2020/12/17

機械学習エンジニアの主な仕事内容6選|必要とされるスキルや将来性とは?

 
  

機械学習エンジニアとは


機械学習エンジニアはAI技術を活用したシステム開発などを行うエンジニアです。機械学習エンジニアは機械学習のワークフローを用い、データを基に推論モデルの構築を行うなど、機械学習のスペシャリストとも言えます。しかし職業としての歴史が浅いことから、業界内でも担い手は少ないのが実情です。そういった点でも機械学習エンジニアは希少価値が高く、将来性のある職業だと言えるでしょう。

機械学習エンジニアの特徴

機械学習エンジニアはAIエンジニアに分類されるエンジニア職で、一般的なエンジニアよりも専門的な知識を必要とします。機械学習モデルを作成するには統計や数学の知識が必要となるため、他のエンジニア職から機械学習エンジニアに転職する場合は、改めて必要な知識について勉強し直す必要があるでしょう。また、機械学習エンジニアに近い職業として、データサイエンティストやデータエンジニアなどがあります。

機械学習とは

機械学習とは機械に学習させることを指します。機械学習とはAIの技術の中の1つであり、取り込んだデータを分析し、分析データを基にパターン傾向を見つけ出し分類や予測を行うものです。機械学習にはいくつかの学習方法があり、業務内容によってどの学習方法を選ぶかを判断する必要があります。機械学習エンジニアとして転職を考えているのであれば、機械学習についての学習方法を理解しておきましょう。

AIとの関係性

機械学習とはAIの中に分類される技術です。機械学習は、AIの技術が生み出された後に作り出された技術になります。AIで情報収集を行い、その情報の分類などを行うのが機械学習の役割です。機械学習の中にはディープラーニングやサポートベクターマシーンなどが含まれます。機械学習エンジニアとして転職を考えている人は、機械学習とAIの関係性について知っておきましょう。

機械学習エンジニアの平均年収

機械学習エンジニアの平均年収は、一般的に626万円ほどとなっています。もちろん企業や仕事の内容によっても異なりますが、機械学習エンジニアの年収は一般的なエンジニアよりも高い傾向があると言えるでしょう。機械学習エンジニアの平均年収が高い理由としては、需要に対して機械学習エンジニアの数が足りていない点や、専門的なスキルが求められる点などが挙げられます。

機械学習エンジニアの主な仕事内容6選


機械学習エンジニアへの転職を検討するのであれば、機械学習エンジニアのどのような仕事を行っているのか理解する必要があります。機械学習エンジニアは、主に機械学習モデルの作成や検証、システムやサービスの設計、運用や保守といった仕事を行っています。ここでは機械学習エンジニアの主な仕事内容6選をご紹介しますので、どのような仕事を行う職業なのか理解を深めてみてはいかがでしょうか。

1:機械学習に用いるデータ収集・整形作業

機械学習エンジニアは、機械学習に使用するデータの収集や整形作業を行います。機械学習には「強化学習」「教師あり学習」「教師なし学習」の3つの種類があり、この中で「教師あり学習」や「教師なし学習」を行う場合はデータを用意する必要があります。そのため、機械学習エンジニアは、データの収集やデータに含まれる余分な情報を削除したり整えたりするデータの整形作業などを行います。

2:機械学習を動作させる環境の設計

機械学習エンジニアは、クライアントに合わせて機械学習を動作させる環境の設計を行います。機械学習で用いるデータは機械学習を利用する業種によって異なります。そのため、業種に合わせて必要なデータを収集し、さらに機械学習に最適な形にしていく環境設計を行う必要があります。機械学習エンジニアに転職を考えている場合は、クライアントに合わせた環境の設計を行うことになります。

3:機械学習を動作させる環境の基盤構築・開発

機械学習エンジニアは、クライアントに合わせて機械学習を動作させる環境の基盤を構築していきます。機械学習を行う場合は、継続的にデータ収集を行い、蓄積し、さらに整備を行っていく環境が必要になります。そのためには、機械学習エンジニアは学習作業やサービスへの適用以外にも、データの加工や再学習などさまざまなタスクを行うのに対応した機械学習基盤を構築、開発する必要があります。

4:機械学習を動作させる環境の実装

機械学習エンジニアは、クライアントに合わせて機械学習を動作させる環境の実装作業を行います。前の工程で環境の設計を行っているため、設計をもとにして環境の実装を行っていきまます。たとえば、業種や業界などに合わせて製品情報や顧客の注文履歴、他に興味を持った商品などの情報をアルゴリズムに読み込んでいくことで、その顧客に対してのおすすめ商品や興味を示しやすい商品などを予測します。

5:機械学習を動作させる環境の運用・保守

機械学習を動作させる環境の運用や保守も、機械学習を顧客に納品した後に機械学習エンジニアが担当する仕事です。運用とは納品した環境が正常に動作できるように確認する作業で、保守は定期的なメンテナンス作業のことを指します。また、運用は数年単位で行うことになり、決められた期間には点検を行うことがありますが、機械学習の精度が落ちてきた場合には期間を待たずにメンテナンスを行うケースもあります。

6:最新技術の情報収集

機械学習エンジニアとして仕事をするのであれば、最新技術を常に情報収集することも大切な仕事です。技術の移り変わりが激しいIT業界の中でも、機械学習は日進月歩のジャンルとなっているため、実際に機械学習エンジニアとして仕事をするようになってからも最新の情報を集めることは必須です。常に最先端の技術や情報を収集することで、機械学習エンジニアとして第一線で活躍できるようになるでしょう。

機械学習エンジニアに必要とされるスキル8選


機械学習エンジニアとして転職をするためには、どんな知識が必要なのでしょうか。機械学習エンジニアにはSEとしての一定レベルの技術や知識、機械学習エンジニアとしての知識が必要となります。そのため、機械学習エンジニアに転職を考えているのであれば、必要なスキルについても押さえておく必要があります。ここでは機械学習エンジニアに必要とされるスキル8選をご紹介しますので、参考にしてみてください。

1:複数のプログラミングスキル

機械学習エンジニアには複数のプログラミングスキルが必要です。機械学習の開発において、モデムの構築や作成、システム構築やサービス設計を行う際にはプログラミング言語は欠かせません。機械学習エンジニアとして転職を考えている場合には、プログラミング言語の中でも多くの機械学習で使われているPythonやR、さらにJavaなどのプログラミングスキルを身につけるようにしましょう。

2:データ基盤・データベースの知識

機械学習エンジニアにはデータ基盤やデータベースに関する知識が必要です。機械学習の開発には大量のデータが必要となるので、データセットを使用します。さらにデータセットを保管しておくためにはデータベースが必要です。また、機械学習では機械学習基盤やデータ分析基盤などを使用するため、機械学習エンジニアとして転職を考えている人は、データ基盤やデータベース知識を身につける必要があります。

3:機械学習ライブラリの知識

機械学習エンジニアには機械学習ライブラリの知識が必要です。機械学習では機械学習専門のライブラリやフレームワークを使用して開発を行います。そのため、機械学習エンジニアには専門的なライブラリやフレームワークの知識が必須です。たとえば、代表的なライブラリには機械学習に使用できる機能が豊富な「TensorFlow」や、データ分析などに適した「scikit-learn」などがあります。

4:クラウド利用の知識

機械学習エンジニアにはクラウド利用の知識が必要です。機械学習の開発環境を自社で整えるのは非常に手間と時間がかかります。しかしAWSなどのクラウドでは機械学習用の開発環境が提供されているため、クラウドを活用すると効率良く機械学習のモデルの作成が行えます。よって、機械学習エンジニアとして転職を考えている場合は、効率化のためにもクラウド利用の知識を持っておくと良いでしょう。

5:ディープラーニングやアルゴリズムに関する知識

機械学習エンジニアにはディープラーニングやアルゴリズムに関する知識が必要です。AIには画像認識や音声認識、自然言語処理などさまざまな目的があり、どのようなAIの開発にも合わせられるようディープラーニングや機械学習アルゴリズムについての理解が必須となります。アルゴリズムには決定木やパーセプトロン・ロジスティック回帰、ニューラルネットワークといったさまざまな種類があります。

6:統計学・数学・画像認識学の知識

機械学習エンジニアには統計学や数学、画像認識学の知識が必要です。機械学習はあらゆるデータを数値化しモデル作成を行っているので、数式を活用する数学の知識が必要となります。また、データを集計するにあたっては統計の知識が必要になり、画像認識についても知っておく必要があります。機械学習エンジニアとして転職を考えている人は、確率統計や微分積分、線形代数、画僧認識などについても知っておきましょう。

7:システム開発の知識

機械学習エンジニアには、システム開発の知識が必要です。機械学習の開発時、推論モデルの作成にシステム開発の知識は欠かせません。他にも機械学習エンジニアとして、システム開発の知識があると自分の作成したモデルを顧客がどのように実装するのか想定することができます。そういった意味でもシステム開発の知識は、機械学習エンジニアとして転職を考えている人には欠かせないものといえるでしょう。

8:分散処理技術による大規模データ処理

機械学習エンジニアには、分散処理技術を活用した大規模データ処理の技術が必要です。機械学習を行うためには大量のデータを使用したデータ処理が必要になります。よって、データ操作を行うためのSQLに関する知識や技術は当然必要とされます。また、ビッグデータはそのまま使用すると負荷がかかりすぎるため、分散処理によって負荷を分散し、処理時間を短縮するための技術も求められます。

機械学習エンジニア転職におすすめのキャリアパス


機械学習エンジニアの転職にはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。機械学習エンジニアはさまざまな企業で求められる需要の高いエンジニア職となっていますが、機械学習エンジニアになってからのキャリアパスについても知っておく必要があります。ここでは機械学習エンジニア転職におすすめのキャリアパスをご紹介しますので、どのようなキャリアパスがあるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。

プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーとは顧客満足度を向上し、利益を最大化するための重要な役職です。「プロダクト」とは製品や商品などの意味を持つ言葉で、主に企業が顧客に提供するものをプロダクトと呼びます。プロダクトマネージャーは単に商品を販売するだけでなく、どのようにすれば顧客満足度を向上できるかといったマーケティング戦略を立案し、ロードマップを作成する上流工程の仕事を行います。

フリーランス

機械学習エンジニアとして経験やキャリアを積んだあとは、フリーランスの機械学習エンジニアとして独立するキャリアパスがあります。近年ではAI開発を行っている企業も多く、機械学習エンジニアには高い需要があると言えます。また、今後AI開発の需要は拡大していくことが予想されるため、今後は企業に勤めなくてもフリーランスの機械学習エンジニアとして仕事をすることも十分選択肢に入るでしょう。

ITコンサルタント

機械学習エンジニアとして経験やキャリアを積んだあとは、ITコンサルタントになるというキャリアパスもあります。ITコンサルタントはさまざまな課題を抱えている企業に対して課題解決に繋がる適切な機械学習システムを構築したり、分析結果をもとにした現状分析などを行うことが仕事です。ITコンサルタントになるには、よりコンサルタント系のスキルを中心に身につけていくことが大切です。

機械学習エンジニアの需要と将来性は高い


機械学習エンジニアには高い需要があり、将来性も高い職業だと言えます。機械学習は他の分野よりもまだ開発が進んでいないことから、機械学習エンジニアの需要が高まるのはこれからだとも言われています。また、今後はIT人材の需要がますます高まっていくと言われていることから、機械学習エンジニアには十分な将来性があると言えるでしょう。そのためには、ディープラーニングやアルゴリズムなどの専門的な知識を学習し続けることが重要です。

将来有望な機械学習エンジニアスキルを習得しよう


AIの技術は幅広い分野で活用されていることから、機械学習の開発を行える機械学習エンジニアはさまざまな企業で高い需要があります。しかし職業として知られるようになったのが最近なので、認知度が低く、機械学習エンジニアとして活躍する人は少ない状況です。システムエンジニアとしてキャリアアップを考えている人や高収入を目指したい人は、ぜひ機械学習エンジニアに必要なスキルを習得を目指してみてはいかがでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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