2022/08/31

AWSリージョンの変更方法とは?概要や手順について

 
  

AWSとは?


AWSとは、Amazon Web Serviceの略で、Amazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。クラウドコンピューティングサービスとは、サーバーなどのITインフラをインターネット経由で提供するサービスのことです。

AWSは、Amazonが所有している世界中のデータセンターなどのITインフラを、初期費用や管理費用なしで、すぐ利用できるサービスです。200種類以上の機能やサービスが提供されており、用途が広く、AWSへ移行することでより高い費用対効果を目指せます。

AWSのクラウドサービスは、他にAzureやGoogle Cloud Platformなど、数多くある中でも、世界中で高いシェア率を獲得しています。これから、ますますクラウドサービスへの移行が進む中、高いシェア率を維持、もしくは向上させていくでしょう。

AWSリージョンとは?


リージョンとは、英語では「region」と書き、日本語では「地域」「領域」「範囲」といった意味で、AWSにおけるリージョンとは、データセンターがある「地域」を指します。

AWSリージョンは、アメリカや日本、ブラジルなど、世界各地にあり、リージョン間は、それぞれ完全に分離されています。分離されているということは、もし日本の東京リージョンで障害が発生しても、大阪リージョンでは影響を受けないということです。

AWSで利用できるリージョンは、AWSアカウントによって異なります。AWSグローバル、AWS GovCloud、AWS中国は、それぞれアカウントが分離されており、選べるリージョンも異なりますので、目的に合ったリージョンを選びましょう。

たとえばヨーロッパをターゲットとする場合は、法的要件を満たすため、さらに通信環境も考慮すると、ヨーロッパのAWSリージョンを選んだ方が無難と言えます。

アベイラビリティゾーンとは?


アベイラビリティーゾーンとは、リージョン毎に複数のデータセンターから構成された独立した場所のことです。

英語では、availabilityの「可用性」と、zone「地域」を合わせた単語で、1つのインスタンスで障害が発生しても、他のアベイラビリティーゾーンのインスタンスが起動するように設計できます。

アベイラビリティーゾーン間は、リージョン間と同様に分離されていますが、同じリージョン内のアベイラビリティーゾーン間は、互いに接続され可用性を高めている構成になっています。

アベイラビリティーゾーンは、Amazon EC2のインスタンスを起動する際に、選択できます。また、必要に応じて、インスタンスからAMIの作成などのいくつかの設定をすれば、別のアベイラビリティーゾーンへインスタンスの移行もできます。

AWSリージョンによってサービスや料金が違う?!


AWSは、リージョン毎にサービス内容や料金が違います。一部のリージョンに限定されたサービスや、同じサービスでもリージョン毎に料金が異なる場合もあります。

AWSのサービスは、仮想サーバーを構築できるAmazon EC2や、オブジェクト単位でデータを出し入れできるAmazon S3など、最初に紹介した通り、200種類以上もあります。

しかし、現時点の東京リージョンでは、168種類であり、全てのサービスが利用できるわけではありません。また、現時点の大阪リージョンでは、43種類のみと日本のリージョンでもこれだけの差があります。

そして、AWSの利用料金は、従量課金制でリージョン毎にも異なりますので、コストや通信速度、法的要件などの何を一番重視するかで、選び方も異なります。

ビジネスターゲットに近いリージョンでも利用したいサービスが利用できない場合があるため、リージョン選びはとても重要になってくるでしょう。

AWSリージョンは簡単に変更できる?


AWSリージョンは、複数の操作が必要になりますが、別のAWSリージョンへ簡単に変更できます。今回は、AWSリージョンを変更するケースが考えられる、AWSの代表的なサービスであるAmazon EC2に絞って変更方法を紹介します。

AWSリージョンを変更する理由としては、Amazon EC2のインスタンスをデフォルトのままで変更せずに作ってしまった場合や、新しく展開されたAWSリージョンが顧客により近い場合、コスト削減を最優先にAWSリージョンを選び直したい場合など、様々名ケースが考えられます。

もし、自社運用のオンプレミス型の場合、サーバーを顧客にもっと近い場所へ移動するためには、物理的にサーバーを移動して、構築しなおすなど、コストと時間がとてもかかります。

ですが、クラウド型のAWSの場合は、AWSリージョンを変更する際に、物理的な移動も、構築しなおしも必要なく変更が可能です。

AWSリージョンの変更方法は?


AWSリージョンを変更するには、変更元のインスタンスのスナップショットやイメージをコピーし、変更先のAWSリージョンでインスタンスを起動します。

スナップショットとは、ある時点でのサーバーのファイルやディレクトリー、ソースコードなどのデータや状態をコピーしたものです。

それでは、あるAWSリージョンで作成したAmazon EC2インスタンスを、別のAWSリージョンへ変更する方法の流れを順番に紹介します。

変更元のAWSリージョンでスナップショットを作成する

Amazon EBSでAmazon EC2インスタンスのスナップショットを作成します。Amazon EBSとは、Amazon Elastic Block Storeの略で、Amazon EC2インスタンスで使用するためのブロックレベルのストレージサービスです。

Amazon EC2インスタンスのスナップショットを作成するには、Amazon EC2コンソール項目から、Amazon EBSの「スナップショット」を選択します。「スナップショットの作成」を押下し、ボリュームを選択し、必要に応じて、説明を入力します。

次に、「スナップショットの作成」を押下し、「スナップショットの作成リクエストが成功しました」と表示されるとスナップショットは完成です。

作成したスナップショットをコピーする

変更元のAWSリージョンで作成したインスタンスのスナップショットを、変更先のAWSリージョンへコピーします。

Amazon EBSで、作成したスナップショットを選択し、「アクション」から「コピー」を選択します。

「送信先リージョン」を変更先リージョンとして選択し、任意で「説明」を入力、暗号化選択し、「コピー」を押下します。「スナップショットのコピー操作が開始されました。」と表示されたら、コピーは開始されています。

次に、AWSコンソール右上から、現在のAWSリージョンを変更先のAWSリージョンを選択します。

変更先のAWSリージョンで該当するスナップショットの「ステータス」が、「pending」から「completed」に変われば、コピー完了です。

変更先のAWSリージョンでAMIを作成する

変更先AWSリージョンにあるコピーしたスナップショットからAMIを作成します。AMIとは、Amazon Machine Imageの略で、Amazon EC2のインスタンスを起動に必要なOSなどの情報のことです。

変更先のAWSリージョンのAmazon EBSからコピーしたスナップショットを選択し、「アクション」から「イメージの作成」を押下します。

「名前」を入力し、そのほかの項目は任意で入力、または選択します。「イメージの作成リクエストを受け取りました。」と表示されたらAMI作成の完了です。

変更先のAWSリージョンでインスタンスを起動する

変更先AWSリージョンで作成したAMIを元に、Amazon EC2インスタンスを作成します。

Amazon EC2のコンソール左項目にあるインスタンスを開き、「インスタンスを起動」を押下します。次に、「マイAMI」を押下し、作成したAMIを選択します。

インスタンスタイプを選択し、ストレージの追加、タグの追加、セキュリティグループなど、必要に応じた設定し、最後に「起動」を押下します。

「インスタンスは現在作成中です」と表示されたら、インスタンスの状態が「実行中」になっていることを確認します。「実行中」になっていれば、変更先でAmazon EC2インスタンス起動の完了です。

変更先のAmazon EC2インスタンスで正常動作できれば、変更元のAmazon EC2インスタンスやスナップショットは削除してもよいですが、しばらく残しておく方が安全でしょう。

AWSリージョンは慎重に選ぼう!


AWSリージョンの変更はできますが、手間や余計な費用が発生する可能性があるため、変更する必要がないように慎重に選びましょう。

Amazon EC2のインスタンスに紐づくキーペアやセキュリティグループなどの関係で、変更先のAWSリージョンでは、上手くインスタンスを起動できないこともあるため、変更には注意が必要です。

ただ、新しいAWSリージョンやサービスを利用するためなどで、AWSリージョンを変更する必要が出る場合もあります。その場合は、この記事を参考にAWSリージョンの変更を試してみてください。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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