2021/05/14

ヘルプデスクへ転職するには?ヘルプデスクに必要な7つの知識とスキル

 
  

ヘルプデスクとは?


ヘルプデスクとはシステムや操作方法など、顧客などの様々な問い合わせに対応する仕事のことです。

対応する範囲は所属するヘルプデスクにもよりますが、社内システムや媒体の使用方法やシステムトラブルの対処法についてなどの問い合わせに対し、電話やメールで回答する業務が主です。

海外からの連絡に対応する事もあるため、コミュニケーション能力以外にも英語などの語学力や対応するシステムの技術的な知識も必要になる職種です。

社内SEとの違い

ヘルプデスクと類似している職種として、社内のシステムに関するエンジニアという意味の「社内システムエンジニア(社内SE)」という職種があります。

ヘルプデスクと社内SEを同じ位置づけと定義する企業もありますが、区別をしている企業もあります。明確な線引きはないため、企業によって異なります。

ヘルプデスクが顧客からの問い合わせやトラブルの対応などの直接的に顧客と会話をする業務を担い、社内SEはシステムの開発業務を担う場合が多いです。

企業によっては、問い合わせからトラブル対応、システム開発すべてを社内SEが対応することもあります。

コールセンターとの違い

「コールセンター」と「ヘルプデスク」も顧客の質問に答える、問い合わせに対応するという意味ではとても似ている職種ですが、少し違いがあります。

コールセンターは、購入した電化製品などで使用方法がわからないときや、故障したかもしれないと感じたときに電話で問い合わせする方が多いです。

このことからわかるように、顧客からのインバウンド(電話を受電すること)で通話をしながら顧客の問い合わせに対応するサービスを提供しています。

ヘルプデスクは、もう少し技術的で専門的な内容に対応することが多いです。

コールセンターがインバウンドし、ヘルプデスクにエスカレーションされることもあります。

コールセンターもヘルプデスクも対応力が必要になりますが、ヘルプデスクの方がより専門的な知識が必要になる場合が多いです。

ヘルプデスクの種類2つ


ヘルプデスクという職種は大きく分けて「社外ヘルプデスク」と「社内ヘルプデスク」の2種類に分類することができます。

この2つのヘルプデスクの違いは何でしょうか。

「社外ヘルプデスク」と「社内ヘルプデスク」の特徴について深掘りし、ご紹介いたします。

社外ヘルプデスク

「社外向けヘルプデスク」は、自社で作られているシステムや製品に対し、社外のシステムや製品を使用している顧客からの問い合わせに対応することが多いです。

企業によっては、ヘルプデスクがすべての問い合わせの解決をする場合もありますが、関係部署への引き継ぎや照会の対応をするのみなど、業務範囲は異なります。

社外ヘルプデスクは、社内ヘルプデスクと違い対顧客サービスになります。営業やクレームの対応など、技術面以外の対応が必要になることもあります。

社内ヘルプデスク

「社内向けヘルプデスク」とは、会社内のOA機器の設定から、ネットワーク管理、社内特有のシステムなど社内の様々な技術的問題、システムトラブルに対してサポートをすることが多いです。

社内に特化したヘルプデスクになりますので、企業のシステムをはじめから学び、技術を習得する必要があります。

社内ヘルプデスクに設けられている3つの部門


企業によって異なりますが、社内ヘルプデスクには大きく分けて3つの主な部門が設けられていることが多いです。

本記事では、企業でよく設けられている主な3つの部門である、「ネットワーク部門」、「ローカル部門」、「サーバー部門」についてご紹介いたします。

1:ネットワーク部門

ネットワーク部門は、インターネットへの接続や、社内専用のネットワークシステム構築、社内からのネットワーク関連の問い合わせ対応など、社内のあらゆるネットワークを対象業務としています。

ネットワーク関連の業務は、サーバーやOA機器などと深い関わりがあるため、ローカル部門とサーバー部門のメンバーとの連携が必要になります。そのため、ネットワーク関連の知識以外にも、多岐にわたるシステムやサーバーの知識と技術が必要になります。

2:ローカル部門

「ローカル(端末)部門」では、OA機器の事務機器から、社内パソコン、そのネットワークに関する管理と整備業務全般を担っています。

業務内容は事務的な内容が多いですが、ネットワークの繋ぎ方や社内パソコンの操作方法など基礎的なシステム対応があります。それ以外にもパソコンのセットアップやクリーニング、ソフトウェアのインストールなどが挙げられます。

その他にも、照会対応の件数を減らすことや、顧客が自分でトラブルを解決できることを目的として、照会の内容をまとめたFAQを作成し、社内サイトにアップしたりする業務もあります。

パソコンやネットワークなどの問い合わせは、顧客の業務を妨げている事象であることが多いため、より迅速に回答する必要があります。迅速に回答するために従事者はITパスポートなどのIT関連の資格を取得している方が多く、技術面や知識を身につけている方が多いです。

3:サーバー部門

「サーバー部門」の業務は、ローカル部門やネットワーク部門より、ITに関する専門性が高くなるため、さらにITの知識が必要になってきます。特に、サーバー全般の専門的な知識が必要になるため、資格取得を必須とする企業もあります。

サーバー部門の業務は大きく2つに分けられます。

1つ目は、「サーバー機器の構築」です。この業務には、サーバーの配線やサーバーラックの固定などの物理的な業務があります。サーバーの設置後は、OSやアプリケーションの選択とインストール、設定などサーバーの構築に必要な専門的な業務があります。

2つ目は、「サーバーの運用と保守」です。ここでは、サーバーを運用するにあたりより必要な改修や、トラブルの対応を行うことでシステムを安定稼働させる業務です。

サーバーの障害が発生したときは、復旧と原因究明、対応方法の検討、改修内容の決定などもサーバーの運用保守業務になります。サーバーのトラブルは突然起こり、顧客に影響があることが多いので迅速に、さらに臨機応変に対応、決定できる力が求められます。

ヘルプデスク業務の特徴3つ


ヘルプデスク業務の特徴はたくさんありますが、本記事では以下3つに絞ってご紹介いたします。

「企業の運営を円滑にできる」、「コミュニケーション能力が身につく」、「顧客から感謝してもらえる」の3つが主な特徴になります。

1:企業の運営を円滑にできる

ヘルプデスクの特徴として、「顧客の問い合わせやシステムトラブルを解決し、企業全体運営円滑にすることができるところ」が挙げられます。

企業によっては、システムトラブルが発生すると顧客に直接影響が出て企業の信頼を失うような大きな損害をもたらすことがあります。

特に情報セキュリティー面はかなりセンシティブな問題です。このようなトラブルを迅速に解決したり、そもそもトラブルを起こさせない開発、対策を実施することによって企業の運営をサポートすることができます。

新規システムの開発や導入をすることで、企業の業務効率を向上させることができるという点もやりがいと感じる方がいます。

2:コミュニケーション能力が身につく

ヘルプデスクは問い合わせをいただくお客様や社員はもちろん、エスカレーション先の部署の担当者、ヘルプデスクのチームメンバーなど他部署と協力し1つの問い合わせに答えることが多いです。

様々な方とコミュニケーションをとる機会が多いため、自然とコミュニケーションスキルが身につきます。また、的確に正しい部署と連携することや、迅速な対応も身につけることができるので、仕事以外にも役立つスキルを手に入れることができます。

3:顧客から感謝してもらえる

ヘルプデスクは名前の通り、人を助ける、ヘルプする仕事ですから、問題を解決するのが主な業務内容になります。

困っている人を助けることで、助けられた側から感謝の言葉を頂ける機会がたくさんあります。直接感謝の気持ちを伝えてもらえる事も、このヘルプデスクでの仕事の魅力の1つと言えます。

ヘルプデスクに必要な7つの知識とスキル


ヘルプデスクの業務を遂行する上で、どのような知識やスキルがあると良いのでしょうか。

本記事では、ヘルプデスクに必要な以下7つの知識とスキルについてご紹介いたします。

「ヒアリング能力」、「コミュニケーション能力」、「英語力」、「システム等専門用語」、「調整力」、「トラブル対応力」「ビジネスマナー」の7つです。

1:ヒアリング能力

ヘルプデスクは、まず相手が何に困っているのかを聞き出す必要があります。

トラブルが発生しているときなどは、問い合わせ元の顧客が動転していて中々思うように状況を伝えられないときもあります。ヘルプデスクはいつ、どこで、なにが、どうした、どうしてほしいなどを迅速かつ的確に聞きだす能力が大事になってきます。

2:コミュニケーション能力

ヘルプデスク業務の特徴でもお伝えした通り、基本的なスキルとしてコミュニケーション能力が必ず求められます。

初めてお会いする方とも、すぐに協力して対応しなければならないので、電話が苦手、コミュニケーションが苦手な方は苦痛に感じるかもしれません。

言葉遣いや、会話のトーンなど、基本的なビジネスマナーを身につけておくと、より円滑に気持ちよく働ける環境になります。

3:企業によって英語能力が必要

企業分野や、担当するヘルプデスクによっては、顧客が海外にいる場合も多く、英語やその他の外国語が必要となる場合も多いです。

このような場合は、英語での会話やビジネスメールの作成はもちろん、FAQなどの作成も英語でしなければならないので、基本的な英語能力が必須になってきます。そのため、募集の段階で英語力に対して一定のスキルを要求する企業も多いです。

4:システム・専門用語に関する知識

社内システムや端末などのIT機器、サーバーについての問い合わせが主に来るため、それらの専門的な知識が求められます。

コミュニケーション能力があれば、色々なツテを使って回答を導き出すことができるかもしれませんが、システム関連の知識を持ち合わせていたらより早く解決に導くことが可能になります。

さらに、専門的な用語を使用して問い合わせが来る場合も想定されますので、そのような場合は専門性の高い質問内容である可能性も高く、知識を持ち合わせていないと回答できないこともあります。

より迅速に解決に導くためには、担当者の知識の豊富さも影響します。

5:スケジュール調整能力

ヘルプデスクは、いろいろな部署の仲介になることが多いため、部門間の情報連携や、スケジュールの調整を担うことがあります。双方の状況を把握し、さらに全体のスケジュールの調整をするので、調整力が養われます。

様々な部署との連携と調整は、コミュニケーション力も必要になりますので、スキルが必要な役割になりますが、調整役の業務を担うことは周りから頼られる存在になります。

6:トラブル対応力

ヘルプデスク業務において一番大事と言っても過言ではないのが、顧客からのクレーム、トラブル対応です。

顧客は何かしらに困っていたり、業務遂行の妨げになるようなことが発生したときに問い合わせをしてくることが多いため、いち早く解決する必要があります。そのため、臨機応変に「相手のニーズをいち早く察知し解決するスキル」が求められます。

7:ビジネスマナー

顧客から問い合わせが来る際の手段で一番多いのは、電話またはメールです。一度も顔を合わせたことがない相手と会話したり、やり取りをするわけですから、失礼のない対応や言葉遣いが必要です。

また、クレーム対応の際は、相手はイライラしている事もありますので、その感情に火をつけないように慎重に対応する必要があります。丁寧な対応と、言葉遣いで印象を良くすることができ、相手も落ち着きますので、意識するとよいでしょう。

ヘルプデスクを目指すのにおすすめの資格5つ


ヘルプデスクの業務にはさまざまなスキルが必要で、専門知識を事前に学んでおくと生かせるとお伝えしましたがどのような資格が役立つのでしょうか。

これから、ヘルプデスク業務に役立つ資格を以下5つご紹介いたします。

「ITILファンデーション試験」、「ITパスポート」、「基本情報技術者試験」、「マイクロソフトオフィススペシャリスト」、「情報セキュリティマネジメント」の5つです。

1:ITIL® ファンデーション試験

ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、イギリス政府がシステムの運用・管理について書籍化したものが起源と言われています。ITシステム運用についてのノウハウが記載されており、この資格でシステム運用の体系的な知識が身につきます。

システムを運用する上での作業効率の提案や改修の際にサポートができるので、ヘルプデスクを目指す方にとって大きな後ろ盾になるでしょう。

出典:PeopleCert/ITIL® ファンデーション試験│PROMETRIC
参考:http://it.prometric-jp.com/testlist/peoplecert/

2:ITパスポート

ITパスポートとは、情報処理技術者試験の中でも難易度が低い国家資格で手が出しやすい資格の1つです。

ITに関する正しい知識を養うことができるので、すでにIT業界でお勤めの方もスキルアップに役立てることができます。ITパスポートの資格を持つことにより、信頼度の高いエンジニア、ヘルプデスクになれます。

出典:ITパスポート試験│IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

3:基本情報技術者試験

独立行政法人の情報処理推進機構が提供している資格で、ハードウェアやネットワークなどの情報技術に特化したスキルを持っていることを証明する資格です。主にITエンジニアが取得している国家資格です。

合格率は約30%と難易度は高めですが、資格保持者は高度なITの知識を持っている人材とみなされるためヘルプデスクを目指す上で有益と言えます。

出典:基本情報技術者試験│PROMETRIC
参照:http://pf.prometric-jp.com/testlist/fe/index.html

4:マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリストは、マイクロソフトのオフィスソフト(Word、Excel、PowerPointなど)に特化したスキルを持っていることを証明する資格です。

ヘルプデスク業務は、マイクロソフトの基本ソフトを使用する機会がとても多いため、それを使いこなせるスキルがある事は大きなアピールになります。

この資格の難易度はあまり高くないので、初めてIT系の資格取得を検討する方におすすめです。

出典:マイクロソフトオフィススペシャリスト│Odyssey
参照:https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html

5:情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメントは、サイバー攻撃を防ぐための知識に特化した資格です。

現在、ITの進歩により情報化社会になり、企業がサイバー攻撃など受ける可能性が上がっています。サイバー攻撃に対しても対応できるヘルプデスクはこれから必要になってくると言えます。

合格率が約90%と難易度はあまり高くはありませんのでこちらも手を出しやすい資格になっています。

出典:情報セキュリティマネジメント試験│IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参考:https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/

ヘルプデスクのキャリアパス


ヘルプデスクの仕事内容や、必要なスキル等についてご説明しましたが、ヘルプデスクの仕事の将来性はどうなるのでしょうか。

近年、世の中のIT化に伴い、IT企業は成長していると言えますが、ヘルプデスクという職種で見たときのキャリアパスはいかがでしょうか。

ヘルプデスク業務のキャリアパスと業界の将来性についてご紹介いたします。

ヘルプデスク業界の将来性

今までお伝えしてきた通り、ヘルプデスク業務はITに関する専門的な知識が必要になります。そのため、キャリアパスとしてシステムエンジニアや、IT関係のコンサルタントになるという方も少なくありません。

近年では、AIなどのIT技術の進歩により、ヘルプデスクの業務がAIチャットボットに切り替わっているところもありますが、すべての企業のヘルプデスクがAIに置き換わることはないと言われています。

必要なスキルを取得してヘルプデスクへの転職を目指そう!


ヘルプデスクの業務内容、必要なスキル、資格についてご紹介しました。

近年では、IT化が進みIT業界が注目され、安定していると言われています。ITに強い人材になるということは、将来的に安定した業務に携わることができます。

これからIT業界に挑戦したいという方にとって、ヘルプデスク業務は未経験でも採用枠があるところも多いので、挑戦しやすい業種です。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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