この記事の目次
AWS IoT Analyticsとは?
AWS IoT Analyticsとは、大量のIoTデータを分析できる完全マネージド型サービスです。このサービスは、分析ツールを使用してIoTデータを細かく処理し、データの誤差情報や送信元のデバイス状況などを管理できます。
これによって、作業の自動化トラブルやデバイスのエラー情報からのアプリ停止など、未然に事故を防ぐ要素が出てくるため、生産効率が上昇します。
IoTとは?
IoTとは、現実に存在するモノがインターネット経由で、データの連携が可能になります。データ連携することにより、分析した情報をサーバーに送りこみ、これまでに無かったモノを生み出します。
このようなIoT技術を活かすことで、より高い価値やサービスが可能になります。
AWS IoT Analyticsのメリット
分析機能により、IoTデータの予測行動を把握できます。把握されたデータや情報は、結果を可視化させることにより、データパターンの識別になります。
また、予測される行動やデータが想定していた結果と違った場合、データをクリーンアップするツールが含まれています。
分析
AWS IoT Analyticsに含まれている分析機能の一部を紹介します。これらの機能では、どのように予測またはコントロールされているかの情報を提供します。各機能については、公式サイトで閲覧できます。
時系列分析
AWS IoT Analyticsには時系列分析機能があり、時間の経過で得られるデータ情報を監視して、現在使用している環境情報を予測できます。もっとも予測される使用方法や場所を把握し、問題が起きる箇所を予測できます。
事前に特定箇所を予測すると、エラー情報や誤作動などを防ぐためのメンテナンス等を実施できます。これらを予測すると、デバイスのパフォーマンスを知り、生産性の向上などにつながります。
予測
AWS IoT Analyticsの予測能力は、ロジスティク回帰と呼ばれる方法で、統計結果を分類します。ロジスティク回帰とは、0または1(あり、なし)の予測判定、予測結果が収まる確率を指します。これらの確率をまとめると、新たな可能性が生まれ、予測される箇所を絞り込みできます。
もう一つの能力としては、長短期記憶(LSTM)も使用できます。
長短期記憶(LSTM)とは、深層学習(ディープラーニング)の機能に用いられる人工回帰型ニューラルネットワークと言われ、人が何回も操作する箇所や文字認識、音声認識といった繰り返し作業を記憶させ、統計または時系列データになる、時間の経過とともに変化する、動的な処理をします。
アドホックSQLクエリの実行
AWS IoT Analyticsには、SQLクエリを実行して結果を取得できる、SQLクエリエンジンが用意されています。アドホックSQLクエリとは、「この目的のため、大まかに使用または実行するSQLクエリ」です。
例えば、分析の際に要件や条件などを設定し、開始時間や終了時間までのデータを抽出します。また、簡単に実行できるクイッククエリは自分で組むこともできます。
ホスト用の分析機能と機械学習されたノートブック
AWS IoT Analyticsは、ホスト用に開発された分析機能と機械学習が入ったノートブックがサポートされています。このサービスには、AWS側が作成した学習モデルと分析結果を可視化するノートブックテンプレートが含まれています。
テンプレートを使用すると、デバイスの状態や障害から、ある程度予測された製品情報、コンテンツの流れなど、用意されているスケジュールに従って実行できます。
コンテナデータセット
AWS IoT Analyticsには用意されたコードコンテナがあり、SQLを自分で作成せずに、自動的に分析ツールを実行して結果を生成します。コンテナデータセットには、SQLデータおよび入出力の変数、分析ツールが含まれています。
これにより、スケジュール形式で自動的に進められ、初めてでも問題なく使用できます。
収集
AWS IoT Analyticsに含まれている収集機能の一部を紹介します。これらの機能では、どのように収集されているかの情報を提供します。各機能については、公式サイトで閲覧できます。
AWS IoT CoreまたはAWS機能を使用したデータの取り込み
AWS IoT Coreやその他のAWSツール、バッチAPIを使用して、AWS IoT Analyticsにデータを取り込めます。接続されたデバイスにはメッセージを受信でき、時間に絞られることなくデータを収集できます。
保存および分析したデータを収集
AWS IoT Analyticsのコンソール機能を使用して、デバイスからのメッセージをMQTTトピックフィルター形式で受信できます。
受信内容に関しては、定義の変更が可能なため、特定のデータのみを収集できます。
処理
AWS IoT Analyticsに含まれている工程や処理機能の一部を紹介します。これらの機能では、どのように処理されているかの情報を提供します。各機能については、公式サイトで閲覧できます。
AWS Lambda関数とフィルター
AWS IoT Analyticsでは、AWS Lambda関数を定義して、欠落データの検出または欠落される箇所を推定できます。条件フィルターを設定し、しきい値を定義すると、余分なデータを検出しなくなります。
変換
AWS IoT Analyticsは、条件付きロジックを定義したメッセージを変換できます。変換されたメッセージは、サーバーからデバイスまたは可視化できるソフトに送れます。こちらの変換は数字だけではなく、文字も変換可能です。
外部データ強化
AWS IoT Analyticsは、外部から取り込まれたデータソースをセキュリティ機能として強化できます。
また、AWS IoT Analytics独自のデータストア(決められたデータ形式を記憶装置に保存する機能)があり、データ転送の際、宛先やデバイスのアドレスなど、転送経路を導いて送信してくれます。
再処理
AWS IoT Analyticsは、パイプライン処理されたチャネル(伝送路)の未加工データを再処理できます。パイプライン処理とは、定義された命令を複数の段階に分割し、それぞれ別の方法で命令を進める処理です。
これにより、新しいパイプラインの作成や再調整ができ、別の方法でデータ処理が可能になります。
時系列データストア
AWS IoT Analyticsでは、デバイスデータを時系列データストアに保存できます。保存したデータは、その他の外部デバイスにエクスポートできます。
また、デバイスからのアクセス権限の管理やデータのセキュリティ機能が実装できます。
可視化
AWS IoT Analyticsでは、Amazon QuickSightを統合したとき、Amazon QuickSightダッシュボードで分析したデータを可視化できます。Amazon QuickSightとは、ダッシュボードおよびレポートなどの情報を、ユーザーに提供するAWSの一部です。
AWS IoT Analyticsの使用方法
AWS IoT Analyticsは、AWS IoT Coreと統合しているため、どのようなデバイス、アプリケーションでデータ分析、収集したいかにより、使用方法は異なります。本記事では、AWS IoT Analyticsの設定方法を一部紹介します。
まずは、チャネルを設定し、収集するデータを選択します。これにより、収集したい対象データのみを保存または分析に使用できます。
チャネルの設定が完了したら、パイプラインを設定します。パイプラインのサポートは、文字の変換や宣言、条件の変更、外部データやAWS Lambda関数を使用したメッセージの強化またはフィルタリングを設定できます。
パイプライン処理されたデータは分析用のデータストアに保存されます。保存されたデータは、SQLクエリエンジンまたはコンテナデータセットを実行することで、特定のデータを収集できます。収集したデータをAmazon QuickSightダッシュボードで、分析用として可視化できます。
上記で挙げた方法以外にも、設定の方法があります。もっと詳しく知りたい方は、公式サイトで調べてみてください。
AWS IoT Analyticsの料金
AWS IoT Analyticsは、1ヶ月あたり以下の使用量までは、無料で利用できます。
・未加工データのストレージ容量 10GB
・処理済みデータのストレージ容量 10GB
・パイプライン処理されたデータ 100MB
・SQLクエリの実行用にスキャンされたデータ 10GB
AWS IoT Analyticsを使ってみよう
AWS IoT Analyticsは、大量のIoTデータを分析できるAWSのサービスです。分析を可視化したとき、今までの工程や異常個所を発見でき、トラブルや作業時間を調整するのが魅力となります。
本記事で紹介した内容以外でも、たくさんの便利機能や特徴があります。もっと詳しく知りたい方は、公式サイトなどでぜひ調べてみてください。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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