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マイニングに活用できるAWSとは?
AWSはクラウドサービスを利用したマイニングにおいて優れた選択肢となります。
Amazonが提供するAWSは機能と料金体系に優れた柔軟性があることから、マイニングの際にかかるコストを手軽に最適化できるので、実用的なプラットホームです。
クラウドコンピューティングはAmazon EC2によって、ストレージはAmazon S3によって提供されます。
AWSは大手企業において優れた導入実績が多くあり、銀行の基幹系システムや電子書籍事業におけるブロックチェーン技術の採用もその例です。
クラウド環境のサービスであることから、オンプレミス環境のサーバーを保守する手間から解放され、機能の実装と運用に専念できます。
AWSでは各リージョンに複数のアベイラビリティゾーンという拠点を設置していることから、災害やシステム障害にも強いクラウドサービスです。
AWSは機能と料金体系の柔軟性に優れたサービス
Amazonの提供する柔軟性の優れたクラウドサービスがAWSです。クラウドコンピューティングサービスの種類は多く用意されていて、中にはGPUを利用できるものもあります。
AWSを利用したクラウドコンピューティングをする際には、実際にクラウドコンピューティング処理をするサービスのAmazon EC2と、クラウドストレージサービスであるAmazon S3が必要です。
どちらについても料金設定は、従量課金制のほか、Amazon EC2についてはスポットや長期契約など、Amazon S3についてはアクセス頻度を考慮した料金プランがあります。
AWSは大手企業において数多くの導入実績がある
優れたサービスであることから、AWSは大手企業などにおいて数多くの導入実績があります。
例えば電子書籍事業を展開する株式会社メディアドゥは、ブロックチェーン技術の採用にAmazon Managed Blockchainを採用しましたが、これもAWSが提供するサービスです。
他の事例を挙げると、ソニー銀行は全システムのうち約80%が2019年末までにAWSを利用したものへと移行しました。同じ時期に銀行の根幹である基幹系システムもAWSへの移行を決断し、2022年本格稼働に向けて開発中となっています。
AWSの豊富な機能が量だけでなく質でも優れていて、セキュアかつ低レイテンシーであることから、銀行の基幹系システムという重大なシステムにも使えるのです。
クラウドサービスであるAWSのメリット
オンプレミスではなくクラウド環境であることがAWSの強みです。
サービスの利用者は実際のサーバー環境を構築してメンテナンスすることから解放されて、サーバーを利用した機能の開発に専念できます。
Amazonのクラウド環境では、リージョンという単位の中に複数のアベイラビリティゾーン(AZ)という拠点が存在し、地震のような広域災害に備えた可能性が確保されているという高品質のクラウドサービスを利用できるのです。
またAWSはオンプレミス環境と併存するハイブリッドサービスとしての利用も可能であることから、システムのすべてをAWSへ移行しなければ使えなくなるという制約がないことも、AWSを採用する際に強みとなります。
マイニングとは?
仮想通貨を維持するために必要な作業がマイニングです。
暗号資産ともいう仮想通貨は電子データでやりとりされる資産で、ブロックチェーン技術によって取引データが保証されています。このブロックチェーンを維持するためにマイニングが必要です。マイニングする人や業者をマイナーといいます。
仮想通貨は中央銀行などによる管理がされておらず、裏付けと資産がないことから価値の担保が弱い資産です。
そのためブロックチェーン技術をはじめとする仮想通貨の価値を保証するための仕組みは重要であり、マイニングは取引記録を更新するために不可欠な要素となっています。
仮想通貨とは?
仮想通貨とは暗号資産ともいい、電子データでやり取りされる資産です。暗号資産を法定通貨に交換するには暗号資産交換業者、仮想通貨取引所などを介することで換金できます。
名称に通貨とついていますが、実際には中央銀行などによる管理がないため、裏付けとなる資産がないことから価値の担保が弱い資産です。
発行主体や管理者がいないという性質から、各暗号資産はあらかじめ発行上限を設定しているのが一般的となります。
暗号資産の取引は公開鍵とブロックチェーン技術によって保護保証する仕組みです。
仮想通貨のマイニングとは?
電子データでやり取りされた取引情報はブロックチェーンに組み込まれますが、そのブロックチェーンを作るための作業がマイニングです。
より正確には帳簿データはブロックという単位に暗号化されてまとめられます。
マイナーと呼ばれる人々が、このブロックを新しく作り上げて既存のブロックに接続する作業を続けることで、ブロックチェーンは新しい取引を記録し続けられるのです。
このマイナーには仮想通貨の維持に貢献したインセンティブとして仮想通貨を報酬として与えられます。
マイニングの手法
仮想通貨でも著名なビットコインをはじめとして、多くの場合は最初に作業を完了したマイナーだけに報酬を支払うことから、他の誰よりも作業を完了させるための手法が模索されています。
単純なマイニング手法はソロマイニングと呼ばれる個人あるいは単独の事業者が、自力でマイニングを達成するものです。成功すれば報酬を独占できるメリットがありますが、厳しい競争を勝ち抜けるだけの機材を用意できなければ、成功する確率はとても小さいものになります。
そこで考えられた手法がプールマイニングです。これは複数の個人あるいは事業者がマイニング作業を分担して行うことで、競争を勝ち抜くだけの処理能力を実現するものです。
プールマイニングにおいて報酬は分配されます。そういった投資的活動に目を付けたのが、クラウドマイニングという手法です。マイニング運営者は必要な資金を出資者から調達してマイニングをして、収益から出資者へ利益を分配します。
AWS環境でのマイニング方法
AWSではオンプレミス環境と同じ感覚でマイニングができます。
しかしインスタンスについてはGPUを持たないサービスが多いことから、マイニングにGPUを使用するか否か、事前に確認して契約するサービスを選ぶという準備することが大切です。
AWSのインスタンスはベースラインパフォーマンスといった上限の制約が課されていることもあるので、Unlimitedモードを契約するか否かの判断も重要になります。
マイニング計画の策定
まずマイニングでGPUを利用するか否かを決める必要があります。
AWSの提供するクラウドコンピューティングは多くのインスタンスがGPUのないサービスであり、GPUを利用するには高速コンピューティングに分類されるAmazon EC2のインスタンスを採用することで可能です。
仮想通貨の種類によってCPUによる処理が適しているか、あるいはGPUによる処理が適しているかの違いがあるので、あらかじめマイニングする仮想通貨の特性を理解し、それに適したインスタンスの利用契約を結ぶ必要があります。
AWSでマイニングを実施
オンプレミス環境と違いはなく、マイニングツールを導入して実行することによりマイニングできます。
AWSではLinuxやWindowsのOSを導入できるので、AWSのセキュリティ設定がツールに与える影響については確認が必要です。
インスタンスはCPUを完全に使用することがないサービスがほとんどで、ベースラインパフォーマンスのような上限が設定されています。
ベースラインパフォーマンスについては、CPUクレジットが蓄積されることによって、限定された時間だけ上限を超えた処理能力を発揮するサービス体系です。
このベースラインパフォーマンスの上限を追加料金の支払いで撤廃するUnlimitedモードというサービスがあります。
マイニングのために最適なAWSのパフォーマンスを
AWSは機能と料金体系の柔軟性に優れたクラウドサービスで、マイニングを取り巻く環境に対して適切に処理能力を変更できます。
優れた機能を多く持つAWSではサービスの利用状況に応じてアラームを発せられるので、適切な監視環境を設定しておくことにより、資源を適切に管理してマイニングのパフォーマンスを改善することが可能です。
AWSのもつポテンシャルを出来る限り発揮することが、マイニングの成功につながります。