2020/11/26

AWS認定SAAの試験概要6つ|メリットや試験対策もあわせて解説

 
  

AWS認定SAAとは

AWS認定SAA(ソリューションアーキテクト – アソシエイト)とは、AWS(アマゾン ウェブ サービス) における分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性や、スケーラビリティの設計に関する資格です。

つまりクラウド上にシステムを設計し構築する知識があることを証明する資格で、その試験の対象者は 、1年以上の実務経験を持つソリューションアーキテクトになります。

設計者向けのAWS認定資格

取得可能なAWS認定は12種類あります。その内訳は基礎コース、アソシエイト(3種類)、プロフェッショナル(2種類)、専門知識(5種類)、および専門知識データベースです。

そして、アソシエイトとプロフェッショナルは、それぞれアーキテクト(設計者)、運用(運用者)、デベロッパー(開発者)に分かれています。AWS認定SAAの対象者はソリューションアーキテクトなので、それがシステム設計者向けの資格であることがわかります。

アソシエイトレベルのAWS認定資格

前述のようにアソシエイトとプロフェッショナルは共に設計者向け、運用者向け、開発者向けに分かれますが、AWS認定資格SSAはアソシエイトレベルの資格になります。

すなわち、アソシエイトが対象とする設計者は、1年間AWSクラウドを使用して企業がビジネスやサービスにおいて抱えている問題や不便を解決した経験を持つソリューションアーキテクトです。

一方、プロフェッショナルが対象とする設計者は、2年間AWSクラウドを使って問題を解決するための情報システムを設計・運用し、さらにはその異常を解消して正常状態に復帰させる方法をも経験したソリューションアーキテクト – プロフェッショナルになります。

AWS認定SAAを取得するメリット3つ

AWS認定SAA試験は、設計者目線で捉えたシステム全体の構成に関する問題を頻繁に出すため、AWSの概要や特徴について幅広く知ることが求められます。そして近年、多くの企業や現場でAWSの需要が高まっています。

それゆえ、AWS認定SAAを取得すれは、エンジニアとして有利な立場に立てるでしょう。それでは、実際にAWS認定SAAにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、その3つのメリットと共にデメリットについても見ていきます。

AWS認定SAAを取得するメリット1:知識を証明できる

AWSはパブリッククラウドのシェアで直近の2018年、2019年に上位を走り、世界中の企業で高い人気を誇っています。それゆえ、AWS認定SAAを取得すれば、AWSの知識を証明できるので、企業から必要とされやすいというメリットがあります。

日本でもAWSの導入例が10万を超え、AWSを採用する企業が増加する流れがありますが、世界の動向から見ても、AWSエンジニアの需要は今後ますます増えると言えるでしょう。

AWS認定SAAを取得するメリット2:業務に活かせる

AWSの公式サイトは、SAA認定によって検証される能力を3つ挙げています。

AWSの公式サイトは、SAA認定によって検証される能力を3つ挙げています。その内の2つの内容は、顧客の要件に沿ったシステムを設計構築して問題を解決できること、およびそのシステムを最適な利用方法に沿って組織で運用できることです。

それゆえ、SAA試験のために覚えた知識は、実際のエンジニア業務に活かせるというメリットがあります。

AWS認定SAAを取得するメリット3:最新の技術を学べる

AWS認定SAAを含めたAWS認定資格は、毎回バージョンアップされていきます。それゆえ、SAA試験の内容も基本的なスキルを確認する問題だけではなく、最新のAWS情報に基づく問題も出される傾向にあります。

したがって、AWS認定SAAを取得すれば、AWSに関する最新技術を学べるというメリットがあります。

AWS認定SAA取得するデメリット

将来性豊かでニーズが多いSAAは、上記のようなメリットを持ちますが、取得にあたってのデメリットや注意点もあります。まず、受験費用が割高であるというデメリットがあります。その詳細については、後述します。

また、AWS認定資格には有効期限があるというデメリットもあります。3年に1度、再認定を受けなければならず、それをしなかった場合は資格が失効します。それは、常に技術や情報が更新される分野の資格だからこそのデメリットと言えるかもしれません。

AWS認定SAAの試験概要6つ

近年、AWSの採用企業が増加していく流れの中で、「何から勉強を始めたら良いかわからない」といった人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめなのがAWS認定SAA試験です。

SAA試験の勉強を通じて、入門書のようにAWSの全体像を学ぶことができます。ここではSAA試験の概要について、具体的に見ていきます。

AWS認定SAAの試験概要1:AWS認定SAAの試験の難易度

AWS認定SAAは、設計者向けの中級レベルの資格です。その試験では、AWSの特徴に関する問題や、AWS上で要件や課題に対してベストプラクティス(最適な利用方法)に沿ってシステムの設計構築ができるかを問う問題などが出題されます。

それゆえ、合格するにはネットワークやクラウドの基礎知識や経験、AWSの代表的な要素であるEC2、ECR、S3などがどんなものであるかの大まかな理解が必要です。したがって、アソシエイトレベルの試験の中では最も広範な知識が求められます。

AWS認定SAAの試験概要2:AWS認定SAAの試験の費用

試験の受験料は税別で15,000円であり、模擬試験を受ける場合は、さらに税別で2,000円かかります。それゆえ、比較的費用がかかる試験なので、不合格でも簡単に再受験はできないかもしれません。

したがって、一回で受かるように学習期間を多めに取り、対策を充分に練ってから挑戦することがおすすめです。ちなみに、AWS認定資格を1つでも取得していると、模擬試験の費用は免除されます。

AWS認定SAAの試験概要3:AWS認定SAAの試験の申し込み方法

AWS認定SAAの試験の申し込みはインターネットの専用ページで行い、そこで試験で使用するAWS認定アカウントを登録します。このアカウントは、他のAmazonのサービスのアカウントとは別になるので、新規に登録しなければなりません。

その後は、AWS認定アカウントの画面にログインして、「新しい試験の予約」ボタンを押します。次に、申し込みたい試験の「日程の決定」ボタンを押します。そうすると、試験の申込画面になりますが、ここから先の手順については次の概要4で述べます。

AWS認定SAAの試験概要4:AWS認定SAAの試験の日程・会場

試験の申込画面では、自分が受験したい言語、場所、月を指定します。すると、受けたい月に受験可能な、指定場所に近い試験会場の一覧が表示されます。試験は各都道府県のテストセンターで実施するので、受けたいテストセンターを選択します。

また、日程はテストセンターによって異なるので、選択したテストセンターで受験可能な日時を続けて指定します。そして、最後に支払いに利用するクレジットカードの情報を入力すれば、申し込みは完了です。

AWS認定SAAの試験概要5:AWS認定SAAの試験の形式

AWS認定SAA試験は、テストセンターにてPC操作で行います。試験問題の数は65問で、すべて選択問題ですが2種類あります。それは、4つの選択肢の中から1つの正解を選ぶ択一問題と、5つの選択肢の中から正解2つを選ぶ複数選択問題です。

また、試験時間は130分なので、1問につき2分かけられます。そして、合格基準は1000点満点中の720点なので、72%以上の正答が必要です。

AWS認定SAAの試験概要6:AWS認定SAAの試験の内容

主な出題分野と比重は、レジリエントアーキテクチャの設計が30%、高パフォーマンスアーキテクチャの設計が28%、セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計が24%、コスト最適化アーキテクチャの設計が18%になります。

また、出題されるAWSサービスの項目について、公式に示されたものはありません。しかし、参考用としては、EC 2、Auto Scaling、Lambda、Elastic Load Balancing、Elastic Block Store (EBS)、Simple Storage Service、Elastic File System、DynamoDBがあります。

さらに、Relational Database Service (RDS)、Redshift、Virtual Private Cloud (VPC)、CloudFront、Route 53、CloudWatch、CloudFormation、CloudTrail、Identity and Access Management (IAM)、Amazon SQSなども、項目としては重要です。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法5選

前節ではAWS認定SAA試験の概要について見てきました。それでは、この試験に受かるにはどういう勉強をすれば良いのでしょうか。SAA試験の学習では、専門用語や横文字をたくさん覚えなければなりません。

また、合格するためには、実際のAWS環境に触ってみることも必要です。したがって、これらの点を踏まえた上で、SAA試験に受かるための対策と勉強法について以下に見ていきます。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法1:サンプル問題を解く

AWS認定SAA試験の対策として、公式サイトにあるサンプル問題を解いて勉強する方法があります。ちなみに、サンプル問題の一問目の内容は以下のようになっています。

「カスタマーリレーションシップマネジメントのアプリケーションは、そのロードバランサーの背後にある複数のAmazonEC2インスタンスで実行されています。これらのインスタンスのどれかで障害が起きた場合はどうなりますか。」

サンプル問題の数は少ないですが、出題傾向が具体的にわかるので、確実に解いておきたい問題です。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法2:トレーニングを受ける

AWS認定SAA試験の対策としては、AWSが開催するトレーニングに参加する方法もあります。AWSの公認講師が行う集合研修AWS Technical Essentials 1では、AWSのクラウドコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの基礎を1日で学べます。

また、AWS Technical Essentials 2では、AWSを使いたい人がクラウドコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの基礎を、実際の演習(ラボ)を中心に1日で学べます。

さらに、Architecting on AWSでは、AWS でITインフラストラクチャを構築するための基礎を3日間で学習することができます。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法3:動画で学習する

AWS認定SAA試験の対策としては、動画で学べるサイトを利用する方法もあります。AWSが公式に用意した情報サイト「[NEW!!] Webinar 資料」は、直近のウェビナーで発表した資料を配置しているので、最新情報を広範囲に渡って補足することができます。

動画は約1時間のウェビナーのため、すべて見るのは大変です。しかし、少なくともAWSを使う上で基本となる IAMやVPC、AutoScalling、EC2、EBSなどに関する動画はこちらで確認しておくと良いでしょう。

その他のオンライン動画学習サイトとしては、有料ですが13,000人以上が受講しているUdemyがおすすめです。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法4:書籍で学習する

AWS認定SAAの試験対策としては、受験用の書籍を購入して勉強する方法もあります。SAA試験の対策用に赤本、青本、黒本と呼ばれる参考書が各社から出版されています。必要に応じてそれらを読むのは良いでしょう。

しかし、書籍で学習する際は、書籍の発行時期や、記述がどのバージョンのAWSに基づいているかに注意する必要があります。そうしないと、古い知識では試験で間違った解答をしてしまう可能性があるからです。

また、問題集を解くことは必要です。そして、参考書にしても問題集にしても、教材を絞り込んで反復学習することが大切です。脳のメカニズムにより、2週間に3回使った情報は、脳の長期記憶に保存されやすいからです。

AWS認定SAAの試験対策&勉強方法5:模擬試験を受ける

上述の模擬試験も、AWS認定SAAの試験対策の1つです。公式に提供された模擬問題は、上記のサンプル問題とこのオンライン模擬試験だけです。どちらも本番に近い出題形式なので、試験の雰囲気を掴んだり、現在の実力や学習すべきポイントを把握したりするのに最適です。

必ず模擬試験は受け、その後にスクリーンショットで撮って、間違えた箇所や苦手な部分は2~3回復習するのがおすすめです。

AWS認定SAAの資格を取得しよう

ここまでAWS認定SAAという資格の内容、それを取得するメリット、その試験の概要、その試験に受かるための対策と勉強法について見てきました。AWS認定SAAの試験は、幅広い知識が求められるため取得が容易ではありません。

しかし、受験勉強の過程で得られた知識は大いに実務に役立ちます。それゆえ、ベンダー系資格の中でも、業務に直結した有用性の高い資格と言えます。また、クラウド化が進む現状から見ても、ニーズが高く将来有望なスキルであり、取っておいて損はない資格です。

ぜひ、AWS認定SAAを取得しましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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