2021/05/24

AWSのManaged Service for Grafanaとは?特徴や料金をご紹介

 
  

AWSのManaged Service for Grafanaとは


Amazon Web Services(AWS)のManaged Service for Grafana(AMG)は、Grafanaの運用管理をサポートするサービスです。

セットアップやスケーリング、メンテナンスなど、Grafanaの管理に関するタスクを簡易化する機能が搭載されています。これにより、Grafanaを用いたワークロードの効率を高めます。

現時点では、利用可能なリージョンはバージニア北部とアイルランドの2つのみとなっています。

Grafanaとは

Grafanaは、オープンソースのデータ可視化プラットフォームです。

プラグインを導入することで、さまざまなソースからデータを取り込み、それらを一つの画面にまとめて表示できます。データを整理して理解しやすくしたり、分析やクエリといった処理の効率を高めたりと、データに関するタスクを円滑化させられます。

AWSのManaged Service for Grafanaの特徴


この項目では、AWSのManaged Service for Grafana(AMG)の特徴についてご紹介します。

Grafanaの管理タスクを簡易化するだけでなく、他のAWSサービスと統合することにより、さまざまな機能を取り入れられます。

Grafana本体の特徴についても、合わせて理解しておきましょう。

特徴1:複数のデータソースを一元化

AMGは、複数のデータソースを一元化します。

複数のデータソースと接続してデータを収集し、単一のダッシュボードに一元的に表示します。さらに、収集したデータ同士を関連付けしたり、クエリを実行したりと、複数のソースやアカウントにまたがるデータを簡単に処理できるようになります。

接続可能なソースとして、CloudWatch、Elasticsearch Service(ES)、IoT SiteWise、Timestream、X-Ray、Prometheus、Google Cloud Monitoring、InfluxDB、Jaegerなどがあります。AWS内だけでなく、外部のソースと接続できることも特徴の一つです。

特徴2:ダッシュボードをカスタマイズできる

AMGは、ダッシュボードをカスタマイズできます。

取り込み元のソースやデータの種類などに合わせて、グラフやリストなどのパネルを追加・編集できます。必要な部分だけを表示するように設定することで、データを整頓し、分析を進めやすくなります。

また、各データソース向けに構築されたパネルセットも用意されています。カスタマイズに時間をかけたくない場合でも、このセットを用いることですぐに分析を開始できます。

特徴3:ダッシュボードを共有できる

AMGは、ダッシュボードを他のユーザーと共有できます。

AWS Single Sign-On(SSO)を用いて、共有したいユーザーにアクセス権限および認証機能を提供することで、ダッシュボードを共有できるようになります。

また、AMGはAWS Organizationsとも統合されており、個人だけでなくチームでの共有も可能です。

複数のユーザーで同じデータを共有できることで、連携を円滑に行えます。

特徴4:3種類のユーザータイプ

AMGは、Administrators(管理者)、Editors(編集者)、Viewers(閲覧者)の3種類のユーザータイプがあります。

管理者はAMG内のすべてのデータへのアクセス権限を持ち、編集者はダッシュボードやアラートの追加・編集が可能です。一方、閲覧者はダッシュボードの表示・閲覧のみ可能で、データの編集はできません。

このように、ユーザータイプによってアクセス可能な範囲が異なります。

ユーザーごとにタイプを設定し、データのアクセスや編集を特定のユーザーのみが行えるようにすることで、安全面の強化につながります。

特徴5:アラート機能がある

AMGにはアラート機能があり、データに関する情報を通知できます。

データが変更される、一定の値(しきい値)を上回るといった特定のアクションが起きると、チャネルを介してその旨を知らせるメッセージを発信します。変更内容の確認や状況の把握が容易になる他、何らかの問題が発生した場合にも素早く対処できるようになります。

通知チャネルとして、Simple Notification Service(SNS)、OpsGenie、PagerDuty、Slack、VictorOpsを使用できます。

特徴6:可用性が高い

AMGは、高い可用性を持ちます。

AMGのワークスペースに存在するデータは、複数のアベイラリティーゾーン(AZ)にレプリケーションされ、分散して保存されます。また、ワークスペースをモニタリングして、異常なノードが発見されると自動で置換します。

これらの機能により、データの可用性を高め、障害が発生した時にも復旧しやすくなります。

特徴7:エンタープライズ版を利用したアップグレード

AMGは、Grafanaのエンタープライズ版を利用することでアップグレードができます。

AWS Marketplaceで購入することで、エンタープライズ版に切り替わります。AppDynamics、Datadog、Splunkといった他社製ツールのプラグインを導入できるようになったり、専門家のサポートを受けられるようになったりと、機能や体制が強化されます。

なお、エンタープライズ版は有料です。無料トライアルがあるので、まずは試してみた上で利用を続けるかどうか検討していくと良いでしょう。

AWSのManaged Service for Grafanaの開始方法


この項目では、AWSのManaged Service for Grafana(AMG)の開始方法について、流れを簡単にご紹介します。

ワークスペース名の入力→アクセス権限の設定→データソースの選択→ワークスペースの作成→ユーザーの割り当て、の5ステップとなります。

詳細な操作および設定方法については、公式ドキュメントをご覧ください。

ワークスペース名の入力

最初に、ワークスペース名を入力します。

コンソールから[Create workspace(ワークスペースの作成)]をクリックすると入力欄が表示されるので、そこに任意の名前を入力します。

なお、オプションでワークスペースの説明文を入力することもできます。必須ではありませんが、必要であれば入れておきましょう。

アクセス権限の設定

次に、アクセス許可を設定します。

アクセス許可タイプとして、Service managedとCustomer managedの2種類があります。前者を選択した場合は、データソースに合わせて自動でルールを作成します。後者を選択した場合は、ルールをすべて自分で設定します。

なお、SSOを有効化していない場合、SSOユーザーの作成および有効化を要求されます。要求があった場合は有効化しておきましょう。

データソースの選択

次に、データソースを選択します。ここで選択したデータソースはAMGと接続され、データのやり取りができるようになります。

なお、同じ画面上にあるAmazon SNSにチェックを入れると、AMGがSNSトピックにアクセスできるように設定されます。

ただし、この段階ではまだ通知チャネルとしての設定はされないので注意しましょう。通知チャネルとして使いたい場合は、ワークスペースの作成後に設定します。

ワークスペースの作成

ここまでの設定を終えたら、ワークスペースを作成します。

設定に問題がないことを確認した後、[Create workspace(ワークスペースの作成)]をクリックすることで、作成が開始されます。

ステータスがACTIVEになったら、次のステップへ進みます。

ユーザーの割り当て(管理者の場合)

最後に、ユーザーにアクセス権限を割り当てます。ここでは、管理者を設定する方法を説明します。

設定するユーザーにチェックを入れて、[Assign user(ユーザーの割り当て)]→[Make admin(管理者にする)]を順番に選択します。その後、ワークスペースのURLをクリックすると、SSOユーザーのメールアドレスとパスワードを要求されるので、それらを入力します。

ここまでのプロセスを完了すれば、ワークスペースが表示され、データの取り込みや分析を開始できます。

AWSのManaged Service for Grafanaの料金

AWSのManaged Service for Grafana(AMG)の料金は、ワークスペースの利用を許可したユーザーの数によって決定します。ユーザータイプによって料金は異なります。

管理者または編集者タイプのユーザー1人につき9.00USD、閲覧者タイプのユーザー1人につき5.00USDの料金が発生します。

Grafanaのエンタープライズ版の料金については、公式ページをご覧ください。

出典:Amazon Managed Service for Grafana pricing|Amazon Web Services
参照:https://aws.amazon.com/jp/grafana/pricing/

AWSのManaged Service for Grafanaを活用してみよう


この記事では、AWSのManaged Service for Grafana(AMG)についてご紹介しました。

複数のデータソースに存在するデータを一元表示し、分析や処理をサポートします。さらに、Grafanaの運用管理の簡易化、可用性の向上、セキュリティの強化など、さまざまな機能を導入できます。

データの可視化にGrafanaを使いたい、またはGrafanaをより活用できるようにしたいといった方は、検討してみましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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