きたいという思いを盛り込むことで、面接へとつなぎましょう。
6:趣味
趣味・特技の項目で採用を左右されることはありませんが、採用担当者の興味をひきやすく、その人の日常や人間性があらわれやすいので「特になし」というのは避けます。
「テニス」、「英語」、「音楽鑑賞」などと書くだけでなく、「テニス(スクール月3回)」、「英語(ラジオ英会話を通勤電車の中で聞く)」、「音楽鑑賞(主にJ-pop)」というように具体的なことを少し付け加えておくのもよいでしょう。
面接の場で話が広がるきっかけになります。
7:賞罰
企業から、賞罰の申告を求められていない場合は、賞罰欄がない履歴書で作成しても問題ありません。
賞罰とは、「賞」は受賞歴や表彰歴などの功績、「罰」は犯罪歴などの社会的規範を犯したことをあらわします。
受賞・表彰の記載基準については、全国のあるいは国際的な大会での入賞や、国や都道府県からの表彰があてはまります。賞は正式名称で書き、受賞年月を記入します。賞罰がない場合は「賞罰なし」と記入しましょう。
(参考例)
年号〇月 第〇回 全国〇〇大会 入賞
年号〇月 〇〇消防署長より感謝状(人命救助のため)
写真の注意点
写真は唯一のビジュアル情報なので、採用担当者の目が最初にいく部分です。
転職用の履歴書に使う写真の有効期限は3~6か月以内が目安で、見た目の印象が実物と大きく変わらないことが前提です。古い写真、スナップ、スマホの写真は使わないようにしましょう。
写真を撮る方法はスピード写真や写真館などがあります。スピード写真は身近にあり、料金も比較的安いために利用しやすいでしょう。高品質な写真を求める場合は写真館に行って、プロに撮影してもらうことをおすすめします。
服装は黒や紺などのスーツが基本で、頭髪は顔まわりが明るくなるように注意し、全体的に清潔感を出すように身だしなみを整えます。
写真を添付する際には「写真の裏に名前を書く」のを忘れないようにしましょう。
履歴書の書き方のポイントを押さえて転職を成功させよう!
「新たな職場でさらなる活躍を!」と意欲に燃えている方も、不利な条件をお持ちで不安を抱えている方も、履歴書の書き方のポイントを押さえて、正確に誠実に履歴書を仕上げてください。
今までの経験と、この企業で働きたいという強い思い、前向きな意欲をもって、ぜひとも転職を成功させましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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