ITサービスマネージャ試験とは|難易度や合格しやすい人の特徴6つを紹介!

 
  

ITサービスマネージャ試験とは


ITサービスマネージャ試験は、例年10月の第3日曜日に実施が予定されています。
平成30年の応募者数は5,605名であり、合格率は14.3%となっています。
ITサービスマネージャ試験の対象者は高度なIT人材で、情報システム全体において安全稼働を確保し、障害発生時には被害の最小化を図り、品質管理、安全性と信頼性の高いサービスを提供する者とされています。

求められる水準には、以下の5つの項目が挙げられています。
1.サービスサポート・サービスデリバリーを理解し、ITサービスを提供できる。
2.障害管理、構成管理、パフォーマンス管理などの技術を保持し、情報システム基盤の品質維持ができる。
3.サービス改善策の実施・評価を行い、顧客に質の高いサービスレポートを報告できる。
4.情報セキュリティの運用・管理ができる。
5.ハードウェア・ソフトウェアのセットアップ、機能維持・拡張、障害修復ができる。また、データ施設のファシリティマネジメントを遂行できる。

出典:情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sm.html

ITサービスマネージャ試験の合格率から見る難易度

ITサービスマネージャ試験の合格者の割合は例年14%前後であり、IT系の試験の中では難しいと言えます。
試験内容は、当然のことながら専門知識と論文の試験となりますので、難しいと感じる方も多いでしょう。専門知識は、IT関連に経験がない人は簡単に理解できない可能性があります。

ITサービスマネージャ試験を取得するメリット

ITサービスマネージャ試験を取得するメリットとは、「ITILに関する基本知識が身につく」などがあります。
ITサービスマネージャ試験は、IT関連の技術者にとっても難易度が高い資格試験ですが、取得することでさまざまなメリットがあります。ここでは、メリットを詳しく紹介しましょう。

他の資格試験が一部免除される

他の資格試験が一部免除されるとは、ITサービスマネージャ試験の合格により、他の資格試験で一部項目が免除されることです。
一部免除される資格試験とは、中小企業診断士や弁理士、技術士、ITコーディネータなどです。合格すれば、試験項目が軽減されるメリットがあります。

ITILに関する基本知識が身につく

ITILに関する基本知識が身につくとは、ITIL、つまりIT業界での業務運用を実施するためのプロセスや手順などを習得できることです。
ITサービスマネージャ試験合格により、エンジニアとしてのスキルが証明されるので、システム運用や管理など、さまざまな業務で活躍が期待されます。

ITサービスマネージャ試験の3つの特徴とは


ITサービスマネージャ試験は、午前Ⅰと午前Ⅱ試験、そして午後Ⅰと午後Ⅱ試験の4つの試験に分かれています。
ここでは、ITサービスマネージャ試験の3つの特徴について詳しく説明しましょう。

1:長時間に及ぶ試験である

ITマネージャ試験は、午前中に90分、午後では210分の長時間を要する試験です。
試験内容は、午前中Ⅰ試験で50分間、午前Ⅱ試験が40分間となります。また、午後Ⅰ試験が90分間、午後Ⅱで120分間となり、長時間にわたる試験時間を要します。

出典 : ITサービスマネージャ試験(SM) | 独立行政法人情報処理推進機構
参照 : https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sm.html

2:出題形式が変わる

ITマネージャ試験では、午前中のⅠ、Ⅱ試験はマークシート形式での出題ですが、午後Ⅰは記述式、Ⅱは論文形式と出題形式が変わります。
問題傾向は、午前Ⅰは応用情報技術者の問題から出されます。午前Ⅱはコンピュータ構成要素やデータベースなどから出題され、午後Ⅰは、サービスマネジメントやサービス設計などの記述問題です。
午後Ⅱは、ITサービスマネージャの立場からの論理問題です。

3:論文系の試験内容がある

他のIT系試験にはない「論文」形式の試験内容があることはあまり知られていません。
IT系資格試験には珍しい「論文」記述式の試験があります。短文を読んで、ITマネージャの立場で論理を展開する問題です。知識や経験がないと難しい内容です。

ITサービスマネージャ試験に合格しやすい人の6つの特徴とは


ITサービスマネージャ試験に合格しやすい人の特徴とは、さまざまな業務経験やIT知識、情報処理関連資格の保持など6つのスキルを備えていることです。
IT系の業務経験や情報関連の資格を有していることは、ITマネージャ試験合格には有利でしょう。ここでは、さまざまな項目について詳しくご紹介します。

1:定量的な数値管理を行う業務をしている

定量的な数値管理を実施している者とは、IT系エンジニアなど工程管理や進捗管理を実施している技術者を指します。
生産管理や工程管理などの業務を実施している方は、計画で決められた数値目標に対しての管理を日々実施しているので、そのような問題には有利ではないでしょうか。

2:運用・保守を経験している

高度な技術スキルを必要とする運用保守業務の経験があることは、ITマネージャ試験に合格しやすい条件となっています。
IT系の保守、運用業務の経験があれば、技術系の知識やスキルは一定レベルは保持されていますので、午前中の試験ではそれほど難しくはないでしょう。午後のマネジメント系問題と論文に絞って学習するのをおすすめします。

3:ITILに関する知識がある

ITILに関する知識があることは、ITサービスマネージャ試験では有利になるでしょう。
ITサービスマネージャ試験での、サービスマネジメント分野の問題はITIL準拠の方針を打ち出しています。そのため、ITIL知識を有している技術者には有利になるでしょう。

4:情報セキュリティに関する知識がある

ITサービスマネージャ試験でも情報セキュリティの問題が出題されていますので、情報セキュリティに関する知識があれば有利になるでしょう。
ITサービスマネージャ試験の午前Ⅱや午後Ⅰ、午後Ⅱで出題される可能性があります。

5:ST・AU・PM・SA試験に合格している

ST・AU・PM・SA試験に合格していれば、ITサービスマネージャ試験に有利になるでしょう。
ST試験とは、経営戦略に基づいてIT戦略を策定する能力を確認する試験です。AU試験とは、情報システムのリスク分析や点検、評価を確認する試験です。
PM試験とは、プロジェクトマネジメントの知識試験で、SA試験とは、高度情報処理技術に関する設計や開発の主導に関する試験です。
いずれの試験も、システムのマネジメントや高度情報処理技術など幅広い知識が要求されるもので、ITサービスマネージャと共通する部分が大きいので、かなり有利となるでしょう。

6:他の高度系区分の試験に合格している

他の高度系区分の試験に合格していることは、ITサービスマネージャ試験にはかなり有利となります。
ITサービスマネージャ試験の午前Ⅰでは、出題された問題が「応用情報技術者試験」や「基本情報技術者試験」での内容が多く見かけられるようです。これらの技術者試験合格者にとっては有利となるでしょう。

ITサービスマネージャ試験の受ける時のポイント3つ


ITサービスマネージャ試験を受けるときのポイントとは、試験の申込みから試験会場のチエック、試験当日の注意事項など3つとなります。
ITサービスマネージャ試験は、独立行政法人情報処理推進機構が実施する試験です。全国の都道府県で毎年実施されます。ここでは、3つのポイントについて詳しく紹介しましょう。

出典 : 受験申込み方法 | 独立行政法人情報処理推進機構
参照 : https://www.jitec.ipa.go.jp/1_01mosikomi/03h_annaisho/03h_03.pdf

1:申し込み方法を確認する

ITサービスマネージャの申し込み方法とは、独立行政法人情報処理推進機構へ直接インターネットにより申し込むものです。
申し込みは、個人が直接インターネットにより申し込みます。試験会場は、全国都道府県に最低一箇所は設置されます。受験料は、税込み5,700円となります。

出典 : 受験申し込み方法 | 独立行政法人情報処理推進機構
参照 : https://www.jitec.ipa.go.jp/1_01mosikomi/03h_annaisho/03h_03.pdf

2:試験の実施日を確認する

ITサービスマネージャ試験の実施日とは、独立行政法人情報処理推進機構により決定されます。
試験は、毎年実施されています。情報処理推進機構のホームページにて確認ができます。

出典 : 試験概要 | 独立行政法人情報処理推進機構
参照 : https://www.jitec.ipa.go.jp/1_01mosikomi/03h_annaisho/03h_02.pdf

3:試験当日の持ち物を確認する

ITマネージャ試験当日の持ち物とは、申し込み後返送される「受験票」です。
独立行政法人情報処理推進機構から、申し込み受付後に返送されるのが「受験票」です。2枚組みとなっており、1番目に試験会場が印刷されて2枚目に氏名などが印刷されています。受験者の写真を2枚目に貼り付けます。
試験会場へは、筆記用具やマスクの持ち込みは許されています。スマートホンの電源はOFFするように決められています。

出典 : 応募者への注意事項 | 独立行政法人情報処理推進機構
参照 : https://www.jitec.ipa.go.jp/1_01mosikomi/03h_annaisho/03h_05.pdf

ITサービスマネージャ試験の勉強方法4つ


ITサービスマネージャ試験の勉強方法とは、難易度が高いので分類された試験内容別に実施するのが、合格への近道でしょう。
効果的な勉強法とは、IT基礎知識問題や記述問題、論文問題などがありますので、それぞれ問題傾向毎に分けて学習するのが良いでしょう。
ここでは、問題傾向毎の勉強方法を詳しくご紹介します。

1:午前Ⅰの勉強法

午前Ⅰの勉強法とは、情報処理の基礎知識が問題となりますので、基礎レベルの再復習と問題集を合わせて学習するのが良いでしょう。
この試験では、毎年同じ傾向で出題されますので、過去の問題を繰り返して学習することが大切です。

2:午前Ⅱの勉強法

午前Ⅱの勉強法とは、午前Ⅰと同じ基礎知識の問題ですが、ITマネージャの観点から出題されます。
勉強方法は同じく、過去問題を中心に傾向を掴んで学習しましょう。解説付きの問題集が発売されていますので、おすすめです。

3:午後Ⅰの勉強法

午後Ⅰの勉強法とは、午前中の問題とは傾向が違って記述式なので問題の意図を理解して、簡素に答える必要があります。
この試験は記述式も問題なので、問題の傾向を把握するために過去問題をできるだけ多く読みましょう。これにより傾向が解れば、簡素に解答を記入するコツを習得できます。
解答文字の指定があり、おおよそ50文字程度となっているため、要約してポイントを解り易く記入することが重要となります。

4:午後Ⅱの勉強法

午後Ⅱの勉強法とは、論文形式の問題に対応できる文章力や説明力を学習することが必要です。
ここでの問題は、およそ3,000文字程度の記述式で出題されます。文章力と試験時間のプレッシャーの中での受験となりますので、繰り返し文章を書くことを実施しましょう。

ITサービスマネージャ試験の問題例


ITサービスマネージャ試験の問題は、マークシート式の4択の問題55問に加えて、記述式の問題3問から2問を選択して回答、論述式の問題2問から1問を選択して回答する形となっています。
平成30年度のITサービスマネージャ試験に出題された問題をいくつかご紹介します。

・“ITサービスが必要とされるときに、合意した条件の下で要求された機能を果たせる状態にある能力”について、定義し、分析し、計画し、測定し、改善する活動を行うITIL2011editionの管理プロセスはどれか。
ア:ITサービス継続性管理
イ:インシデント管理
ウ:可用性管理
エ:問題管理

・スイッチングハブ同士を接続する際に、複数のポートを束ねて一つの論理ポートとして扱う技術はどれか。
ア:MIME
イ:MIMO
ウ:マルチパート
エ:リンクアグリゲーション

出典:平成30年度秋期ITサービスマネージャ試験問題
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2018h30_2/2018h30a_sm_am2_qs.pdf

ITサービスマネージャ試験について知ろう


ITサービスマネージャ試験には技術的な内容だけでなく、リスク管理やコスト管理などの経営的側面も多く出題されています。
安定したITサービスを提供するための責任者として、マネジメントもできるエンジニアを目指す方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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