ユーザー系SIerに転職するメリット5選|デメリットもあわせて紹介

 
  

ユーザー系SIer企業とは


SIer企業にはいくつかの種類があります。その中でもユーザー系SIer企業とは、もともとは大手一般企業の情報システム部門が独立することでSIerになった企業のことです。

親会社の業種は金融や流通、製造などさまざまで、基本的な業務としては親会社やグループ会社のシステム開発や保守などを行います。親会社の業界に特化していることから、ユーザー系SIerでのシステム開発の際には業界での専門的な知識が必要となります。

SIer企業の主な仕事内容4つ


ユーザー系SIerをはじめとしたSIer企業とは、顧客である企業が求めるITシステムの開発を行い、導入する企業です。また、システムの開発だけでなく必要なハードウェアやOSなどを調達するのもSIerの仕事ですが、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。

ここではSIer企業の主な仕事内容4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1:企画

SIer企業では、顧客である企業のニーズや課題などをヒアリングし、開発するシステムの企画を行います。具体的にどのような機能が必要なのかを検討し、開発するシステムの方針や目的などをクライアントと打ち合わせをしながら決定していきます。

顧客が抱えている課題解決のための機能をシステムに落とし込むには豊富な知識や経験が必要となることから、企画のフェーズは主にキャリアを積んだSEが担当することになるでしょう。

2:要件定義

要件定義では、企画フェーズで決定したシステムの方針に沿ってシステムに実装する具体的な機能を定義していきます。実際のシステムの仕様を決めていく重要な作業となるため、企画のフェーズと同様にSIerに勤めるキャリアのあるSEが行うケースが多いです。

また、要件定義で決定したシステムの仕様は、設計書や仕様書としてまとめることになります。

3:設計・開発

要件定義で決定したシステムの仕様を設計書にまとめます。この段階からはクライアントと打ち合わせを行うのではなく、SIer内で完結することになります。

また、設計した設計書や仕様書をもとに、システム開発における下流工程を担うプログラマーがプログラミングを行い、実際にシステムの開発作業を進めていく流れです。

4:運用・保守

完成したシステムをクライアントの環境へ導入したら、システム運用開始後のサポートやメンテナンスなどを行うのもSIerの仕事です。クライアントの要望通りにシステムを開発しても、実際に使い始めてみるとエラーなどの不具合や追加の要望などが見つかります。

そのため、実際に運用していく中で必要になった修正に随時対応していくことになります。また、クライアントからの質問に答えるのも運用保守での仕事です。

ユーザー系SIerに転職するメリット5選


ここまでユーザー系SIerの仕事内容についてご紹介してきましたが、ユーザー系SIerへの転職を検討している方の中には、ユーザー系SIerに転職することでどのようなメリットがあるのか知りたいという方も多いでしょう。

ここではユーザー系SIerに転職するメリット5選をご紹介しますので、どのようなメリットがあるのか転職の参考にしてみてはいかがでしょうか。

1:経営が安定している

ユーザー系SIerは大手一般企業が親会社となっていることから、経営が安定しています。独立系SIerなどはシステムインテグレーションを提供する企業として親会社を持たずに創業しているため、ユーザー系SIerと比べると経営は不安定な面があります。

そのため、経営が安定した企業で安定的に仕事をしたいという方には、ユーザー系SIerはおすすめです。

2:ホワイトな労働環境が多い

ユーザー系SIerは全体的に離職率も少なく、ホワイトな労働環境が多いです。

また、顧客が親会社なので無理な要求をするケースが少なく、親会社が大手企業であればグループ全体でコンプライアンスを遵守しているケースも多いことから、残業などはあまり発生しないと言われています。

3:自社で働くことができる

ユーザー系SIerは基本的に親会社や他のグループ会社の案件に携わることから、社外常駐になるケースが少ないといわれています。顧客が基本的に身内の企業となるため、ほとんどの場合自社内で仕事をすることになります。

そのため、客先常駐で働くケースのように環境の変化も少ないことから、ストレスを感じることも少なく働きやすいでしょう。自社で働きたい方にはユーザー系SIerはおすすめです。

4:福利厚生が充実していることが多い

ユーザー系SIerは福利厚生が充実しているケースが多いです。親会社の規模にもよりますが、親会社が大手企業であれば、それだけ福利厚生にも恵まれているケースが多いです。

たとえば一般的な福利厚生の他に、各種施設の優待が用意されているなど、ユーザー系SIerは他のSIerよりも福利厚生が充実しているケースがあります。

5:親会社の案件に関われる可能性がある

ユーザー系SIerの顧客は親会社やグループ企業となっているため、親会社の案件にも関わる可能性があります。ユーザー系SIerはそれぞれ親会社の事業も異なるため、金融系であれば金融関連のシステム、製造であれば製造関連のシステムの開発案件に携わることになります。

そのため、ユーザー系SIerで働くことにより特定分野での強みを持つことができるでしょう。

ユーザー系SIerに転職するデメリット3選


ユーザー系SIerへ転職することでさまざまなメリットがあることをご紹介しましたが、一方でデメリットもあります。転職を検討する場合はメリットだけでなくデメリットについてもよく知っておくようにしましょう。

ここではユーザー系SIerに転職するデメリット3選をご紹介していきます。

1:出世がしにくい傾向がある

ユーザー系SIerでは管理職は親会社から出向してきた人員で固められているケースが多いため、出世しにくい傾向があります。そのためユーザー系SIerに転職してキャリアアップを目指したとしても、内部からの昇進では課長クラスまでで止まってしまう可能性があります。

2:大手メーカー系より給料が低い

大手メーカー系SIerよりもユーザー系SIerの方が給料が低い傾向があります。どちらも親会社の給料がベースとなることから、IT企業を親会社に持つ大手メーカー系SIerの方が年収水準は高いようです。

ただし、親会社が大企業であればユーザー系SIerの給料の方が高くなるケースもあります。

3:スキル・知識が身につきにくい

ユーザー系SIerではプログラミングなどの直接の開発作業は他の企業に依頼しているケースが多いため、IT知識やスキルは身につきにくいようです。

プログラミングの作業があったとしても、入社して数年程度となっているケースも多いため、その後スキルを伸ばす機会はあまりないようです。

ユーザー系以外のSIer企業の種類3つ


SIerには本記事でご紹介してきたユーザー系SIer以外にも、「メーカー系」「独立系」「外資系」といった種類が存在します。

また、種類によってそれぞれ異なる特徴を持っているため、SIerへの転職を検討している場合はどのような特徴があるのかも知っておく必要があります。

ここでは最後にユーザー系以外のSIer企業の種類3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

1:メーカー系SIer企業

メーカー系SIer企業とは、家電やパソコンといったメーカーの情報システム部門が独立する形で生まれたSIerです。そのため、メーカー系SIerでは親会社のハードウェアと組み合わせたITソリューションを提供するケースが多いです。

また、もともとがハードウェアメーカーなので、ハードウェアとソフトウェア両方の面から幅広いシステム提案ができ、クライアントのニーズに対してトータルに対応できるという強みがあります。

2:独立系SIer企業

独立系SIer企業とはユーザー系やメーカー系SIerと異なり、親会社を持たない独立資本のSIerです。特定の企業から独立するのではなく、最初からSIerとして企業したのが独立系SIerです。

独立系SIerの場合は親会社が存在しないため、親会社の影響を受けずにビジネスを行うことができます。ただしユーザー系やメーカー系のように親会社に関連した仕事の発注はできず、企業規模も中小規模であるケースが多いです。

3:外資系SIer企業

外資系SIer企業とは海外資本のSIerです。SIerは日本独自の企業形態ですが、外資系SIerの場合はアメリカやヨーロッパなどに本社を持つ企業の日本法人となっているようです。

外資系SIerはグローバル企業として名前が知られている企業が多く、企業規模も大きくブランド力があるようです。また、年功序列などの旧時代的な制度が残っているSIerが多い中、外資系SIerは成果主義となっているのが特徴です。

ユーザー系SIer企業について知ろう


ユーザー系SIerはさまざまな分野の親会社から独立したSIer企業です。ぜひ本記事でご紹介したユーザー系SIer企業の概要やSIerの仕事内容、ユーザー系SIerに転職するメリットやデメリットなどを参考に、ユーザー系SIerへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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