データベーススペシャリスト試験とは?|合格までの所要時間や取得のメリット3選

 
  

データベーススペシャリストとは?

データベースは集約、蓄積されたデータを使いやすい形に整理したものとなります。これらを的確に、そして使いやすく管理・整理することが重要です。

データベーススペシャリストは、これらの求めに応じられ、さらに下位者を指導することができると認められた人物に対して与えられる資格となります。

データベースに関する資格の中で唯一の国家資格で難易度も非常に高いものとなっています。

試験の概要

データベーススペシャリスト試験は年一回、例年4月の第3日曜日に実施されます。学歴や年齢を問わず誰でも受験可能な試験となっています。申し込みは1月の下旬から2月の下旬までの約1カ月間で、インターネットや郵送で申し込みが行えます。

全国62都市に試験会場が設けられるため、地方でも受験会場まで無理なく出向けるでしょう。

合格難易度

誰でも受験可能な国家資格試験ですが、その難易度は非常に高いものとなっています。情報処理技術者試験には難易度に応じてレベル区分がありますが、データベーススペシャリストは最上位となるレベル4に分類されています。

さらに長文読解問題も出題されるため、長文読解が苦手な方にとっては非常に難しい試験となっており、合格率が約14%といわれています。

データベーススペシャリストの試験構成

データベーススペシャリスト試験は1日の中で4つの試験を受験することになります。それぞれについて100点満点中60点以上取得することが求められます。一見低めの点数と思いますが、それだけ難易度が高いといえます。

それぞれの出題形式と、どのような問題が出題されるのかを確認していきましょう。また、試験の対策について解説し、効率的に行える勉強方法を説明していきます。

午前1

午前1の試験は、試験時間が50分間(9:30~10:20)です。出題形式は四肢択一式で、出題数は30問となります。1問の配点は3~4点となっています。

出題はテクノロジ系17問、マネジメント系8問、ストラテジ系5問の構成となっています。基礎的な問題が多く、データベーススペシャリスト試験の中では難易度は低めです。

勉強方法

午前1の試験は毎回応用情報技術者試験の午前問題の中から出題されます。また、過去問題からの流用も多いという特徴があります。このため短時間で勉強をするのであれば、応用情報技術者試験の過去問題を繰り返し解く方法がよいでしょう。

さらに午前1は応用情報技術試験に合格後2年以内や、その他の高度区分試験に合格後2年以内であれば試験免除となります。先に応用情報技術者試験を受験し合格しておくのもよい方法です。

午前2

午前2の試験は試験時間が40分間(10:50~11:30)です。出題形式は四肢択一式で、出題数は25問となります。1問の配点は各4点となっています。

出題分野はコンピュータ構成要素、システム構成要素、データベース、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術の6分野から出題されます。このうち7割がデータベースに関する問題となります。

勉強方法

午前2も比較的難易度は低めです。午前1同様に応用情報技術者試験の過去問題を繰り返し解く勉強法で短時間でも合格できるでしょう。試験問題中7割がデータベース分野となるため、特にこの分野を中心に勉強します。

午前1の試験が免除になっている人はここから試験にチャレンジすることになるため、勉強しなければならない範囲が絞られるでしょう。時間にも余裕をもって試験に臨めるメリットがあります。

午後1

午後1の試験は試験時間が90分間(12:30~14:00)で、3問の中から2問を選び記述式で回答します。配点が各50点となります。

範囲としては、データベースに関しての「企画や要件定義、開発」「運用や保守」「技術」になります。問題は長文形式となり、短い文字数で回答しなければならず、長文読解力と文章要約力が必要となります。

勉強方法

データベーススペシャリスト試験は午後の試験から長文読解が必要で、さらに回答も記述式となるため難易度がグッと上がります。短時間で勉強をすることは難しいでしょう。

平成26年からは「データベース設計」の問題が出題されているため、短時間で勉強をするならまずはこの過去問を繰り返し解くとよいでしょう。

ここ数年SQLに絡んだ出題も続いています。SQLに関する基本情報をしっかりと勉強し仕上げておきましょう。

午後2

午後1の試験は試験時間が120分間(14:30~16:30)で、2問のうち1問を記述式で回答します。出題は1問となりますが、9~14ページに及ぶ長文での出題です。

試験時間は120分と長めですが、長文を的確に理解する読解力が必要となってきます。物理データベース設計に関する問題と、論理データベース設計に関する問題の2問がここ数年の出題傾向となっています。

勉強方法

午後2の勉強法としては、徹底的に過去問を繰り返し解く方法がよいでしょう。平成26年以降はほぼ問題の構成パターンが決まっています。また、午後2の勉強をしっかりと行うことが、午後1の勉強にもつながります。

2問中1問を回答する方法なので、得意な方を徹底的に覚える勉強法もおすすめです。これなら1問の勉強に2倍の時間を費やすことが可能となります。

合格に必要な勉強時間は?

難易度が高いデータベーススペシャリスト資格を取得するまでに、勉強時間をどのくらいとるべきかを説明していきます。データベーススペシャリストの取得を考えている方の中には、仕事をしながら受験を考えている方も多いでしょう。

仕事をしながらでも勉強時間が確保できるものなのかも気になるとこでしょう。初めてデータベーススペシャリスト試験を受ける方と、実務経験者に分けて解説していきます。

初学者の場合

初めてデータベーススペシャリストにチャレンジする方は、応用情報技術者試験の受験を先に行うとよいでしょう。応用情報技術者試験なら3カ月、60時間ほどで合格できる難易度です。

これは応用情報技術者試験の内容が、データベーススペシャリストの午前試験の内容に被るためです。また、応用情報技術者試験合格者は午前1の受験が免除される特典もあります。午前1の試験が免除になると当日かなり精神的な余裕も持てます。

データべース実務の経験がある場合

データベース実務の経験がある方なら150~200時間ほど勉強時間をとれば合格が目指せるでしょう。すでに午前1の試験が免除になっている方なら、さらに短い勉強時間でも合格が目指せます。

応用情報技術者試験に合格した後にデータベーススペシャリスト試験を受ける場合には、午前2の内容はすでに習得済みと考えられるため、効率よく行えば1日1時間を3カ月ほどの勉強でもギリギリ合格可能ラインとなります。

独学でデータベーススペシャリスト取得は可能?

難易度が高いデータベーススペシャリスト資格ですが、独学でも合格を目指すことは可能です。

つまり、過去問題を解き構成パターンを覚えてしまえば独学でも合格が目指せるでしょう。過去問を解くときには、解説がのっていて理解しやすいテキストや問題集の利用をおすすめします。

データベーススペシャリストを取得する3つのメリット

難易度が高いデータベーススペシャリスト資格ですが、毎年1万人近い方が受験する人気資格でもあります。勉強時間を費やしてまでこのように大勢の方が資格取得を目指すのは、データベーススペシャリスト資格を取得するメリットがあるためです。

ここからはデータベーススペシャリスト資格を取得することで得られる3つのメリットについて目を向けていきましょう。

メリット1:客観的なスキルの証明

技術者の技量はなかなか目で見ることができず、どの程度技量があるのかを判断することが難しいでしょう。ですが、データベーススペシャリスト資格を取得することで、客観的にも高い技量があることが分かります。

情報技術者試験の中でもデータベーススペシャリスト資格はレベル4に設定された高難易度の資格です。データベーススペシャリスト資格を持っているだけでも、エンジニアとして高い技量があることが証明できます。

メリット2:転職も有利になる

エンジニアとしての技量が高ければ、やはり転職時にも有利に働きます。企業が求めているのは「自称エンジニア」ではなく、高い技術力を持ったエンジニアです。ですが、実際に高い技術力を持ったエンジニアは数少ないのが現状です。

データベーススペシャリスト資格を取得している人は、それだけで十分に高い技術力を持ったエンジニアだと分かります。データベーススペシャリストを欲しいと思う企業は多いため、好待遇が提示されるでしょう。

メリット3:業務へのモチベーションアップ

データベーススペシャリスト資格を取得するためには、忙しい時間の中でも勉強が必要です。隙間時間を効果的に活用し、勉強時間の確保を行ってきたことでしょう。これだけの勉強をしてきたという自分自身に自信が持てるでしょう。

さらにデータベーススペシャリスト資格を持つ人はプロジェクトでも中心として業務を支える人材となるでしょう。重要なポジションを与えられることはモチベーションアップに役立ちます。

データベーススペシャリスト取得後のキャリアプラン

スキルレベル4に区分されるデータベーススペシャリスト資格を取得することで、他の資格試験が一部免除になる規定があります。ダブル資格、トリプル資格の取得を目指すのもよいでしょう。民間資格を狙うこともおすすめです。

企業で働く以外にも、フリーランスとしても活躍しやすくなります。やはり資格を持っているということが自分の強みとなるため、フリーランスとしても企業から仕事を得られやすいでしょう。

データベーススペシャリストに合格しよう!

データベースエンジニアとしての実績が少なくても難関資格となるデータベーススペシャリスト資格を取得していれば実力が証明されます。客観的にも実力が証明されるため、合格を勝ち取ることには価値があります。

資格合格を目指す勉強をすることで、エンジニアとして土台もしっかりと気づけます。自信をもって仕事に取り組むことができるようになるでしょう。合格を目指し頑張りましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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