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エンジニア転職の3つの面接パターンにおいてチェックされる点
エンジニアが転職する場合、スキルや経験だけではなく面接対策も重要です。面接官は面接試験で、転職希望者が業務内容にマッチしているか、コミュニケーション力はどの程度かをチェックします。
さらに、面接官が人事担当者か現場マネージャーかによって、面接の質問も異なります。そのため、転職希望者は、各面接官の傾向を踏まえて自己紹介や転職理由を準備する必要があります。
本記事では、面接官の種類を「現場マネージャー」「人事担当者」「役員」の3つに分け、それぞれの特徴やチェックされるポイント、面接対策について紹介します。
転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1:面接官が現場マネージャーの場合
面接官が現場マネージャーの場合、「スキルのマッチ度」「協調性」「学習意欲」「チームとのマッチ度」の4項目をチェックしています。
現場マネージャーは、転職希望者がチームのメンバーと協力しながら成果を上げることを期待しています。また、入社後もエンジニアとして継続的に向上してくれるスタッフを望んでいます。
現場マネージャーによる面接試験では、自身のスキルレベルや実績について、具体的なエピソードを添えながら話すことがポイントです。
2:面接官が人事担当者の場合
人事担当者が面接官の場合、「ビジネスマナー」「説明能力」「コミュニケーション力」「社風とのマッチ度」をチェックしています。
人事担当者は、転職希望者がビジネスパーソンの基準をクリアしているかどうかを見ています。
人事担当者が面接官となるのは、多くの場合一次面接です。一次面接で、社内のメンバーと協力できるか、敬語やマナーなどを身につけているかどうかを確認します。
エンジニアには、社内のスタッフやクライアントに対して、システムなど難しいことをわかりやすく説明する能力が必要です。そのため、面接時には転職希望者の説明能力もチェックします。
3:役員面接の場合
役員面接とは、社長や役員などが対応する最終面接です。一次面接でスキルなどの条件はクリアしているため、入社意欲などを確認します。
役員面接でチェックされるポイントは、「会社への貢献度」「採用の費用対効果」「キャリアビジョンのマッチ度」「入社の意欲」です。
転職希望者は、志望動機や転職理由をキャリアビジョンに関連付けて、会社でどのように実現するかを話すことがポイントです。長期に渡って活躍できる人材であることをアピールしましょう。
面接の基本的な流れ
ここでは、面接の基本的な流れを紹介しましょう。
エンジニアの中途採用の場合、面接試験は通常2回行われます。1回目は人事担当者や現場マネージャーが行う一次面接、2回目は役員による最終面接です。企業によっては、人事担当者と現場マネージャーが別々に面接を行うケースもあります。
では、面接試験の質問はどのような流れになっているのでしょうか。
多くの場合、「自己紹介・自己PR」「転職理由」「志望動機」「活かせるスキル・実績・経験」「面接官への質問」といった流れで進みます。
面接官の立場や業界によって評価ポイントが異なるケースがあるため、事前に準備・研究することが大切です。
転職の面接時に聞かれやすい質問8選
ここでは、転職採用の面接時に聞かれやすい質問を8つ紹介しましょう。面接試験を成功させるためには、聞かれやすい質問を想定した上で対策を立てることが大切です。
本章では、「自己紹介・自己PRに関する質問」「転職理由に関する質問」「能力に関する質問」「志望動機に関する質問」「企業に関する質問」「将来の目標や夢に関する質問」「勤務条件に関する質問」「質問はありますかと聞かれたとき」、以上8つについて紹介して行きます。
1:自己紹介や自己PRに関する質問
自己紹介や自己PRに関する質問の多くは面接試験の冒頭で行われます。質問の事例としては、「経験を交えて自己PRをしてください」「自己紹介をお願いします」などが挙げられるでしょう。
面接官は、転職希望者の経験やスキル、前職の業務内容をチェックすることで、自社に貢献できる人材かどうかを確認しています。
面接官によっては、「ご自身の強みを教えてください」「ご自身の弱みを教えてください」「前職でどのような役割を担っていたのか簡潔に説明してください」といった質問をするケースもあります。
質問に答えるときの注意点
質問に答えるときは、長くならないよう1~2分以内にまとめましょう。自己紹介や自己PRの場合、「自分を知ってもらいたい」という気持ちが強くなり、回答が長くなるケースがあります。
そのようなことを防ぐには、企業にアピールするべきポイントをまとめたり、具体的なエピソードを交えたりなど、事前の準備が大切です。
質問に回答するとき、経験年数やスキル、業界や使用言語を一緒に伝えることで、より説得力のあるアピールができるでしょう。
長所の伝え方
面接で長所について尋ねられたときの伝え方を紹介します。
面接官に伝えるときは、「長所は何か」「長所としてPRできる根拠となるエピソードや実績の紹介」「入社後、長所をどのように活かすのか」の3点を順番に話しましょう。
最初に「私の長所は〇〇です」と結論から述べることで、面接官は理解しやすくなります。その上で、具体的なエピソードや実績を添えながら、ビジネスに貢献できる長所であると伝えましょう。
最後に、入社後のイメージを伝え入社意欲の高さをアピールしてください。
短所の伝え方
面接で「あなたの短所を教えてください」と聞かれたとき、面接官は短所を単に知りたいわけではないので注意しましょう。
質問に回答するときは、自分の短所をどのように改善し対処しているか伝えることが大切です。ただ短所だけを伝えてしまうと、面接の評価を下げる可能性があります。
面接官は質問を通して「自身を客観的に見ているか」「短所を把握しているか」「短所に対して具体的な対処や改善を行っているのか」を知ることを目的としています。
2:転職理由に関する質問
転職者の面接試験では「なぜ、転職を希望しているのですか」といった転職理由を聞かれる質問があります。
面接官は転職理由を尋ねることで、転職者の不満のポイント、仕事に対する姿勢をチェックしています。ひいては、入社後に同じような理由で退職しないかどうかも見ていることになります。
類似した質問としては、「なぜ、キャリアチェンジするのでしょうか」「転職活動では何を基準に企業を選んでいるのでしょうか」などが挙げられます。
質問に答えるときの注意点
質問に答えるときは、できる限り前向きな転職理由を伝えましょう。働く目的やキャリアプランと絡めながら伝えることがポイントです。
不満を転職理由として伝える必要がある場合は、客観的に納得できる理由や、解決しようとした具体的行動も添えましょう。
いずれの場合も、転職について前向きな姿勢で臨んでいるよう伝えることが大切です。
3:能力面に関する質問
面接試験では、エンジニアとしての職務経歴やスキルについて質問されます。面接官は質問を通じて、転職希望者のスキルや知識が応募条件に適しているかどうか確認しています。
具体例としては「職務経歴書に書かれているプロジェクトについて詳しく教えてください」などが挙げられます。
面接官は質問をすることで、転職希望者の能力を知り、自社の業務にどれだけ貢献できるのか把握します。
質問に答えるときの注意点
能力面に関する質問に答えるとき、自分の役割やプロジェクトの規模など具体的なエピソードを交えながら伝えましょう。ここでは、自分の果たした役割がどのような結果を生み出したのかを伝えることがポイントです。
正確さやスピードなど、仕事で大切にしていることも添えてください。もし、失敗したことを聞かれたときは、改善方法や解決方法も一緒に伝えましょう。
4:志望動機に関する質問
志望動機に関する質問では、自社に対する志望度の高さ、自社とのマッチ度を確認しています。質問の具体例としては「志望動機を教えてください」が挙げられます。
類似した質問に「入社10年後はどのようになっていたいですか」「スキルを活かして、当社で実現したいことは何ですか」があります。
企業によっては、自社とのマッチ度だけではなく、どれだけ企業研究をしているのか確認している面もありますので覚えておきましょう。
質問に答えるときの注意点
志望動機について聞かれたら、「企業のどこに魅力を感じ、どのように貢献するか具体的に伝えること」がポイントです。
企業研究を事前にしっかりと行い、企業を志望する明確な理由を考えておきましょう。企業のコーポレートサイトや案内書、募集要項などを参考にしてください。
志望動機を伝えるとき、働く目標やモチベーションを添えることも大切です。
5:企業に関する質問
企業に関する質問として、他社の選考状況を尋ねるケースがあります。具体的な質問例として「他社の選考状況を教えてください」が挙げられるでしょう。
面接官は他社の選考状況を知ることで、転職希望者の入社意欲を確認します。また、この質問では、転職希望者の転職基準にブレがないかどうかもチェックできます。
たとえば、金融業界を目指しているにもかかわらず、医療業界にも応募しているというケースなどでは「転職基準に一貫性がない」と捉えられます。
質問に答えるときの注意点
企業に関する質問に答えるときは、入社意欲をはっきりと伝えた上で回答してください。転職希望者によっては、同時に複数の企業に応募しているケースがあります。そのような場合は、企業選びの基準をしっかりと説明することも大切です。
ただし、不採用になった企業、応募した全ての企業を正直に答える必要はありません。状況によっては、「〇〇系の企業」という回答でも問題はないでしょう。
6:将来の目標や夢に関する質問
面接の質問の中には、将来の目標や夢に関する内容もあります。具体例としては「将来、どのようなエンジニアになりたいですか」「キャリアプランはどのように考えていますか」といった質問が挙げられるでしょう。
面接官は、転職希望者のキャリアプランと企業の目指す方向性が合っているか確認することを目的としています。また、どのようなエンジニアを目指すのか確認することで、向上心や成長意欲も見ています。
質問に答えるときの注意点
将来の目標や夢について答えるとき、明確な目標設定を示すことが大切です。入社後、どのようなスキルや経験を身につけたいのか具体的に説明しましょう。
また、目標とするエンジニア像について説明するときは、客観的にどのような評価を得たいのかはっきりと伝えましょう。
7:勤務条件に関する質問
勤務条件に関する質問としては「希望年収」や「入社可能時期」が挙げられるでしょう。希望年収については、多くの企業が面接で質問します。ここでは、転職希望者の希望年収と自社の予算に差額がないかどうかの確認が行われます。
一方、「入社可能時期」については、企業側の人材補充の計画と関連しています。転職希望者の入社可能時期を把握した上で、企業は事業戦略を立てていきます。
質問に答えるときの注意点
転職希望者が年収に関する質問を受けた場合、現職の年収を伝えた上で、希望年収を回答してください。最後に「御社の規定に従います」と添えることで、謙虚な姿勢を見せることも大切です。
入社可能時期については、「確実に入社できる時期」を伝えましょう。早めに入社してほしいと言われた場合は、現状を伝えた上で、できる限り調整する姿勢を示すことも大切です。
8:質問はありますかと聞かれたとき
面接の最後に、面接官から「質問はありますか」と聞かれるケースがあります。入社意欲をアピールできるチャンスなので、しっかりと対策を立てましょう。
たとえば、「先ほどお話しいただいた技術に興味があります。もう少し詳細を教えて頂けますか」「入社までに学ぶべきスキルはありますか」などが挙げられます。
逆質問するときの注意点
面接官に逆質問するときは、入社後に働く姿をイメージしてもらえる質問をしましょう。具体的には、プロジェクトに貢献する意欲があること、将来的な事業展開にも興味があることなどをアピールしてください。
「質問は特にありません」といった回答はできる限り控えましょう。また、年収など待遇面に関する質問も避けてください。
転職の面接時に答えを迷いやすい質問4選
採用面接では、答えを迷いやすい質問をされるケースがあります。答えにくい質問をすることで、転職希望者の人柄や素の様子を見ることが目的です。
答えにくい質問に対応するためには、心の余裕や頭の回転の良さ、アドリブ力などが求められます。特に、クライアントや社外の人と接触する場合に臨機応変さが必要になります。
本章では、答えを迷いやすい質問として、「意地の悪い質問」「転職活動の状況に関する質問」「仕事と関連性がない質問」「概念的な質問」を紹介していきます。
1:意地の悪い質問
転職希望者が想定していなかった、意地の悪い質問をされるケースがあります。答えを用意していないため、慌ててしまったり、対応できなかったりしてしまう可能性があります。
面接官は転職希望者の人柄や素の様子を知ることを意図しているため、会話に詰まらず進めていくことを第一に考えましょう。
質問に答えるときの注意点
意地の悪い質問に答えるときは、受けを狙いすぎて考えこまないことがポイントです。たとえ、回答がユニークだったとしても、あくまでも人柄を知ることが目的なため、気にしすぎないようにしましょう。
入社後、所属部署によっては社外の人と接するケースがあります。そのような場合も、意地の悪い質問を受ける可能性はあります。
そのような状況を想定して、面接官は応募者の機転や対応力をチェックしています。
2:転職活動の状況に関する質問
採用面接で転職活動の状況を聞かれるケースがあります。面接官は、転職希望者の入社意欲度、他社の評価を知ることを目的としています。
転職希望者によっては複数社受けているにもかかわらず「御社しか受けていません」と答えるケースがあります。
しかし、この回答は必ずしもアピールにつながるわけではありませんので注意しましょう。
質問に答えるときの注意点
転職活動で複数社受けている場合は、正直に伝えましょう。離職中の転職希望者が、1社しか受けていないとなると、逆に不自然です。
ただし、「他社が第1志望」の場合、面接官に伝えることは控えましょう。たとえ優秀な人であっても、企業側は採用をためらう可能性があるからです。できれば、「御社が第1志望」と伝えることをおすすめします。
3:仕事と関連性がない質問
ごく稀にですが、仕事と関連性がない質問をされるケースがあります。仕事と関連性がない質問としては、プライベートに関する内容が挙げられるでしょう。
ただし、厚生労働省では、公正な採用選考をするために仕事とは関係のないプライベートな質問をしないようにという考えを明示しています。
出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
質問に答えるときの注意点
仕事と関連性がないプライベートな質問には、無理に答える必要はありません。逆に質問の意図をたずねたり、「プライベートなことなのでお答えしたくありません」と返答したりする方法があります。
面接時に受けた質問の内容によっては、企業の社風や雰囲気を調べ、今後の選考に進むかどうか慎重に検討することをおすすめします。
4:概念的な質問
採用面接では、生きがいや仕事の意味に関する概念的な質問をされるケースがあります。このような質問では、転職希望者の人生観や仕事観を問うことを意図しています。
企業側は、概念的な質問をすることで転職希望者の労働意欲や仕事観を知り、組織の中で成長しながら働いてくれるかどうかを見ています。
質問に答えるときの注意点
仕事観を問うような概念的な質問に対しては、仕事への本気度を感じ取ってもらうように答えることが大切です。
基本的には正解のない質問のため、人によって答えは異なるでしょう。しかし、選考に残るためには、応募企業のキャリアの先に人生の目標があることを伝えましょう。
エンジニアの転職における4つの事業内容ごとの面接対策
本章では4つの事業内容ごとの面接対策について紹介しましょう。今回は、メーカー、ベンダー、Webサービス、コンサルティングといった4つの事業内容について取り上げます。
企業によって求められる能力やスピード感は異なります。転職希望者は、各事業内容で求められるポイントを理解した上で面接の準備をすることが大切です。
メーカーの場合
メーカーの場合、面接試験で4つのポイントをチェックしています。
4つのポイントとは「社内調整力」「企業が取り扱う領域の専門性」「売上の効率化・ビジネスへの貢献度」「開発後も考慮したものづくり」のことです。
メーカーでは、システムが完成したら終了ではなく、長期的な視点が求められます。長期的な視点としては、「導入後の運用やランニングコストを考慮した設計ができるか」「他のメンバーに引き継ぎやすい設定にできるか」といった点が挙げられます。
ベンダーの場合
業務内容がベンダーの場合、商流によってチェックポイントが異なります。たとえば、プライムベンダーでは、ディレクション能力や顧客折衝力が重視されています。一方、二次請けは、正確性と開発スピードが重要です。
面接官は、顧客やベンダーとの調整力、顧客課題を解決した経験などを面接で見ています。転職希望者は、応募企業の業務内容を確認した上でアピールポイントを考えましょう。
Webサービスの場合
業務内容がWebサービスの面接試験では、快活に対応しながら、現場の思考や作業スピードについていけることをアピールしましょう。
面接官は、転職希望者のコミュニケーション能力、PDCAのスピード感をチェックしています。また、ビジネスへの貢献度を意識しているかどうかも確認します。
コンサルティングの場合
コンサルティングの面接では、鋭い質問を投げかけられ論理的思考力や課題解決力の有無を見られます。また、顧客折衝や要件定義の経験を確認されるケースもあります。
面接官は質問を通して「ストレス耐性」「業界知識」「課題特定力」「PDCA」「上流工程の経験」などをチェックしています。
転職の面接で聞かれる質問を事前に把握し上手にアピールしよう
転職希望者は面接を受ける前に、しっかりと対策を立てておきましょう。面接の準備をするときは、質問を想定した上で、できる限りエピソードを交えながら具体的に答えられるようにしてください。
採用面接では、企業側から「一緒に仕事がしたい」と思ってもらえることが大切です。思いつきで話すのではなく、質問の意図を理解し自分の良さをアピールできるよう準備をしましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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