2022/08/9

AWS MLとは?AWSの機械学習関連サービスをご紹介!

 
  

ML(機械学習)とは


MLとはMachine Learning(機械学習)の略です。そもそも機械学習とは何でしょうか。
機械学習(ML)とは、過去の経験から自動的に学習して改善していくアルゴリズムを指します。顔認識や自動翻訳、音声認識、スパムメールの判定などに幅広く応用されています。

例えばスパムメールか、そうでないかの判定を行うとします。この時、プログラマが判定アルゴリズムを考えて実装するのではなく、スパムメールと非スパムメールのデータを用意して学習させて、自動的に判定アルゴリズムを生成する方法が機械学習です。

機械学習は現在では様々な分野に応用されています。AWSには数多くの機械学習関連のサービスがありますので、次節以降で紹介していきます。

AWS ML(機械学習)のラインナップ


AWSには、ML(機械学習)に関連する多くのサービスがあります。AWSでのML関連のサービスは、AIサービス、SageMaker 、既存フレームワーク利用の3通りに大別されます。

作りたいアプリケーションの目的と、機械学習を利用したサービスを作りたいのか、あるいは機械学習そのものを作りたいのかによって、これらのサービスを選ぶことになります。

AIサービスは、画像認識や翻訳などの特定のアプリケーションに特化したサービスです。機械学習部分はすでに組み込まれており、自分で作る必要はありません。つまり、AIサービスで実現されている機能でよければ、機械学習の知識は必要なく、サービスを呼び出すだけで実現できます。

機械学習モデルを自分で作っていきたい場合には、SageMakerを利用するとよいでしょう。
また、既存フレームワークについては、TensorFlowやPyTorchといったメジャーなフレームワークを利用することが可能です。

AWSのAIサービス


AWSにはAIサービスとよばれる、動画分析や翻訳など、機械学習(ML)を利用した様々なサービスがあります。

機械学習を利用したサービスではありますが、機械学習(ML)部分はすでに組み込み済みなので、ユーザーは特に意識することなくサービスを利用可能です。
例えば、以下のようなサービスがあります。

リアルタイム翻訳 Amazon Translate
テキスト読み上げ Amazon Polly
画像とビデオの分析 Amazon Rekognition
テキスト分析 Amazon Comprehend
文字起こし Amazon Transcribe
自動化コードレビュー Amazon CodeGuru
チャットボット Amazon Lex
需要予測 Amazon Forecast
ドキュメント分析 Amazon Textract
エンタープライズ検索 Amazon Kendra
レコメンデーション Amazon Personalize
不正防止 Amazon Fraud Detector

以降の節で、主要なサービスについて掘り下げてみていきます。

画像とビデオの分析サービス Amazon Rekognition

Amazon Rekognitionは、画像とビデオを分析するサービスです。具体的には、人間の顔認識や、シーンの分析(どんな物体が映っているか)、画像の中に映っている文字を解析といったことができます。

また、顔認識では、表情や性別、年齢の推定といった機能もあります。これらの処理には内部で機械学習(ML)技術が使われていますが、ユーザーはこれを意識する必要がありません。

AWSの他のサービスと同様に、コマンドラインやAPI、コンソールから呼び出すことで利用できます。

テキストをリアルな音声に変換 Amazon Polly

Amazon Pollyは、テキストを音声に変換する、いわゆるテキスト読み上げサービスです。

日本語、英語を含む複数の言語に対応しており、男性/女性を選ぶこともできます。このサービスも、機械学習(ML)の技術を利用していますが、ユーザーはこれを意識する必要なく手軽に使えます。

テキスト翻訳 Amazon Translate

Amazon Translateは、高速で品質の高い、AWSの機械翻訳サービスです。

他のAIサービスと同様に機械学習(ML)技術を利用しています。Amazon Translateは複数の言語に対応しており、またAPIを経由してのアクセスも可能です。

AWS SageMaker


Amazon Sagemakerとは、機械学習モデルを作成し、トレーニングして実行するまでの一連の流れを効率化するためのAWSのサービスです。機械学習のモデルを作成するには、大量のデータを用意する必要があります。

また、それらのデータを学習用と評価用に分離したり、判定するためのラベリングをしたりといった作業も必要です。また、機械学習モデルを学習するにも実行するにも、専用の環境を作っていく必要があります。

Amazon Sagemakerは、これらの作業を効率よく行えるように準備された機械学習専用のサービスです。

Amazon Sagemakerは、さらにAmazon Sagemaker StudioやAmazon Sagemaker Neoなど、いくつかのサービスで構成されます。主要なこれらのサービスについて、次節以降でさらに詳しく紹介します。

Amazon Sagemaker Studioとは

Amazon Sagemaker Studioは、機械学習用に作られたWebベースの統合開発環境です。
機械学習モデルの構築、学習、実行の各ステップがWebベースのインタフェースで実行可能です。機械学習分野で広く使われているJupyter Notebookベースの環境が含まれます。

また、TensorFlow、PyTorchなど、機械学習分野で広く使われている一般的なフレームワークをサポートします。

Amazon Sagemaker Ground Truthとは

Amazon Sagemaker Ground Truthとは、機械学習用の学習データのラベル付けのためのAWSサービスです。機械学習で学習に使用するデータには、どのクラスに該当するのかの情報(ラベル)を付加する必要があります。

例えば人認識であれば、学習用の画像には「人なのか」「人でないのか」の情報(ラベル)を付けたうえで学習処理を行います。

Amazon Sagemaker Ground Truthは、このラベル付けの作業を簡単にするためのサービスです。使用できるデータは3次元点群、動画、テキストおよび画像です。ある程度自動的にラベル付けを行う機能や、ラベル付け作業の担当者とデータをやり取りする機能があります。

Amazon Sagemaker Neoとは

Amazon Sagemaker Neoは、構築した機械学習モデルを最適化して高速に実行するためのサービスです。一般的に機械学習したモデルで推論を実行するには、高いパフォーマンスのプロセッサや大量のメモリが必要ですし、処理時間もかかります。

Amazon SageMaker Neoでは、ターゲットハードウェアを指定すると自動的にそのハードウェアに対応して学習済みのモデルを最適化します。このため高いパフォーマンスが実現可能です。

フレームワークとしては、DarkNet、Keras、PyTorch、TensorFlowなどの一般的によく使われるものをサポートしています。

AWSで既存の機械学習フレームワークを利用するには


機械学習(ML)モデルを作るためのフレームワークとして、TensorFlow、PyTorch、Kerasなどが一般的です。

AWSでこれらのフレームワークを利用するため、AWS EC2インスタンスを立ち上げてそれぞれのツールをインストールしてもよいですが、手間がかかります。
そこで、これらが事前にインストールされたAWS深層学習AMIが用意されています。

AWS深層学習AMIは、一般的な機械学習フレームワークとインタフェースがインストール済みのマシンイメージです。このAMIを利用してEC2を起動することで、すでに機械学習フレームワークがインストールされた状態から作業を始めることができます。

機械学習のトレーニングや学習モデルの作成などに活用できるでしょう。

AWS MLサービスを活用して、機械学習にチャレンジしよう!


AWSのML(機械学習)に関連するサービスを見てきました。AWSにはML(機械学習)に関連して、AIサービス、Sagemaker、既存フレームワーク利用といったサービスがあります。

AIサービスでは画像認識や翻訳、文字起こしなど、アプリケーション別にサービスがあり、これらは機械学習を意識することなく利用できます。機械学習モデルを自分で作りたい場合にはAmazon Sagemakerを利用するとよいでしょう。

また、TensorFlowなど既存フレームワークを組み込んだAMIもありますので、これを利用することもできます。目的に応じてAWS MLを活用して、機械学習にチャレンジしてみましょう。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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