2022/06/20

SalesforceのMatcherクラスとは?使用方法に実装例とともに解説!

 
  

SalesforceのMatcherクラスとは?

SalesforceのApexクラスで「正規表現を利用した文字列検索をしたい」とお考えの方も多いでしょう。SalesforceのMatcherクラスを利用することで、正規表現を利用して文字列を検索可能です。また、正規表現や検索キーワードはPatternクラスで設定します。 SalesforceのMatcherクラスとPatternクラスの動作は、JavaのMatcherクラスとPatternクラスに基づいた動作をします。また、SalesforceのApexの正規表現についてもJavaの正規表現をベースとした動作です。 ただし、Salesforceでは正規表現の入力シーケンスへのアクセス可能回数が、1,000,000回までという制限を設けています。もし、1,000,000回を上回った状態でMatcherクラスを利用した場合、ランタイムエラーが発生します。そのため、過度な利用には注意が必要です。

Matcherクラスのメソッドの使用方法を解説

Matcherクラスでよく使用するメソッドの使用方法を実装例とともに解説します。Matcherクラスのメソッドの詳細については、SalesforceのApex開発ガイドをご参照ください。

正規表現で文字列をチェックする方法

Patternクラスで正規表現・検索対象の文字列を設定し、Matcherクラスで文字列の検索を行います。 例)「aから始まりzで終わる」文字列が検索対象にあるか、判定
// Pattern#compile()で「aから始まりzで終わる文字列」という正規表現を設定
Pattern pattern1 = Pattern.compile('a*z');

// Pattern#matcher()で検索対象の文字列「abcdefz」を設定
Matcher matcher1 = pattern1.matcher('abcdefz');

// Matcher#matches()で検索対象の文字列に正規表現が該当するか判定
// 検索対象の文字列が正規表現の「aから始まりzで終わる文字列」に該当するためtrueが返却される
System.assert(matcher1.matches());
Pattern#compile()で設定した正規表現を他の処理で利用しない場合は、Pattern#matches()を利用して上記の実装例と同じ処理を次のようなコードで実装することも可能です。
// Pattern#matches()の第1引数に正規表現を、第2引数に検索対象文字列を設定
System.assert(Pattern.matches('a*z', 'abcdefz'));

キャプチャグループを利用する方法

JavaのMatcherクラス同様にキャプチャグループを利用することが可能です。キャプチャグループは左から右へ左括弧の数で0番から番号が付与されます。例えば正規表現に「((さ)(か)) 」と設定した場合、次のグループができます。 0.((さ)(か)) 1.(さ) 2.(か)
// Pattern#compile()で「さかを含む文字列」という正規表現を設定
Pattern pattern2 = Pattern.compile('((さ)(か))');

// Pattern#matcher()で検索対象の文字列「さかな」を設定
Matcher matcher2 = pattern2.matcher('さかな');

// 正規表現に該当した検索対象文字列を取得
System.Debug(""全体 :"" + matcher2.group());  // 「全体 :さか」が出力される
System.Debug(""Group0:"" + matcher2.group(0)); // 「Group0:さか」が出力される
System.Debug(""Group1:"" + matcher2.group(1)); // 「Group1:さ」が出力される
このように、キャプチャグループごとに文字列を取得することが可能です。

文字列の検索範囲を絞ってチェックする方法

Matcherクラスでは、検索対象を文字列の開始位置と終了位置を設定できます。
String str = ""This cat weigh 4kg, but this dog weigh 30kg."";

// Pattern#compile()で「kgの前に数字がある文字列」という正規表現を設定
Pattern pattern3 = Pattern.compile('¥¥d+kg');
Matcher matcher3 = pattern3.matcher(str);

int start = matcher3.regionStart();  // 文字列の開始インデックス
int end   = matcher3.regionEnd();    // 文字列の終了インデックス

// 「検索対象の範囲 : This cat weigh 4kg, but this dog weigh 30kg.」が出力される
System.Debug(""検索対象の範囲 :"" + str.substring(start, end));
// 「該当箇所:4kg」が出力される
System.Debug(""該当箇所:"" + matcher3.group());

// 検索対象の範囲(リージョン)に開始インデックスを20で設定
matcher3.region(20, end);

// 「検索対象の範囲 :but this dog weigh 30kg.」が出力される
System.Debug(""検索対象の範囲 :"" + str.substring(20, end));
// 「該当箇所:30kg」が出力される
System.Debug(""該当箇所:"" + matcher3.group());
このように検索対象の範囲を変更することで、該当箇所の結果に違いを出すことが可能です。

アンカー設定境界を設定する方法

Matcher#region()で検索範囲を変更したことにより、ラインアンカー(^または$など)を使った正規表現に該当することがあります。例えば、「This cat weigh 4kg.」の検索範囲を「cat weigh 4kg.」に設定した場合、正規表現のcatから始まる文字列(^cat)に該当します。 そこで、文字列検索の前でMatcher#useAnchoringBounds ()の引数に「false」を指定し実行します。そうすることで、検索対象の範囲の影響を受けず、ラインアンカーを含む正規表現で文字列検索できます。
String str = ""This cat weigh 4kg."";

// Pattern#compile()で「catから始まる文字列」という正規表現を設定
Pattern pattern4 = Pattern.compile('^cat');
Matcher matcher4 = pattern4.matcher(str)

// 検索対象の範囲(リージョン)に開始インデックスを5で設定
matcher4.region(5, matcher4.regionEnd());
// 「検索対象の範囲 :cat weigh 4kg.」が出力される
System.Debug(""検索対象の範囲 :"" + str.substring(5, end));

// アンカー付き境界をnon-anchoring境界に設定
matcher4.useAnchoringBounds(false);

// non-anchoring境界に設定したため、検索対象の範囲に関係なく、
// 検索対象の文がcatから始まる文字列かを判定する
if (matcher4.matches()) {
  // catから始まる文字列の場合
  System.Debug(""〇"");
} else {
  // catから始まる文字列でない場合
  // 検索対象の文は「cat」の前に「This 」があるため、「×」が出力される
  System.Debug(""×"");
}

Matcherクラスを使って、文字列検索してみよう

今回はSalesforceのMatcherクラスについて紹介しました。SalesforceのMatcherクラスは、JavaのMatcherクラスに基づいた正規表現で文字列検索ができるApexのクラスです。Javaでプログラミングしていた方は理解しやすいでしょう。 正規表現を利用した文字列検索が必要な時は、ぜひMatcherクラスを使ってみてください。]]>

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】