この記事の目次
AWSとは?
AWSとは、Amazonから提供されているクラウドプラットフォームです。正式名称をAmazon Web Servicesといい、世界中から100種類以上ものサービスが提供されています。
AWSを使用することで、俊敏性の向上やコストの削減などが可能です。大企業や政府機関などを含む、何百万ものユーザーがAWSを活用し、イノベーションを加速させています。
AWS Global Acceleratorとは?
AWS Global Acceleratorとは、世界中のユーザーに提供されるアプリケーションのパフォーマンスと可用性を改善するネットワーキングサービスのことをいいます。セットアップや設定、そして管理が簡単であることが特徴です。
AWS Global Acceleratorは、パフォーマンスに基づいたエンドポイントへとトラフィックをルーティングすることで、アプリケーション状態、ユーザーの位置、ポリシーの設定変更に素早く反応します。
速度の比較ツールを使うことで、ユーザーのロケーションからどういった利点があるのかをテストすることが出来ます。
AWS Global Acceleratorを利用するメリット4つ
AWS Global Acceleratorを利用する上で、知っておきたいメリットが4つあります。
アプリケーションのパフォーマンスを向上させる点、トラフィック管理を簡素化する点、可用性と回復性を向上させる点、アプリケーションを保護する点です。
サービスを使いこなすためには、正しい知識を身につけて理解を深めることが大切です。それでは1つ1つ説明していきます。
メリット1:アプリケーションのパフォーマンス向上
AWS Global Acceleratorは、専用のAWSグローバルネットワークと高質なネットワーキング機能を組み合わせることにより、アプリケーションのパフォーマンスを約60%向上させることが出来ます。
TCP接続が、エンドポイントでなく、ユーザーに一番近いAWSエッジロケーションで終了するので、グローバルでデータ転送が加速します。
AWSネットワークに繋ぐとユーザーのトラフィックは、自動ルーティングによってアベイラビリティーゾーンやリージョンの中でもパフォーマンスの高いAWSオリジンへと転送されます。
UDPワークロードに繋いだ場合AWSネットワークは、トラフィックが急増する際に生じるジッターとパケット損失を回避するため、必要な規模の容量のみを提供します。
メリット2:トラフィック管理を簡素化
AWS Global Acceleratorは、2つの静的エニーキャストIPアドレスを2つ提供することにより、世界的規模のトラフィック管理を簡素化することが出来ます。
ユーザーは、この2つの静的エニーキャストIPアドレスを、許可リストに一度だけ登録する必要があります。
2つのIPアドレスの背後で、AWSオリジンの追加もしくは削除することにより、ユーザー側でエンドポイントのスケーリング、フェイルオーバー、テストなどといった用途を変更することなく開くことが出来ます。
BYOIP(自分の IP アドレスをAWS Global Acceleratorに持ち込むこと)や、Amazonのプールから静的IPアドレスを使うことも可能です。
メリット3:可用性と回復性の向上
アーキテクチャの構築をする際には、可用性と回復性を重視する必要があります。例えば、複数のAWSリージョンにまたがる単一のAWSリージョンでアプリケーションの実行をする場合などです。
AWS Global Acceleratorを用いてトラフィックのルーティングをすることにより、常にアプリケーションオリジン間のフェイルオーバーが数秒以内に自動で行われます。
また、AWS Global Acceleratorがアプリケーションエンドポイントから障害の検出をした場合、別のAWSリージョンまたはAZで、次に利用出来るエンドポイントへのトラフィックの再ルーティングを瞬時にトリガーします。
メリット4:アプリケーションの保護
パブリックのインターネットトラフィックで、EC2 インスタンスやApplication Load BalancerなどのAWSオリジンを公開すると、悪意ある攻撃を受けることがあります。
AWS Global Acceleratorは、オリジンを静的エントリポイントの背後にマスキングすることにより、攻撃されるリスクを軽減することが出来ます。
このエントリポイントは、デフォルトでAWS Shield を用いて、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃から保護されます。
AWS Global Acceleratorは、プライベートIPアドレスを用いてAmazon Virtual Private Cloudとの相互接続を作成し、内部のApplication Load BalancerもしくはプライベートEC2インスタンスとの接続を、パブリックインターネットから切断します。
AWS Global Acceleratorの活用事例4つ
AWS Global Acceleratorの主な活用事例を4つ紹介します。
単一リージョンアプリケーション、マルチリージョンアプリケーション、オンラインゲーム、リアルタイムでの通話について説明していきます。
活用事例1:単一リージョンアプリケーション
AWS Global Acceleratorは、グローバルトラフィックとローカルトラフィックのネットワークルーティングの改善をすることにより、複数リージョンと単一リージョンのデプロイ差を無くします。
アプリケーションへのトラフィックがパブリックインターネットに残されている場合、混雑状況やサービス停止により悪影響が生じる可能性があります。
AWS Global Acceleratorを使用することで、ユーザーのトラフィックがAmazonのプライベートグローバルネットワークへと移動し、アプリケーションのオリジンへと転送されるのです。
活用事例2:マルチリージョンアプリケーション
アプリケーションアーキテクチャは大きくなるほど複雑になるため、トラフィックルーティングロジックが曖昧になってしまいます。
AWS Global Acceleratorでは、エニーキャストされた静的IPが2つ提供されるため、この問題を解決することが出来ます。デプロイされたAWSリージョンの数を問わず単一エントリポイントを提供するのです。
これにより、アプリケーションの可用性を下げることなく、オリジン、リージョン、利用可能なゾーンの追加または削除が出来ます。
活用事例3:オンラインゲーム
オンラインゲームのコミュニティには、円滑で競争力のあるゲーム体験の実現が必要です。AWS Global Acceleratorを使うことで、プライベートAWSネットワークに応じたプレイヤートラフィックのルーティングが出来ます。
これにより、ゲーム内のジッター、レイテンシー、パケット損失を削減し、プレイヤーの使用感を向上させることが出来るのです。
活用事例4:リアルタイムでの通信
AWS Global Acceleratorは、通話をセットアップする時間の短縮および、通話の品質と成功率を改善させることにより、RTC(リアルタイム通信)の向上を実現します。
電気通信業界には、ボイスオーバーIPなど、様々なアプリケーションに向けたレイテンシーに反応するRTCが必要となります。
AWS Global Acceleratorならば、このような状況のサポートをするため、様々なアプリケーションプロトコルを実行することが出来るのです。
AWS Global Acceleratorを活用してみよう
この記事では、AWS Global Acceleratorについて説明をしました。AWS Global Acceleratorには、アプリケーションのパフォーマンス向上やトラフィック管理の簡素化など、様々な利点があります。
興味を持たれた方は、是非とも実際に活用してみて下さい。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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