この記事の目次
そもそもプロジェクトマネージャ試験とは?
プロジェクトマネージャ試験とは、情報処理関連の国家資格の1つで、情報処理推進機構によって実施されています。
情報処理推進機構は、日本のIT国家戦略を進めるために組織された独立行政法人で、2004年に経済産業省所管の政策実施機関として発足しました。略してIPA(Information-technology Promotion Agency)と呼ばれています。
IPAが実施している情報処理関連の資格は14区分に分かれており、プロジェクトマネージャ試験はそのうちの1つです。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
どんな人向けの資格?
プロジェクトマネージャ試験は、PM(Project Manager)を目指す人が対象です。PMとは、システム開発やプロジェクトの目標達成のために、責任をもって実行・管理する人を指します。
プロジェクトマネージャ試験を受験する人の多くは、PMとしての知識やスキルを深め、関連法令を学ぶことを目的としています。但し、プロジェクトマネージャ試験は、PMの経験がなくても受験可能です。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
プロジェクトマネージャ試験を取得する4つのメリット
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、おもに4つのメリットを得ることが可能です。4つのメリットとして「転職を有利に進められる」「年収・キャリアアップにつながる」「スキルの証明が可能」「IT業界での仕事の幅が広がる」が挙げられます。
プロジェクトマネージャ試験を目指す人は、4つのメリットを知り、仕事や試験勉強のモチベーションにつなげてください。それぞれのメリットについて解説しましょう。
1:転職に有利になる
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、転職を有利に進められるでしょう。履歴書に記載することで、PM(Project Manager)に関する知識やスキルの証明ができるからです。
PMの仕事は多岐にわたるため、試験勉強で身につけた知識が現場で通じるわけではありません。しかし、「プロジェクトマネージャ試験合格」と履歴書に記載があれば、PMとしての客観的な実力を応募企業にアピールできます。
2:年収・キャリアアップに活かせる
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、年収やキャリアアップにも活かせます。プロジェクトマネージャ試験は、PM(Project Manager)の実力を証明できるだけではなく、国家資格として高い評価も得られます。
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、大きな案件やリーダーを任される可能性が高くなるでしょう。キャリアアップだけではなく、年収のアップも期待できます。
3:プロジェクトマネージャとしてのスキルを示せる
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、PM(Project Manager)としてのスキルや知識を客観的に証明できます。
プロジェクトマネージャ試験は難易度が高い国家試験のため、誰もが保持できる資格ではありません。資格保持者になれば、PMとしての実力をアピールでき、職場やIT業界で高い評価を受けられるでしょう。
4:IT業界での仕事の幅を広げる事が可能である
プロジェクトマネージャ試験を取得すれば、IT業界での仕事の幅を広げられる可能性があります。
IT業界は技術革新のスピードが速く、技術者として働き続けるためにはスキルアップが必要です。
資格保持者になれば、マネジメントに興味関心があるだけではなく、一定以上の知識やスキルがあることを証明できます。専門性の高い技術者や管理職など、IT業界の仕事の幅を広げられるでしょう。
プロジェクトマネージャ試験の試験概要
プロジェクトマネージャ試験の「受験資格」「試験の難易度」「問題の出題形式」「試験の出題範囲」「合格基準・合格率」について解説します。
プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトの目標達成に向けて、品質・コスト・納期に責任をもち、チームメンバーを成長させるPM(Project Manager)を目指す人に適しています。試験の概要を理解し、チャレンジしてみましょう。
受験資格
プロジェクトマネージャ試験は受験資格の条件がなく、誰でも受験可能です。但し、IPA(情報処理推進機構)では、プロジェクトマネージャ試験の取得対象者像を設定しています。
プロジェクトマネージャ試験の対象者としては、プロジェクトの目標達成に向けて責任をもち、計画の作成や資源の確保、予算やスケジュールの実行・管理を行う者としています。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
試験の難易度
プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の区分が「スキルレベル4」となっており、難易度が高い資格の1つです。
プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の中でも「高度な知識・技能」が求められています。受験者は綿密に学習計画を立て、しっかりと勉強しましょう。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
問題の出題形式
プロジェクトマネージャ試験の出題形式は、「多肢選択式」「記述式」「論述式」の3種類です。
試験時間は午前Ⅰ(50分)・午前Ⅱ(40分)・午後Ⅰ(90分)・午後Ⅱ(120分)の4つに分かれています。午前Ⅰと午前Ⅱの出題形式は「多肢選択式」で、午後Ⅰ「記述式」、午後Ⅱ「論述式」となっています。
「多肢選択式」は四肢択一となっており、午前Ⅰの問題数が30問、午後Ⅱが25問です。「記述式」の出題数は3問で、「論述式」の出題数は2問になります。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
試験の出題範囲
プロジェクトマネージャ試験の出題範囲は、IPA(情報処理推進機構)が発表している試験要綱で確認しましょう。
午前Ⅰの出題範囲は「共通知識」、午後Ⅱは「専門知識」です。午前Ⅰの「共通知識」では、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の技術レベル3の問題が出題されます。
午後Ⅱの「専門知識」では、テクノロジ系のセキュリティ、マネジメント系のプロジェクトマネジメント、ストラテジ系のシステム企画や法務などから出題されています。
午後の試験の出題範囲は、「プロジェクトの立ち上げ・計画に関すること」「プロジェクトの実行・管理に関すること」「プロジェクトの終結に関すること」です。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
合格基準・合格率
プロジェクトマネージャ試験の合格基準は、IPAの試験要綱に記載されているので参考にしてください。
プロジェクトマネージャ試験の場合、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰの合格基準点は60点(100点満点)です。また、午後Ⅱの論述式は、ランクAとなっています。論述式は、評価ランクがA、B、C、Dに分かれており、合格基準はランクAのみです。
プロジェクトマネージャ試験の合格率は、令和2年度で15.1%(応募者数9,672名)となっています。
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM) ~ ITプロジェクトの成功請負人 ~[ Project Manager Examination ]|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
プロジェクトマネージャ試験は独学では厳しい?
プロジェクトマネージャ試験に独学で合格することは可能です。但し、IT業界の経験者や資格取得者など、専門知識やスキルをすでに保持している人に限られるでしょう。
未経験者が資格取得を目指すためには、相当な学習時間が必要です。ケースによっては、通信講座やWeb講義などを利用する方法もあります。
プロジェクトマネージャ試験以外にPM関連資格がある
プロジェクトマネージャ試験以外のPM(Project Manager)関連資格として、「PMP」と「P2M」が挙げられます。
「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」は、PMI本部によって認定されている国際資格です。PMIはアメリカの非営利団体で、日本支部も設置されています。
「P2M」は、特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会によって運営されている民間資格です。試験は「PMC」「PMS」「PMR」「PMA」の4種類に分かれています。
プロジェクトマネージャ試験を受験して転職に活かそう
プロジェクトマネージャ試験に合格して、今後の転職に活かしてみましょう。IT業界では、技術者の人材不足が深刻になっています。そのため、一定以上のスキルや知識をもつ技術者であれば、IT業界で活躍し続けることが可能です。
プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、大規模プロジェクトやシステム開発のリーダーを任せてもらえる可能性が高くなります。また、知識やスキルを証明できるため、他の技術者と差別化ができ、転職を有利に進められるでしょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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