2020/11/30

GCP・Azure・AWS三大クラウドサービスの特徴とは?複数運用のポイント3つを紹介

 
  

三大クラウドサービスとは?

クラウドサービスとは、データやソフトウェア、サーバーなどのコンピュータ資源をインターネット経由で提供するサービスの総称です。

「三大クラウドサービス」とは、クラウドサービスの大手提供元のことで、Google Chrome Platform(GCP)、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureの3つを指します。

本記事では、これらのクラウドサービスについて解説して行きます。

GCP

「GCP」とは、Googleが開発・提供しているクラウドサービスです。仮想マシンを利用することで、開発環境をインターネット経由で使うことができます。

オンラインの開発環境の提供だけでなく、オンラインストレージの提供やビッグデータ解析のサービスも提供しています。

セキュリティ面の信頼も業界屈指で、全保存データの暗号化機能などが備わっているため、ユーザーは簡単にセキュリティを改善することができます。

AWS

「AWS」とは、Amazonが開発・提供しているクラウドサービスです。ブロックチェーンやゲーム用サーバー、ビジネスアプリケーションなど、ユーザーの目的に合わせた多様なサービスを提供しています。

また、コスト管理に関わるサービスも提供しており、ユーザーは簡単な管理によってより低価格でサービスを受けられます。

サービスの多様性と合わせ、コスト面での無駄をより少なく抑えられるのが特徴です。

Azure

「Azure」は、Microsoftが開発・提供しているクラウドサービスです。オンプレミスとの親和性が高く、既存のシステムとのハイブリッドな構成に適しています。

さらに、金融業界や航空業界など、特定の業界に強いという側面があります。特定の業界に特化した構築を、インターネット経由の仮想環境上に置けるのが特徴です。

GCP・AWS・Azureの特徴

上記では、簡単に三大クラウドサービスについて見てきました。

これらのクラウドサービスの利用のメリットは、ユーザー個人がシステムを構築する場合と異なり、初期投資やインフラの整備が不要なため、プロジェクトや事業を素早くスタートできることです。

続いて、クラウドサービスの利用を検討する際に、どのようにサービスを選べば良いかを見て行きます。

各サービスの独自の特徴やメリットを知り、適したサービスを選びましょう。

GCPの特徴4つ

クラウドサービスでは、仮想化技術によってユーザーのシステムをクラウド上に置くため、管理費用などを削減しながら、災害などの緊急事態にも対応することができます。

まず、三大クラウドサービスの中から、「GCP」の特徴について見ていきましょう。

GCPの大きな特徴は、何と言ってもGoogleサービスとの連携やビッグデータ解析のプロジェクトに対する強さです。

GCPの特徴を4つに分けて解説していきます。

GCPの特徴1:Googleサービスとの連携

GCPはGoogleが提供するプラットフォームのため、その他のGoogleサービスと連携できます。Googleサービスを多用するプロジェクトを行う場合、GCPを利用すればシステムの統合性が保たれ、安定したシステムを構築できます。

膨大な量の検索結果を返すGoogleと同じインフラを使えることも、重要な特徴の1つです。

GCPの特徴2:知名度が高い

GCPは提供元がGoogleであることから、クラウドサービスとしても高い知名度があります。

多くのユーザーが利用しているという実績は、ユーザーが構築できるシステムのセキュリティ面の信頼にも直結します。

全保存データの暗号化機能など、セキュリティに関わる拡張的な機能を備えているので、インターネット経由でシステムを構築する場合、このような機能は不正アクセス対策という面で大きな利点となります。

GCPの特徴3:分析や機械学習に強い

GCPは、膨大な情報を扱う検索エンジンを提供するGoogleのサービスなので、機械学習などのビッグデータを活用したプロジェクトに強いという特徴があります。

また、GCPではGoogleの検索エンジンやGoogle Driveといったオンラインストレージなどと同じ基盤を利用することができます。

提供インフラの信頼が高いことは、GCPの大きな特徴の1つです。

GCPの特徴4:安定したネットワークを利用できる

GCPは、安定したネットワークを利用できることも特徴です。GCPの保有するデータセンターではGoogleが独自に開発したシステムが実装されており、高速で安定したネットワークを提供しています。

インターネット経由で送受信するデータ量が多いシステムでは、ネットワークの安定性や速度は重要になります。

AWSの特徴5つ

次に、Amazonが提供するクラウドサービスであるAWSの特徴を見ていきましょう。

AWSにも独自の特徴や利点があり、コスト管理の簡単さや、提供している機能の豊富さ、シェア率の高さなど、様々なものがあります。

以下で、AWSの5つの特徴を詳しく解説していきます。

AWSの特徴1:コストの定期的な見直しがある

AWSでは、コスト管理に関するツールが提供され、ユーザーは自分のプロジェクトに合わせて定期的にサービスの利用範囲を変更し、負担するコストを最適化することができます。

また、AWSは大規模なデータセンターを運営・拡大していることから、定期的な利用料金の値下げを行っています。

さらに、コスト低下分が定期的にユーザーに還元される仕組みもあるため、利用しやすいサービスと言えるでしょう。

AWSの特徴2:機能が豊富

AWSは、提供している機能が豊富であることが大きな特徴です。細かく分類された機能が数多く提供されているため、ユーザーは自身のプロジェクトに合う機能をすぐに利用することができます。

データ分析やアプリケーション統合をはじめとする総合的な機能だけでなく、ゲーム用サーバーやネットワーキングコンテンツ、ロボット工学用のツールなど、特定の目的に特化した機能も提供しています。

AWSの特徴3:知名度とシェア率

AWSは、三大クラウドサービスの中で最もシェア率が高いと言われています。そのため、クラウドサービスとしての知名度も高く、信頼あるシステムの提供を受けられるプラットフォームとされています。

知名度が高いことは、自身のプロジェクトの実現にあたり、システム構築に関して他のユーザーが築いたノウハウをより多く利用できるということにもつながります。

AWSの特徴4:トラブルや災害のリスクを分散できる

AWSを利用することで、トラブルや災害のリスクを分散することができます。クラウドサービスを利用してシステムを仮想化すること自体が、災害などの緊急事態の対策になります。

自社サーバーを利用する場合と異なり、ハードウェアの故障などに対応する手間も省くことができます。

特にAWSはデータセンターが世界中に設置されているので、より広い範囲にわたってリスクを分散させることができます。

AWSの特徴5:日本語サポートあり

AWSでは、ユーザー向けに日本語サポートが提供されています。日本語サポートでは、24時間、電話やチャット、メールによる問い合わせを利用できます。

ユーザーの重要なシステムをクラウドに置くという状況で、このような手厚いサポート機能は大きな利点であると言えます。

また、サポートでは、コストやセキュリティ対策の最適化に関わる相談もできます。

Azureの特徴3つ

ここまで、三大クラウドサービスのうちGCPとAWSについて見てきましたが、最後にAzureの特徴についても詳しく見ていきましょう。

GCPでは「Googleサービスとの連携」、AWSでは「機能の豊富さ」などが特徴として挙げられました。

Microsoftが提供するAzureは、オンプレミスとの親和性が高いことや、特定の業界での利用に特化していることなどが特徴です。

Azureの特徴1:Microsoftのネットワークを使うことができる

AzureはMicrosoftが提供するクラウドサービスなので、Microsoftのネットワークを使うことができます。

Microsoftの既存サービスとの連携を取ることができ、Microsoftのサービスを多用するシステムを構築する場合、Azureを利用することで統合性が高く安定したシステムを構築することができます。

Azureの特徴2:オンプレミスとの親和性が高い

Azureは、自社で利用しているオンプレミス環境との親和性が高く、クラウドとオンプレミスとのハイブリッドなシステムの構築に強いことが特徴です。

オンプレミス環境でユーザー側がシステムを直接管理しながら、部分的にクラウドサービスを利用することでコスト削減の恩恵を受けるという構成を作ることができます。

システムの割合を、オンプレミスとクラウドコンピューティングとの間で柔軟に変更できることも特徴の1つです。

Azureの特徴3:金融・航空などの業界に強い

Azureは、金融業界や航空業界など、特定の業界に特化したツールやアーキテクチャの提供を行っています。

例えば金融業界向けには、リスク分析やモデリング、シミュレーションのシステムを提供しています。

また、航空業界向けには、リアルタイムでデータを分析することで航空機の状態を監視するシステムを、アーキテクチャとして提案しています。

GCP・AWS・Azureを含む複数のクラウドを運用するポイント3つ

ここまで、三大クラウドサービスのGCP、AWS、Azureについて、それぞれの特徴を詳しく見てきました。

近年、複数のクラウドサービスを同時に併用する企業が増えてきていますが、三大クラウドサービスには、それぞれに独自の特徴があります。

続いて、複数のクラウドサービスを併用することによるメリットと注意点について見ていきましょう。

複数のクラウドを併用するポイント1:それぞれのメリットを生かした構築ができる

先述のとおり、各クラウドサービスにはそれぞれ独自の特徴がありますが、クラウドを複数併用することで、さらにそれぞれのメリットを生かした構築ができます。

たとえば、迅速な実行が求められるようなスピード重視の業務にはパブリッククラウドを使い、細かい設定を伴うようなセキュリティ業務にはオンプレミスとの併用でシステムを構築できます。

目的に合わせてサービスを併用すれば、より多くのメリットが得られます。

複数のクラウドを併用するポイント2:それぞれの専門知識が必要

複数のクラウドを併用する際には、それぞれのプラットフォームに関する専門知識が必要となります。そのため、ユーザーは複数のクラウドの特徴をそれぞれ理解し、適切にシステムを分配する必要があります。

さらに、クラウドの併用にはデータ管理が複雑になるという側面もあるので、専門知識の必要性と合わせて、システムの管理が難しくなります。

複数のクラウドを導入するときは注意が必要です。

複数のクラウドを併用するポイント3:システムが複雑にならないよう検証が必要

複数のクラウドを併用する際には、システムが複雑にならないように検証することが必要となります。

システムが複雑化することでデータの所在が分からなくなってしまうなど、管理にかかる時間的コストが増加しないよう、細心の注意を払いましょう。

複数のクラウドサービスがそれぞれ持つ長所の恩恵を得るためには、まずシステムが複雑にならないような構成を考えることが重要です。

GCP・AWS・Azureの特徴を生かして運用しよう

本記事では、三大クラウドサービスの特徴や、複数のクラウドの併用のポイントについて見てきました。

どのサービスを利用する場合でも、ユーザー自身が目的に応じて、最適なサービスを選ぶ必要があります。

クラウドの選択には、機能比較や価格比較、連携の有無や特定の機能における性能など、様々な要素が関係します。

クラウドの導入の際には様々な面から各サービスを比較検討し、それぞれの特徴を大きく生かして運用しましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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