2021/05/17

「AWS Panorama」とは?サービスの概要や関連技術について解説します!

 
  

「AWS Panorama」とは?


「AWS Panorama」とは、一般的なネットワークカメラで「コンピュータービジョン」を利用可能とするための「アプライアンス(AWS Panorama Appliance)」と「AWS Panorama Device SDK(ソフトウェア開発キット)」のことです。

「AWS Panorama」を導入することで、AWS等のクラウド上に動画データをストリーミングすることなく、端末側で処理を行う「エッジコンピューティング」を実現できます。

例えば、製造業における品質評価、製品開発プロセスにおけるボトルネックの検知、工場内でのヘルメット着用有無等の労働者のセキュリティ評価等について、モニタリングや目視検査といった人的作業を自動化することが可能となります。

上記の用語や技術について、詳細に解説していきます。

「コンピュータービジョン」とは?

「コンピュータービジョン(Computer Vision)」とは、「コンピューターによる視覚」の研究や技術のことです。

具体的なテクノロジーとしては、静止画像や動画映像を処理する「AI(人工知能)」技術や「機械学習」技術に該当します。

つまり、自動車が道路上に存在するかを判定したり、特別な身体的特徴を持つ動物を他の個体とは別に認識したりするように、画像に映った物体の検出や分類のために「コンピュータービジョン(Computer Vision)」は利用されています。

「コンピュータービジョン」の目的とは?

「コンピュータービジョン」の目的とは、コンピューターに人間の「眼」に相当する「視覚」機能を持たせること、つまり「コンピューターによる視覚」を実現することです。

具体的には、静止画や動画のデータを入力元として、コンピューターのソフトウェア処理に人間の「視覚」に近い機能、あるいはそれ以上の機能を持たせることが目標となっています。

具体的な利用例としては、路上や工場内に設置された「インターネットカメラ」からの入力映像データに関して、AWS上にアップロードせずに、端末カメラ(エッジ)側のコンピューターで処理し、「ロボット」や「自動運転車」の眼として機能させること等があります。

特に製造業では、製造した製品の「品質検査」を「コンピュータービジョン」で自動化するなど、工業生産プロセスを改善するために「コンピュータービジョン」が活用されています。

「AWS Panorama Appliance」とは?


「AWS Panorama Appliance」とは、工場等の施設内に設置されている既存の「ネットワークカメラ」にこれを接続することで、撮影された動画データに対して複数の「コンピュータービジョン」の解析モデルを実行できるようになる「ハードウェアデバイス」のことです。

それでは、技術的な概要や利用方法について、詳しく解説していきます。

「AWS Panorama Appliance」の概要

「AWS Panorama Appliance」の概要としては、既存の一般的なネットワークカメラに「コンピュータービジョン」の機能を追加することで、従来の手動による検査やモニタリングが必要だった作業工程を自動化することが可能です。

また「AWS Panorama Appliance」を利用することで、低レイテンシー(遅延)の実現とデータ保護機能が必要であり、加えて通信の際にインターネットの帯域幅が制限されている場合に、「コンピュータービジョン」のアプリケーションをエッジにデプロイ(配置)することで解決できます。

「AWS Panorama Appliance」の利点

「AWS Panorama Appliance」の利点としては、ネットワークに接続することで、「ネットワークカメラ」からの動画データを処理し、そのままリアルタイムで「機械学習モデル」による分析処理を実行することが可能です。

そのため、コンピュータービジョンを利用するに際しては、既存のカメラに組み込みの機械学習機能やその他の各種スマート処理機能が不要となっています。

またソフトウェア面での利点以外にも、「AWS Panorama Appliance」は、ハードウェアとして「防塵性」と「耐水性」を装備しているので、「コンピュータービジョン」機能を損なうことなく、様々な環境に設置できます。

「AWS Panorama Appliance」を利用するには、「AWS Panorama Appliance デベロッパーキット」を用いて、「コンピュータービジョン」のアプリケーションの構築とテストすることができます。

「AWS Panorama Device SDK」とは?


「AWS Panorama Device SDK」とは、サードパーティーメーカーがカメラで高度な「コンピュータービジョン」の処理モデルを開発する際に必要となる「ソフトウェア開発キット (SDK)」 です。

またハードウェアベンダーであれば、「オブジェクト検出」や「アクティビティ認識」のために「コンピュータービジョン」機能で強化された新規デバイスを構築することが可能です。

それでは、詳細について解説していきます。

「AWS Panorama Device SDK」の概要

「AWS Panorama Device SDK」の概要としては、「コンピュータービジョン」用のデバイスソフトウェア一式、「API」、サンプルコードやツール類が提供されています。

これらの提供物を用いることで、「AWS Panorama」対応デバイスを有効化してテストを実施し、「AWS Panorama」サービスを活用できるようになります。

デバイスメーカー(例:「Axis Communications」、「ADLINK Technology」、「Lenovo」、「Basler AG」、「STANLEY Security」、「Vivotek」等)は、「AWS Panorama SDK」とAPIを使用し、「NVIDIA」と「Ambarella」の主要なソリューションを活用することで、新規の「AWS Panorama」対応のカメラとアプライアンスを構築しています。

「AWS Panorama」対応デバイスは、「AWS ML サービス」を簡単に利用でき、「AWS マネジメントコンソール」で管理、モニタリング(状態監視)、更新が可能です。

「AWS Panorama」のユースケース


「AWS Panorama」のユースケースには、「製造品質管理」、「小売業」、「施設内保安性」、「サプライチェーン」等、多岐に渡ります。

これらのユースケースの具体例について、いくつかご紹介していきます。

「AWS Panorama」のユースケース1:製造品質管理

「AWS Panorama」のユースケース1として、「製造品質管理」があります。

「AWS Panorama」を利用すると、端末(エッジ)側の「コンピュータービジョン」で製造上の欠陥を検出し、アラートを送信できるので、必要な修正措置を速やかに処置することができます。

また「AWS Panorama」により、端末(エッジ)側で発生した問題を速やかに特定し解決することで、製品の品質を向上させながらコスト削減も可能です。

「AWS Panorama」のユースケース2:工場での保安活動

「AWS Panorama」のユースケース2として、工場等での保安活動があります。

具体的には、「AWS Panorama」を利用することで、工場内の労働者や構内車両が危険な立ち入り禁止エリアに間違って侵入した際に特定できます。

また社内の「保安システム」とシステム統合することで、現場にいる個人に対してアラートを送信したり、工作機械を停止する信号を送信したりすることも可能です。

「AWS Panorama」パートナーと共にすぐに始めよう!


「AWS Panorama」について、その概要やメリット、そして関連のアプライアンスやSDKについて解説してきました。

既に設置されている一般的なネットワークカメラに追加するだけで、撮影した画像データを簡単に「機械学習」等で解析できます。

デバイスを提供しているサードパーティパートナーと共に、「AWS Panorama」をすぐに始めましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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