そもそもIoTとは
Internet of Thingsの頭文字を取ってIoTと呼ばれていますが、直訳すると「物のインターネット」という意味になります。
さまざまな物とインターネットを組み合わせることを可能にする技術がIoTです。
例えば、スマートウォッチもそのひとつです。腕時計とスマートフォンの機能を連携させることで便利で多様な使い方ができますし、スマートスピーカーなどは、家電の操作が可能になるIoT技術が使われています。
IoTに関する資格2選
将来的にIoTの普及が予測できる現在の状況ですが、IoTに関連する資格があることをご存じでしょうか?
主なIoT資格には、「IoT検定」と「IoTシステム技術試験」の2つが挙げられます。
政府の方針としても、IoT時代の産業・社会構造の変化に向けて、高速、大容量の通信を可能にする5G実現への取り組みが始まっており、今後さらなるIoT化の推進が予測されるため、将来的に活用できる資格として注目されています。
IoTに関する資格1:IoT検定
IoT検定は、IoTに関わる全ての人が取得することができる資格であり、特定の技術者に限られた資格ではありません。
2016年にIoTの普及を目的としてIoT検定制度委員会が設立されました。
試験は、パワーユーザー向けからプロフェッショナルアーキテクト向けまであり、受講料はパワーユーザー向けが8,800円、プロフェッショナル向けが11,000円の設定となっています。
資格取得のメリット
IoT検定の資格取得のメリットは、技術面だけでなく、幅広いIoTの知識を得られることです。企画、開発を行う技術者目線から、利用する立場までの、幅広い知識が試される試験内容になっています。
顧客ニーズをつかむためのマーケティングやサービスの提供、ユーザー目線が必要な分野からスキル関連まで、多くの知識を必要とするため、社会での活用の場の拡がりが期待できるでしょう。
IoTに関する資格2:IoTシステム技術検定試験
2016年から始まったIoTシステム技術検定試験は、IoT技術者育成と技術力向上を目的としてMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)によって開設されました。
IoTシステムの基本的知識から優れた技術者を目指すための知識が基礎、中級、上級の3段階のレベルに分かれて認定されます。基礎レベルは、11,000円、中級レベルは15,400円、上級レベルは55,000円の受講料で受験が可能です。
資格取得のメリット
IoT技術検定試験の資格取得のメリットは、IoTシステム開発に関わるビジネスでの技術者としての活躍の場が広がることです。
IoTシステムの企画、構築、活用、運用改善を行うことが可能となる技術を持っていることを示す資格は多くはないので、貴重な資格と言えるでしょう。
中級レベルは、顧客の要求や提案を的確に把握することが可能で、上級レベルはIoTシステム構築のリーダーとして活躍できる実務レベルが認定されます。
IoT検定の構成4つ
IoT検定は、4つのレベルで構成されています。
パワーユーザー向けの試験の他、レベル1から3までの4種類に分かれているのが特徴です。
IoTをビジネスに取り入れたいと思っている経営者や管理者、またIoT推進プロジェクトを行う企画担当者、IoTシステム構築を行うエンジニアなどの仕事で活用したいと考える人から、IoTを活用する利用者まで、IoTに興味があれば誰もが受験の対象者となります。
IoT検定の構成1:IoT検定ユーザー試験 パワー・ユーザー
一般ユーザー向けの試験では、IoTの基本知識が試されます。
IoTに対して正確な理解と活用を可能にする資格として認定され、これからの社会のIoT化に向けた必須の知識が問われます。
マネジメントとテクノロジーの2つの領域から、IoTに関する総合的な理解度が、40分間で48問で計られます。CBTといわれるコンピューターを用いるテスト形式で行われます。
IoT検定の構成2:IoT検定レベル1試験 プロフェッショナル・コーディネータ
IoT検定レベル1試験は、企画推進やプロフェクト立案の基礎知識や産業システムやスマート製品の知識、通信関連の法律の知識などが出題されます。
出題形式が四肢一択制、1時間で70問を解きます。合格するとプロフェッショナルコーディネーターの認定証が渡されます。
IoT検定の構成3:IoT検定レベル2試験 プロフェッショナル・エンジニア
IoT検定レベル2試験はさらに専門性が高まった高度な知識が求められます。
IoTプロフェッショナルとして設計関連の知識や実践力、データ分析や機械学習、AIに関する知識、セキュリティ対策のための知識が問われます。
IoTの専門家として、基本設計ができるかどうかが問われます。技術者向けの試験であり、合格するとプロフェッショナルエンジニアとして認定されます。
IoT検定の構成4:IoT検定レベル3試験 プロフェッショナル・アーキテクト
IoT検定レベル3試験は、現在準備中なので、詳細内容はまだ決まっていませんが、レベル1~2を上回る、より高度で専門性の高い知識が求められることが予想されます。
IoT業界をリードする人向けで、合格することでプロフェッショナルアーキテクトとして認定されます。
IoTシステム技術検定試験の構成3つ
IoTシステム技術検定試験はシステム構築に関連する業務を行う技術者向けの試験です。
試験の構成は、基礎、中級、上級の3つのレベルに分かれており、試験ではIoTシステム構築、活用に関する専門知識が問われます。
基礎と中級の試験は誰でも受験が可能で間口が広いのが特徴です。
IoTシステム技術検定試験の構成1:基礎(IoTアドバイザー)
IoTシステム構築の基礎知識への理解や専門用語の理解、読解などの習熟度が試され、基本的な構成データの流れや分析、蓄積への知識が必要となってきます。
試験は年に2回の試験が行われ、IoTシステムの基礎知識について、1時間で60問が4択の選択式の問題がマークシートで出題されます。
テキスト購入が可能なので、独学でも資格取得が可能です。
IoTシステム技術検定試験の構成2:中級(IoTエキスパート)
中級では、IoTシステム構築の基本技術を習得しているかが問われます。
試験は年に2回行われ、内容は、IoTシステム構成と構築技術についてや通信関連、人工知能などのIoTデータ活用技術やIoT情報セキュリティ対策技術など、IoTシステムについての全体像を理解しているかどうかを問うものであり、90分で80問が出題されます。
IoTシステム技術検定試験の構成3:上級(IoTプロフェッショナル)
まず、上級受験は、中級資格者、CITP有資格者、早稲田大学スマートエスイー修了者のいずれかに該当していないと受験資格を得られないので、注意が必要です。
試験は2日に分かれて行われ、1日目は、専門技術講習を受講し、2日目に講習と論述式試験を行います。
より実践的でIoTシステム構築と活用が可能になる知識と理解、実践力が求められるため、専門知識を要するIoTプロフェッショナルの技術者向けの資格と言えます。
IoTの資格はどちらを取るべきか
ご紹介してきた2つのIoT関連の資格は、国家資格ではなく、誰もが受けられる民間資格です。どちらも上級になるに従って、IoTに関する基礎知識からより専門的で実践的な知識や理解が求められる部分は共通しています。
IoTに関わる人すべてに受験資格があるので、どちらの資格を取るべきなのか迷うところですが、将来的にどんな仕事に取り組むのかによって変わってくるでしょう。
IoT検定がおすすめの人
IoT検定で特徴的なのは、IoTをビジネスに取り入れたいと思っているビジネスマンなら誰もが取得可能な部分です。
IoTに関する全般的な知識と理解を深め、ビジネスにおいて活用することが目的となっているため、IoTのビジネスに関わる経営者から管理者、企画担当まで、あらゆる人向けの試験と言えます。
IoTシステム技術検定試験がおすすめの人
IoT検定に比べると、システム構築や設計、実践など、より技術的な部分の知識や理解が必要とされるのがIoT技術検定試験の特徴です。
上級になるほど、IoTシステムに関わるプロフェッショナル技術者向きの試験となると言えるでしょう。
また、IoTエンジニアの他にもビジネス的な視点が必要な場合は、両方の資格を持つのもおすすめです。
IoTの資格取得を目指してみよう
現在、IoTの知識や技術を持つ人材は、圧倒的に不足していると言われています。今後IoTが普及すると予想される中、IoTの資格を持っていることは、社会の中で活躍したり、転職を有利にしたりするための大きな力になるでしょう。
誰もが受験でき、難易度もそれほど高くはありませんので、基礎レベルの試験なら過去問などを参考にして、独学でも取得可能ですので、IoTに関わる可能性のある方は、是非資格取得に挑戦してみましょう。