2022/08/19

AWSのSMS送信とは?必要な知識や設定、メリットについて紹介

 
  

AWSとは?


AWSとは、Amazon Web Serviceの略で、Amazonが世界各地のデータセンターから、200種以上もの機能を提供しているクラウドコンピューティングサービスです。

クラウドコンピューティングサービスとは、インターネット経由でサーバーやストレージなどのITインフラを提供するサービスのことです。

IT業界では、オンプレミスからクラウドへの移行がますます進んでいます。オンプレミスとは、ITインフラを自社運用することです。インフラ設計から構築、運用やセキュリティー対策まで必要となるため、初期費用が高く、事業開始まで時間がかかってしまいます。

AWSは、Amazonが世界中で所有するIT資源を、初期費用なし・インフラ不要ですぐ利用できるため、コスト削減や効率向上を期待できるサービスです。日本国内外の大手企業が導入し、さらに利用シェア率を伸ばしていくと言われています。

SMSとは?どんな用途がある?


SMSとは、Short Message Serviceの略で、携帯端末同士でチャット形式のメッセージをやり取りできるサービスです。Eメールと比べるとSMSは、送信可能な文字数や装飾の制限があるため、販促や広告などには向いていないでしょう。

ですが、SMSはアプリ不要で送信から受信までのタイムラグが少なく、電話番号宛てのためセキュアで、すぐに閲覧できる、高いメッセージ開封率などのメリットがあります。

SMS送信の利用例を挙げると、会員サイトへログイン時の本人認証や、電話応対のアンケート勧奨、社員同士の業務連絡などがあり、利用シーンは幅広くなっています。

AWSのAmazon SNSはどんなサービス?


Amazon SNSとは、Amazon Simple Notification Serviceの略で、AWS上でサブスクライバーなどへメッセージ配信を提供するサービスです。サブスクライバーとは、定期的なお知らせメッセージ等の受信を承諾しているユーザーのことです。

Amazon SNSは、アプリケーション同士(A2A)、アプリケーションと個人(A2P)との両方ともサーバーレスで通信できるサービスです。

SMS送信は、200か国以上へのメッセージ配信が可能で、さらにA2P機能を利用すれば、SMSだけでなくモバイルプッシュ通知やEメールなどを通じて、数百万人もの多量の顧客へメッセージ送信できるようにもなります。

例えば、スペインのバルセロナを拠点とする人気のサッカーチーム、FCバルセロナは、大量のサポーターへSMS、Eメールなどのメッセージ送信でAmazon SNSを利用しています。

Amazon SNSの利用料金を知りたい


Amazon SNSは従量課金制で、SMSやEメール、モバイルプッシュ通知などの利用タイプによって、実際に使用した分のみの料金が発生します。

Amazon SNSの利用には前払いや最低利用料金の支払い、長期契約をする必要はありません。Amazon SNSは、初期費用なしで毎月100万までものリクエストが無料で使えます。この100万リクエストを超えた場合は、100万リクエストごとに0.50USDが発生します。

Amazon SNSを使用すると、SMS送信の場合、ワンタイムパスワード認証、多要素認証(MFA)の本人確認など、毎月100件まで無料で利用できます。

出典:Amazon SNS の料金|AWS
参照:https://aws.amazon.com/jp/sns/pricing/

Amazon SNSでSMS送信してみよう!


AWSのAmazon SNSコンソールから、簡単にSMSのメッセージを送信できます。送信先がSMSに対応している端末の電話番号であれば、サブスクライブ(購読)する必要もありません。

ただ、複数SMSメッセージを送信したい場合は、サブスクライブした方が便利でかなり効率的になります。さらに、Amazon SNSとAWSのサービスを連携して、APIを利用した送信もできます。

また、SMSメッセージは、1回に最大140バイトまで文字数を入れられますが、超える場合は自動的に140バイトごとの複数回にわけて送信されます。

今回、ここから紹介するSMSメッセージ送信方法は、Amazon SNSコンソールからの送信方法です。手順を順番に紹介していきます。

1. Amazon SNSのコンソールへログイン

AWSログイン後、Amazon SNSコンソールを開きます。なお、AWSアカウント作成済みを前提として紹介していますが、AWSアカウント未作成の場合は無料で作成できますので、作っておきましょう。

もしも、Amazon SNSが画面から上手く見つからない場合は、AWSマネジメントコンソールのサービス検索から、Amazon SNS(Simple Notification Service)を見つけることもできます。

2. トピックを作成

次に、Amazon SNSコンソールのトピックから、「トピックの作成」を選択します。トピックとは、メッセージチャネルを意味します。送信先が掲載された電話帳のようなイメージです。

「トピックの作成」画面では、トピック名、表示名を入力し、タイプはスタンダードを選択して作成します。オプションには、暗号化、アクセスポリシー、配信ステータスのログ記録、タグがあります。

テスト送信するためには、オプション不要ですので、デフォルトのまま作成しましょう。「正常に作成されました。」と表示されると作成完了です。エラーが出た場合は、エラー内容を読み解き、入力内容を見直しましょう。

3. サブスクリプションを作成

Amazon SNSコンソールのサブスクリプションから、「サブスクリプションの作成」を選択します。

「サブスクリプションの作成」画面のトピックARN(リソースネーム)で、作成したトピック名を選択します。プロトコルは「SMS」を選択し、エンドポイント(通知を受信できる携帯電話番号)を入力します。

エンドポイントは、日本の場合、+81から入力する必要があります。例えば、送信先電話番号が090-ABCD-EFGHの場合、頭の0を抜き、+8190ABCDEFGHと入力します。

オプションでは、サブスクリプションフィルターポリシー変更とRedriveポリシーが選択できますが、特に理由がなければ、デフォルトのまま作成します。

「サブスクリプションが正常に作成されました。」と表示されると作成完了です。エラーが出た場合は、エラー内容をよく読み、入力内容を見直しましょう。

メッセージの発行

Amazon SNSコンソールで作成したトピックから「メッセージの発行」を選択します。

次に、「件名」と「メッセージ本文」を入力します。「件名」は、Eメール送信する場合に、送信先の件名に表示される項目です。SMSのメッセージでは、この「件名」は空白のままにします。有効期限(TTL)とメッセージ属性も空欄のままにしましょう。

メッセージ構造の「すべての配信プロコトルに同一のペイロード」、「配信プロコトルごとにカスタムペイロード」は、どちらを選んでも問題ありません。

もし、配信プロコトルごとにメッセージ内容を変更したい場合は、「配信プロコトルごとにカスタムペイロード」を選択し、本文を編集します。

最後に「メッセージの発行」を選択し、「メッセージが正常に発行されました。」と表示されれば、送信成功です。「テキストメッセージング(SMS)」で配信ステータスが表示されますので、必要に応じて確認しておきましょう。

AWSでSMSのメッセージ送信を活用できるようになりましょう!


AWSを利用してSMSのメッセージを送信する大きなメリットは、サーバーなしで簡単にSMSのメッセージ送信機能を使用できることです。SMSは、高セキュリティーで高開封率、高速で届くなどのメリットがあるため、利用する用途や機会が増えてきています。

AWSで、SMSのメリットを使いこなせれば、サブスクライバーへの一斉大量送信、APIによる送信や本人認証、顧客や従業員とのスピーディーなやり取りなど、サービスの発展に繋がっていくでしょう。

まずは、この記事を参考にさらなるスキルアップをして、AWSのAmazon SNSでSMSのメッセージ送信を活用していきましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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