2020/12/8

AWS(Amazon Web Services)のDNSとは?DNSの設定方法やメリットを紹介!

 
  

AWSのDNSとは?

AWSのDNSとはインターネットを利用する際になくてはならないシステムのひとつで、Webサイトへのアクセスにおいて重要な役割を担っています。 本記事ではAWS DNSについて、特にDNSをメインに紹介していきます。はじめに、AWSが提供するDNSサービス「Amazon Route53」について解説していきます。

AWSについて

AWS(Amazon Web Services)とは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。 Webサイトの運用やデータのバックアップ、業務アプリケーションの利用など様々な機能が活用できます。AWSでは幅広いサービスを提供していて、目的に合わせて多様な支援を受けられます。

DNSについて

DNS(Domain Name System)とは、インターネット上でドメイン名とIPアドレスを対応付けて管理するシステムのことです。 ドメイン名とIPアドレスというのはインターネット上の住所のようなもので、ドメイン名が「東京都○○区○○町○丁目」のように地名で表される表記で、IPアドレスは「35.XXXXXXX 139.XXXXXXX」のように緯度経度で位置を座標表現しているようなイメージです。 例えばAWSでWebサイトを公開する際にIPアドレスを取得しますが、このIPアドレスは「10.XXX.XXX.XXX」のように数字の組み合わせで表現されています。このままでは覚えにくく何のWebサイトなのか全く分かりません。 そこで「domain△△△.com」のようにドメイン名を取得してIPアドレスに対応付けることで、公開したWebサイトのURLは「https://10.XXX.XXX.XXX」ではなく、「https://www.domain△△△.com」のように普段よく目にする形で置き換えられます。 このようにDNSを用いることで、覚えにくい数字の組み合わせであるIPアドレスではなく、ローマ字を使って意味がわかりやすいドメイン名で、インターネット上のコンテンツにアクセスが可能になります。

Amazon Route 53 について

Amazon Route 53とは、AWSが提供するDNSサービスです。Amazon Route 53は可用性が高く、AWS の他の機能やサービスと併用しやすいように設計されていて、信頼性の高いDNSサービスです。

ドメイン名について

ここでは先ほどご紹介したドメイン名について、もう少し詳しく解説していきます。ドメイン(domain)とは、領土・領域などの意味を持つ英単語で、インターネット上でコンピュータやネットワークを識別するために用いられます。 ドメイン名はインターネット上の住所にあたるもので、ドメイン名は重複しないように管理されています。もしドメイン名が重複してしまうと、本来アクセスしたいコンピュータやネットワークが特定できなくなってしまいます。 そのためドメイン名は重複するものは存在せず、世界にただひとつだけのものになります。 ドメイン名には英数字、ハイフン(ー)が使用できます。ただし英字の大文字と小文字は区別されず同じ文字としてみなされるので注意が必要です。 また従来の英数字、ハイフンに加えて、ひらがなや漢字などを使用できる国際化ドメイン名というものも存在します。ここでは詳しい説明は割愛いたしますが、ご興味のある方はぜひ検索してみてください。

ドメイン名の取得方法について

自分独自のドメイン名を取得するには、ドメイン名の登録代行業者に依頼する方法が一般的です。取得したいドメイン名を申請し、登録できるドメイン名であるか審査されます。 また取得したドメイン名を利用するためには、サーバーが必要になります。ドメイン名の登録代行業者がサーバーを貸し出している場合もあるので、ドメイン名の申請に合わせてサーバーの利用までサポートを受けられます。 上記の方法が一般的ではありますが、ここからはAmazonが提供するDNSサービス「Amazon Route 53」を使用した方法を解説していきます。

DNSの設定方法

ここではAmazon Route 53を使用したDNSの設定方法について、3つのステップに分けて解説していきます。細かい設定手順について知りたい方はAWSの公式サイトを参考にしましょう。

① Elastic IPアドレスを取得する

Elastic IPアドレスとは、AWSで使用できる固定された静的IPアドレスです。こちらがドメイン名に紐付けるために必要な情報になります。 AWSのEC2コンソール画面からElastic IPのページへ移動します。そこで新しいIPアドレスを割り当て、Elastic IPアドレスを取得します。 Elastic IPアドレスを取得できたら、Webブラウザに取得したElastic IPアドレスを入力しアクセスできることを確認しましょう。

② ドメイン名の登録

AWSのRoute 53 コンソール画面を開きます。ドメイン名の登録画面が表示されるので、ドメイン名の入力欄に登録したいドメイン名を入力します。ドメイン名を入力後、チェックボタンを押します。 ドメイン名の選択画面が表示されるので、「.com」や「.net」など使用したいドメイン名を選択し、使用可能かどうかをチェックしましょう。 使用可能であれば画面下部の続行ボタンをクリックし、ドメイン名の使用者の詳細情報の入力画面に進みます。必要な情報を入力しドメイン名の登録を完了させましょう。

③ DNSの設定

最後に②で登録したドメイン名が①で取得したElastic IPアドレスを指定するように設定します。Route 53 コンソールから、ホストゾーン画面を開きます。次にホストゾーン画面にて②で作成したドメイン名をクリックします。 「レコードセットの作成」ボタンをクリックし、画面右側の名前欄に「www」を入力します。次に①で取得したElastic IPアドレスを値欄に入力し、作成ボタンをクリックします。 ホストゾーン画面にて、ドメイン名とElastic IPアドレスの紐付けが設定されていることを確認します。 最後にWebブラウザにて、登録したドメイン名を入力しWebサイトにアクセスできることを確認しましょう。

DNSのメリット

DNSの設定方法にてドメイン名を使ってWebサイトを公開できました。このようにDNSはWebサイトの公開やアクセスにおいて、重要な役割を持っています。 ここからは、DNSを使うことによる大きなメリットを2つご紹介します。

覚えやすい

Webサイトにアクセスする際に、IPアドレスという覚えにくい番号ではなく、人間にとって理解しやすく覚えやすい文字列として扱えます。 さらにドメイン名を見ることで、そのWebサイトがどのようなサービスを提供しているのか、どの企業に属しているのかなどが、ある程度分かるようになります。

IPアドレスを変更しても設定を変えるだけ

サーバーを変更するなどIPアドレスを変更することがあったとしても、DNSの設定を変更するだけで同じドメイン名で同じWebサイトにアクセスすることが可能です。 クライアント側はドメイン名でアクセスするためIPアドレスの変更が発生したとしても、今までと同じドメイン名で同じWebサイトにアクセスできるということです。

DNSの注意点

これまで解説してきた通りDNSには様々なメリットがありますが、注意点もいくつか存在しますので紹介していきます。 費用に関することや、Webサイトの運用において影響が大きいものもありますので、ぜひご一読ください。

ドメイン名の費用が発生する

ドメイン名を使用するには費用が発生します。どのようなドメイン名を使用するか(.comや.netなど)によって料金は変化します。またAmazon Route 53で登録するか登録代行業者に依頼するかによっても変わってきます。 事前に料金について確認してからドメイン名の登録方法を決めましょう。
Amazon Route 53 料金表

ドメイン名の変更は要注意

Webサイトを運用していく中で、リニューアルやサーバーの変更などを機に新しいドメイン名に切り替えたいと思うことがあるかもしれません。 しかしドメイン名の変更にはリスクが伴いますので要注意です。詳しくは以下で説明します。

Webサイトの評価がリセットされてしまう

検索エンジンによるWebサイトの評価はドメイン名に紐付けられているため、ドメイン名を変更すると今までの実績が失われてしまいます。 そこでドメイン名の変更に伴うリスクを極力回避できる方法「リダイレクト処理」について簡単に紹介します。リダイレクト処理とは、旧Webサイトから新Webサイトへの誘導や転送、Webサイトの評価を引き継ぐ方法です。 詳しい解説や設定方法は割愛しますが、興味のある方やドメイン名の変更を検討される方は調べてみて下さい。

検索順位の低下

検索エンジンでは一般的に長い期間運用されているドメイン名の評価が高く、検索結果の上位に表示されます。 しかし、ドメイン名を変更することでWebサイト自体の運用が長くても評価はリセットされてしまうため、検索結果は下位に表示されてしまいます。

アクセスの低下

このように検索順位の低下により、新Webサイトのアクセス数が減ってしまう可能性があります。 また新ドメイン名のWebサイトのリンクが十分でなく、旧ドメイン名のWebサイトのURLのリンクが他のWebサイトなどでそのまま残っていれば、新ドメイン名のWebサイトへのアクセス数は少なくなってしまいます。

まとめ

今回ご紹介したようにDNSはWebサイトを公開する際にとても重要な役割を持っています。Webサイトの用途や目的に合わせて、適切で覚えやすいドメイン名を登録しましょう。 最後までご覧いただきありがとうございました。]]>

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】