2021/04/26

AWSの無料利用枠とは?無料利用枠の種類や無料利用枠を超えた場合について解説

 
  

AWSの「無料利用枠」とは?

AWSには無料利用枠が設定されており、各種サービスを一定の上限額まで無料で利用できます。 各種AWSサービスの利用が無料利用枠を超えた場合は、標準の料金として従量課金制で支払うことになります。 この無料利用枠には、「12ヶ月無料」、「無期限無料」、「短期トライアル」の3種類があります。これらについて、詳細に解説していきます。

AWSの無料利用枠の対象者

AWSの無料利用枠の対象者は、大企業、中小企業、起業家、学生といった、あらゆる種類のAWSアカウント保有者(ユーザー)となります。 ユーザーが特定の組織に関連付けされている(AWS Organizations利用時) 場合には、その組織で無料利用枠を利用できるAWSアカウントは1個だけになります。 なお「AWS Organizations」とは、AWSアカウント全体で環境を一元的に保護、監査してくれるAWSのサービスです。 すべてのタイプの無料利用枠において、その組織のAWSサービスの使用量は、組織全体の全アカウントの使用量の合計値となります。 もし、無料利用枠の対象外であると判断された場合や、特定のAWSサービスで制限を超過したと判定された場合には、AWSサービスの標準利用料金を支払うことになります。

AWSの無料利用枠の制限について

AWSの無料利用枠の制限については特に無く、特定の利用方法やユースケースに限定されていません。 AWS側は、新規ユーザーのAWSの使用開始を促進するために、特定のAWSサービスに対して無料利用枠を提供しています。 つまり、新規ビジネスのアイディア等でトライアルを試みたい場合や、AWSのクラウド上で実行したい既存のアプリケーションがある場合には、無料でビジネスを始めることが可能です。 具体的な無料利用枠の利用に関するアイディアとしては、ソーシャルメディアのアプリケーション、低トラフィックのWebサイト、ブログのホスティング、IT系プロジェクトのシステム開発や各種テスト、PoC(概念実証)等があります。 他にもアイディア次第で様々な無料利用枠の利用方法が考えられます。

AWSの無料利用枠の種類について

AWSの無料利用枠の種類については、先ほど述べたように、「12ヶ月無料」、「無期限無料」、「短期トライアル」の3種類があります。 この3種類の詳細について、以下で解説していきます。

AWSの無料利用枠の種類1:12ヶ月無料

AWSの無料利用枠の種類の1つ目として、「12ヶ月無料」があります。こちらは、AWSアカウントを新規作成した日から12ヶ月の間が無料となります。 具体例としては、EC2インスタンスを「750時間/月」無料で利用可能となっています。 ただし、利用できるリソースには制限があります。具体的には、無料利用枠となるインスタンスは「t2.micro」、OSが「Amazon Linux」、「Windows Server」、「Red Hat Enterprise Linux」、「SUSE Linux」、「Ubuntu Server」を指定する必要があります。 他にも、「Amazon RDS」、「Amazon S3」、「5GBの標準ストレージ」、「20,000件のGETリクエスト」、「2,000件のPUTリクエスト」等、多くの主要なAWSサービスで無料利用枠が設定されています。

AWSの無料利用枠の種類2:無期限無料

AWSの無料利用枠の種類の2つ目として、「無期限無料」があります。その名の通りで、無料利用枠は期間による制限がなく、無期限となっています。 具体例として「AWS Lambda」の場合は、1ヶ月あたり100万リクエストまで無料です。なお利用上の制限があり、1ヶ月あたり「400,000[GB/秒]」まで無料から、「MAX3,200,000秒のコンピューティング時間」が無料、に変動する場合があります。 その他の無期限無料となるAWSサービスとしては、100万件のAPIリクエスト、「Amazon CloudWatch」、5GBのログデータ、基本モニタリングのメトリクス、詳細モニタリングのメトリクス10個等があります。

AWSの無料利用枠の種類3:短期トライアル

AWSの無料利用枠の種類の3つ目として、「短期トライアル」があります。 「短期トライアル」では、特定のAWSサービスを初回利用する際に、一定期間だけ無料となります。具体例として、Amazon Guard​Dutyを初めて使用する場合には、30日間無料で利用可能です。 また「Amazon Guard​Duty」とは、DB、VPCフローログ、「AWS CloudTrail」 管理イベントログ、CloudTrail S3データイベントログ等を分析、処理するセキュリティモニタリングサービスです。 その他の対象サービスとしては、「Amazon Redshift」、「Amazon WorkSpaces」、スタンダードバンドル(「ルートボリューム(80GB)」、「ユーザーボリューム(50GB)」)を装備した「AutoStopモード」で合計40[時間/月]までの使用等があります。

AWSの無料利用枠の有効期限について

「12ヶ月無料」タイプを使用したサービスでは、「アカウント作成日からの1年」まで対象のAWSサービスを無料で利用可能です。 「無期限無料」タイプでは、AWSアカウントを所有している限りは、所定の上限まで対象のAWSサービスを利用可能です。 「短期トライアル」タイプでは、対象のAWSサービスによって、所定の期間、もしくは1回限定で対象のAWSサービスを利用可能です。 なお、無料利用枠の有効期限が切れると、標準の料金である「従量課金制」に移行するので、AWSサービスを利用中には期限切れがないかを注意する必要があります。

AWSの無料利用枠を超えた場合の請求について

AWSの無料利用枠を越えた分については、従量課金制にて利用料金を請求されます。 また複数アカウントの支払を統合する「一括請求(コンソリデーティッド・ビリング)」を利用している場合でも、各アカウントに対してAWSの無料利用枠が適用されるわけではなく、あくまで「無料利用枠」は一個となります。 その他の注意点についても解説していきます。

AWSの無料利用枠が余った場合は?

AWSの無料利用枠が余った場合でも、その分が翌月に繰り越されることはなく、毎月1日に失効してしまう点に注意が必要です。 現在までの無料利用枠の使用量を「AWSサービス別」や「リージョン別」に確認するには、「Billing & Cost Management ダッシュボード」を利用します。 この「Billing & Cost Management ダッシュボード」では、「AWS Budgets」を利用したコストや使用状況の管理、「Cost Explorer」を使用した使用状況傾向の可視化、「Cost and Usage Reports」を使用したコストの詳細な分析が可能です。

AWSの無料利用枠を活用して新しいアイディアを実現しよう!

AWSの無料利用枠は、AWS社が世界中に展開している各リージョンを対象としたAWSサービスの加入に対して適用されています。 AWSの無料利用枠に関する無料の使用量は、全リージョン分の合計が毎月計算されます。そして、上述した請求についても自動的に実施されます。 なお注意点としては、特定のAWSユーザーは、リージョンごとにではなく、利用しているリージョン全体において、例えば「Amazon EC2 Linux マイクロインスタンス」の「750時間分」を無料で利用することが可能となっています。 こういったAWSの無料利用枠を新規ビジネスの展開に上手く活用してコストを抑制し、新しいアイディアを実現しましょう。]]>

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】