2021/02/17

テストエンジニアってどんな仕事?仕事内容や働くメリット・求められる能力を解説

 
  

テストエンジニアってどんな仕事?


システムやソフトウェアを開発する際には、完成するまでに何度もテストが行われます。そのテストの計画や実施、またテスト結果からの分析など、テストにおける全般の工程を行うのがテストエンジニアです。テストは単に動作確認をするためのものではなく、製品の品質に関わるため、ベテランの技術者がテストエンジニアを担当することが多いです。

テストエンジニアの必要性

テストエンジニアが行うテストは単なる動作チェックではありません。テストエンジニアはテストの結果を分析して、改善点を見つけたり、また改善の計画を立案したりもします。もし、テストが不十分で製品のリリース後に問題が発覚してしまうと、大きなリスクが発生してしまいます。そのため、テストエンジニアの行うテスト工程によって、事前にリスクを回避していくことは非常に重要です。

テストエンジニアの年収相場

テストエンジニアの年収相場は決して高い水準ではありません。

テストエンジニアの平均的な年収の統計データはあまりありません。企業や業務内容に大きくばらつきがあり、一概に平均年収データが取りづらいことにも理由があります。単純にテスト作業のみの業務もありますし、管理や設計に関わることもあるため、能力や業務量によって給与の差は大きいと言えます。会社の規模や正社員、契約社員などの働き方によっても給料の差はあります。

製造業の「qaエンジニア」はテストエンジニアとは仕事内容が違い品質管理などの知識も必要になるため、給料水準は高いといわれています。

もし求人に応募する場合は、採用情報をしっかり確認しましょう。

テストエンジニアの将来性

テストエンジニアの将来性としては、IT化が進む限り必要不可欠な存在です。AIがテストすることもありますが、人が行うことが必須となっています。

さらにテストエンジニアはただテスト過程だけに必要とされる存在ではなく、プログラマーやエンジニアがテスト過程と兼務していることも多く、将来性もあり、常に必要とされる存在です。

仕事内容も多岐に渡るため、テストエンジニアはスキルアップもできるとても良い仕事です。

QAエンジニアとの違い

QAエンジニアもテストエンジニアと同じようにシステムやソフィトウェアなどの開発でテストを行う仕事をします。しかし、テストエンジニアはプログラムごとに正しく動作するかのテストや、プログラムを合致させた際に不具合が起こらないかなどを確認することに対して、QAエンジニアの行うテストは完成品に対するテストでユーザーに近い環境で完成品の動作や耐久などのテストを行います。

テストエンジニアの仕事内容4つ


テストエンジニアはその名前の通り、システムやソフトウェアなどのテストを行います。そのテストにはいろいろな意味があり、製品の品質を保つために非常に重要な役割です。また、テストエンジニアはいろいろなテストを行いますが、その中でも主な仕事となる内容がいくつかあります。

1:テスト計画を立てる

システムやソフトウェアの欠陥は大きな損失となって返ってくる場合があります。そのため、テストはしっかりと目的を定め、スケジュールやテストにかけられる予算を組みます。

定めた計画通りにテストを進め、テスト結果の評価をしていきます。

2:製品の一連の動作確認

テストエンジニアはいろいろなテストを行いますが、テストエンジニアが行う主なテストの1つとして、製品の一連の動作確認があります。動作確認をする際には、単に動かしてみるだけなく、どのような観点でテストを行い、どのようなケースと想定して、どのような技法でテストを行うことが適切なのかを判断します。

3:欠陥や不具合の発見

テストエンジニアはいろいろな観点からテストケースを想定して、適切な技法でテストを行います。テストでは製品に欠陥や不具合が出ることもあります。もし、テストを行わなかったり欠陥や不具合などを見落としたりしてしまうと、そのまま製品がリリースされてしまうことになります。そのようなことを避けるためにテストは行われ、テスト結果から欠陥や不具合の改善や追加要望、再テストなどの対応が行われます。

4:改善策と提案の提起

テストを行っていると、欠陥や不具合が発見されることもあります。また、他にも改善点が見つかったり、追加要望が発生したりすることもあります。テストで得られたそれらの結果は、開発担当者に伝えられ、その後のシステム開発の改善や追加要望に応えて機能を加えるなどの修正が行われます。

テストエンジニアとして働くメリット6つ


開発者だけではどうしても視点が偏ってしまうことがあり、欠陥や不具合を見つけられなくなってしまいます。テストエンジニアはシステムやソフトウェアなどの開発を行う際の第三者検証という枠組みに当てはまり、開発者と異なる視点を持つ第三者でテストが行えるので、そのニーズが高まっています。今後ニーズが高まること以外にもテストエンジニアとして働くことにはいくつかのメリットがあります。

1:初心者でも始めやすい

テストエンジニアの業務にはプログラミング言語が不要なものがあり、未経験や初心者でも仕事がしやすいというメリットがあります。テストエンジニアの業務は、システム構築の基礎知識を深めるために、エンジニアとして駆け出しの人が最初に関わる仕事ともいわれ、経験を積んでプログラミング言語の知識が必要なテストへとステップアップしていきます。

2:開発の流れを理解できる

テストエンジニアは高いスキルを持ったエンジニアが担当することも増えてきています。もし、経験の浅いエンジニアがテストエンジニアに付いて、その仕事を学ぶことができれば、テストの技法や欠陥や不具合の発見の仕方、改善策と提案の提起方法など、多くのことを学べます。また、テストに携わることで、自身が担当する一部分だけでなく、開発の全体の流れも理解することができます。

3:今後のキャリアに活かせる

テストエンジニアは技術者としての高いスキルだけでなく、いろいろな角度でのリスクを考えて回避したり、改善したりすることも重要です。この作業はテストだけでなく、プロジェクト全体にも通じます。そのため、テストエンジニアとしてのスキルを磨くことで、プロジェクトリーダーを目指せるようなキャリアを積むことができます。また、他にも品質コンサルタントやセキュリティ系の仕事などへのキャリアパスにも繋げられます。

4:責任業務のみに専念できる

テストエンジニアは高いスキルを持つ技術者が兼任することもありますが、企業によっては開発者とテストエンジニアを完全に分けている場合もあります。もし、開発者とテストエンジニアが分けられている場合には、それぞれの責任業務のみに専念することができます。そのため、製品の品質を一定に保つことができ、開発効率を上げる効果も期待できます。

5:達成感・やりがいを感じる

テスト過程のみの作業でつまらないと思われがちなテストエンジニアですが、実はテストエンジニアの業務は多岐に渡ることも多くあります。システムやソフトウェアの開発段階から全体を理解し、テストの際にはユーザーの視点に立ってテストをしたり、不具合等を発見した際に、開発者たちとの意見交換等を行い改善を一緒に目指すこともあります。

ただテスト過程のみの作業ではなく、プロジェクトの一員として活躍でき、業務の幅を広げられるのでやりがいを感じることができます。

6:転職求人が多い

今はコロナ禍でITの活用が必須になってきており、その際のソフトウェアやシステム開発が急務となっております。そのため、開発から販売に至るまでの間にテストエンジニアが必要になることから、転職求人数が増加傾向にあります。

転職サイトにも多くの求人情報が掲載されています。ニーズが高まっている職種です。今後ITが活躍する世の中になっていく中で、テストエンジニアは必要な存在です。

テストエンジニアに求められる能力6つ


テストエンジニアの仕事の重要性は高まっています。そのため、テストエンジニアは経験の浅い若いエンジニアではなく、高いスキルを持つエンジニアが行うこともあります。そのため、テストエンジニアには高いスキルを求められることになります。その中でも、特に重要となるスキルが6つあります。

1:OA機器の基本操作

テストエンジニアが行うテストではコードを1行ずつ実行して動作確認したり、モジュールを結合して不具合を確認する統合テストなど、多くのことを行います。これらテストを行う前に用意する準備資料や、得られた結果から不具合や改善案をまとめる際には、誰が見てもわかりやすい計画書や報告書、提案書などを作成しなければいけません。そのため、見やすい資料を作るためにもOA機器を使いこなす必要があります。

2:コミュニケーション能力

上記で述べた通り、テストエンジニアは計画書や提案書などの資料を作成するスキルが意外と重要になります。また、テストの結果を報告したり、改善案を提案したりするときには、資料だけでなく、その内容を伝えるプレゼンテーション力やコミュニケーション能力も必要となります。

3:地道な作業が得意な人

テストエンジニアはあらゆるケースを想定して、テストを行います。また、コードを細かく分けて動作確認をしたり、モジュールを結合しても不具合が起きないか確認したり、条件を変えて実行したりなどするため、テストの回数は非常に多くなります。そのため、何度も繰り返すテストを地道に積み重ねていける根気も、テストエンジニアにとっては重要となります。

4:集中力

テストエンジニアが行うテストは確認項目が非常に多く、地道にテストを繰り返していく必要があります。そのため、テストエンジニアにはテストの効率を維持することや、何度も繰り返すテストの正確性を落とさないための集中力が必要となります。

5:テスト技法の知識

テストにはいろいろな技法や工程があります。そのため、最新で正確な知識がないとスケジュールに間に合わなかったり、適正な技法を選択しないと非効率なテストになってしまう場合もあります。最悪の場合、的確なテストが行われなかったことにより会社に大きな損害となって返ってくることもあります。

テストエンジニアはテスト技法の正確な知識があることで世の中に安全な製品を送り出すことができます。

6:テスト自動化ツールの知識

テストの実行には人が行うものもありますが、「自動化ツール」というものを使用する場合もあります。この「自動化ツール」の知識が必要になります。膨大な量のデータをテストする場合は自動化ツールを使用します。

そのためどのような自動化ツールが必要なのか、どのように使用するのかといった知識が必要になってきます。効率良く、的確なテストを行うために必要な知識です。

テストエンジニアにおすすめの資格4つ


テストエンジニアの仕事は重要性が高まっています。そのため、テストエンジニアになるためには高いスキルを身につける必要があります。また、テストエンジニアとして有利な資格はいくつかあり、中にはテストエンジニア専門の資格まであります。

1:JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格はテスト設計や分析、工程のマネジメントなどの知識を習得していることを証明するテストエンジニア専門の資格で、海外でも通用するほどその重要度は高いです。JSTQB認定テスト技術者資格はFoundation LevelとAdvanced Levelで分かれていて、Advanced Levelはさらにテストマネージャーとテストアナリストの2種類に分かれています。

2:IT検証技術者認定試験

IT検証技術者認定試験はソフトウェアの検証に関するエンジニアとしてのスキルを習得したことを証明する資格試験です。そのため、IT検証技術者認定試験もテストエンジニアのための資格と言えます。レベルはエントリーレベル、ミドルレベル、ハイレベルの3つに分けられていて、ステップアップしながら知識習得ができるようになっています。

3:基本情報処理技術者試験

基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基本的知識や技能と、実践的な活用能力を身に付けたことを証明する資格試験です。基本情報技術者試験はテストエンジニア専門の資格ではありませんが、エンジニアとして有利な資格のため、取得しておくと良いでしょう。ただし、名前に基本と付いていますが、その難易度は簡単なものではありません。

出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/

4:ソフトウェア品質技術者資格

テストエンジニアとしてソフトウェア品質技術資格の取得も有利な資格です。

この資格は、ソフトウェアの品質向上に関する知識を持つためのものです。ソフトウェアの安全性が確保されないと消費者や利用する企業は利益を阻害されてしまいます。このような事態を避けるために正しい知識を身に付けることができる資格となっています。

試験は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇などの地域で開催されることもありますが、受験の前に確認して申し込みをしてください。

転職にも有利なテストエンジニアを目指そう


テストエンジニアの仕事は重要度が高くなってきています。そのため、高いスキルを求められることもあります。しかし、テストエンジニアを目指すことで得られるスキルは、その後のキャリアアップにも繋げることができます。テストエンジニアを目指し、さらにその先のキャリアアップも目指しましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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