この記事の目次
ITエンジニアとは?
ITエンジニアとは、IT(情報技術)に携わる技術職の総称です。「システムエンジニア」「プログラマ」「サーバーエンジニア」など、様々な技術職があります。
技術職は、未経験で転職するのは難しいというイメージを持たれやすいですが、未経験でも転職できる職業です。IT系に関する経験や知識が少ない方でも、転職の選択肢として検討してみてください。
システムエンジニア
システムエンジニアは、システムの仕様検討や設計業務が中心となる職種です。黙々とプログラミングするのではなく、顧客と直接コミュニケーションをとり、要望を聞き出すことでシステムの方向性を決めるような仕事が多いです。
設計書作成や説明資料を用意しなければならない場面も多く、技術的な知識の他にコミュニケーション能力やわかりやすい文章を書く能力などが求められます。
プログラマー
プログラマーは、設計書をもとにプログラムを作成する職種です。プログラム言語の知識や技術が必須ですが、打ち合わせの参加、設計書を読み解く機会が多いため、コミュニケーション能力や読解能力なども重要です。
プロジェクトの形式によっては設計書を作成することもあるため、幅広い能力が求められる職種であるといえます。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、システムを運用するためのサーバーの設計や構築、運用をする職種です。システムエンジニアやプログラマがシステム設計や実装を行うのに対し、サーバーエンジニアはシステムが正常に稼働するためのインフラを整備します。
サーバーエンジニアになるためには、OSやネットワーク、ITインフラに関する知識が求められます。
ITエンジニアは需要が高い?
経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2020年時点で37万人不足するとされています。
IT人材が不足しており、システムエンジニアをはじめ、ITエンジニアの需要が高まっている状況です。この傾向は、しばらく続くと予想されています。
未経験でもITエンジニアになれるといわれる理由2つ
専門知識や技術が必要とされるITエンジニアですが、未経験でもITエンジニアになれると言われています。
業務を遂行するうえでは、知識やスキルだけでなくコミュニケーション能力や文章作成能力も必要です。専門に特化している必要がないというのも要因の1つですが、その他にも2つの理由があります。
エンジニアが不足していること、企業側が未経験者の研修制度を整えていることについてお話しします。
エンジニアが不足している
今現在、エンジニアは需要に対して人数が不足しています。優秀なエンジニアほど引く手あまたであり、より先進的な環境を求めて海外へ移住してしまう場合もあります。
大規模なシステム開発の計画は増加する一方で、エンジニアの数は需要に見合わず不足しているため、未経験でもITエンジニアになれるチャンスが多いといえます。
未経験者の研修制度が整っている企業もある
未経験の人材を採用することを前提に、ITインフラの研修やプログラミング研修などを用意している企業もあります。
IT業界未経験の状態で入社したとしても、研修によって専門知識を身につけられるため、スムーズに実務に参加できるようになっています。研修制度が整っている企業であれば、未経験者でもITエンジニアになれる可能性は高いでしょう。
未経験でもできるエンジニアの仕事内容
ITエンジニアになるには、ある程度の専門知識が求められますが、専門知識がなくてもできる仕事内容もあります。例えば「システムエンジニアアシスタント」であれば、資料作成やデータ入力等の専門知識不要な業務を担当することで補助的な役割を果たせます。
未経験者の業界への入り口としては、良い経験となる場合もあります。
ITエンジニアに向いている人の特徴4つ
未経験者でもITエンジニアになれることを紹介しましたが、適性があるかどうかはわかりません。ここからは、ITエンジニアに向いている人の特徴についてお話しします。
これまでの経験ではなく、性格面についての特徴をご紹介していきますので、参考にしてみてください。
1:ITへの関心がある
1つ目の特徴は、ITへの関心があることです。IT業界は常に新しい情報や技術が出てくるため、常に勉強しなければなりません。
未経験者がITエンジニアとして働く上で重視されるのは、IT技術の情報収集や学習などで成長する余地があるかどうかです。日頃から好きで情報収集している方はITエンジニアに向いていると言えます。
2:コミュニケーションがある
2つ目の特徴は、コミュニケーション力があるという点です。ITエンジニアは、黙々と作業を進めることもありますが、基本的に一人での業務遂行は少ない業種です。
チームメンバーとの認識合わせ、会議、打ち合わせなどが多く、進捗確認を含めれば毎日コミュニケーションを求められると言っても過言ではありません。そのため、ITエンジニアはコミュニケーション能力が重視され、未経験であればなおさら重要であるといえます。
3:新しいものを創造することが好き
3つ目の特徴は、新しいものを創造することが好きであるという点です。
ITエンジニアの業務内容は多岐にわたり、実際にプログラムを作る業務ばかりではありませんが、最終的にはチームでシステムを作り上げ、運用していく職種です。何かを作るのが好きな人は、ITエンジニアが向いているでしょう。
4:集中力がある
4つ目の特徴は、集中力があるという点です。ITエンジニアは打ち合わせや会議が多く、資料作成やプログラム作成にも時間がかかるなど地道な作業の繰り返しです。
コツコツと作業を進めたり、パソコンに向かい集中して作業するのが好きな方や、苦にならない方はITエンジニアに向いています。
未経験でITエンジニアを目指す4つのコツ
ここからは、未経験でITエンジニアを目指すコツを紹介していきます。
近年は、未経験者向けのオンライン学習サービスが充実し、技術に関する情報をブログで公開していることも多いため、未経験者のプログラミング学習のハードルが低くなっています。未経験者でも、学習次第で取得できる資格がありますので、自分に合う方法を試してみてください。
1:プログラミングの基礎を勉強しておく
1つ目のコツは、プログラムの基礎を勉強しておくことです。入門レベルの内容であれば、入門書を購入したり、オンライン学習サービスを活用することでいつでも学習を始められます。
未経験からのスタートでも、実際にプログラムやWebページを作成すれば、転職の際のアピールポイントにもなるでしょう。
学習する言語の例を以下で紹介します。
HTML
HTMLは、Webサイトを構成するためのマークアップ言語です。他のプログラミング言語に比べると学習難易度が低く、視覚的に学習を進められるため、プログラミング未経験者でも入門しやすい言語です。
コーポレートサイトやキャンペーンサイトのようなWebページを作成する場合は、以下で紹介するCSS等の他言語も学習が必要になります。
CSS
CSSは、Webサイトのスタイルを指定するための言語です。HTMLと組み合わせて使う言語で、どのようにページを修飾するのか設定する際に使用されます。
CSSでは、ページ全体の色や文字、画像やブロックのサイズを指定したり、アニメーション設定をしたり画面サイズに合わせたサイズ指定もできます。HTMLとCSSの両方を学習すると、Webサイトの作成の幅が大きく広がるでしょう。
JavaScript
JavaScriptは、Webページで動作するプログラム言語でJavaとは異なります。JavaScriptを用いることでWebページがさらに便利になり、凝った演出やデザインを実装できますが、HTMLやCSSと比べると学習難易度は高くなります。
本格的にWebページを作成したい場合は、HTMLやCSSの学習と合わせて勉強する必要があります。
Ruby
Rubyとは、主にWebアプリの開発に使用されるスクリプト言語です。
日本発のプログラミング言語のため、他の言語よりも日本語で書かれた解説が多いという点、シンプルで書きやすいコードであるという点から、未経験者でも学習しやすい言語と言われています。
PHP
PHPとは、サーバーで動作するスクリプト言語です。Webページを生成できる点、データベースとの連携がしやすい点が特徴であり、HTMLファイルに埋め込むこともできます。
記述方法や仕様がプログラミング言語の中では比較的簡単とされているため、初心者でも学習しやすい言語のひとつです。
2:資格を取得する
未経験でWebエンジニアを目指すのには、資格の取得を狙うのも効果的です。ここでは、IT系の国家資格を紹介します。国家資格は、IT関係の基礎知識を問う試験となっているため、どの職種でも汎用的に役立てられます。
未経験者であれば、資格取得をアピールポイントにするだけでなく、試験勉強で学んだ知識を活かせるでしょう。
ITパスポート
ITパスポートは「情報処理技術者試験」で一番難易度が低い国家資格です。ITエンジニアのようなIT関係の職業だけでなく、ITを活用する社会人全般を対象としています。
入門的立ち位置の資格のため、未経験者でも独学で取得できます。転職時のプラス要素にはなりにくいですが、未経験者がはじめに勉強するのにはやりやすい資格だと言えるでしょう。
ITパスポート試験
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
基本情報技術者
基本情報技術者試験は、ITエンジニアを目指す人や、ITを実践的に活用する人を対象者像とした試験です。ITエンジニアとしてのキャリアを形成したい人の受験を勧めており、ITパスポートよりも難しい難易度設定となっています。
未経験者が国家資格取得を目指す場合は、ITパスポートか基本情報技術者試験のどちらかを選択して学習することをおすすめします。
IPA 基本情報技術者試験(FE) ~ ITエンジニアの登竜門 ~
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
応用情報技術者
応用情報技術者試験は、高度なIT人材となるために必要な知識や技能を持った人を対象者像とする試験です。
ITエンジニアとしてのレベルアップを図る人材に勧められており、基本情報技術者試験よりも難しい内容となっています。未経験者が取得を目指すのは難しく、合格するには半年以上の学習が必要とも言われています。
IPA 応用情報技術者試験(AP) ~ ワンランク上のITエンジニア ~
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
3:業界全体の知識を身につける
どのような職種がいいのか、どのようなキャリアを築きたいかを具体的にイメージするには、業界全体の知識を身につける必要があります。
「システムエンジニア」「プログラマー」「サーバーエンジニア」の他にもエンジニアの種類はありますし、Webサービスに関わるエンジニアと基幹システムに関わるエンジニアでは求められる技能も業務内容も異なります。
どのような業務に携わりたいのか、具体的なイメージが持てるかどうかが重要です。
4:ポートフォリオを準備する
転職活動にあたり、プログラミング言語を学習したり資格を取得することも有効ですが、実際に作った物を用意するのが効果的です。
職種によっては、ポートフォリオの提出を義務付けている場合もあります。ITエンジニアであれば、プログラミング能力が伝えられるようなソースコードや、作成したWebアプリケーションやサービスを提示することになります。
未経験者でも、学習の成果を形にすることを目指しましょう。
未経験でITエンジニアに転職する方法3つ
ここまでは未経験でもITエンジニアに転職できる理由や、ITエンジニアを目指すコツについてお話ししました。ここからは、未経験者が転職するための方法を3つ紹介します。
自分に合った学び方で、ITエンジニアとしての専門知識を身につけていきましょう。
1:独学で勉強する
ひとつは、プログラミングなどの専門知識を独学で身につけるという方法です。
費用がかからず、気軽に始められることがメリットですが、わからない点を全て自分で解決しなければならないため、学習を挫折してしまうリスクがあります。
PCの操作に慣れている場合やITに関心が強い方であれば、独学で学習を進めるのも手です。
2:スクールに通う
独学で進めるのに不安がある場合は、スクールに通うという手段があります。独学よりも多く費用がかかってしまいますが、わからないことを気軽に質問できる相手が居るのは大きいでしょう。
学習だけでなく、キャリア相談や転職のサポートを売りにしているスクールもあるため、転職する前提でスクールに通うこともできます。
3:オンラインで学習する
独学でもスクールに通うのでもない第3の選択肢として、オンライン学習という手段があります。時間や金銭的な問題でスクールに通うのが難しい方でも、オンライン学習サービスを用いれば、自分に合った方法で学習を進められます。
講師がついてくれるサービスもあれば、好きなタイミングで動画を見られるサービスもあるため、学習スタイルと学びたい内容によって選択しましょう。
未経験で転職するときに見るべき求人のポイント2つ
ここでは、未経験で転職するときに見るべき求人のポイントについて紹介します。注目すべきポイントは、企業が用意している研修制度や従業員の規模です。
未経験の場合、いくら学習を進めても実務経験が得られる訳ではないので、研修制度は重要です。また、従業員の規模が大きすぎてもITエンジニアとしてのキャリアに支障がでやすいという事情があります。
理想の転職先を探す際の基準にしてみてください。
研修制度
未経験でITエンジニアに転職したからと言って、そこがゴールにはなりません。
入社直後の研修が充実しているか、継続的にスキルアップが望める研修が用意されているかは、エンジニアとしてのキャリアに大きく影響します。教育体制が整っている会社かどうか、事前にチェックするようにしましょう。
従業員の規模
従業員の規模によって、スキルアップや得られる経験は大きく変わります。規模が大きいと個人の成果が見えにくかったり、大きな仕事を任せてもらえるまでに時間がかかったりする可能性があります。
例えば、システムエンジニアやプログラマーとして早めに経験を積んで成長したい場合は、中小規模のSESや派遣事業を行なっている企業を選ぶと、希望の業務に配属されやすいでしょう。
求める将来像によって、最適な従業員規模は変わるといえます。
未経験でもITエンジニアへの転職を検討しよう
未経験でもITエンジニアの転職は可能であることと、転職する手段についてお話ししました。
ITエンジニアのどの職種に就きたいのか具体的に決めること、独学や学習サービスを利用して専門知識の勉強をすること、求人情報をしっかりとチェックすることが大切です。
IT人材の不足はこれからも続くと言われています。IT業界未経験の方でも、ぜひITエンジニアへの転職を考えてみてください。