2022/05/17

AWSのElastiCache for Memcachedとは?Redisとの違いも紹介

 
  

AWSとは

Amazon Web Services(AWS)は、アメリカの大手企業「Amazon.com」が提供しているクラウドサービスです。 175を超える製品が提供されており、多種多様なワークロードに対応しています。多くのサービスには無料利用枠があり、手軽にお試しができます。 日本の他、アメリカや中国、ドイツ、イギリスなど多くの地域にリージョンを展開しており、世界各国に向けた発信が可能です。

Memcachedとは

Memory Cache Daemon(Memcached)は、Danga Interactive社が開発したオープンソースのメモリ型データストアです。 シンプルな設計で使いやすく、キャッシュやセッションの管理に適しています。これらを通じて、アプリケーションにおけるレイテンシーの低減とパフォーマンスの高速化が可能です。 同じメモリ型データストアとしてRedisがあり、よく比較されます。以下の項目で、Redisについても簡単に触れていきます。

Redisとは

Remote Dictionary Server(Redis)は、Redis Labsが開発しているオープンソースのメモリ型データストアです。 Memcachedと同様にレイテンシーの低減ができる他、多彩なデータ構造を揃えています。また、スナップショットやレプリケーション、Pub/Subなどの機能があり、幅広いユースケースに利用できます。

AWSのElastiCacheとは

Amazon ElastiCacheは、AWSのメモリ型データストアをサポートするサービスです。 MemcachedとRedisに対応しています。ElastiCacheを通じて、これらのセットアップや管理、モニタリングなどが容易になります。 本記事では、Amazon ElastiCache for Memcachedについてご紹介します。

AWSのElastiCache for Memcachedの特徴6つ

この項目では、AWSのElastiCache for Memcachedの特徴を6つご紹介します。 導入することで、MemcachedのメリットをAWS上で享受できます。さらに、ElastiCacheにはMemcachedをサポートする機能が搭載されており、より簡単かつ有効に活用できるようになります。 ここでは、Memcached本体の特徴についても合わせて説明していきます。双方の特徴を理解し、フル活用できるようにしましょう。

特徴1:応答時間が短い

AWSのElastiCache for Memcachedは、応答時間が短いことが特徴です。これはメモリ型データストアの特徴でもあります。 データの保存は、一般的にHDDやSSDを使用するケースが多いですが、ここではメモリに保存しています。ディスク間のやり取りを省略できるため、応答時間が短縮されます。この点は、データの読み書きの高速化およびアプリケーションのパフォーマンス向上に繋がります。

特徴2:管理が容易

AWSのElastiCache for Memcachedでは、メモリの管理が容易です。 ElastiCacheはフルマネージドサービスであり、これを通じてセットアップ、管理、モニタリングなどが簡単に設定できます。これらのタスクに時間を取られることなく、アプリケーションの開発・管理に集中できる環境を整えられます。

特徴3:ノードの自動検出

AWSのElastiCache for Memcachedは、ノードを自動検出できます。 クラスターに対して設定し、その中でノードの追加・削除があると、そのノードを自動で登録または登録解除します。また、障害が発生したノードを検出して、自動的に置換します。 自動検出を使用するには、クラスタークライアントをダウンロードする必要があります。

特徴4:Amazon VPCを用いたセキュリティ設定

Amazon Virtual Private Cloud(VPC)は、AWSリソースを起動できる仮想ネットワークを作成するサービスです。 VPC環境下では、IPアドレス、サブネット、ゲートウェイ、セキュリティ機能などの設定が可能です。このため、カスタマイズ性が高く、強固なセキュリティを形成できます。 ElastiCacheはVPCと統合しており、クラスターをVPC上に作成できます。そこにVPCのセキュリティ機能を適用することで、クラスターへのアクセス制御が可能です。

特徴5:簡単にスケーリングできる

AWSのElastiCache for Memcachedは、簡単にスケーリングができます。 ノードを追加または削除するだけで、クラスターのスケールを調整できます。 また、クラスター内のノード間でデータを分散できるため、容量が足りなくなった時はノードを追加すれば良く、ノードのスケールアップは基本的には必要ありません。ただし、クラスターに保持できるノード数は20個までと制限されているので、注意しましょう。

特徴6:マルチスレッド機能

AWSのElastiCache for Memcachedには、マルチスレッドがあります。 これはMemcached本体の機能で、複数の処理を同時に進行できます。コアやスレッドを複数持つような大規模なノードの処理に適しています。

MemcachedとRedisの比較

この項目では、MemcachedとRedisを比較し、共通点や相異点についてご紹介します。 共にメモリを使用したソフトウェアですが、それぞれ性能は異なります。目的に合わせて、どちらを使うかを選択していくと良いでしょう。 AWSの公式ページに比較表があるので、そちらも合わせてご覧ください。

共通する特徴

MemcachedとRedisに共通する特徴として、低レイテンシー、データ分散、プログラミング言語のサポートが挙げられます。 データの保存先としてメモリを使用することで、ディスクより速くデータを読み取れます。また、データを複数のノードに分散して容量やコストを節約できます。 サポートするプログラミング言語としては、Java、PHP、Python、Ruby、C言語、JavaScriptなどがあります。

Memcachedにのみ存在する機能

Memcachedにのみ存在する機能として、マルチスレッドがあります。 以前の項目で、Memcachedにはマルチスレッドがあることをご紹介しました。この機能によって高いコンピューティング性能を備えていることが特徴であり、Redisと比較した時の優位点にもなります。 機能の数ではRedisより少ないですが、その分構造がシンプルです。使いやすさを重視したい方にはこちらがおすすめです。

Redisにのみ存在する機能

Redisにのみ存在する機能として、スナップショット、レプリケーション、Pub/Subなどがあります。 スナップショットやレプリケーションにより、アプリケーションの可用性を高められます。また、Pub/Sub機能が使用でき、リアルタイムで動作するチャットルームやコメントの作成に適します。さらに、Strings、Lists、Setsなど多くのデータ構造に対応しています。 このように、Redisは豊富な機能を備え、拡張性が高いことが特徴です。

AWSのElastiCache for Memcachedの料金

AWSのElastiCache for Memcachedの料金は、使用しているノードタイプやリージョンによって異なります。 cache.t2microタイプには12ヶ月間の無料利用枠があり、毎月750時間まで無料で使用できます。 詳しくは、公式ページの料金表をご覧ください。
Amazon ElastiCache の料金

AWSのElastiCacheでMemcachedを活用しよう

本記事では、Amazon ElastiCache for Memcachedについてご紹介しました。 オープンソースのMemcachedをAWSに導入し、メモリを利用した高パフォーマンス、シンプルな設計による扱いやすさなどのメリットを受けられます。さらに、ElastiCacheがその管理やセキュリティなどをサポートし、活用しやすい環境を構築します。 似た性質を持つRedisについても合わせて理解し、適切なプランを選択しましょう。]]>

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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