ネットワークエンジニアの魅力6選｜主な仕事内容もあわせて紹介

ネットワークエンジニアの仕事とは

ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークの設計や構築、保守運用などを行うエンジニア職です。
普段当たり前のように利用しているコンピュータの通信環境が快適に稼働するように構築し、運用を行うのがネットワークエンジニアの仕事です。
企業におけるネットワークエンジニアの具体的な仕事内容としては、クライアントが希望しているシステム要件をヒアリングし、要件に合ったネットワークの設計や構築などを行い、運用が始まった後は運用のサポートを行うといった内容になります。

ネットワークエンジニアの需要と将来性

現在IT業界は慢性的な人材不足の状態となっているため、ネットワークエンジニアにも高い需要があります。
しかし近年ではクラウドサービスが普及しており、自社でサーバーを持つ企業がだんだんと減ってきています。
現在自社内にネットワークを構築している企業でも、将来的にはクラウドへ移行するケースも多くなっていくでしょう。
将来的にはネットワークエンジニアにもクラウドの知識やスキルが求められるようになることが予想できます。

ネットワークエンジニアの主な仕事内容4つ

ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークの設計を行うところから運用保守まで多岐に渡りますが、大きく分けると「ネットワーク設計」「ネットワーク構築」「ネットワーク運用」「ネットワーク保守」の4つがあります。
ここではネットワークエンジニアの主な仕事内容4つを紹介しますので、どのような業務を行っているのか参考にしてみてください。

ネットワークの設計

ネットワークの設計業務は、ネットワークの構築を必要としているクライアントからどのようなシステムを構築したいのかヒアリングし、要件をまとめるところから始まります。
ヒアリングによってまとめた要件に応じて、必要なネットワーク機器の種類や数、回線、ネットワークの構成を決定します。
また、かける維持コストや、ネットワーク完成までのスケジュールも決めます。

ネットワークの構築

ネットワーク設計のフェーズで決定したスケジュールをベースに、ルーターやハブなどのネットワーク機器を設置します。
構築するネットワークの規模にもよりますが、複数拠点を結ぶような大規模なネットワークを構築する場合は機器の設置だけでも数か月かかるケースがあります。
また、ネットワーク構築が終わった後はテストを実施し、問題がなければ運用をスタートします。

ネットワークの運用

ネットワークを構築すればネットワークエンジニアの仕事は終わりというわけではありません。
実際に運用を開始してからも、ネットワーク機器の設定変更やネットワーク構成の変更といったさまざまな業務が発生します。
実際に運用してみなければわからない部分があるため、随時調整を行うことで運用をサポートします。

ネットワークの保守

ネットワークにもトラブルが発生することがあります。
ネットワークシステムが故障したり障害が発生した場合には、ネットワークエンジニアは速やかな原因究明を行い、機器の交換など適切な対応を行って、ネットワークを復旧させる必要があります。

ネットワークエンジニアの魅力6選

ネットワークエンジニアの魅力として、第一に挙げられることが仕事の幅の広さです。
パソコンに向かって作業をしているイメージが強いネットワークエンジニアですが、部署間の調整や顧客との交渉・駆け引き、協力会社とのコミュニケーションなども重要な仕事だといえます。
また、IT化が進んでいる今の世の中ではネットワークエンジニアの需要がなくなる可能性は低いです。
汎用性が高い職種なため将来性について心配する必要がないことも大きな魅力なのではないでしょうか。
さらに、ネットワークエンジニアとして経験とスキルを積んでいけば高収入も夢ではありません。
とくに海外ではIT人材の年収が高いため、海外に勤務すれば大幅な年収アップを目指せるといえるでしょう。

1：未経験から挑戦しやすい

ネットワークエンジニアの仕事は本記事でも紹介したとおり、ネットワークの設計や構築、保守運用です。
保守や運用にはマニュアルが用意されているため、基本的には決まった手順に沿って行うだけです。
そのため未経験者であっても正しく仕事を行いやすいことから、さまざまなIT職種がある中でもネットワークエンジニアは未経験から挑戦しやすい職種であると言えるでしょう。

2：景気に左右されない

ネットワーク関連の業務は常に一定のニーズがあります。
企業にはネットワークは不可欠なので、世の中が不景気になったとしてもネットワークを使用しなくなることはありえません。
ネットワークエンジニアの仕事は景気に左右されることなく、常に安定した受注がある仕事だと言えるでしょう。

3：技術力が身につく

ネットワークエンジニアの仕事を行うことにより、ネットワークに関連した専門的な技術を身につけられます。
また、ネットワーク関連の資格などもあるため、資格取得を目指すのも良いでしょう。
どのような現場であってもネットワークの技術は求められることから、技術力を磨くことで自分の市場価値を向上できます。

4：高収入が得られやすい

ネットワークエンジニアの年収は、専門的な知識やスキルが要求されることから、他のエンジニア職や日本全体の平均よりも高い水準となっています。
また、ネットワークエンジニアは常に人材不足ということもあり、高い年収水準での求人も多く出されています。
そのため、未経験からでも仕事をしながら知識やスキルを身につけることにより、高い年収を得られるでしょう。

5：グローバルな活躍ができる

ネットワーク技術は世界標準の技術なため、ネットワークエンジニアになれば海外で仕事をすることも視野に入れることが可能です。
将来グローバルな働き方をしたい方にもネットワークエンジニアはおすすめの仕事です。

6：転職求人が多い

ネットワークエンジニアは人材不足の状態であり、どこのIT企業でも高い需要があることから、ネットワークエンジニアの転職求人も多く出ています。
ただし、多くの企業では即戦力を求めているため、どの求人でも未経験から応募できるとは限らない点は覚えておきましょう。

ネットワークエンジニアのやりがい5選

ここまで紹介したように、ネットワークエンジニアにはさまざまな魅力があり、仕事内容にも多くのやりがいがあるため責任を持って取り組めるでしょう。
ここではネットワークエンジニアのやりがい5選を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

1：システム完成の達成感を実感できる

ネットワークシステムの構築には非常に時間がかかります。
複数拠点を結ぶような大規模なネットワークの場合、構想から運用開始に至るまで、長ければ1年以上かかるケースもあります。
そのような長いプロジェクトの中でさまざまな人と協力しながら仕事を進めていくため、システムが完成した際には大きな達成感を得られるでしょう。

2：社会に役立っている実感がある

ネットワークは企業にとって必須であり、人々の生活を支えているITインフラでもあります。
ネットワークが安定的に使用できなくなれば、社会に大きな打撃を与えることになるでしょう。
ネットワークエンジニアの仕事は社会を支えており、社会の役に立っているという実感を得られる仕事だと言えます。

3：様々な分野の高い専門の業務に携われる

ネットワークの設計やネットワーク機器の設定、セキュリティ技術など、ネットワークエンジニアの仕事はいずれも専門性が高い内容です。
また、ネットワーク機器の性能も年々向上しているため、ネットワークエンジニアとして仕事をする以上、常に最新の専門知識を習得する必要があります。
そのため、専門性の高い仕事に就きたい人にはやりがいがある仕事だと言えるでしょう。

4：一体感や信頼構築が得られる

ネットワークエンジニアの仕事は、同じチームのエンジニアと協力して作業を行うことが多いです。
システム開発プロジェクトに携わる場合は、他の部署のスタッフともチーム一丸になってプロジェクトを成功させるために仕事を行うことになります。
そのため、チームとしての一体感や信頼関係を構築でき、仕事にやりがいを感じられるでしょう。

5：大規模なシステム開発のプロジェクトに関われる

ネットワークはシステム構成における重要な役割を持つので、大規模なプロジェクトにも携わることができます。
規模の大きなシステム開発では、ネットワークエンジニアはさまざまな部署のメンバーと協力して仕事をすることになります。
チームの一員として大きなやりがいを得られるでしょう。

ネットワークエンジニアの仕事に求められる知識3つ

ここまで紹介したとおり、ネットワークエンジニアの仕事は専門性の高い仕事です。
ネットワークエンジニアとして仕事を行う場合、具体的にどのような知識やスキルが必要なのでしょうか。
ネットワークエンジニアの仕事に求められる知識3つを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1：接続する機器の知識

ネットワーク機器にはルーターやスイッチングハブ、ブリッジなどさまざまな種類があります。
また、ネットワークエンジニアはネットワークごとに必要なネットワーク機器を接続し、設定する必要があるため、接続する各ネットワーク機器に関する専門的な知識が必要です。

2：セキュリティに関する知識

ネットワークエンジニアは、ネットワークへの不正アクセスを防止するのも仕事の1つです。
そのため、ファイアウォールやIDS、IPSなどのセキュリティに関する知識が必須となります。
ネットワークの規模を考慮してセキュリティ対策を行ったり、トラブル発生時に適切に対処したりするためにも、十分なセキュリティ対策の知識を身につけましょう。

3：コミュニケーション能力

ネットワークエンジニアの仕事は、クライアントがどのようなシステムを希望しているのかというヒアリングから始まります。
専門的な知識を持っていないクライアントの要望を的確に抽出し、理解するためには、ネットワークエンジニアのコミュニケーション能力が非常に重要です。
また、設計したネットワークシステムをクライアントに理解してもらうためにも、コミュニケーション能力が重要になるでしょう。

ネットワークエンジニアの転職が有利になる資格5選

ネットワークエンジニアとして働く上で資格取得は必須ではありませんが、資格を保有することで一定以上の知識やスキルを持っていることの証明になります。
ここでは最後に、ネットワークエンジニアの転職が有利になる資格5選を紹介しますので、どのような資格があるのか参考にしてみてください。

1：プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を統括マネージャーとしてのスキルを認定する資格です。
IPAが実施している情報処理技術者試験の中でも難易度の高い高度情報処理技術者試験の1つで、プロジェクトマネージャーを目指す場合は取得するのがおすすめです。
難易度は高く、合格率は毎年約15％程度となっています。

2：システムアーキテクト

システムアーキテクトは情報システムのグランドデザインを行う上級エンジニアに必要な知識や実践能力を認定する資格です。
プロジェクトマネージャーと同様に高度情報処理技術者試験に含まれる試験で、システム開発の上流工程を担うエンジニアを対象としています。
専門的な知識が要求されるため、難易度の高い試験です。

3：ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリスト試験はネットワークシステムを構築、維持するために必要な知識やスキルを認定する資格です。
高度情報処理技術者試験の1つで、合格率も比較的低く非常に難しい試験となっています。
取得すればネットワークの構築、管理、運用、保守すべてを行うことができ、人に指導するレベルまで兼ね備えていることを証明できるため、ネットワークエンジニアとして非常に優秀な人材であると認めてもらえるでしょう。

4：CCNP

CCNPはシスコ技術者認定の中でもプロフェッショナルレベルの資格です。
シスコ技術者認定には5段階のレベルがありますが、最も上位のCCArはデザイン分野の上位資格であり、CCNPは実質的には上から2つ目のレベルとなっています。
合格すれば、大規模なネットワークの設計や構築、保守運用のスキルを持っていることの証明になります。
また、CCNPを受験するには先にアソシエイトレベルであるCCNAに合格する必要があります。

5：CCIE

CCIEはシスコ技術者認定の中でもエキスパートレベルの資格です。
前述のCCNPの上位資格であり、CCArを除けばもっとも高いグレードの資格となります。
CCIEを取得することで、ネットワークやシスコ関連の知識を最も高い水準で保有していることの証明になります。
また、CCIEには前提条件がないため、CCNPなどを取得していなくても受験することは可能です。

やりがいや魅力があるネットワークエンジニアを目指そう

ここでご紹介したように、ネットワークエンジニアは魅力がたくさん詰まった職業です。
なかには長時間業務が理由でネットワークエンジニアを辞めたいと考えている方もいるかもしれませんが、ネットワークエンジニアとしてのスキルがあれば労働環境のよい職場に転職することは十分可能です。
まずは、自分が持っているネットワークエンジニアとしてのスキルをどのように活かせるかを考えてみることをおすすめします。