この記事の目次
AWSとは?
AWS(アマゾンウェブサービス)とは、Amazon社が提供するクラウドサービスです。コンピューティングや仮想サーバー、ストレージサービスなど200種類以上のサービスを提供しています。
クラウドサービスは、ハードウェアやソフトウェアを購入して自社運用する必要がなく、安価ですぐ始められるため、IT企業の多くがクラウドサービスへ移行しています。
特に、クラウドサービスの中でもAWSは、複数の大手企業が採用し導入する企業が増え続けているサービスです。
Amazon SESとは?Amazon SESを使用したEメールの送受信
Amazon SESとは、Amazon Simple Email Serviceの略で、Amazonが提供するEメールプラットフォームサービスです。AWSでEメール送受信するためには、Amazon SESが必要です。
Amazonが元々自社の顧客へのサービスに開発したインフラで構築されているので、費用効率が高く、Eメールの大量送信や受信が可能となります。
いくつかの例を挙げると、顧客への注文内容などの取引メールや会員向けのメールマガジンなど様々なタイプのEメールの送信ができます。
また、Eメール受信の場合では自動応答や登録解除、顧客対応用の自動チケット生成システムなどの開発も実現できるサービスです。
独自ドメインを登録して利用できますが、Eメール送受信のためにはAWS内で各種設定が必要になります。
なぜ、Amazon SESを使用するのか?
Amazon SESを使う理由は、Amazon EC2など様々なAWS内のサービスと連携され機能追加や管理が容易になり、費用対効果が向上するためです。
通常、大規模なEメールプラットフォームは複雑でコストがかかる場合が多くなります。サーバー管理、ネットワーク構成、通信制限などのインフラの課題が多数あります。
さらに、ほとんどのサードパーティ製品では初期費用が必要であったり、運用や保守などコストが発生します。Amazon SESはこれらの心配を解消してくれ、コスト減や高効率が期待されます。
また、AWSサーバーレスコンピューティングサービスのAWS Lambdaをきっかけにして、受信したメールに対して様々な処理がされます。
例えば、Amazon EC2と連携して処理を実行する場合では、月に62,000通までは無料でEメール送信することもできます。
AWSでEメールを送受信するためには?
Amazon SESの設定の前に、関連するAWSサービスの設定やドメイン取得、検証をする必要があります。今回、AWSアカウントは既に取得済みであることを前提にした手順で説明していきます。
ただ、APIを利用したい場合など、目的によってオプションの設定が別途必要です。この記事ではEメール送受信を目的としてオプションの設定は省略し、送信と受信に分けて必要最低限の設定を紹介します。
Amazon SESでEメールをテスト送信してみましょう
Eメールをテスト送信するためには、Amazon SESコンソールを使用します。
Amazon SESコンソールを開きましょう。先に使用するメールアドレスを確認します。検証ステータスが「検証待ち」と表示されると、検証用のEメールが送信されていることを表します。
Eメールが届いていることを確認します。Eメールに記載された検証用URLをクリックすると、検証ステータスが「検証済み」と表示されます。
もし、Eメールが届いていなかった場合は検証ステータスの「再送」をクリックし、検証用Eメールを再送してください。
検証ステータスが「検証済み」と表示されると、テストEメールを送信できる状態になります。Toを指定してテストEメールを送信します。該当のEメールが受信できていればテストEメール送信は成功です。
Eメールを受信してみましょう
Amazon SESでEメールを受信する場合、どのように受信するか、受信しないかなどを設定する必要があります。
EメールをAmazon SESが受信するときは、まず送信元IPアドレスを参照します。そして、設定された受信制御ルールに従って受信するかしないかを判断します。ここからは、ドメイン登録や受信ルールの設定など、Eメールを受信するまでの手順を紹介していきます。
もし、Amazon EC2から送信されるEメールを受信したい場合は、受信許可リストにそのEメールアドレスを追加する必要があるなど、状況によって設定が異なりますので詳細はAWS公式サイトで調べましょう。
Amazon Route 53を使用してドメインを登録しましょう
新しいドメイン名を取得して、Amazon Route 53に登録する、または取得済みのドメインを移管登録することもできます。
WebサイトやWebアプリはドメインを登録することが必要です。ドメインとはインターネット上の住所のことで、Webサイトが存在する場所の情報です。
新しく取得するドメイン、または取得済みのドメインがAmazon Route 53で利用可能かどうかをチェックします。つまり、他の誰かが使っていないかチェックできます。
チェック後、ドメインを登録します。ドメインと同じ名前のホストゾーンを作成し、ホストゾーンからネームサーバーを取得し、ドメインに追加します。
もし、誤ってドメインを登録した場合、変更も払い戻しもできません。その場合は、再度希望のドメインを登録し直す必要がありますので注意が必要です。
Eメール受信ルールを設定しましょう
Amazon SESコンソールでEメール受信ルールを設定できます。Amazon SESで初めてEメール受信設定するために、デフォルトの受信ルールを自動的に作成してくれます。
まず、Amazon SESコンソールから「ルールセット」を選択します。「アクションの追加」からAmazon「S3」を追加し、S3バケットを作成します。Amazon S3(Simple Storage Service)とは、AWSでデータを保存したり取り出したり、拡張性があるストレージサービスです。
次に、「ルールの詳細ページ」でルール名をmy-ruleなどと入力し、有効にします。最後に、ルールの作成を押下するとEメール受信ルールの設定が完了します。
この設定は、受信ルールセットを作成したことがないことを前提としています。Eメール受信ルールを作成したことがある場合は、設定が異なりますので、AWS公式サイトで調べましょう。
Eメール受信ができるかテストEメールを送信してみましょう
Amazon SESで作成したEメール受信ルールに基づいて、Eメール受信できるかテストEメールを送信し、AmazonS3コンソールで閲覧できます。
テストEメールを送信するには、任意の個人Eメールアドレスから登録したドメインのEメールアドレス宛にメッセージを送信します。
例を挙げると、ドメインがexample.comの場合、test@example.comやabc@exampleなど、example.comドメインのEメールアドレスへ送信できます。
送信済みを確認したら、受信できたか確認するためにAmazon S3コンソールを開きます。次にAmazon SESで作成したAmazon S3バケットでテストEメールアドレスから受信ができたか確認します。受信ができていたら最低限のEメール受信設定は完了です。
AWSでEメール送受信できると可能性が広がる
Amazon SESは、Amazon LambdaやAmazon EC2、Amazon S3などと連携し、カスタマーへ大量のEメールマガジンを送信したり、受信した場合の自動応答など、様々な効率化された付加処理や運用コスト減を実現できます。
Eメールコンテンツを最適化し、顧客の行動履歴に沿った内容のEメールを送信すると低評価を避けることもできるでしょう。
まずは、無料でAmazon SESのEメール送受信を試してみましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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