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AWSのアーキテクチャ図が描ける「Draw.io」とは?
「Draw.io」とはフローチャートやオフィスのレイアウトなど図をWebブラウザ上で作成できる高機能な描画ツールです。
一般的なビジネスに関するプレゼンテーション図の作成だけではなく、AWSのアーキテクチャ図やネットワーク構成図まで描けます。
こちらの記事では、「Draw.io」の特徴を紹介しながら、具体的な利用方法について解説していきます。
「Draw.io」の特徴
「Draw.io」の特徴として、ブラウザ上で動作するWebアプリケーションである点、「Draw.io」自体のアカウントを作成不要な点が挙げられます。
また、描画データの保存として、「OneDrive」、「Googleドライブ」、「Dropbox」、「GitHub」等の指定も可能です。ただし、各保存先のアカウントでのログインは必要です。
描画データの出力形式としては、「PNG」、「JPEG」、「SVG」、「PDF」、「VSDX」、「HTML」、「XML」等を指定することが可能となっています。
AWSでの「Draw.io」での描画について
AWSでは、「Draw.io」で描画する際に便利な「アイコンセット」が用意されています。
AWS公式ページの「AWS アーキテクチャアイコン」において、サードパーティ製ツールとして「Draw.io」が紹介されていますが、それと一緒に「アーキテクチャダイアグラム(※構成図)を構築するための AWS 公式アイコンセット」の「Draw.io」版が提供されています。
AWSに関する描画作成時においては、積極的な「Draw.io」の利用が推進されています。なお、上記の「アイコンセット」は、正式には「AWS アーキテクチャアイコン(※旧称シンプルアイコン)」と呼称されます。
「AWS アーキテクチャアイコン」の特徴
「Draw.io」における「AWS アーキテクチャアイコン」の特徴は、AWSの基本的なアイコンが用意されている点、メニュー上は白黒であっても描画するとカラーになる点です。
具体的な例を挙げると、「General Resources」には「Marketplace」、「Corporate Data Center」、「Disk」、「Email」、「Generic Database」、「Generic Firewall」、「Internet」、「Mobile Client」、「Office Building」等があります。
「Groups」には、「AWS Cloud」、「Region」、「Availability Zone」、「Security Group」、「VPC」等があります。「Analytics」には、「Analytics」、「Athena」、「CloudSearch」、「Elastic Search Service」、「Kinesis Data Streams」等があります。
また「Compute」には、「EC2」、「Auto Scalling」、「Lightsail」、「Elastic Beanstalk」等があります。
「Draw.io」を用いたAWSアーキテクチャダイアグラムの作成方法
ここでは、AWS向けの対応がなされた「Draw.io」を用いた、「AWSアーキテクチャダイアグラム(構成図)」の具体的な作成方法を紹介します。
AWS上でシステムやネットワークの環境構築する際には、ある程度の規模以上の場合に「AWSアーキテクチャダイアグラム(構成図)」が必要となってきます。
今回の解説で、具体的な作成方法を習得していきましょう。
最初の「AWS アーキテクチャアイコン」ページ
最初にAWS公式ページで「AWSアーキテクチャアイコン」ページにアクセスします。
具体的には、「AWSアーキテクチャアイコン」で検索した際に、検索結果の上位に表示されるページになります。
このページを下の方にスクロールしていくと、「描画ツールとダイアグラム作成ツール」という項目が表示されます。
この項目には、「サードパーティ製描画ツール」が紹介されており、「AWSアーキテクチャアイコン」がライブラリに含まれています。具体的には、「Arcentry」、「cacoo」、「Cloudockit」、「creately」、「Cloudcraft」、「Cloudviz.io」、「Figma」、「Gliffy」、「Hava.io」、「Hyperglace」、「Lucidchart」、「VisualParadigm Online」があります。
実際に「Draw.io」で描画する際には、「AWSアーキテクチャアイコン」がライブラリに含まれるアイコンを利用して作成していきます。
なお、一部のライブラリには、以前使用されていた旧い「アイコンセット」が含まれていることがあります。
「Draw.io」の選択
「サードパーティ製描画ツール」の中から、「Draw.io」を選択します。
「AWS ライブラリ」というリンクもありますが、バナーを選択しても同一の「Draw.io」の公式ページに遷移します。
AWS公式ページから遷移すると、「Draw.io」の描画画面が最初から表示されます。
「AWSアーキテクチャアイコン」の選択1
ここから実際に描画していきますが、画面左側ペインの「AWSアーキテクチャアイコン」から、アーキテクチャ設計に対応する各種アイコンを選択します。
ここでは最初に、「AWS/Groups」の小メニューの下にあるアイコンで、「AWS Cloud」、「Region」、「Availability Zone」、「Security Group」、「VPC」、「Public Subnet」を順に選択しながら、画面中央の「方眼紙」で表示された領域に、適宜、構築したい設定に応じて配置していきます。
こういった基本的な操作方法は、「MS PowerPoint」等の描画ツールと同様になっています。
「Public subnet」アイコンには「IPアドレス範囲」を追記してみましょう。一旦、このアイコンを選択してから、「Enter」キーを押下して改行を入力した後に、「IPアドレス範囲」を入力します。
「AWSアーキテクチャアイコン」の選択2
次に、サーバー関係のアイコンを配置していきましょう。
例えば、「AWS / EC2 Instance Types」の小メニューの中からEC2インスタンスの種類として「C5 Instance」を選択して、「Public Subnet」の枠内に配置してみます。
こちらのEC2インスタンスにも「IPアドレス」を設定できるので、「C5 Instance」アイコンの下辺りに「10.1.1.1」 と「IPアドレス」を直接入力します。
その他に、「AWS / Network & Content Delivery」の小メニューから、「Internet Gateway」を選択して、「VPC」アイコンの枠上に配置します。また「Internet」アイコン等の「AWS Cloud」の外側にも、必要なアイコンを配置していきます。
アイコン間を線でつなげる
これまでに配置してきた「AWSアーキテクチャアイコン」を線でつなげて、実際の接続状況を表現してきましょう。
例えば、「Internet Gateway」から「Internet」に線をつなげる場合には、上記で配置した「Internet Gateway」に「マウスカーソル」を合わせます。すると上下左右の全部で4方向に「矢印」が表示されます。そして、この矢印にカーソルを合わせてから、「Internet」アイコンまでドラッグして2つのアイコンを線でつなげます。
他のアイコン間も、アーキテクチャ設計に応じて線をつなげていきましょう。これで「AWSアーキテクチャダイアグラム(構成図)」が完成です。
AWSアーキテクチャダイアグラムを「Draw.io」で作成する
本記事では、「Draw.io」の特徴、「AWSアーキテクチャアイコン」の概要、「AWSアーキテクチャダイアグラム」を「Draw.io」で作成する具体的な方法を解説してきました。
こちらの記事を参考に、「Draw.io」を用いて「AWSアーキテクチャダイアグラム」を作成しながらAWSの本格的なアーキテクチャ設計に挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞