2022/03/2

AWS CentOSとは?メリットや操作手順について徹底解説!

 
  

日本ではCentOSが選ばれる


Amazon EC2でLinuxサーバーを使うことになった場合、CentOSを考える方が多いのではないでしょうか。

AWSで使えるLinuxとしては、Webサイト用サーバーとして選ばれることの多い、Ubuntu、CentOS、Debianの3つのディストリビューションが挙げられます。

この3つの中で、日本で選ばれることが多いのがCentOSです。では、なぜCentOSが使われるのでしょうか。次から、CentOSが選ばれる理由について解説します。

RHELとの互換性

無料で使えるOSとして有名なLinuxですが、日本ではパフォーマンス性能が要求される用途向けのOSとして、主に企業で使われていました。

そのため、就職してインフラエンジニアになった方にとって、使い慣れているLinuxがRed Hat Enterprise Linux(RHEL)です。

しかし、Webサーバーとして利用する場合、費用がかかるRHELはサーバー用OSに向いていません。

その点、RHELと機能的に互換性があるCentOSなら、無料で使えるうえ、RHELでLinuxを学んだインフラエンジニアが管理できます。これが、日本でCentOSが支持される理由です。

CentOSは安定版のサポート期間が長い

AWSに限らず、CentOSがサーバー用OSとして利用されるもう1つの理由が、安定版のサポート期間の長さです。例えば、2014年に登場したCentOSバージョン7は、2024年までサポートされます。

そのため、過去に使われていたCentOSバージョン6も利用された期間が長いことから、このバージョンでLinuxのメンテナンスを学んだインフラエンジニアもたくさんいます。

ただし、CentOSのこの方針は、CentOSバージョン8以降では変更になっています。これまでのような長いサポートが期待できないので、これから利用を考えている方は、最新情報をチェックしてください。

CentOSでもRHELのアップデートが利用可能

RHELは、多くのオープンソースのプログラムやライブラリによって構成されており、それらの更新に合わせて、短期間にアップデートが公開されています。インフラエンジニアなら、Webサーバーへの影響をチェックし、必要に応じてアップデートを適用した経験があるでしょう。

そして、CentOSはRHELとの互換性が特徴のディストリビューションです。そして、RHELのアップデートが出ると、それに追随してCentOS用のアップデートも公開されます。

そのため、RHELと同じ安定性が期待できる点も、CentOSのメリットです。

また、OSのアップデートのインストールに利用する管理コマンドも、RHELと同じyumが使われており、AWSの環境からも、yumコマンドでOSのアップデートが可能です。

Amazon EC2にCentOSを設定する方法


AWSにはAWS marketplaceという仕組みがあり、そこにAmazon EC2にインストールできるオペレーティングシステムがあらかじめ用意されています。

そして、その中にCentOSのインストールイメージが用意されているので、この仕組みを利用することで簡単に設定が可能です。

さらに他にも、CentOSの公式サイトから特定のバージョンのCentOSを設定する方法もあります。このため、本番環境に必要なバージョンに合わせてインストールするCentOSを選択することも可能です。

次から、Amazon E2にCentOSを設定する方法を解説します。

AWS marketplaceのCentOSを利用する

Amazon EC2でCentOSを利用する際、使いやすい方法がAWS marketplaceの利用です。

なお、AWS marketplaceは、AWSを利用するカスタマー向けに有償または無償のソフトウェアを提供する仕組みで、もちろんCentOSは無料で利用できます。

ただし、AWS marketplaceで用意されているCentOSは、バージョン7です。また、最初のバージョンの最小構成がインストールされるので、必要に応じてパッケージを追加したり、最新版へのアップデートなどを実施しなければなりません。

CentOSの公式サイトからAWSに設定する

AWSでCentOSを利用する場合、CentOSの公式サイト経由で設定することも可能です。

なお、CentOSを開発しているThe CentOS Projectでは、公式サイトでクラウド向けのイメージを提供しています。そして、そのイメージを活用することで、Amazon EC2からも利用可能です。

具体的には、CentOSの公式サイトのダウンロードサイトの「Cloud and container images」に、「Amazon Web Services」のリンクをクリックしてください。

すると、The CentOS Projectで用意しているリストが表示されます。そして、そこからバージョンやリージョンを指定して、設定してください。

CentOSの設定手順


AWSにインストールするCentOSのイメージを選択すると、その後、簡単な手順で使用可能になります。ただし、そのCentOSがすぐにWebサーバーとして使える訳ではありません。メディアからインストールした直後のように、OSの設定が別途必要です。

次からAWSでCentOSが使えるようになった後に必要になる操作と、そのための設定について解説します。

sshで接続する

クラウド上のWebサーバーを設定するために、よく利用される方法がsshによる接続です。なお、sshとは、Secure Shellの省略形で、リモートで安全にコンピュータと通信するためのプロトコルです。

CentOSでは、sshで接続することで、コンソールやターミナルを開いたのと同じように、コマンドが実行できます。

なお、sshで接続する場合、Windows10のコマンドプロンプトやlinuxやmacOSのターミナルからsshコマンドが実行できますが、履歴を保存できるターミナルアプリの利用がおすすめです。

ssh接続で準備するもの

sshで接続するためには、次の3つが必要です。

1. プライベートキーのファイル
2. インスタンスのユーザー名
3. インスタンスのDNS

まず、プライベートキーは、AmazonEC2コンソールからキーペアを作成して取得しておいてください。また、インスタンスのDNSも、AmazonEC2コンソールでチェックできます。

なお、ユーザー名は、AWS marketplaceから設定した場合は「centos」で、CentOSの公式サイトから設定した場合は「root」です。

sshによる接続例
$ ssh -i my-key-pair.pem *****.amazon.jp

sshによる最初の設定

もし、最初のsshの接続にrootで成功した場合、必ず操作用のアカウントを作成して、以後の操作をそのアカウントで行ってください。さらに、rootに対して、sshで接続できないように設定しておきましょう。

sshのrootのログイン拒否設定
$ vi /etc/ssh/sshd_config

PermitRootLogin no

$ /etc/init.d/sshd restart

sshの設定は、/etc/ssh/sshd_configに記述します。このファイルの「PermitRootLogin」を「no」に設定してください。また、その後、必ずsshdデーモンの再起動も忘れないようにしましょう。

まとめ


日本では、LinuxのWebサーバーといえば、CentOSが使われるのが一般的です。そして、AWSのAmazon EC2では、CentOSを選択でき、しかも、Centosの公式サイトから設定すれば、特定のバージョンを指定して設定することもできます。

しかも、sshさえ使えればAmazon EC2に設定したCentOSの初期設定は難しくありません。

AWSでLinuxサーバーを設定する必要があるのなら、RHELと互換性があるこで信頼性が高い、CentOSの利用を検討してみませんか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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