この記事の目次
Tableau serverとは
Tableau serverはビジュアル分析プラットフォームのTableauで作成したグラフなどを複数の人で共有するための製品です。そしてTableau serverをAWSのようなクラウド上に構築すれば、どこからでもアクセスできデータの分析などでグラフを利用できます。
まずはTableau serverについて解説します。
そもそもTableauとは
今回紹介するTableau ServerはTableauが扱うデータやグラフを社内で共有する仕組みですが、そもそもTableauとはビジュアル分析プラットフォームとして有名なビジネス向けのアプリケーションです。
一般的なオフィスではExcelなどの表計算ソフトを利用しているので、Excelのグラフ作成機能を利用したことがある、という方が多いかもしれません。
しかしexcelのグラフ作成機能は時間がかかるうえ、使える機能が限られています。そのためExcelを使ったとしても必ずしも分析やプレゼンに向いたグラフを作れるとは限りません。
そこで注目されているのがビジュアル分析プラットフォームのアプリケーションです。中でもTableauは使い易いインターフェースと豊富なグラフ作成機能が特色であり、多くの企業に採用されています。
Tableau serverの機能
先ほど紹介したようにTableauはビジネスに最適なビジュアル分析プラットフォームです。しかしTableauはアプリケーションをインストールしたパソコンでしか利用できません。
そこでTableauで作成したデータやグラフを企業の中で共有する仕組みがTableau serverです。Tableau serverはWEBブラウザを操作することでTableauのデータやグラフを表示でき、それを使ってデータを分析できます。
さらにAIを活用したデータの自動抽出機能を利用できたり、高いセキュリティによりデータを安全に保管できるなどのメリットもあります。
Tableau serverはクラウドでも構築できる
Tableau serverを利用するにはLinuxまたはWindows Serverにインストールしなければなりません。企業の中で使うとすれば通常、企業のデータセンターなどにサーバーを構築するのが一般的です。
Tableau serverはそのようなデータセンターなどのサーバーに構築し運用しますが、AWS、Azure、Google Cloud Platformといったパブリッククラウドにも構築できます。
とはいえパブリッククラウドでの運用はセキュリティに不安を感じる方もいるでしょう。しかしTableau serverは厳重なセキュリティに対応しているのでクラウドの環境でも安心して利用できます。
AWSでTableau serverを設定するには
ビジュアル分析プラットフォームのTableauを提供しているTableau Software社はAWSのパートナー企業の1つです。そのためAWSにはTableau serverを容易に構築できる環境が設定されています。
AWSでTableau serverを設定する際には、AWSで用意しているクイックスタートを利用してください。
次からAWS版Tableau serverのクイックスタートを利用する手順について紹介します。
AWS版Tableau serverのクイックスタートを利用する
AWS版Tableau serverのクイックスタートを利用するにはAWSアカウントが必要なので、事前に作成しておいてください。
そしてAWS版Tableau serverのクイックスタートを利用すると、AWSで新規または既存のVPNで、100GバイトのEBSボリュームを備えたインスタンスをAmazon EC2に用意し、それにTableau Serverをインストールします。
なおTableau serverにはWindows版とLinux版があるので、Windows版を利用する場合はWindows ServerのVPNを、またLinux版を利用する場合はCentOSやUbuntuといったLinuxのVPNを選択してください。
テンプレートを利用する
AWS版Tableau serverのクイックスタートでは、インストールにAWS CloudFormationテンプレートを使用します。
このテンプレートはAWS版Tableau serverのクイックスタートを紹介するWebページにリンクがあるので、そのリンク先からインスタンスの作成とAWS版Tableau serverのインストールを実施してください。
なお、このページの中ほどにタブがあり、最初は「構築目標」が表示されています。これを「デプロイ方法」に切り替えて、クイックスタートを起動するリンクをクリックしてください。
AWS版Tableau serverにアクセスする
クイックスタートを利用することで新しいインスタンスが作られ、Tableau serverが設定された状態で起動します。新しく作られたインスタンスのTableau server用URLにWebブラウザからアクセスすることでTableau serverを利用できます。
AWSでTableau serverを設定する際の注意点
先ほど紹介したようにクイックスタートを利用することでAWSに簡単にTableau serverを設定できます。しかし、クイックスタートで設定したTableau serverがそのまま使えるとは限りません。AWSでTableau serverを運用する前に注意したい点が幾つかあります。
次からその注意点について解説します。
Tableau Serverのライセンスが必要
先ほど紹介したようにAWS版Tableau Serverを簡単に設定できますが、Tableau Serverを使用するにはライセンスが必要です。利用する前にライセンスを取得しましょう。
なお、クイックスタートのメニューから「スタンドアロン Tableau Server」を選んだ場合、14日間トライアルライセンスで利用できます。Tableau Serverの設定方法や使える機能のチェックにも利用できるので、うまく活用しましょう。
Tableau Serverをアップデートする
Tableauで作成したグラフをTableau Serverで利用するには、バージョンを合わせなければなりません。もし最新バージョンのTableauを利用しているのなら、Tableau Serverも最新版にアップデートしてください。
Tableau Serverをアップデートするには、Tableauのパッケージダウンロードサイトから必要なソフトをダウンロードし、それをインストールしてアップグレードのスクリプトを実行するだけです。
なお、アップグレードのスクリプトを実行する際にTableau Serverを停止し、アップデート後にTableau Serverを起動してください。これだけでTableau Serverのアップデートが可能です。
次にCentOSにインストールしたTableau Serverをアップデートする例を紹介します。
$ wget https://downloads.tableau.com/esdalt/10.5.1/tableau-server-10-5-1.x86_64.rpm
$ sudo yum -y install tableau-server-10-5-1.x86_64.rpm
$ tsm stop
$ sudo /opt/tableau/tableau_server/packages/scripts.(version)/upgrade-tsm --accepteula
$ exit
$ tsm start
Tableau serverをクラウドで使うならAWS
Tableau serverをクラウドで使うなら簡単に設定でき、設定すればどこからでも使えるようになるAWSでの利用を検討してみましょう。
なおAWSにはクラウドを初めて利用される方のために無料枠が設定されています。それを利用すればクラウドでのサーバー管理のやり方やTableau serverの設定手順をチェックすることが可能です。
AWSにTableau serverを設定して、クラウドで利用できるTableauのビジュアル分析をビジネスに活用してみてください。