セキュリティエンジニアにおすすめの資格13選!未経験から目指すには?

 
  

この記事の目次

そもそもセキュリティエンジニアとは

情報セキュリティに特化しているエンジニアのことをセキュリティエンジニアといいます。

現代はスマホやPCの普及が一般的になり、インターネットが身近な存在となりました。それに伴い、「サイバーテロ」や「ウイルス」など、インターネットを通じた犯罪も増加し、特に企業はそういった攻撃から情報を守るために対策を行う必要性が出てきました。

セキュリティエンジニアは、そういった情報漏洩を防ぐための業務を任されています。

IT人材が保有・関心を有している資格とは

2015年に経済産業省は情報セキュリティ資格に関するWEBアンケートを実施しました。アンケートの回答数は1000サンプル、対象者は「情報セキュリティ業務に関わる可能性があり、かつ高度資格に関心がある人材」でした。

調査結果から、ベンダー資格を除くIT関連の資格の中で、最も多くのIT人材が取得しているのは「ネットワークスペシャリスト試験」だと分かります。

取得している人の割合は11.8%、取得後更新していない人の割合は1.8%、受験したことがある人の割合は11.4%、取得を検討している人の割合は28.8%、そして取得に関心がない人の割合は48.5%となっています。
その他の取得率・関心度の高い資格としては、情報セキュリティスペシャリスト試験、プロジェクトマネージャ試験などが挙げられます。

しかし、この3つの資格以外はすべて「取得に関心がない」が過半数となっています。
この結果から、多くのIT人材が関心を持っている資格は多くはないといえます。

資格や認定制度の取り組み状況

企業によっては、IT人材の資格取得を支援する仕組みを設けています。

調査結果では、「情報処理安全確保支援士試験(旧:情報セキュリティスペシャリスト試験)」の支援割合が一番高く、受験料の助成制度がある企業は20.9%、資格合格者に対して合格一時金を支給する企業は20.4%でした。

次いで「システム監査技術者試験」の割合も多かったものの、その2つ以外で取得をサポートしている企業は非常に少ないようです。

このことから、最も多くの企業が重視している資格は情報処理安全確保支援士試験といえるでしょう。

セキュリティエンジニアが資格を取得するメリット

前述した通り、多くのIT人材が関心を持っている資格というのは少ないです。つまり「セキュリティエンジニアになるには、必ず資格が必要である」というわけではないのです。

資格の難易度によっては勉強時間や労力を多く割かなければならず、また教材費や受験料もそれなりにかかってきます。

とはいえ、資格を取得するメリットも勿論あります。ここではそのメリットについて、2つ説明していきます。

スキルの証明やスキルアップに繋がる

情報セキュリティのスペシャリストであることを手っ取り早く証明する手段といえば、資格です。また、資格を取得する過程で知識を蓄えていくことで、自ずとスキルアップにも繋がります。

資格を取ることで自分の能力を提示でき、かつスキルが向上したことによるキャリアアップにも繋がっていく可能性すらあります。スキルアップやその証明までできてしまうとなれば、資格を取得する価値も出てくるのではないでしょうか。

転職におけるアピール材料になる

資格を取得することで得られるメリットとして一番に考えられるものが、転職におけるアピール材料になることです。

ここまで、資格がなければセキュリティエンジニアになれないわけではないと説明してきました。それでも情報セキュリティの有識者とそうでない者とであれば、前者の方が選ばれやすいでしょう。

つまり、資格を取得することで、現状より良い待遇の職場に転職することも可能となってくるのです。

セキュリティエンジニアにおすすめの資格13選

ここからは、セキュリティエンジニアにおすすめの資格について、資格や認定制度の取り組み状況で取り上げた「情報処理安全確保支援士試験」などを含めた13種を紹介していきます。

セキュリティエンジニアを目指している方や、セキュリティエンジニアへの転職を考えている方でどの資格を取ろうか迷っている方は、ぜひここでおすすめする資格やその情報を判断材料としてみてはいかがでしょうか。

おすすめの資格1:情報セキュリティマネジメント試験

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その1「セキュリティマネジメント試験」は、2016年度から始まったIPA(独立行政法人情報処理推進機構)主催の国家試験です。

情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して、脅威から組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。

難易度も、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル2相当と比較的低い方なので、まずは取得しておきたい資格です。

情報セキュリティマネジメント試験

おすすめの資格2:情報処理安全確保支援士試験

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その2「情報処理安全確保支援士試験」は、同じくIPA主催の国家試験です。

これはサイバーセキュリティエンジニアとしての技能を有しているだけでなく、その知識を用いて指導や助言を行う能力もあることを示せます。

難易度は、共通キャリア・スキルフレームワークのレベル4(最高難度)とされていて、取得が非常に難しい資格ですが、その分アピール材料として強いともいえます。

情報処理安全確保支援士試験

おすすめの資格3:CompTIA Security+認定資格

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その3「CompTIA Security+認定資格」は、上記2つと違い世界中の企業で通用するベンダーニュートラルな認定資格です。

難易度自体はそれほど高くもなく、セキュリティに重きを置いたネットワーク管理における最低2年間の業務経験他、いくつかの条件さえ満たせば誰でも受験が可能です。

国際的だから難しいのでは、と諦めず、トライしてみるのも良いでしょう。

CompTIA Security+認定資格

おすすめの資格4:ネットワーク情報セキュリティマネージャー

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その4「ネットワーク情報セキュリティマネージャー」は、2001年度から始まった一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)主催の資格です。

2~3日間の講習を受講後、最終日の認定試験に合格すれば取得できる資格でしたが、残念ながら2019年度から新規取得ができなくなっています。

今この資格を持っている方は2021年3月末をもって廃止されてしまうため、注意しましょう。

ネットワーク情報セキュリティマネージャー

おすすめの資格5:公認情報セキュリティマネージャー

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その5「公認情報セキュリティマネージャー」は、2003年度より試験が開始された情報セキュリティの国際的資格です。

セキュリティエンジニアに必要な知識を持っていて、かつマネージメント、設計、監督まで踏み入れたい方向けの資格です。そのため、セキュリティ技術者というよりはセキュリティマネージャー向きの資格といえるかもしれません。

公認情報セキュリティマネージャー

おすすめの資格6:個人情報保護士認定試験

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その6「個人情報保護士認定試験」は、2005年の個人情報保護法全面施工に合わせて作られた、一般財団法人全日本情報学習振興協会主催の試験です。

このことから分かる通り、個人情報保護法の理解と業務時に個人情報を有効的に運用・管理できる知識や能力が問われる資格となっています。また、マイナンバー法が出てきたことから、マイナンバーについての知識なども試されます。

個人情報保護士認定試験

おすすめの資格7:情報セキュリティ管理士認定試験

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その7「情報セキュリティ管理士認定試験」は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催の試験です。

現在、情報は事務・管理系の職場から漏洩するケースがほとんどとなっています。そのため、情報セキュリティ系の資格はあらゆる職場に必要な資格試験といえます。

中でも情報セキュリティ管理士認定試験は、管理職のような方々向けです。

情報セキュリティ管理士認定試験

おすすめの資格8:情報セキュリティ監査人認定講習会

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その8「情報セキュリティ監査人認定講習会」は、情報セキュリティ管理士認定試験、または情報セキュリティ検定試験1級の合格者を対象とした講習会です。

こちらも一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催で、1日の講習とレポート提出により審査に合格した方を「情報セキュリティ監査人」として認定します。

監査を初めて実施する、監査を始めて間もない組織の方向けの講習会です。

情報セキュリティ監査人認定講習会

おすすめの資格9:SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その9「SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定」は、一般社団法人セキュリティ対策推進協議会が主催の検定です。

年齢制限などもなく誰でも受験することが可能な資格で、検定自体もオンラインで実施されるため、気軽に受験できます。また、この資格を取得することで、地域の身近な相談相手「SPREAD情報セキュリティサポーター」として活動することができます。

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定

おすすめの資格10:SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その10「SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定」は、先ほど紹介したSPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の上位資格です。

そのため、サポーター検定を受験し合格した後、マイスター検定を受験することになります。こちらもサポーター同様に検定はオンラインでの実施です。

受験する際にはSPREADの一般会員になる必要がありますので、注意しましょう。

SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定

おすすめの資格11:GIAC認定

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その11「GIAC認定」は、SANS JAPANが主催の国際的資格です。

情報セキュリティプロフェッショナル向けの資格であり、ANSIより認証を受けた情報セキュリティ分野における世界的標準の試験です。

入門レベルから高度な専門性を要求される分野まですべてをカバーしているため、難易度もかなり高いですが、その分スキル証明の資格として力を発揮できるでしょう。

GIAC認定

おすすめの資格12:シスコ技術者認定(セキュリティ)

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その12「シスコ技術者認定(セキュリティ)」は、あのネットワーク機器メーカーシスコシステムズが認定している民間資格です。

この資格を取得することで、同社製品の知識やネットワーク基礎技術などを証明することができます。また、CCNA SecurityやCCNP Securityなど様々な種類の認定があるので、キャリアのどの段階でもそれに適したものを受けることができます。

シスコ技術者認定(セキュリティ)

おすすめの資格13:(ISC)²資格

セキュリティエンジニアにおすすめの資格その13「(ISC)²資格」は、(ISC)²という団体が主催の、CISSPやCCSPなど様々な資格の総称です。情報セキュリティの専門家資格としてはスタンダードとなっているCISSPをはじめ、専門領域に合わせた資格があることが特徴です。

日本ではまだ知名度が低いですが、ISO17024の認証を取得しているため、世界基準で認められている資格です。

(ISC)²資格

セキュリティエンジニアを未経験から目指すには?

ここまでセキュリティエンジニアや、おすすめの資格などについて説明してきました。では、実際にセキュリティエンジニアを目指そうと思った場合、どういった方法を目指せば良いのでしょうか。

ここでは、セキュリティエンジニアを未経験から目指すにはどうするべきかについて、2通りのパターンを紹介していきます。どういったルートを進んでいけばいいのか、自分の現状に合わせてイメージを膨らませてみてください。

大学や専門学校で体系的に学ぶ

まず1つ目の方法として、大学や専門学校で体系的に学ぶルートがあります。

一般的にセキュリティエンジニアは、高度で専門的な知識や技術を求められます。そのため、基本的に独学でセキュリティエンジニアになることは難しいでしょう。

昨今、情報セキュリティの大学や専門学校は増えていますし、独学よりもよっぽど効率良く学ぶことができるので、金銭面に余裕があれば学校に通うことをおすすめします。

他の職種で経験を積んで転職する

次に2つ目の方法として、他の職種で経験を積んで転職するルートがあります。システム、インフラ系エンジニアとして経験を積んでから、転職するというような流れが一般的です。

特にインフラエンジニアはその仕事の性質上、常にセキュリティと隣り合わせなので知識を蓄えられます。しかも、インフラエンジニアは未経験可や学歴不問としている企業も多いため、未経験からセキュリティエンジニアになりやすいルートといえます。

資格取得でセキュリティエンジニアとしてスキルアップを目指してみては

全体的な傾向として、資格を取得している、あるいは資格取得に関心があるIT人材はあまり多くはないようです。

とはいえ、資格取得をサポートする制度を設けている企業もあるので一定数の需要はありますし、資格を取得することで得られるメリットもセキュリティエンジニアになるうえでは大きいです。

もし興味がある資格があるのであれば、資格取得を目指すのはスキルアップのための1つの方法だといえるのではないでしょうか。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】