2022/06/9

AWS Budgetsとは?使用状況を簡単に確認・管理しよう

 
  

AWS Budgetsとは

Amazon Web Services(AWS)のBudgetsは、コストや使用量などの予算を設定できるサービスです。AWS Cost Managementの一種です。

AWSのサービスを利用するにあたり、どの程度の規模で使っていきたいかを計画し設定します。それを上回った、または上回りそうになった場合、アラートが通知されます。

AWS Cost Managementとは

AWS Cost Managementは、AWSリソースのモニタリング、コストの分析・管理などを行うサービスの総称です。

タグ付け、見積もり、スケーリング、使用状況のグラフ化、レポート作成など、コスト管理に便利な機能を持つサービスがまとめられています。

AWS Budgetsの特徴5つ

この項目では、AWS Budgetsの特徴を5つご紹介します。

Budgetsを通じて予算を立てることで、サービスの使用計画を明確にできます。また、使用状況のモニタリング機能があり、現在どの程度使用されているかが一目で分かります。予算を上回った時には、アラート機能によって通知されます。

このように、サービスのコスト管理を簡単に行えるようになることがメリットです。

ただ、あくまで警告を発するものであり、予算を上回れば自動で調節してくれるというわけではないので、管理は普段からしっかりと行っておきましょう。

他のCost Managementのサービスと併用されることも多いため、それらについても合わせて理解しておくと良いでしょう。

特徴1:予算の作成・管理ができる

Budgetsでは、サービスのカスタム予算を作成し、管理できます。

AWSのサービスを利用するにあたっての計画・調整などを簡単に行えるようになります。

作成した予算は、ダッシュボードでまとめて確認・管理できます。後から内容を変更することも可能です。

特徴2:フィルタリング機能で管理を効率化できる

Budgetsにはフィルタリング機能があり、効率的な管理ができます。

設定にあたり、表示させたいパラメータを選択します。見たい分だけ表示されるようにすることで、リストが見やすくなり、チェックが容易になります。

フィルターの種類として、使用タイプ、サービス、タグ、請求エンティティ、インスタンス、アベイラビリティーゾーン(AZ)、プラットフォームなどがあります。

特徴3:アラートを設定できる

Budgetsはアラートを設定できるため、サービスのコストや使用量が予算を上回った、または上回りそうになった時に知らせてくれます。

アラートが発信される基準(しきい値)は、任意で設定できます。

アラートの受信先として、Eメール、Slack、Amazon Chime、Amazon Simple Notification Service(SNS)などが利用可能です。

特徴4:Cost Explorerによるコストのグラフ化

AWS Cost Explorerは、サービスのコストと使用量をグラフ化するサービスです。Cost Managementの一種です。

グラフとして可視化することで、使用状況の把握や理解がしやすくなります。また、データや傾向を分析して、将来の使用状況を予測します。

Budgetsでは、予算を作成した時にCost Explorerが有効化され、グラフが生成されます。有効にしないで予算を作成することも可能で、その場合、後から有効にできます。ただし一度有効にすると、その後は無効にできなくなるので注意しましょう。

特徴5:Budgets レポートによるモニタリング状況の配信

AWS Budgets レポートは、定期的に予算状況のレポートを送信するサービスです。

送信ペースは毎日、1週間、1ヶ月の3つから選択できます。指定した日数ごとに、その時点の使用状況がEメールで通知されます。

Budgetsの予算管理を補助するもので、より細かいチェックが可能になります。

AWS Budgetsの予算タイプ

この項目では、Budgetsの予算タイプについてご紹介します。

コスト、使用量、リザーブドインスタンス(RI)、Savings Plansの4種類で構成されます。タイプによって、作成方法やパラメータなどは異なります。

コスト

サービスを利用する上で発生するコストの上限を計画します。

発生した料金がしきい値を上回った時に、アラートを発信できます。

表示できるパラメータとして、払い戻し、クレジット、前払い金、税金、サポートプランの料金、割引などがあります。

使用量

サービスの使用量の上限を計画します。

使用量がしきい値を上回った時に、アラートを発信できます。

作成時に、使用タイプグループまたは使用グループのフィルターを用いて、使用する単位を設定します。

リザーブドインスタンス(RI)

リザーブドインスタンス(RI)の使用率または網羅率(カバレッジ)のしきい値を設定します。

上記の2種類とは逆に、使用率や網羅率が基準を下回った時にアラートを発信します。購入したRIを十分に活用できているかどうかをチェックできます。

Savings Plans

Savings Plansの使用率または網羅率(カバレッジ)のしきい値を設定します。

RIと同様に、使用率や網羅率が基準を下回った時にアラートを発信します。購入分を十分に活用できているか、使用中のインスタンスがどれだけSavings Plansでカバーできているかをチェックできます。

AWS Budgetsで使用できるフィルター

この項目では、Budgetsで使用できるフィルターについてご紹介します。

予算タイプによって、使用できるフィルターは異なります。

数が多いため、ここでは一部を抜粋しています。すべてのフィルターについての詳細は、公式ドキュメントをご覧ください。

サービス

AWSのサービスは、Elastic Compute Cloud(EC2)、Redshift、Relational Database Service(RDS)、ElastiCache、Elasticsearch Serviceの5種類に対応しています。

一度に1種類ずつしかフィルタリングできないので注意しましょう。現在では、コストとRIでのみ使用できます。

使用タイプ

特定の単位を持つリソースに絞り、予算を作成します。

DataTransfer-Out-Bytes(データ転送量)、BoxUsage:t2.micro(EC2 t2.micro インスタンスの実行時間)、us-east-1-KMS-Requests(暗号化キーのリクエスト数)などから選択します。

使用タイプグループ

同じ単位を持つ使用タイプをグループとしてまとめたものです。

使用タイプグループと使用タイプの両方のフィルターを用いている場合、Cost Explorerのグラフでは使用タイプグループで設定した方が優先して表示されます。

タグ

リソースに割り当てられたタグを選択します。

Cost Managementの一種であるコスト配分タグを有効にしている時に使用できます。AWS公式のタグ、ユーザーが独自に定義したタグの両方に対応しています。

請求エンティティ

サービスの料金の請求元となる組織(エンティティ)を選択します。

基本的にはAWSが請求元となることが大半ですが、Marketplaceを通じて他社製品を利用している時は、Marketplaceが請求元になります。

AWS Budgetsの料金

AWS Budgetsでは、予算2つまで無料で作成できます。

3つ目以降は有料となり、1日あたり0.1USD(≒約10円)の料金が発生します。Cost ExplorerやBudgets レポートも有料なので、併用している場合はそれらも加味しておきましょう。

Your first two action-enabled budgets are free (regardless of the number of actions you configure per budget) per month. Afterwards each subsequent action-enabled budget will incur a $0.10 daily cost.

(訳:最初の 2 つのアクション対応予算は、予算ごとに設定するアクションの数に関係なく無料です。その後のアクション対応予算には、1 日あたり $0.10のコストが発生します。)https://aws.amazon.com/jp/aws-cost-management/pricing/

AWS Budgetsを活用してみよう

この記事では、AWS Budgetsについてご紹介しました。

カスタム予算を設定し、基準を上回った(或いは下回った)時にアラートが送られます。それに応じて使用量や予算を調節することで、効率的にサービスを利用できます。Cost Explorerを併用すれば使用状況が可視化され、より管理がしやすくなります。

細かく計画を練った上でサービスを利用したいという方は、Budgetsを活用してみましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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