2020/12/11

AWS Storage Gatewayのメリット5つ|機能もあわせて紹介

 
  

AWSとは

AWSとは、「Amazon Web Service」の略で、Amazonが提供する世界で広く採用されているクラウドプラットフォームの総称です。

従来、オンプレミス環境に設置していたサーバ機器やストレージ機器等のリソースを、AWSではインターネット上のクラウドリソースとして提供します。これを利用することにより、企業は自前でリソースを維持する様々なコストを抑えることが出来ます。

AWSでは175以上のサービスが提供されています。サービスの体系としては、大きく「サーバ環境」、「ストレージ環境」、「データベース環境」「ソフトウェア環境」の4種類になります。

今回紹介する「AWS Storage Gateway」は、「ストレージ環境」に分類されるサービスです。

それでは、「AWS Storage Gateway」について説明していきます。

AWS Storage Gatewayとは

「AWS Storage Gateway」とは、AWSが提供するストレージゲートウェイサービスの総称です。

一般的にストレージゲートウェイとは、オンプレミス環境に構築する仮想アプライアンスもしくはハードウェアアプライアンスで提供され、クラウド上のストレージへデータをやり取りする仕組みになっています。

例えば、ユーザがデータをクラウド上のストレージに書き込む場合、ストレージゲートウェイを導入するかしないかで、どのような違いが生まれるかを説明します。

ストレージゲートウェイを導入しない場合、ユーザが書き込んだデータはインターネットを介して直接クラウド上のストレージにデータを書き込まれます。書き込み完了までに時間がかかりますので、作業効率が悪くなります。

ストレージゲートウェイを導入した場合、ユーザが書き込んだデータはストレージゲートウェイ上に一旦書き込まれ、その後ストレージゲートウェイからインターネットを介してクラウド上のストレージに書き込まれます。

ユーザから見ると、ストレージゲートウェイ上にデータが書き込まれた時点で書き込みが完了するため、作業効率が向上します。

このように、クラウド上のストレージへシームレスにデータやり取りができるようになるストレージゲートウェイですが、「AWS Storage Gateway」では3つの機能が提供されています。

それでは、その3つの機能について説明していきます。

AWS Storage Gatewayの機能3つ

AWS Storage Gatewayには、「ゲートウェイキャッシュ型ボリューム」、「ゲートウェイ保管型ボリューム」、「仮想テープライブラリ」の機能があります。

それでは、それぞれの機能の特徴について説明していきます。

Storage Gatewayの機能1:ゲートウェイキャッシュ型ボリューム

ゲートウェイキャッシュ型ボリュームでは、ユーザが書き込んだデータはオンプレミス環境に設置したAWS Storage Gatewayのキャッシュ内に一時的に書き込まれ、その後クラウド上のストレージに書き込まれます。

書き込まれたデータをユーザが読み込む場合、まずAWS Storage Gatewayのキャッシュ内を参照しに行き、キャッシュ内にデータがあればキャッシュからデータが読み込まれます。キャッシュにない場合は直接クラウド上のストレージから読み込まれます。

ゲートウェイキャッシュ型ボリュームを導入すると、AWS Storage Gatewayのストレージ容量を最低限に抑えることが出来、導入コストが抑えられます。

なお、キャッシュ内に書き込まれたデータは定期的に削除されますので、キャッシュのヒット率を上げてユーザからのアクセスレスポンスを向上したい場合は、AWS Storage Gatewayのストレージ容量を大きくしてキャッシュ容量を確保する必要があります。

もしくは、後述の「ゲートウェイ保管型ボリューム」の導入を検討する必要があります。

Storage Gatewayの機能2:ゲートウェイ保管型ボリューム

ゲートウェイ保管型ボリュームでは、ユーザが書き込んだデータはオンプレミス環境に設置したAWS Storage Gatewayのストレージ内にすべて書き込まれ、その後クラウド上のストレージにも書き込まれます。

書き込まれたデータをユーザが読み込む場合、AWS Storage Gatewayのストレージから読み込まれます。

ゲートウェイ保管型ボリュームを導入すると、データの書き込みや読み出しはすべてAWS Storage Gatewayのストレージ内から行われるため、ユーザからのアクセスレスポンスが良好となります。

また、クラウド上のストレージに書き込まれたデータはユーザからのアクセスがないので、バックアップやディザスタリカバリとして利用出来ます。

なお、データ格納に必要となるディスク容量全てをAWS Storage Gatewayに構築する必要がありますので、前述の「ゲートウェイキャッシュ型ボリューム」よりもコストが高めになります。

Storage Gatewayの機能3:仮想テープライブラリ

仮想テープライブラリでは、オンプレミス環境に構築されたAWS Storage Gateway上に仮想テープを構築し、クラウド上でライブラリ管理します。

バックアップアプリケーションのバックアップ先として、仮想テープをSCSI装置イメージで設定することが出来ます。

また、その仮想テープをライブラリ装置で管理するかのようにクラウド上でライブラリ管理することが出来ます。

これにより、物理テープメディアのマウントなどの操作や保管管理、テープ装置の物理的なメンテナンスが不要となります。また、高価格なライブラリ装置の購入も不要となります。

ハードウェア起因の障害が発生しやすいテープ装置やテープライブラリ装置の仮想化により、メンテナンス費用が低減でき、バックアップソリューションの可用性も向上します。

AWS Storage Gatewayのメリット5つ

AWS Storage Gatewayを導入するメリットは、「安全性が高い」、「統合できる」、「簡単に使える」、「転送が最適化されている」、「ネットワーク遅延が少ない」の5つになります。

それでは、それぞれのメリットについて説明してきます。

Storage Gatewayメリット1:安全性が高い

ユーザがオンプレミス環境に書き込んだデータ、AWS Storage Gatewayによってクラウド上のストレージに書き込まれたデータおよび転送データは、すべて暗号化によって保護されます。

これらの保護機能は、AWS Storage Gatewayのストレージ管理ツールによって常に最新の状態で提供されますので、管理者は意識する必要がありません。

Storage Gatewayメリット2:統合できる

AWS Storage Gatewayによってクラウド上のストレージに書き込まれたデータは、AWSが提供する様々なサービスと統合することが出来ます。

統合が出来るAWSのサービスには、コンピューティング、機械学習、ビッグデータ分析、セキュリティ、管理サービスのポートフォリオなどがあります。

Storage Gatewayメリット3:簡単に使える

AWS Storage Gatewayは、導入、管理が簡単に行えます。

導入については、仮想アプライアンスをデプロイするか、ハードウェアアプライアンスを設置し、オンプレミス環境のネットワークに接続することで、利用を開始することが出来ます。

管理方法については、専用のAWSコンソールが提供されますので、このコンソール画面からAWS Storage Gatewayの管理や更新をすることが出来ます。

Storage Gatewayメリット4:転送が最適化されている

AWS Storage Gatewayは、データ転送において「圧縮」、「暗号化」、「帯域幅」を管理することで最適化を図ることが出来ます。

利用側の要件によって、圧縮により転送速度を速くしたり、帯域制限してネットワークの回線負荷を低減したりすることが出来ます。

Storage Gatewayメリット5:ネットワーク遅延が少ない

AWS Storage Gatewayは、データ転送において変更されたデータのみをクラウド上のストレージに書き込みます。

これによりネットワーク上に流れるデータ量を低減することで、ネットワーク遅延を抑え、低レイテンシーを実現することが出来ます。

AWSのストレージサービスの違い3つ

AWS Storage Gatewayによって転送されるデータは、クラウド上のストレージに書き込まれますが、AWSにはクラウド上のストレージを提供するサービスがあります。

AWSが提供するストレージサービスには、「ファイルストレージ」、「オブジェクトストレージ」、「ブロックストレージ」の3つの種類があります。各々アクセスする方法が異なっています。

それでは、それぞれの種類について説明していきます。

ストレージサービスの違い1:ファイルストレージについて

ファイルストレージは、データを共有ファイルシステムで管理するストレージです。

ファイル共有の設定やファイルおよびフォルダのアクセス権を設定することで、サーバやアプリケーションは共有ファイルシステムを利用してストレージにアクセスすることが出来ます。

AWSでは、「Amazon EFS」、「Amazon FSx for Windows」、「Amazon FSx for Lustre」という3つサービスが提供されています。

ストレージサービスの違い2:オブジェクトストレージについて

オブジェクトストレージは、データをネイティブ形式で管理するストレージです。

あらゆる形式や容量のデータをネイティブ形式で保存することで、高い拡張性とコストパフォーマンスをもって管理することが出来ます。

AWSでは、「Amazon S3」、「Amazon Glacier」という2つのサービスが提供されています。

ストレージサービスの違い3:ブロックストレージについて

ブロックストレージは、ホストにアタッチするための高性能なボリュームを提供するストレージです。

高い可用性と耐久性を持っているため、ミッションクリティカルなシステムや膨大なユーザアクセスがあるシステムなど、高いスループットや高いトランザクションに対応することが出来ます。

AWSでは、「Amazon EBS」というサービスが提供されています。

AWS Storage Gatewayについて知ろう

AWS Storage Gatewayは、オンプレミス環境とクラウド上のストレージをシームレスに利用できるという特徴がありました。

事業の用途によってAWS Storage Gatewayの機能やストレージサービスを組み合わせ、ストレージ管理の簡素化とコスト削減を目指しましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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