2021/06/29

ITシステム開発とは?仕事内容や必要なスキルをあわせて紹介!

 
  

ITシステム開発ってなに?


ITシステム開発とは、企業などの業務を効率化する仕組みを作ることです。プログラミング言語などのIT技術を活用して業務効率化を行うための仕組みを構築することが、システム開発の目的だと言えるでしょう。

ITシステム開発を行うには、プログラミングによって実際にシステム構築を行うプログラマーや、要件定義を行い設計書を作成するシステムエンジニアなどさまざまな人材が必要になります。本記事ではITシステム開発についてご紹介していきます。

ITシステム開発の仕事の種類3つ


ITシステム開発では、「システムエンジニア」「プログラマー」「プロジェクトマネージャー」などのさまざまなIT職種が関わり合いながら仕事を行うことになります。これらのIT職種はそれぞれ異なる役割を持っており、実際にITシステム開発で行う業務も異なります。

ここではITシステム開発の仕事の種類3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:システムエンジニアについて

システムエンジニア(SE)はITシステム開発ではシステムの要件定義や設計、仕様書の作成などの上流工程を担う職種です。

システムエンジニアの仕事はクライアントからニーズをヒアリングし、要件定義を行い、システムの内部や外部の設計を行うことでシステムの構造を検討することです。

また、システム開発のあとでテストを行うのもシステムエンジニアの仕事となっており、システムエンジニア自身がプログラマーと同様にプログラミングを行うケースもあります。

2:プログラマーについて

プログラマーはシステムのプログラミングやテストなどを行う職種です。システムエンジニアが作成した仕様書や設計書などをベースに、実際にプログラミングを行ってシステムを作り上げるのがプログラマーです。

また、作成したプログラムが動作するようになったら単体テストを行い、仕様書のとおりに動作するかどうかを確認するのもプログラマーの仕事です。

3:プロジェクトマネージャーについて

プロジェクトマネージャーはシステム開発プロジェクト全体のマネジメントを行う職種です。ITシステム開発のプロジェクトにおけるさまざまな決定権を持つ役職となっており、予算やスケジュール、人材選定などを行うのもプロジェクトマネージャーの仕事です。

また、プロジェクトマネージャーはシステム開発プロジェクトでの予算や品質、納期、成果物に関して全ての責任を持ちます。

ITシステム開発の工程7つ


ITシステム開発の開発手法の種類としては、工程を順番に完了させながら進めていくウォーターフォールモデルが一般的です。それでは、ウォーターフォールモデルでのシステム開発では、どのような流れで開発を進めていくのでしょうか。

ここではITシステム開発の工程7つをご紹介していきますので、参考にしてみてください。

1:要件定義/要件分析について

要件定義や要件分析とは、開発するITシステムにどのような要素を盛り込むのかをはっきりさせる工程です。要件定義の工程ではシステム開発会社とクライアントが打ち合わせを行い、プロジェクトで必要となる予算や人員、開発期間などを決定していきます。

また、ウォーターフォールモデルの場合は一つ一つの工程を完了させながら進めていくため、前の工程に戻ることができません。そのため、要件定義の工程で綿密な計画を立てる必要があります。

2:外部設計(基本設計)について

外部設計(基本設計)とは、要件定義で決定した内容を元にUIを設計していく工程です。UIとは「ユーザーインターフェース」のことで、ITシステムではシステム外見などのユーザーが見たり扱ったりする部分を指します。

どのようなUIにするかによってユーザーにとっての使い勝手も大きく異なることから、UIの設計は非常に重要です。また、この工程ではシステムに搭載する機能など大まかな設計についても行います。

3:内部設計(詳細設計)について

内部設計(詳細設計)とは、プログラム内部の設計をしていく工程です。外部設計ではプログラムの外側の設計を行いましたが、内部設計では機能を実装するためにどのような技術や仕組みを使うかなど、実際にプログラマーがプログラミングを行うための設計を行っていきます。

また、内部設計は開発者目線での設計となるため、クライアントに内容を確認してもらうことはありません。

4:プログラミングについて

プログラミングとは、実際にプログラムを作成していく工程です。内部設計の内容に基づき、プログラマーやシステムエンジニアがプログラミング言語を使ってプログラムを作成していきます。

また、実際のITシステム開発ではシステムをゼロから開発するのではなく、便利なフレームワークやライブラリなどを活用して開発を進めるケースも多いです。

5:テストについて

テストとは、作成したプログラムが要件定義で定めた基準を満たしているかどうかなどを確認する工程です。

テストには、作成したプログラム一つひとつを個別にテストする単体テストや、複数のプログラムを組み合わせて問題なく機能するかをテストする結合テスト、単体テストと結合テストが終わった後でシステムとして全てのプログラムを連携させてテストを行う総合テストなどの種類があります。

6:システム移行について

システム移行とは、先に導入されていた古いシステムから新しいシステムへシステムを移行する工程です。新規導入ではなくすでに既存システムが稼働している場合、新しく開発したシステムが実際に利用できるように、システムを切り替える必要があります。

また、システム移行にはシステムを徐々に切り替えていく順次移行やまとめて一度に切り替える一斉移行などがあります。

7:運用・保守について

運用・保守とは、システムを導入した後で引き続き問題なくシステムが運用できるようにする工程です。メモリの利用状況の確認などを行い、必要に応じて設定の調整などを行います。

この工程は「運用保守」とまとめられることも多いですが、具体的には運用はシステムが正常に稼働するための監視を行うことで、保守はメンテナンスやアップデート、システムの改善などの業務を指します。

ITシステム開発の2つのモデル


ITシステム開発にはさまざまな種類がありますが、本記事でも先にご紹介した「ウォーターフォールモデル」と近年注目されている「アジャイル開発モデル」は特に代表的な開発手法とされています。

ここでは、ITシステム開発の2つのモデルについてそれぞれご紹介していきます。

ウォーターフォールモデル

ウォーターフォールモデルとは、システム開発の上流工程から下流工程へと滝が流れ落ちるように順番に行っていくシステム開発です。先にご紹介したとおり、システム開発の工程を順番に一つ一つ完了させながら進めていくのがウォーターフォールモデルの特徴です。

ウォーターフォールモデルでは前の工程が完了するまで次へ進むことがないため、進捗の確認がしやすく品質も担保しやすいです。ただし、アジャイル開発モデルよりも開発に時間がかかります。

アジャイル開発モデル

アジャイル開発モデルとは、優先度が高い機能から随時開発や変更などを進めていくシステム開発です。アジャイルとは「素早い」という意味の言葉で、名前のとおりシステム全体を素早く作成していきます。

そのため、短い期間でクライアントに成果物を確認してもらうことができ、スピード感のある開発が行えます。ただし、従来のウォーターフォールモデルとは大きく異なるため、簡単に導入しにくいというデメリットもあります。

ITシステム開発の契約形態として注目されている「ラボ型開発(契約)」とは?


近年では、海外へ開発を委託するオフショア開発の契約形態の1つとして「ラボ型開発(契約)」が注目されています。日本ではIT人材が不足していることから、ラボ型開発(契約)のような契約形態の重要性は年々増してきています。

ここではITシステム開発の契約形態として注目されている「ラボ型開発(契約)」についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

請負契約との違い

請負契約の場合は契約で決められた期間で成果物を納品することになりますが、ラボ型開発(契約)の場合は契約で決めた一定期間を専属の開発チームとして確保し、開発を進めることになります。

そのため、ラボ型開発(契約)なら一旦成果物ができあがっても、期間が残っていれば継続してエンジニアを確保し続けることができます。

ラボ型開発(契約)のメリット

ラボ型開発(契約)はオフショア開発と同様に、コストを抑えられるといったメリットがあります。海外の単価の安いプログラマーに開発を委託できるため、日本で開発を行うよりも費用がかかりません。

また、期間契約であるラボ型開発であれば、期間中はエンジニアの管理をクライアント側で自由に行えます。そのため、あとから機能追加が発生しても新しく見積もりを取らずに臨機応変に対応できます。

ITシステム開発に必要なスキル5つ


ITシステム開発では多くの人が協力して作業を進めることになるため、プログラマーやシステムエンジニアなど自分の仕事に応じてさまざまなスキルが必要になります。

それでは、システム開発では具体的にどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここではITシステム開発に必要なスキル5つをご紹介していきます。

1:プログラミング言語の習得

プログラマーなど実際にシステム開発の実装を行うためには、プログラミング言語の習得が必要です。開発するものによって使用する言語はことなるため、目的に合わせて適切な言語を学ぶ必要があります。

また、システムエンジニアなどの上流工程を担う職種であっても、プログラミング言語の知識があればプログラマーと技術的な話ができるでしょう。

2:論理的思考能力

IT人材には論理的思考能力が必要です。論理的思考能力とはロジカルシンキングとも呼ばれるもので、物事を筋道を立てて考えることができる能力です。

ITシステム開発ではクライアントのニーズを満たすために、さまざまなアプローチを検討した上で最適な設計を行う必要があります。そのため、論理的思考能力が必要になります。

3:コミュニケーション能力

ITシステム開発では多くのIT職種が関わることになるため、コミュニケーション能力が必要です。システムエンジニアであればクライアントからヒアリングを行う必要があるため、的確にニーズを抽出するためのコミュニケーション能力が求められます。

また、プログラマーも作業を分担して開発を行うことになるため、円滑に仕事を行うためのコミュニケーション能力が必要になります。

4:マネジメント能力

プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアには、プロジェクトを管理するマネジメント能力が必要です。プロジェクトマネージャーの場合はプロジェクトの進行管理を行い、全体のマネジメントを行います。

また、システムエンジニアもプログラマーなどの人員を管理する必要があるため、マネジメント能力が求められます。

5:チームワーク力

ITシステム開発はチームで行うため、チームワーク力が必要です。たとえばプログラマーとして個別に開発を行っていても、後から別のプログラマーがコードを修正するケースもあります。

そのため、チームでの作業を円滑に進めるにはプロジェクトマネージャーやシステムエンジニア、プログラマーそれぞれがチームワーク力を発揮する必要があります。

ITシステム開発の仕事に就く方法3つ


実際にプログラマーやシステムエンジニアとしてITシステム開発に携わりたいという方も居るでしょう。それでは、ITシステム開発の仕事に就きたい場合はどのような方法があるのでしょうか。

ここではITシステム開発の仕事に就く方法3つをご紹介しますので、ITシステム開発に興味がある方は参考にしてみてください。

1:ITシステム開発関連の資格を取得する

ITシステム開発に有効な資格を取得することで、スキルを証明することができます。IT関連の資格の中には独学で取得可能なものもあるため、先に勉強して資格取得を目指すのがおすすめです。

たとえば、「基本情報技術者試験」であれば全てのIT職種に必要な知識を身につけることができます。また、「基本情報技術者試験」に合格した後は「応用情報技術者試験」の取得を目指すと良いでしょう。

2:ソフトウェア企業にプログラマーとして就職する

システム開発企業では、新卒採用であればプログラマーとして採用するのが基本になります。そのため、将来的にはシステムエンジニアなどの上流工程の仕事に就きたい場合でもまずはプログラマーとして就職しましょう。

プログラマーとして経験を積んだ後は、そのままスキルを磨いてスペシャリストになったり、転職して別のIT職種を目指したりすることも可能です。

3:派遣会社の研修を経て派遣社員としてシステム開発に携わる

未経験でも派遣社員としてプログラマーの仕事に就くことができます。将来的に正社員を目指す場合でも、まずは派遣会社に登録してプログラマーとしての研修を受け、実務でスキルを磨いていくのも良いでしょう。

また、プログラミングの経験があれば自分の好きな派遣先を選ぶこともできるでしょう。

ITシステム開発を効率的に進めるコツ


ITシステム開発はどのようにして開発を効率化するかが、プロジェクトの成功にも大きく関わってきます。しかし実際には、人的なリソースの不足や、検討不足のせいで無駄な工程が発生するといったことも多いです。

ここでは最後に、ITシステム開発を効率的に進めるコツについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

システムの目的を明確にする

ITシステム開発では、まずは要件定義の工程でシステムを開発する目的を明確にすることが重要です。なぜ新しいシステムを開発するのかをはっきりさせることにより、ニーズが明確になり、システムに盛り込むべき要素も明確になっていきます。

クライアントと十分な打ち合わせを行い、システムの目的を明確にすることによって、認識を合わせておきましょう。

ITツールを活用する

ITシステム開発は、開発ツールなどのITツールを導入することで開発を効率化することができます。ツールの中にはプログラムコードの自動生成やテストの自動化ができるものもあるため、そういったツールを導入することで開発工程を大幅に短縮することができます。

ITツールを活用することによって、少ない人員リソースでもシステム開発が行えるようになるでしょう。

ITシステム開発の工程や仕事内容について知識を深めよう


ITシステム開発によって、目的に合わせて業務を効率化するシステムを構築することができます。

ぜひ本記事でご紹介したITシステム開発の概要やITシステム開発の仕事の種類、ITシステム開発の工程や必要なスキルなどを参考に、必要なスキルを身に着けてITシステム開発の仕事に就いてみてはいかがでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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