Salesforce 重複ルールとは?
重複ルールとは、ユーザーが重複するレコードを登録しようしたときや、重複レコードを表示したときに、画面上でどう対処するかを定義する設定のことです。
標準オブジェクトであれば、取引先、取引先責任者、およびリードには標準重複ルールが用意されています。またその他オブジェクトに対しても、カスタマイズで重複ルールを作成することができます。
なぜ重複管理をしなければいけないのか?
Salesforceで管理されるレコードが一つでなく重複ばかりだと、ユーザーのデータに対する信頼をなくし活用されなくなるだけでなく、自社の評判を下げることにも繋がります。
例えば、法人の取引先の登録が重複している2つのレコード(取引先Aと取引先A’が)あったとします。営業の方は取引先Aに対して活動や商談を登録しています。しかし内勤者が誤って取引先A’の情報を参照して問合せや事務処理を行うと、営業の方からの正確な商談情報が伝わらずトラブルに繋がります。
また、エンドユーザーのお客様に対しても同様です。コールセンターで問合せを受けた際、同じお客様のレコードが重複し2レコードあると、誤った方にを登録してしまうことがあります。すると、コールバックする相手を間違えてしまうため、更なるトラブルに発展してしまう可能性もあります。
このようにSalesforceにおけるレコードの重複管理は、データ整合性の維持だけでなく、取引先やお客様からの信頼にも繋がるとても重要なことです。
Salesforceにおける重複ルールの概要
重複ルールを設定するにあたっては、次の2つの設定を組み合わせて作成します。
1.一致ルール
一致ルールとは、重複レコードを見つけるための基準のことです。
例えば・・
・法人取引先に保存されたメールアドレスが一致した時
・責任者に保存された電話番号が一致した時
2.重複ルール
重複ルールとは、前述の一致ルールに合致したレコードが表示もしくは登録・変更されるときに、実行されるアクションのことです。
例えば・・
・アラート(警告)を表示させ、ユーザーに重複の存在を知らせる(保存を許可)
・エラーを表示させ、ユーザーに重複の存在を知らせ、保存を不可とする
一致ルールの設定方法
カスタム一致ルールの作成手順は下記の通りです。
1.[設定]ギアから、[クイック検索]に[一致ルール]を入力して検索します。
2.[一致ルール]をクリックします。
3.[新規ルール]または[編集]をクリックします。
※[編集]をクリックする際、そのルールが無効である必要があります。
もし有効である場合は、無効化してください。
4.この一致ルールを適用するオブジェクトを選択して[次へ]をクリックします。
5.ルールの名前と説明を入力します。
6.一致条件を入力していきます。(どの項目をいかに比較するかを設定します)
・項目を選択します(合計10個まで)
・一致メソッドを選択します(完全 or あいまい)
7.6の手順で複数一致条件を入力した場合は、[検索条件ロジック]を入力します。
8.ルールを保存して有効化します。
※この時、有効化プロセスに時間のかかる場合があります。
9.一致ルールの使用準備ができると、メール通知が送られてきます。
10.最後に、一致致ルールを有効化します。
この手順を行うことで、次に説明する重複ルールと重複ジョブで使用できるようになります。
重複ルールの設定方法
次はいよいよ重複ルールの設定手順をご説明します。
1.[設定]ギアから、[クイック検索]に[重複ルール]を入力して検索します。
2.[重複ルール]をクリックします。
3.作成するには、[新規ルール]をクリックし、ルールを適用させるオブジェクトを選択します。
編集するには、編集するルール名をクリックし、[編集]ボタンをクリックします。
4.ルール名、説明、レコードレベルセキュリティなど、ルールの詳細を入力します。
5.ユーザーが重複レコードを保存しようとしたときの動作を選択します。
・アラートは、保存するユーザーに対し、警告を表示させます。
・レポートは、重複に関するレポートが作成されます。
・アラートテキストは、アラート表示する際、同時に表示される注意喚起文です。
6.[一致ルール]セクション内にある、[取引先の比較対象]に比較するオブジェクトを選択します。
7.レコードをどのような基準で重複と判断するか、[一致ルール]を選択します。
※選択リストには、選択されたオブジェクトで使用可能関な一致ルールがすべて含まれます。
※もし設定したい一致ルールが表示されない時は、[有効化]されているか確認してみてください。
一般的な重複ルール設定作業は以上です。
-Tips
設定した重複ルールを表示させる、ルールで定義されたオブジェクトの「参照」権限がユーザーに必要です。
Salesforce 重複ルールを活用しよう!
今回は、Salesforceの重複ルールについて紹介しました。
今回のポイントは「一致ルール」と「重複ルール」の設定でした。システム管理者でも、この2つを混同して覚えていたり、設定方法に混乱したりすることもあります。Salesforce上に重複したレコードを存在させないように是非設定方法をマスターしておきましょう。]]>
この記事の監修者・著者
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株式会社オープンアップITエンジニア
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞