2021/04/26

AWSとSalesforceの連携とは?便利な機能や活用法をご紹介

 
  

AWSとSalesforceがタッグを組んだ便利なサービスを試してみよう


AWSを利用する中で、AWSと他のSaaSを利用していて逐一プラットフォームの移動が面倒と感じているユーザーは少なくないでしょう。

本稿ではAWSと密接な連携を持ち、一貫したプラットフォームで利用ができるSalesforceとそのサービス内容についてご紹介します。

AWS Salesforceとは?


米国の会社であるSalesforce(日本法人名:セールスフォース・ドットコム)とAWSが連携して展開している様々なサービスの総称です。本稿ではまずSalesforceの紹介をして、AWSとどのような連携をしてサービスを展開しているのかサービス例とともに紹介します。

そもそもSalesforceはどんな会社?

Salesforceは顧客管理(CRM:Customer Relationship Management)ソフトの提供を中心業務とした企業です。世界各国に拠点を持ち日本法人は株式会社セールスフォース・ドットコムとして活動しています。

”Sales Force”は一般名詞から成る言葉で営業支援のことを示しますが、本稿では混同を避けるため企業やサービスを指し示す単語としてSalesforceを用い、これについて解説します。

Salesforceはどんなサービスを展開している?

Salesforceは幅広い分野でCRMをSaaS(Software as a Service:クラウド上で利用できるソフトウェア)で展開しています。

例えば、分析やPCの操作スキルに関係なく誰もがドラッグアンドドロップで操作ができるBIツールのTableauや、AI解析を駆使して顧客の分析や従業員の作業効率化や最適化を図るアシストツールのEinsteinをはじめ人材育成、eコマース設立支援、営業支援など多岐にわたります。

CRM以外の分野においてもクラウド、モバイル、IoT技術、音声認識等の様々なツールを提供しています。オンデマンドWebセミナーも展開していて、そこでもマーケティングや顧客管理の分野が主なターゲットとなっています。

ユーザーのメリット

AWSユーザーにとっては、SalesforceのサービスをAWS上で利用できるようになるため、両社が提供するサービスの恩恵を1つのプラットフォーム上で受けることができます。そのため、管理がシンプルになるメリットが得られます。

また、AWSのSaaS連携はSalesforceのみならず他のSaaSとも同一のAWSプラットフォームで連携することができ、SaaS間の横断も可能となっています。これによりこれまで利用してきたサービスを1つに絞ることなくかつプラットフォームの往復もなくなります。

AWSとSalesforceが連携したサービスは数多く存在し、ユーザーは必要に応じてサービスを受けられます。以降はその一例を紹介します。

Amazon AppFlowでSalesforceと連携


AmazonAppFlowはSalesforceのみではなく様々なSaaS間で連携を行うためのサービスです。このサービスはSaaS間で点在するデータを一元管理することを目的として、データ連携を担います。Salesforceのサービスも例外ではありません。

SaaS間のデータ転送のセキュリティとプライバシーも考慮されており、転送時には自動的にすべて暗号化されるため、顧客データのやり取りも問題ありません。

管理もコーディングやコネクティングに複雑なフローはなく、AWSのプラットフォームからGUIで管理ができ、その管理もSaaSを横断してつなぐことができます。

本項では特にSalesForceとの連携例について説明します。

ユースケース1:横断的なマーケティング

Salesforceの収益データの解析を行う際、他のSaaSであるMarketoで収集したマーケティングデータを組み合わせることができます。これにより流通ルートから消費者の購買までを横断的に分析することが可能となります。

ユースケース2:AIによる新たな営業切り口の発見

機械学習専用に構築された機能を包括して提供するAmazon SageMakerとSalesforceを組み合わせることで、販売データを効率的な教師なし学習でラベル付けを自動的に行いデータの新たな切り口を見出します。

機械学習で得られたラベル付きのデータを更にSalesforceで分析することで新たなセールスをサポートできるようにします。

ユースケース3:見込み顧客への営業計画

SaaSの1つであるMarketoでは顧客に適切なタイミングで適切な営業をかけるべく、カスタマージャーニー(顧客の購買に至るまでの段階的な行動)を分析して顧客の状態をスコアリングします。

顧客の購買行動段階には心理や感情が含まれているだけではなく、商品に対するユーザーの理解が追い付いていない段階もあります。

そのような複雑な状況に対してどう対処するかマーケティング戦略や施策を立てることは困難であるため、Marketoでは顧客の状態をスコアリングして適宜有効な営業方法を提案します。

AmazonAppFlow経由でSalesforceと組み合わせることにより、購買欲求のステージごとに営業をかけるべき顧客のリストを生成し、営業担当者に適切に割り振ることが可能となります。

ユースケース4:ダッシュボードのリアルタイム更新

データウェアハウスサービスのAmazon Redshiftとの連携では、Salesforceから得られた最新のデータをRedshiftのテーブルに自動的に転送することができます。

これによりダッシュボードのグラフや数値は、データの更新忘れによる古い状態のままになることはなく常に最新の状態のものとなります。

また、複数の部署の財務情報が各々の場所で更新されている場合でも、データを1ヶ所に統合して管理することで、全体の財務状況の整合性を保つことができます。

ユースケース5:データのバックアップ

SaaSが収集したデータをAmazon S3へバックアップすることもAmazon AppFlowで可能です。例えば日に1回、SalesforceのデータをS3に格納する設定をしておくことで、意識せずデータのバックアップが自動的に完了します。

S3へ格納することで更に別のアクションへつなげやすくもなるメリットもあります。例えばLambdaを利用することにより前日との売り上げレコードの更新点を自動的にレポートすることで、営業担当者の業務負担を軽減することが狙えます。

また、レコードの変動が激しい場合は管理者へ自動配信メールを送信して注意を促すことへもつながり、重大な見逃しを低減します。

ユースケース6:電話オペレーター支援

Amazon ConnectとService Cloud Voiceが統合されたことにより電話オペレーターの会話内容が自動でテキスト変換されたり、電話先の顧客にとって必要なサポートを自動で判別し提案することが可能となりました。

これにより、電話対応している最中や事後のデータ入力作業が省略されることや、膨大なマニュアルを読み込むための教育時間やマニュアル更新による再教育を省略することが実現します。

また、記録も人が行うより機械が一定の方法で行うようになり客観的になるうえ、オペレーターは記録の手間を省いて問題解決に専念することができます。

AWSとSalesforceを組み合わせて使ってみよう!


AWSではSalesforceの様々なサービスを同一のプラットフォームで難しい設定やコーディングを必要とせず連携できるだけではなく、他のSaaSと横断的にデータのやり取りが可能です。

SaaS間のデータのやり取りに関してはセキュリティやプライバシーにも考慮されているため、Salesforceが得意とする顧客管理の分野でも利用可能です。

本稿でご紹介したユースケースはSalesforceを利用する方法の一部となります。目的に合わせて連携するSaaSを選択することで、余すことなくデータを活用してみてください。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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